「MSI GS60 6QE Ghost Pro」レビュー

MSI GS70 6QE Stealth Pro

「Fallout 4」から「MGSV」まで最新PCゲームがサクサク遊べるパワフル&極薄ゲーミングノート

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発売元:
  • MSI
開発元:
  • MSI
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 ノートPCの常識を覆す数々のモンスターマシンを生み出してきたエムエスアイコンピュータージャパン(MSI)から、いつでもどこでもリッチなマシンパワーでサクサクプレイをフルサポートしてくれる頼りがいのあるゲーミングノートPCが発売された。今回紹介する「GS60 6QE Ghost Pro」は、第6世代Core i7プロセッサ搭載のゲーミングノート「Gシリーズ」ラインナップの中でも、絶妙のコストパフォーマンスを誇るハイスペックマシンだ。店頭想定価格は24万円前後と決して安くはないが、使ってみるとすこぶる満足度の高い1台だ。今回は試用機をお借りすることができたので、レビューをお届けしたい。

19.95mmのスリムボディながら、ゲーマーも納得のリッチなスペック

マグネシウム・リチウム合金の艶消しブラックボディ

 本体を一見してまず驚くのは、わずか19.95mmという薄さだ。ハイスペックゲーミングPCといえば分厚くてゴツいイメージだが、本機はゲーミングノートとしては初めてのマグネシウム・リチウム合金を使用したスタイリッシュで薄い外見に仕上がっている。天板にはMSIと、ゲーミングシリーズのロゴマーク。正面には無線やバッテリーなどの使用状況を伝えるLEDランプが並ぶ。左の側面には、奥から大切なPCを盗難から守るケンジントンロック、電源、USB3.0ポートが2つ、マイクとヘッドホンジャックが並んでいる。右側には奥からLAN、ミニディスプレイ、HDMIの各ポートとSDカードスロット、4Kモニターもサポート可能な高速USB Type-Cポートが並んでいる。

 また、ノートPCの中では高級品の部類に入るだけに、製品は豪華な化粧箱に入っており、さらにMSIドラゴンのロゴマークが入った携帯用保護ケースも同梱。付属品には、ACアダプター、ミニディスプレイポートとD端子の変換ケーブルが入っている。本体の重量は1.96kg(バッテリー含む)とゲーミングノートPCとしては軽いレベルで持ち運びも容易だが、その代わり、ACアダプターはマシンパワーゆえに少々大きめだ。本体のスペックは以下の通り。

MSI GS60 6QE Ghost Pro
CPU第6世代 インテル Core i7-6700HQ(4コア、2.6GHz)
GPUGeForce GTX 970M 3BG GDDR5
チップセットインテルHM170
メモリ 8GB DDR4(2スロット、最大16GB)
ストレージ128GB SSD (PCIEx Gen3) + 1,000 GB HDD (SATA)
液晶パネル15.6インチHD(1,920×1,080)、高視野角、ノングレア
スピーカーDynaudioによる4ch スピーカー
Dynaudio Sound Speakers 7.1 チャネル SPDIF 光出力サポート
ESS SABRE HiFi オーディオ DAC テクノロジー
Nahimic サウンドテクノロジー
ウェブカメラ高画質タイプ (30fps@1080p)
有線LANクアルコム・アセロス Killer E2400 GbLAN + Killer Shield K9000
無線LANクアルコム・アセロス1525 (2x2 IEEE802.11 ac) + Bluethooth 4.1 (M.2)
キーボードフルカラーバックライト付きSteelSeries製キーボード
外形寸法390x266x19.9mm
重量(kg)1.96Kg (バッテリー込)
バッテリー駆動時間約3時間 (JEITA 2.0)

豪華な化粧箱に入っている
箱の中には本体とケーブル類
ACアダプターはやや大きめ
付属品のオリジナル保護ケース

 「Gシリーズ」のノートPCはコアゲーマーの要求に応えるために、豪華なデバイスを組み込んでいるのが特徴だ。15.6インチフルHDのディスプレイは、ベゼルは多少大きめだが、ゲームを遊んでいて気になることはない。MSI True Colorプロファイルには6つのプリセットモードがあり、シーンに合わせてカラーモードを使い分けることができる。

 日々重要性を増しているサウンドにも妥協はない。内臓スピーカーはオーディオのトップブランド「Dynaudio」と提携。また軍事戦闘機用として作られたNahimicが立体的で高精細な7.1chサウンドを提供する。実際に聞いてみると、ノートPCにありがちなシャカシャカ音が少なく低音も含めてしっかり表現されていた。

 キーボードにはゲーミングギアブランドSteelSeriesのゲーミングキーボードを採用している。デフォルトでは7色に輝いているが、SteelSeries Engineを使うことで、イルミネーションの配色を自由にカスタマイズすることができる。キーボードにはテンキーもついているので、デスクトップ用のキーボードと同じ感覚で使うことができる。

 また、「SHIFT」という機能を使うことで、ファンのコントロール方式を「Sport」、「Comfort」、「Green」の3つから選択することができる。さらにオンラインゲームに欠かせない快適な通信環境のためには、無線/有線ともにゲーミングLANボードのKiller製NICを採用している。

