Windows 10 ゲームマラソン
「ガンダムジオラマフロント」 ブラウザでも手軽に楽しめるオンラインシム
アムロからキラ・ヤマトまで! 歴代ガンダム総出演のRTS
(2015/8/27 12:00)
「ガンダムジオラマフロント」はバンダイナムコオンラインが3月からサービスを開始したオンラインシミュレーションゲーム。歴代ガンダムシリーズのモビルスーツ(MS)が多く登場し、一部キャラクターはアニメと同じ声優が名セリフをしゃべりまくるのが特徴で、ガンダムファンも満足の作りになっている。本日の「Windows 10ゲームマラソン」では「ガンダムジオラマフロント」を取り上げたい。
Windows 10への対応状況(8月15日現在) | |
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動作状況 | ★★★★(快適に動作) |
メーカー対応 | 正常動作を確認 |
Windows 10独自機能 | Xbox App、Game Bar、GameDVR |
不具合報告 | ブラウザ版はMicrosoft Edgeでは起動せず(IE11では正常動作を確認) |
サポート情報 | 「Windows 10」への動作対応について |
歴代ガンダムシリーズのMSがちょこまか動く初心者向けRTS
本作のシステムは、ユニットをリアルタイムで操作するリアルタイムストラテジー(RTS)タイプのシミュレーションだが、リアルタイムで行なうのは攻撃のみで、防衛は配置した施設に任せるというタワーディフェンスタイプの複合型シミュレーションだ。通常のRTSでは攻撃をしながら同時に防衛についても気を配る必要があるが、本作は攻撃のみに集中できるのでRTSに馴染みのないユーザーでも気軽にプレイできる。
RTSの魅力である小さなユニットがちょこまかとAIで判断して動作する様子は見ていて楽しい。これをガンダムシリーズに登場するMSをユニットとして気楽に楽しめるのは本作の大きな特徴だ。
基本的なゲームの流れは敵のジオラマベースに対して、戦艦に搭載したMSやモビルアーマー(MA)を送り込み、3分の制限時間内にフロントコアと呼ばれるジオラマベースの核を破壊するのが目的だ。その他に設置された施設もガンガン破壊可能で、時間内に多くの施設を破壊するほど戦闘終了時のボーナスが増える。
資源や資金を調達したらそれらを利用して自身のジオラマベースを強化していく。資源は資源プラント、資金はゴールドプラントの数を増設するか、レベルアップさせることで蓄積可能な資源や資金の上限も増加する。ジオラマベースの核となるフロントコアはそれ自身のレベルアップも必要で、フロントコアのレベルが上がるほど、各プラントの増設やレベルアップが可能になる。防衛設備は防壁、バルカン、射撃タワーなど6種類を用意する。
最初は1種類しか出撃できないMSも、モビルスーツラボで開発することでどんどん増やせる。モビルスーツラボはProduct 1~3の3種類があり、それぞれ開発可能なMSのガンダムシリーズが異なる。Product 1は初代ガンダム、Zガンダム、逆襲のシャア、MSVなど最初の宇宙世紀シリーズ、Product 2ではF91、Gガンダム、Vガンダムなどそれ以降のシリーズ、Product 3はSEED、00の新シリーズだ。MSごとに系統があるため、いきなり強いMSの開発はできず、順序立てて開発を行なう必要がある。モビルスーツラボ自身のレベルアップで更に強いMSの開発も可能だ。
ジオラマベースには最初から廃墟がいくつか点在しており、これらを修復することで、施設として利用できるようになる。たとえばモビルスーツラボは最初は1種類しか利用できないが、モビルスーツラボの廃墟を修復することで3種類全て利用できるようになる。また、MSを搭載するための戦艦を開発する造船所も最初は廃墟なので、修復が必要だ。
各設備の増設やレベルアップを同時に行なうためにはビルドセンターの増設が必要だ。最初から2基のビルドセンターが用意されているが、さらに増やすには課金(バナコイン)が必要になる。
ゲームのプレイにはクライアントアプリのほか、ブラウザ版(β版)が用意されている。これらのWindows 10での動作状況を試してみたところ、クライアントアプリの動作は特に問題はなかった。ブラウザ版についてはEdgeに対応していないため動作しなかったが、Internet Explorer 11では正常に動作した。なお、ブラウザ版はWindows用のUnity Web Player上で動作しているが、Unity Web PlayerがWindows 10に正式対応していないため、同社では動作保障対象外としている。
Xbox Appにはクライアントアプリの起動に使う「バンダイナムコランチャー」のみ登録が可能。Game BarやGame DVRについてはアプリ版、ブラウザ版ともに利用が可能だった。なお、本作のクライアントアプリにはフルスクリーンモードがなかったので、ディスプレイ解像度と同じ1,920×1,080ドットに設定して試したが、この状態でもGameDVRは正常に動作した。
エース型MSはセリフ付きで演出もド派手! 後半は均等な成長とバランスが鍵だ
ゲームの主役であるMSやMAのユニットは、大きく分けると量産型とエース型の2種類があるのも大きな特徴だ。量産型の特徴は出撃時にコストがかかることと、1種類のユニットで複数機の出撃が可能なこと。エース型はそれぞれアニメ内で登場したパイロットが付き、1ユニットにつき1機しか出撃できないが、コストがかからないほか、量産型と比べると性能が非常に高い。
