山村智美の「ぼくらとゲームの」
連載第33回
PS VRで「ダライアス」が楽しかったり、PS VR中の酔いやスマホチェック問題について考える話
2016年10月19日 12:00
この連載は、ゲーム好きのライター山村智美が、ゲームタイトル、話題、イベント、そのほかゲームにまつわるあれやこれやを“ゆるく”伝えるコラムです。毎週、水曜日に掲載予定。ちなみに連載タイトルは、本当は「ぼくらとゲームの間にある期待の気持ち」。新しい体験の、その発売を、いつでも楽しみにしている期待の気持ち。そのままだと連載タイトルとしては長すぎたので……「ぼくらとゲームの」。
今週もこんにちは、山村智美です。どうでしょうか!? PlayStation VRに触れてみましたか? 自分でゲットできたーという人も、知り合いが買ったので体験させてもらったーなんていう人もいらっしゃるでしょうか。
かくいう自分はというと、やってますよ、適度に。(“適度に”の理由は後述します)
これまでお仕事で約2年に渡って、ちょこちょこと各所でPS VRを体験させてもらってきた僕ですが、いやぁ、家でリラックスしてプレイすると破壊力が違いますね。
おそらくPS VRを購入した人の大多数が購入したのでは……と思える「サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム(基本ゲームパック)」ですが、僕ももちろん購入しました。
距離感が近い!
無防備!
あんなのドキドキするに決まっているじゃないですか。
某“曲を聴くイベント”では、
「うわーこれはあかんよ、こんなん100%好きになるに決まってるじゃん!」
なんて1人でブツブツ言ってました。
一方で、先週もオススメしましたが最高なのは「Rez Infinite」です。
新ステージ「Area X」は、おそらく現時点でPS VRで楽しめる最高の体験だと思います。
一方で、そんなにゲームやらないという人にもVRを体験してもらうときには
「Allumette」がいいですね。マッチ売りの少女をモチーフにした物語が楽しめる映像コンテンツなのですが、目の前に本当にあるかのようなミニチュアな世界や人形が生きているかのように動く様子は、ちょっと魔法チックな感動がありますよ。
一風変わったところでは、PS4用シューティングの「ダライアスバースト クロニクルセイバーズ」やアーケードアーカイブス「ダライアス」をPS VRのシネマティックモードでプレイすると楽しい、というものが話題になっていました。
そこで、僕もやってみのですが、これ面白いです。
もともとシネマティックモードは、PS VR対応以外の映像は、映画館さながらに大きく表示できますよという機能なわけですが、ダライアスはそれに加えて2画面・3画面分の横長画面が特徴であり、画面の大きさや広さがさらに強調されるんですよね。
なので例えるなら、
「目の前に人が歩いていそうな通路があって、その通路いっぱいにダライアスの画面が映し出される」
みたいな感じになります。
……文章表現だとよくわからないですよね。
画像を作ってみました。こんな感じの見え方です。
かなり楽しいのでタイトルお持ちの方はぜひお試しください。
さてさて、PS VRを満喫しているっぽい僕が、それでも“適度に触っている”と冒頭に書いたのには、理由が2つありまして。
ひとつは“仕事で疲れていると酔いやすい”ということ。
もうひとつは“スマホの通知音が鳴る度にヘッドセットを外すのがしんどい”というもの。
“仕事で疲れていると酔いやすい”というのは、まぁ読んでそのままの意味なのですが、こちらのPS VR発売日レビューを徹夜で書いていたときになってしまったんですね。
僕はまず、ゲームで酔ったことがほぼないんです。かつて1人称視点のアクションパズル「Portal」の、上下にぐわんぐわんワープしまくるステージで1度だけ酔ったことがありますが(笑)。
それ以外はほとんど酔いを感じた事がなかったのですが、PS VRの記事をまとめるためPS VRの着脱とPCモニターとのにらめっこを交互にしていたところ、だんだんとキタんですよ。
おそらく「徹夜仕事で時間とともに疲れていく」、「記事を書くためにPS VRを着けていろいろチェックする」、「軽く酔い始める」、「軽い酔いと仕事によってどんどん疲れていく」、「より酔うようになっていく」っていう悪循環を辿ったのだと思いますが。
もちろんみなさんには、酔いを感じたら即座に休憩して頂きたいのですけど、僕の場合そのときは“時間との戦いと言えるお仕事”だったので、限界まで頑張らざるを得なく。