正面には右側にLEDランプが並んでいる
右側面にはLANポート、ミニディスプレイポート、SDカードスロット、HDMUポート、USB Type-C 3.1ポート
背面はすべてエアインテークになっている
左側面はケンジントンロック、電源、USB3.0ポートが2つ、マイクとヘッドホンジャック
七色に輝くSteelSeriesのキーボード
SteelSeries Engineでキーボードのカスタマイズが可能

デスクトップマシンにも引けを取らない性能をベンチマークでチェック

最新ゲームのベンチマークでも好スコアを記録

 続いてベンチマークを見ていこう。本機のCPUは第6世代インテルCoreプロセッサ(Skylake)のCore i7-6700HQ(4コア、2.6GHz)が使われている。省電力化に加え、これまでのDDR3メモリの約2倍の伝送速度を持つDDR4メモリに対応しており、低電圧、高速での駆動を実現している。GPUにはGeForce GTX 970M 3GBが積まれている。デスクトップ向けのGeForce 900シリーズと同じ第2世代Maxwellアーキテクチャを採用したパワフルなチップで、特にDirectX 11世代のゲームでは低熱量で高いパフォーマンスを発揮する。今回のベンチでもその威力を実感することができた。

 ストレージには、S-ATAよりも高速で優れたパフォーマンスで注目されている新規格「NVMe」の128GBSSDを使用。1TBHDDとのデュアルストレージとなっている。メモリはベーシックモデルでは8GBだが、今回使った試遊機は16GBが搭載されていた。またカスタマイズで、SSDを256GBにアップグレードすることも可能。今回は、定番の3Dmarkや各ゲームのベンチマークで性能のほどをテストしてみた。

3DMark

 ゲーミングPCとしての総合的な性能を見る「Fire Strike」では6438というミドルスペックのデスクトップマシン並のスコアを記録した。また、「Cloud Gate」では、Oculus Rift推奨のゲーミングPCスペックを超えるスコアを出すなど、優秀な性能を見せつけてくれた。

3DMark
Fire Strike6438
Sky Drive18515
Cloud Gate19807
Ice Storm78058

「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」ベンチマーク

 こちらも定番の「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」のベンチマーク。DX9版とDirectX 11版があるが、どちらでも非常に高い数値を出すことができた。「FFXIV」では7,000以上あれば快適なプレイが楽しめる。「GS60 6QE Ghost Pro」はDirectX 11の最高設定でも快適にプレイ可能だ。

「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」ベンチマーク DirectX 9版
最高品質9068
高品質(デスクトップPC)9445
高品質(ノートPC)11514
標準品質(テスクトップPC)14407
標準品質(ノートPC)14399
「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」ベンチマーク DirectX 11版
最高品質7377
最高品質(DirectX 9相当)9808
高品質(デスクトップPC)8367
高品質(ノートPC)10266
標準品質(テスクトップPC)13150
標準品質(ノートPC)13053

Windows版「ドラゴンクエストX」ベンチマーク

 「ドラゴンクエストX」のベンチマークには、「動作困難」から「すごく快適」までの7段階がある。今回は3つの品質で試してみたところ、上位2つは「ふつう」、低品質では「快適」という評価になった。とはいえ、それほどマシンパワーを必要とするゲームではないので、最高品質で十分に遊ぶことができるだろう。

「ドラゴンクエストX」ベンチマーク
最高品質4082(普通)
標準品質4903(普通)
低品質6097(快適)

「バイオハザード6」ベンチマーク

 「バイオハザード6」のベンチマークでは、終始高いFPSを維持しつつ、高い数値を記録することができた。中盤当たりのモンスターが大量に孵化するシーンはかなり重くノートPCではフレームレートが落ちがちなシーンだが、そこでも66FPSと十分なパフォーマンスを維持できていた。

「バイオハザード6」ベンチマーク
13710Rank S

「ドラゴンズドグマオンライン」ベンチマーク

 「ドラゴンズドグマオンライン」のベンチマークでは、すべての品質で「とても快適」の基準となる7000を超える数値となった。終盤のモンスターが大量に出てくるシーンでは多少FPSが低くなることもあったが、おおむね90~110の高いFPSで推移した。本作の魅力である高精細でリアルな世界観を十分堪能しつつ、快適なプレイが楽しめるだろう。

「ドラゴンズドグマオンライン」ベンチマーク
最高品質8157
標準品質8756
低品質8717

ゲーミングPCで遊びたい最新ゲームを実際のプレイでチェック

ハイスペックを要求される「Fallout4」も最高設定でサクサク遊べた

 最新のゲームもプレイしてみた。まずは今年、DirectX 11に対応し、グラフィックス的にも進化を続ける「FFXIV」。MMORPGである本作は、休日など何時間もつなぎっぱなしにしてずっと高負荷な状態が続くゲームだけに、PCの性能には十分な余裕が欲しいところだ。

