(2015/12/15 00:00)
11月26日よりクラウドナインより配信されたAndroid/iOS用RPG「ワールドギミック」。キャラクターデザインに「スカイロック」の幹大樹氏、脚本にアニメ「テラフォーマーズ」シリーズ構成を担当したヤスカワショウゴ氏、サウンドに「ダンガンロンパ」シリーズなどを手掛ける高田雅史氏など、豪華制作陣を迎えて制作された注目アプリだ。
肝心のゲーム内容も、350以上の登場キャラクター、戦略性の高いバトルシステム、多人数で同時に遊べるコンテンツなど、プレーヤーを楽しませるための要素が満載。今回は、そんな「ワールドギミック」を筆者がじっくり遊んでみたので、さっそくそのプレイレビューをお届けしていこう。
「ワールドギミック」とは?
ゲーム性について語る前に、まずは本作の世界背景について解説しよう。「ワールドギミック」の物語は、かつて人間と竜族が共存していた世界において、ドラゴンの力を恐れた人間たちが竜族に戦争を仕掛けたところから始まる。しかし、破壊と創造の竜・ローデンライトがその命と引き換えに魔力を放出、世界をリセット。かろうじて生き延びた人間たちは、魔力の残るローデンライトの身体を6つに分け封印する。それから1,000年の時を経て、人間は6つの王制国家を築くほどに繁栄を遂げ、また、それらの国からなる連邦議会政府を、ローデンライトが死んだとされる場所、ドラゴニオンに設置した。
一方、竜族の崇高なる力に陶酔するナザム教団という団体は、連邦議会政府に対抗し、人と竜の和睦を成り立たせるべくローデンライトの復活を願い、6つの竜の遺物奪取を目論む。連邦議会政府の置かれるドラゴニオンの民は、その野望を阻止すべく竜の遺物の回収に乗り出し、かくして連邦議会政府とナザム教団との争いが繰り広げられることとなる……。
本作のあらすじはこのような感じだが、ゲーム中に登場するキャラクターは、その6つの王制国家と連邦議会政府のあるドラゴニオン、計7つの国それぞれのイメージが、キャラクタービジュアルで表現されている。例えば、「騎士の国 フランベルク」のキャラクターはスーツ&西洋甲冑、「竜の国 ドラゴニオン」のキャラクターならオッドアイと竜の羽&テクノロジー、といった具合で、外見のテーマが決められているのだ。
また、本作は進化の部分においてもビジュアルに力を入れている。例えば進化前が幼少期、進化後は成長後、という感じで、同じキャラクターでもビジュアルも大きく変貌を遂げるのである。お気に入りのキャラクターを進化させたときに、ステータスだけでなくその頭身も一気に増えたのはなかなか新鮮な感覚だったが、単に武装や衣装が変わるよりも強くなっていることがわかりやすいのは面白い。ただし、制作側の労力は相当なものなのだろうが……。
一筋縄ではいかない! バトルの楽しさに特化したRPG
「ワールドギミック」は、スマートフォン用のRPGにおいて主流である、用意されたクエストを順にクリアしていくタイプのゲームだ。パーティに組み入れるキャラクターをガチャによって入手し、パーティキャラクターの強化を重ねてより難易度の高いクエストへと挑む。
……と、これだけを見ればあくまでも普通のスマホRPGといった感じの本作だが、実はバトル部分が非常にユニークな作りとなっていて、そこがほかとは一線を画する面白さを生み出している。
というわけでまずは、本作最大の面白さが詰まったバトルについて解説していきたい。やや特殊なルールではあるが、決して難しくはないのでご安心を。ここでルールをしっかりと把握しておけば、いざプレイを始めても十分に楽しめることは間違いナシだ。
通常のバトルでは、1回につき3~5体の敵パーティと戦うのが基本で、いずれも敵を全滅させることで勝利となる。基本的に、後半のバトルほど敵が強くなる傾向にあるほか、最終バトルの敵を倒すまで体力は持ち越しのため、前半に余計なダメージなどは受けないように立ち回らなくてはならない。
ボスの待つ最終バトルに勝利すればクエストクリアで、そこで初めて報酬なども獲得できる。なお、途中で敗れた場合でも、ダイヤを3個支払えばその場から全開して再戦が可能。どうしても勝たなくてはならないときに利用するといいだろう。
以下では流れを追って内容を紹介していくが、中でもタイトルにもある「ギミック」は本作の大事なポイントとなるので、注目していただきたい。
●まずはシールドを破壊
本作では敵味方問わず、バトル開始時には誰もが「シールド」を展開した状態になっている。このシールドは非常にやっかいで、シールド展開中の相手に攻撃してもダメージは通常の半分ほどしか与えられない。そのようなこともあり、まずはこのシールドを破壊することが最初の目的となる。
難しい理屈を抜きで語るのであれば、シールドを破るには、自分のターンが来たら1体の敵キャラクターに対して集中的に攻撃を仕掛けていけばいい。つまり、戦闘開始と同時に画面下部にあるキャラクターアイコンをすばやくタップしまくればOK、ということになる。その理由については以下の通り。
まず、シールドには耐久値(数値としては表示されない)があり、通常は「クリティカル攻撃」を一定量当てることでそれを減らすことができる。シールドの耐久値がゼロになればシールドは破壊され、以後は普通にダメージを与えられる。このクリティカル攻撃を発生させる条件が「複数のキャラクターによる同時攻撃」となっているため、それを狙うべく、すばやいタップが重要となってくるというわけだ。
なお、シールドは杖、オーブ、魔道書といった魔法タイプの攻撃を当てれば30%の確率で破壊することもできる。そのため、連続攻撃の起点に魔法タイプの攻撃を選び、かつ、一気に集中攻撃をすれば、シールドを破壊できる確率はより高まる、ということになる。
普段はそのような形で問題ないが、キャラクターの中には、パッシブスキルの効果によって単体でもクリティカルを出せたり、シールドを直接破壊できるキャラクターも存在する。もちろん、そのような強力なキャラクターはなかなか入手できる機会も少ないが、そういったキャラクターが味方にいる場合はうまく利用してシールドを片っ端から破壊し、早いタイミングで敵の数を減らしていくのが得策だ。
●バーストゲージを溜めてバーストアタックを放て!