「これは慢性疲労気味なゲームメディア泣かせなデバイスだぞー」
なんて思ったりしていました。
ちなみに上のPS VR発売日レビューのなかで酔いに関する言及をあまりしていないのは、“無理をしている自分の体調が理由”と思えるからなんです。
よくよく考えると、酔うかどうかというのはもちろん個人差がありますし、普段平気な人だって、その日の体調によるんですよね。
なので、VR用ソフトの作りに対して酔いやすいかどうかを書くのは“誰の何を基準にするのか”みたいな悩みが出てきます。どちらにせよ「僕は酔った!」、「僕は酔わなかった!」みたいな主観を伝えるしかないわけですけど。
そのあたりもなかなか、ゲームメディア泣かせな話になりそうです。
とまぁ、そんなわけで、仕事疲れからのVR酔いを初体験してしまった僕は、「今は疲れているから元気なときにプレイしよう」というセーブ意識がついちゃったんですよね。それがあって、適度にプレイするのに留まったというわけです。
ちなみに今週の僕は、恒例とも言えるロングインタビューシリーズ(の外伝?)PS4「バトルガレッガ Rev.2016」インタビューも、僕がPS VR発売レビューとほとんど同時進行で進めていたので(そちらもお楽しみ頂けましたでしょうか?)。元気なときというのが今週はかなり少なかったというのも理由だったりします。酔うのも当たり前なぐらいに、ちょっと特殊な疲れっぷりでしたので。
とりあえず、酔いは1度味わってしまうと気持ちが向きづらくなったりもしますので。みなさんは体調の良い、元気なときにプレイするようにしてくださいね。
もうひとつの“スマホの通知音が鳴る度にヘッドセットを外すのがしんどい”というのも、仕事の忙しさから気がついたものなんですけど、これもやはり読んでそのまま。すぐおわかり頂けますよね。
仕事関連の連絡やらなにやらでスマホの音が鳴る度に、VRヘッドセットちょっとずらしてスマホを確認し、そこから込み入った連絡が必要そうならVRヘッドセットを完全に外す、という感じにどうしてもなってしまうんです。
これ結構、「スマホを定期的にチェックしないと落ち着かない」なんていうタイプの人にとっては大きなポイントなのではないでしょうか。
ここに関してはやはり、一時的に周囲を見えるようにする外側カメラをVRヘッドセットに搭載して欲しかった、という思いがあります。
ちなみにその経験から「なるほど」と納得したのが、ソニー・ミュージックエンタテインメントよりリリース予定のPS VR用アプリ「anywhereVR」。
こちらはPS VRとスマートフォンを連動させるアプリケーションで、PS VRで美しい景色を楽しみつつ、その中にスマホの画面も映し出して、操作できるというもの。まさにVRヘッドセットをしたままスマホチェックできるというものであり、このアプリはおそらく上のような経験から生まれてきたのかもしれません。
……このスマホ画面を映す機能、PS4側で標準搭載して欲しいぐらいです。
ゲームプレイの没入感が削がれる等の理由はもちろん重々承知なのですけど、ヘッドセット着け外しの手間をなくせる方がありがたく。リモートプレイ的な機能を使うのだと思われるので、対応するスマホは限られてしまうのだとは思うのですが。
もしくは、VRヘッドセットのゴーグル部分とフレームの付け根にヒンジが着いて、上にガパッと開けるようにするとかでも、手っ取り早いかもしれない。
このあたりどうにかして、いい感じになってくれるといいなぁと思います。
話は大きく変わりますが、秋葉原のゲームセンター「Hey」にて、「バトルガレッガ Rev.2016」のフィールドテストが10月14日~20日まで行なわれております。
PS4版に準拠したWindows基板版でのテスト、ということで、家庭用に移植する20周年のゲームをアーケードでテストするという、不思議ながらも納得という試み。
こちらに先日行かせて頂いたのですが、たまたま運良く全国一位のスコアラーであるT3-神威氏のプレイを見ることができまして。かっこよかったですねー。シューティングゲーのスコアラーの人はなぜあんなに神々しく見えるのか。不思議でしょうがないです。
現地に行くのは厳しいという人でも、ニコニコ生放送やFRESH by AbemaTVで、配信が見られますので。サウンドは並木学氏によるパワーアップ音源ステレオ版サウンドになっていますので、ヘッドフォン推奨です!
ではでは、今回はこのへんで。また来週。