 「FFXIV」は、DirectX 11のフルHD(1920×1080)、最高設定で遊んでみたが、GeForce GTX 980搭載のゲーミングデスクトップPCとほとんど変わらない感覚で遊ぶことができた。負荷が急激に重くなるような場面では、ファンが微妙なコントロールで放熱を調節しているのがわかる。ただし、最高設定のままずっと遊んでいるとグラフィックチップ部分がかなりの熱を持ってきたので、長時間プレイをするなら少しだけ設定を落としたほうがよさそうだ。とはいえ、今のところPC版でしか楽しめないDirectX 11の美しいグラフィックスを楽しむためには性能的にまったく不足はない印象だ。

 次にKONAMI内製のFOXエンジンが作り出すリアルな世界観が見どころの「METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN(以下、『MGSV』)」は、そのリアルな世界を隅々まで描ききるために、CPUはCore i7-4790 (3.60GHz)以上、GPUはNVIDIA GeForce GTX 760以上、メモリは8GB以上と、推奨スペックはかなり高めに設定されている。そんな「MGSV」も「GS60 6QE Ghost Pro」ならサクサクプレイが可能だ。

 より多くの光源を表現する「ライト」や周囲の映り込みや反射表現を追加する、遠くの風景まで詳細に描き出す「モデルディティール」、リアルな光を再現する「アンビエントオクルージョン」などPCならではの奥深い表現をHigh以上のクオリティで堪能できる。すべての項目を最高画質のExtra Highにしても60fpsで動くが、それだけかなり負荷は高くなり、排熱音も気になった。

 日本語版の発売を12月17日に控えた「Fallout 4」も、CPUはCore i7-4790もしくはFX-9590以上、GPUはGeForce GTX 780もしくはRadeon R9 290X以上と、「MGSV」に負けず劣らず推奨環境が高い。特にGPUに関しては、GTX 780Mなので、推奨環境を満たしていないことになるが、こちらも何の問題もなく、快適に遊ぶことができた。

 「Fallout 4」には3つのグラフィックスオプションがあるが、デフォルトでは最高品質となる「FXAA」に設定されていた。その最高設定のままプレイしてみたが、フレームレートは50~60fpsの間で安定しており、マシンの温度もずっと55度程度を維持し続けていた。「Fallout 4」日本語版も快適に遊べるノートPCと言えそうだ。

 最後に、世界中に数千万人のファンを抱えるMOBA「League of Legends」をプレイしてみた。グラフィックスのパワーはそれほど要求されないゲームだが、CPUの推奨環境は3.0GHz以上とやや高い。本機のCPUは2.6GHzなのでやや足りないが、プレイしていてマシンパワーの不足を特別感じるシーンはなかった。「LoL」もバッチリ快適に遊べるゲーミングPCだ。

「FFXIV」では、DirectX 11の最高設定でもプレイ可能。光源の反射や、背景の立体感などPC版でしか体験できないハイクオリティな画像で遊ぶことができる
「Fallout4」は、最高品質の「FXAA」でのプレイが可能。映画のように臨場感のある演出に息をのむ。早く日本語版でプレイしたい!
「MGSV」も最高設定でプレイ可能。FOXエンジンの真の実力はPC版でしか味わえない
世界中で大ヒット中の「League of Legends」。基本無料のゲームなので、PCを買えばその日から参加が可能。来春、日本語対応と日本サーバーも予定されている

ゲーミングノートとしてはハイエンドクラス。使ってみると実はかなりのお買い得品だった

今購入するとクリスマスプレゼントが付いてくる!

 いままでゲーミングPCを検討する時に、デザインや重量、厚み、デスクトップPCと比較したコストパフォーマンスなどで候補からノートPCが候補から外れていた人は、ぜひ本機を候補に加えて欲しいと思う。スタイリッシュな薄いボディに詰まった、高性能なデバイスがデスクトップに負けない快適なゲーム体験を約束してくれる。

 実際、これまでのゲーミングPCにはいろいろ言いたいことが多かった筆者も、今回試遊してみて一気に本機が欲しくなってきた。24万円台という価格は決して安くはないが、場所を選ばず最高のゲーム体験を提供してくれるという利点に魅力を感じるなら、十分投資をする値打ちはある。

 本体を購入すると、購入特典としてオリジナルゲーミングマウスとヘッドセット、ゲーミングマウスパッドが付いてくる。さらに12月31日までに購入すれば「MSIゲーミングクリスマスパック2015」が付いてくる。これはMSIのロゴが入ったクールなバックパックと、オリジナルゲーミングマウス、MSIドラゴンのぬいぐるみキーホルダーやステッカーなどが入った、MSIからのクリスマスプレゼントだ。つまり本体を購入すれば、ゲームをするための環境がすべて揃ってしまうというお得さだ。

 この冬、自室に引きこもってゲーム三昧という人も、帰省先でもゲームで遊びたいという人も、スペックの心配をせずに今あるどのゲームでも遊び放題に遊べる「GS60 6QE Ghost Pro」を検討してみてはいかがだろう。

(石井聡)