その他にも、エース型についてはそれぞれ特殊スキルが用意されており、戦闘中に「G-BURST」のゲージが貯まったところでこちらから指示するとパイロットの画像がカットインし、一定時間強化される。ただし、エース型は出撃時に負傷すると、回復するまで一定時間出撃ができなくなる。
例えば初代ガンダムでもお馴染みのシャア・アズナブルが搭乗するエース型MSは、ザク、ズゴック、ゲルググ、ジオングと4種類用意されており、出撃時や戦闘終了時、戦闘中、特殊スキル発動時などに「私が出るしかないようだ」、「戦いとはいつも2手3手先を考えておこなうものだ」などの名ゼリフを次々と発する。中にはアニメ内のセリフを本作向けにアレンジした「勝利の栄光を皆に! 」(原文は「勝利の栄光を君に」)など、ゲームならではのセリフが聞けるのもファンにはたまらない。シャア搭乗のMSは移動速度がアップする特殊スキルも備えるので、発動時は通常のザクの3倍近い速度で移動するなど、こだわりも感じられる。
本作は通常のストラテジーゲームにこのエース型MSという要素を加えたことで、戦争をテーマにしたアニメながらも特定のパイロットの搭乗する機体が活躍する「ガンダム」シリーズらしさをうまく再現できていると感じた。
エース型、量産型ともにMSにはそれぞれ特徴が設定されており、近接攻撃が主な「ウォーリア」、防壁の外からでも攻撃できる「シューター」、移動速度が速い「ブースター」、HPが高い「ガーディアン」、防壁の破壊が得意な「クラッシャー」、空中を移動する「フライアー」の6種類を用意。そのほか、AIの行動パターンとして、無差別に施設を破壊する「無差別」や、砲台を優先して攻撃する「砲台優先」などがあり、これらのMSを組み合わせて、より効率的に敵のジオラマベースを攻略していく。
この辺りのシステムを理解して量産型MSとエース型MSをうまく出撃させないと、たとえエース型MSが強力で、孤軍奮闘の働きを見せても、戦況は改善されることなく敗北を喫することとなる。エース型MSだけいればどうにかなるような単純な作りにはなっておらず、シミュレーションゲームとしてもしっかり作りこまれている。
敵のジオラマベースの攻略はいつでも出撃できる「制圧戦」がメインだ。世界地図をベースにエリアが分けられ、各エリアに複数のジオラマベースが配置されるので、これを攻略していく。エリアごとにエリアミッションと呼ばれるクリア条件が用意されるのでこの条件を満たしつつ、エリア内の全てのジオラマベースを攻略し終えればクリアとなり、次のエリアに進む、という流れとなっている。
最初のうちは各施設の増加や強化など、やることが非常に多いので、とにかく上げられるだけ各施設を強化し、MSをガンガン開発していくのがいいだろう。序盤は施設の建設時間も短いので、建設している間にどんどん「制圧戦」に出撃して資源や資金を稼いでくる。特に序盤のジオラマベースは防衛施設も少ないので、AIの行動パターンなどを気にせずガンガン量産型を出撃させるだけでも力押しで完勝できる。
しかし、自身のフロントコアのレベルが5くらいになってくると、建設にもMSの開発にも時間がかかるようになってくるほか、敵のジオラマベースの防衛設備も強化されていき、作戦を立てて攻めることが重要になってくる。たとえばフロントコアや砲台が防壁で囲まれたような場所では、防壁を破壊できるクラッシャー型のMSを先に出撃させて、その後ろから砲台優先で攻撃するMSを出して砲台を撃破させる、といった感じだ。なお、「制圧戦」をクリアできなかった場合、再度同じエリアをやり直すことになる。
また施設やMS、戦艦など全てを均等に育てつつフロントコアのレベルを上げていかないと、途中からパタッと勝てなくなる。敵の防衛施設に対して、こちらの数が足らなかったり、火力が弱かったりといった具合だ。こうなった場合は、時間をかけて少しずつ設備を増やしたり、出撃するMSの組み合わせを検討するなど、勝つための工夫が必要になってくる。敵のジオラマベースを攻める前には相手の状態を偵察して見ることができるので、敵陣の構成に応じてMSの編成を変えてみるのも手だ。
他にも、階級制度が用意されており、階級を上げるための「階級戦」が「制圧戦」とは別に開催されたり、MSやMAを自分のジオラマベースの防衛に使える「ブートスタンド」、出撃時のMSの基本性能をアップすることが可能な「サポーター」機能など、豊富な機能が次々と解放されていくので、後半はできることを色々試して勝利への道を模索していくことになる。
アップデートやキャンペーンも豊富で、現在、新たに始めるプレーヤーには「新任司令官応援キャンペーン」として最初から利用できる量産型MS「ベアッガイ」のほか、各種素材がプレゼントされる。また、8月11日のアップデートでは開発済みの量産型MSやMAの基本性能をアップさせる「テクニカルラボ」の機能が追加になり、直近8月25日以降のアップデートでは、エースユニットに様々なアビリティを追加することができる新要素「ユニットアビリティ」や「同盟討伐戦『UC計画 宇宙世紀百年の刻』イベント」の実施など、今後もさらにいろんな要素が追加されていくようだ。
本作は序盤の取っつきやすさとは裏腹に、レベルが上がるほどしっかりシステムを把握して計画的に強化していかないとかなり苦戦する本格的な要素も含んだシミュレーションゲームに仕上がっていると感じた。後半になるほど、より強力なMSやMAが使えるようになるので、今までRTSに馴染みのなかったガンダムファンでも、そうした新たなMSやMAを目的にゲームをやりこめれば楽しくなっていくことは間違いない。