山村智美の「ぼくらとゲームの」

連載第34回

【特別回】任天堂の新ゲームハード「Nintendo Switch」について、いろいろと考えてみた話

この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。

ついにその姿を見せましたね、新型ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」!

以前より2017年3月に発売予定として、「NX」という開発コード名のみが伝えられていた任天堂の新型ゲーム機。これがついに動き出しました。10月20日の23時にYouTubeにて約3分のコンセプトムービーが掲載されたのですが、みなさんはご覧になられましたでしょうか?

まだ観ていないという人は、まずご覧ください。

リビングでゲームを楽しむ男性が、「そろそろ散歩に連れて行けワン!」と言わんばかりに愛犬に吠えられ、「やれやれ……でも、“これ”なら大丈夫」と、テレビ横にセットされていた「ニンテンドースイッチ」の両サイドにジョイコンをガチャッと装着! そのまま本体をスッと持ち出し、明け方の公園で愛犬が遊んでいる傍らで家での続きをプレイ。ゲームに夢中なあまりだんだん日が昇ってきている様子が映し出されて、愛犬が「おい、そろそろ帰ろうワン!」ともう一吠え。

いやぁ、見せ方がお上手です……。

とまぁその冒頭からもすぐにわかるとおり、据置機としても携帯機としても扱える、ハイブリッドなゲーム機というわけですね。

ムービーではその後にも、

画面がある本体部分をスタンドを使って立てかけ、左右のジョイコンは取り外して両手に握ってのWiiのリモコンとヌンチャクを彷彿とさせるプレイスタイル。(モーションコントロールがあるのかはわかりません)

ジョイコンの左と右を片方ずつ2人で持って2人プレイをしているところ。

ジョイコンを装着したままの「ニンテンドースイッチ」をドックにセットして、スタンダードなパッド型コントローラー「ニンテンドースイッチプロコントローラー」でプレイする様子。

そうした「シーンを選ばず、いつでも好きなスタイルで楽しめる。」

「名前のとおり、スイッチ(切り替え)できる。」

というコンセプトを伝えるシーンが満載でした。

ちなみに、ニンテンドー3DSライクなカードタイプのソフトを「ニンテンドースイッチ」本体上部のカードスロットに入れているところもありましたので、そこも見所でしたでしょうか。と言っても、携帯ゲーム機のようにも使えるというコンセプトである以上、カードタイプでの供給になるのは当然とも言えますが。

さてさて、皆様のご感想はどんなものだったでしょうか?

これはもうあれですよね。ゲーム好きなら誰もが1度は考えたことのある「据置にも携帯にもなるゲーム機が出たらいいのに!」という、それそのもの。

画面出力の切り替わりや、ジョイコン着脱がスムーズにできるのが映像からは伝わってきますし、ハイブリッドな使い方を誰でもスマートに扱えるのが感じられて、僕も「これはいい感じ!」とテンションが上がりました。

ですが、

やっぱり職業病と言いますか、ワクワク気分だけで終わるわけにはいかず、あれやこれやを考えていくことになるわけでして。

そこで考えを巡らせた結果、最終的に1番重要になるポイントは「価格」だったんですよね。

あぁっ!「そんなの当たり前じゃないか!」ってお叱りの声が聞こえてくるかのようですが、そこに行き着くのには順序があるんです。

まず考えたのは、「ニンテンドースイッチ」についてのプレスリリース冒頭にある

“家庭用据置型テレビゲーム機の娯楽体験を切り替える”

という言葉でした。

据置にも携帯にも使えるハイブリッドなゲーム機である「ニンテンドースイッチ」ですが、ここでは据置型ゲーム機を念頭に伝えています。

確かに「Wii U」に続く新型機という位置付けの方が強いとは思うのですが、「ニンテンドースイッチ」は、

“テレビ出力を手軽に行なえる携帯ゲーム機”

という言い方の方が、少なくとも僕はしっくりくるんですよね。

HDMIケーブルで接続された「Nintendo Switch ドック」でテレビやモニターに出力するというギミックからも、ニンテンドースイッチというゲーミングシステムの中心=コアはあくまで“ポータブルな本体である”と言えます。

また、「Nintendo Switch ドック」で充電しながら使うことで、バッテリー消費を気にしない100%のパワーで動作させ、取り外すと、出力解像度をポータブルサイズに切り替えつつ、バッテリー消費とのバランスを取ったパワーで動作させるのでは……というような想像もできます。