めでたくシールド破壊ができたら、つぎはシールドが壊れた敵キャラクターを集中攻撃していくといい。また、そうすることで「バーストゲージ」も溜まっていく。バーストゲージとは、バトル中の画面左中段にある矢印型のゲージのこと。これは、敵を攻撃したときのさまざまな要素によって溜まるが、シンプルに表現すればシールドを破壊した敵をすばやく集中攻撃すればOK、という感じになる。
その際、クリティカル攻撃が発生したり、当てた攻撃が敵の弱点属性であったり、コンボ数を増やしたり……というさまざまな現象が発生することで、バーストゲージの溜まり方はより早くなる。なかでも弱点属性による攻撃や、コンボ数の上昇は自分で狙うことができるので、積極的に実行していきたい。
バーストゲージが溜まれば、いよいよ「バーストアタック」の発動チャンス到来だ。まず、バーストゲージがフルになることで5秒間のカウントダウンがスタート。これがゼロになる前に、「BURST」と表示されたキャラクターアイコンを上方向にフリックすれば、バーストアタックが発動する。
しかし、バーストアタックはこれだけでは終わらない。もし、放ったバーストアタックにより、バーストゲージが再度満タンになれば、ほかのキャラクターのバーストアタックを続けて放つことも可能となるのだ。これを利用すれば、助っ人も含めて最大5人のキャラクターによるバーストアタックのコンボをつなげることもできる。さすがに5人ともなれば、ものすごい破壊力になるので、ぜひとも狙っていきたいところだ。
なお、バーストアタックのコンボを2人以上続けることができた場合は、さらに「バーストチェイン」という追撃も可能。これは、条件を満たせば自動的にバーストアタック終了直後、画面上にカットインが表示され、直後に2~5秒間(バーストアタックの人数により変化)画面下部をタップするというアクションだ。最終的には、ここでタップした回数に応じたダメージを与えることができる。
ちなみに、バーストアタックは1回放ったあとは、次回発動できるようになるまでにかなりのターン数を必要とする。その点を考えると、序盤の敵に対してはバーストアタックを使わずに進み、バトルの最後に控えるボス戦で一気に解放、という形がよさそうだ。
●突如として出現する障壁「ギミック」に注意
バトルの最中、とある条件を満たすと、いきなり敵が強くなったり、味方が強化または弱体化するなどといった現象が発生することがある。これが、本作のバトルでも非常に特徴的な要素「ギミック」だ。ギミックには、敵キャラクターそのものが発動条件となっている「オーラギミック」と、ステージそのものに隠された「ステージギミック」の2種類が存在する。
オーラギミックについては、ターン開始直前に該当する敵が発光するため、そこで確認できる。逆に言えば、ターン開始直前のシーンを見逃しているとあとで確認する術がないので、ターン開始時はとくに注意しなければならない。
発光にはいくつかの色の種類があり、ブルー、グリーンの場合は味方に有利な効果が、パープル、レッドの場合は味方に不利な効果が発生する。攻撃さえしなければ味方が不利になることはないが、勢い余って連続タップした結果、発動させる予定のなかったオーラギミックが発動することはままあるので、そういう場合は連打せず、1回ずつていねいにタップをしたほうがいいだろう。
どちらかと言えばやっかいなのはステージギミックのほうで、倒したはずの敵が復活し続けたり、敵のHPが毎ターン大幅に回復したりと、放置しておくとロクなことがない。これを解除するためには攻撃あるのみだが、どの敵をどんなタイミングで撃破しなければならないかはステージギミックによって異なるため、初見の場合はなかなか一筋縄ではいかない。
ただ、おぼろげながら敵のエフェクトや配置などでヒントをつかむことは可能で、予想がうまく当たって一発で解除できたときは、してやったり感もかなりのもの。逆に、いつまでも仕掛けが解除できないと、イライラが募ることもままあるが……。いずれにしても、強敵とのバトルではよく出てくるフィーチャーなので、それまでに培った戦闘経験を活かして対処していこう。ネットで検索という手もアリだが、それだと楽しさが半減してしまうため、あえて自力でクリアする方法をオススメしたい。
●オートバトルは是か非か?
本作の機能として標準装備されているオートバトル。積極的にクリティカルヒットを狙ってくれるだけでなく、オプションで設定すればバーストアタックすら放ってくれるため、格下の敵と戦うぶんには非常にラクな機能と言える。しかし、このオートバトル、当然ながら各種ギミックにはまったく対応してくれない。つまり、力任せでは先に進めないシーンでも、平気で全力攻撃をしてしまうのだ。そうなると、結果としてパーティ全滅の危険度もぐっと高まってしまう。
筆者がプレイした限りでは、オートバトルが通用するのは序盤あるいは「ブタジェル(経験値稼ぎ用のキャラクター)」稼ぎのときぐらいで、それ以外はプレーヤーが操作したほうが無難だと感じられた。それでも、圧倒的なレベル差があればオートでも切り抜けられるのかもしれないが、そこまできたらもはやオートで何かをする意味もなくなっているだろう。 というわけで、オートバトルについてはあまり過信せず、基本は自分ですべて考えて動かすことを推奨していきたい。
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