もしかしたら、「Nintendo Switch ドック」に充電&HDMI出力&USBなどの各種ポート拡張以外にも、まだ何か特殊なギミックがある可能性はありますが……。

こうしたところからもやはり、“テレビ出力を手軽に行なえる携帯ゲーム機”という表現の方が理解しやすいのかな、と思えるんですね。

それでも、“外にも持ち出せる据置ゲーム機”という言い方とは、そこまで大きな差はないと言えばないですし、細かい話なのですけども。でも実際のところ、携帯ゲーム機のように扱えば、利用シーンやその使い勝手はニンテンドー3DSと被ってくるのではと思います。

そこで次に考えたのは、「じゃあ、ニンテンドー3DSは今後どうするのだろう?」ということなんですね。「Wii Uに置き換わる新世代の存在なのはわかる。では、ニンテンドー3DSは?」と。

ここが難しいところなんですよね。当たり前ですけどスペック的には間違いなく3DSより上位の存在であり、最新のゲームが今後はこちらで遊べるとなれば、携帯ゲーム機というフィールドも3DSから「ニンテンドースイッチ」へと置き換わっていくのは必然と言えます。

ですが、

そこで重要になるのは……やっぱり「価格」です。

「ゲーム機は3DSだけ持っている」というような人もたくさんいますよね。特に日本は。その人たちに「次の新しいゲーム機だよ(据置機みたいにも使えるんだよ)」と見てもらったときに、「ニンテンドースイッチ」のシステム諸々全部セットで高価な価格設定になっていると、厳しい反応が待っていそうです。

携帯ゲーム機はお手頃な価格でこそ、というのがありますよね。

そうしたところから次に想像したのは、「ニンテンドースイッチ」の本体(この記事で言うコア)+ジョイコン(左右+ジョイコングリップ)のみの、「コアパック」的なパッケージで売るのでは、というものです。

それで控えめな価格に納まってくれると、携帯ゲーム機の流れで注目する人にもいいのかな……と。

同時に、そのほかの「Nintendo Switch ドック」や「ニンテンドースイッチ プロコントローラー」などは、別売りのオプション品として販売、またはそれらが全部入った「フルパック」みたいなものも用意するというような形かもしれません。

ようするに、据置にも携帯にも使えるゲーム機だから、売り方も両方の人にアプローチするのかな、必要になったらオプションを拡張してね、というシステムの提案なのかなと考えたわけでして。

ただこれだと、「ニンテンドースイッチ」の特徴である“切り替わり”が本体のみのパックだと味わえないという見方もありますし。非常に難しいです。

もちろん、単純にニンテンドー3DSのような“純粋な携帯ゲーム機の路線”は、特に言及はなく、今後も続けていく可能性があります。

小さなお子さまに向けていく路線というのも「ニンテンドースイッチ」だとちょっと複雑かな? とも思えるんですよね。

僕の個人的な注目ポイントはそのあたり、そして、そこからの価格設定に向いているというのが現状です。

プレイ環境を問わないというアプローチは、据置機として使いたい人向け、大型テレビなどのプレイ環境が既に整っている人向け(大は小を兼ねる状態で、携帯ゲーム機的にも使えるのが小という位置付け)なところもあるので、先のプレスリリースには“家庭用据置型テレビゲーム機の娯楽体験を切り替える”と、据置機に軸足を置いた記述になっているのかな、とも思えます。

というわけで、「ニンテンドースイッチ」のPVを昨夜に最初に見た時には「これはいい感じ!」とテンションが上がったのですが、お仕事的にいろいろ考え始めると、先を読み取るのがとっても難しくて、悩みに悩むことになりました。正直、どうなるのかが未知数なところがありますね。

この他に気になったのは、「タッチスクリーン操作が可能なのか」ですね。今回公開されたPV中にはそういうタッチ操作をするシーンがなかったのですが、非搭載というのはちょっと考えづらいかなと思えます。タッチ操作が可能ならば、ジョイコンもなしのスマートフォン的な利用スタイルも当然出てくると思うのですが……。

もしかすると、今後、第2弾、第3弾とPVを公開していく予定で、そのなかで明かされていく機能というのが、まだまだあるのかもしれません。

任天堂の他のハードとの互換があるのかどうか(特に、やはり3DSタイトルですよね)、バッテリーの持ちも気になりますし、なにより価格や販売パッケージのバリエーションがどうなるのか……など、今までにないアプローチのハードだけに、興味も尽きません。

いろいろと想像しつつ、今後の新たな情報公開を楽しみに待ちたいところです。

ではでは、今回はこのへんで。また来週。