PSPゲームレビュー

大幅なパワーアップを遂げて3度登場!
「レディアント マイソロジー」シリーズ最新作!

「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3」



連動サイトでは、アイテムやクエストのダウロード、傭兵データのアップ/ダウンロードなどが利用可能。ゲームから直接連動サイトにアクセスできるようになったため、使い勝手が良くなった

 株式会社バンダイナムコゲームスから2月10日に発売された「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3」。「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー」は、「テイルズ オブ」シリーズのキャラクターが多く登場するファン垂涎のシリーズ。新たに30名以上のキャラクターを追加、特殊効果が得られる称号実績機能、データインストール対応など、前作から大幅にパワーアップしている。

 ロード時間を短縮できるデータインストールを利用するには569MB以上の空き容量が必要。PSP-3000、SanDisk製 8GB Ultra II Memory Stick PRO Duoの環境で、インストールに必要な時間は10分程度であった。

 ネットワーク関連では、ゲーム内からインターネットブラウザを起動してアクセスすることで、アイテムのダウンロード、クエストのダウンロード、自分が育てた傭兵のアップロード、他人が作成した傭兵のダウンロード、メッセージのやり取りなどが利用できる連動サイトがある。ダウンロードした傭兵は仲間として戦闘に参加させられる。ただし、自分のレベルより11レベル以上の傭兵はパーティーに組み込むことができない。

 早速、「テイルズ オブ」シリーズファンでなくとも楽しめるゲーム性を秘めた本作の魅力を紹介していきたい。



■ 記憶喪失の主人公、ヒロイン「カノンノ・グラスバレー」、80名以上のTOシリーズキャラクターたちが織りなす物語

「世界樹」とその世界樹が生み出したとされるエネルギー鉱物
「星晶(ホスチア)」で発展する世界、ルミナシア。
しかし、星晶を使用した産業が発展する国々がある一方で、
それらの国から植民地化を強要されたり、
恵みを奪われる国もありました。

空を駆ける船、バンエルティア号を拠点に活動するギルド、
「アドリビトム」の面々は、そういった恵みを奪われる
人々を助ける為に活躍しています。

ある日、アドリビトムに所属する少女「カノンノ」が
ギルドの仕事で外に出ていると、
空から主人公が舞い降りてきます。
主人公には、自分の名前以外に記憶もなく、
目的もわかりません。
行く当てのない主人公は、カノンノに連れられ、
アドリビトムに参加します。
そして、人々の為に働き始めますが……

本作のヒロイン「カノンノ・グラスバレー」。彼女が描く風景とは一体どこなのだろうか

 土地に恵みを与えるマナを生み出す鉱物資源の星晶(ホスチア)。その採掘権を巡って各国の関係が悪化する世界。限りある星晶を消費し続ける現在の社会ではいずれ世界中の人々は生活できなくなってしまう。記憶をなくし、行く当てのない主人公(プレーヤー)は、人間が自然を壊さず、自然と調和し、生活するための衣食住が十分に行き渡る“持続可能な社会”を実践する村「オルタ・ビレッジ」を作ることを目標としたギルド「アドリビトム」に参加し、様々な依頼を受けていく。

 歴代ヒロインの名前が「カノンノ」の本シリーズ。今作のヒロインは「カノンノ・グラスバレー」(CV:平野綾)。誰も見たことのないような奇妙な風景を描き、その風景がどこにあるのか捜し求めている15歳の少女。「カノンノ」は、両手剣による近接戦が可能ながら、攻撃や回復術も使える万能キャラクターだ。

 「テイルズ オブ グレイセス」の「アスベル・ラント」や「テイルズ オブ ハーツ」の「コハク・ハーツ」など、前作から30人以上が追加され、80名を超えるシリーズキャラクターが登場。ただ出てくるだけでなく、77名もの個性豊かなキャラクターを実際に操作することができるのが嬉しい。


拠点となる船「バンエルティア号」では仲間たちの様々な会話が楽しめるスキットが頻繁に発生する。タイトルの垣根を越えた夢の会話は本作ならではだ
登場するキャラクターには本作専用と原作2つのプロフィールがある。新たに追加された人名図鑑では登場人物の本作専用プロフィール、オリジナルプロフィールの両方が閲覧できる主人公だけでなく、「テイルズ オブ」シリーズのキャラクターも操作可能。なお、「テイルズ オブ グレイセス」のキャラクターは、アラウンドステップなどが可能で、他のキャラクターと一部操作が異なる

 オープニングやゲーム中に挿入されるアニメーションは、シリーズでおなじみのプロダクション I.Gが担当。同社らしいハイクオリティな映像が収録されている。



■ さらに個性が出せるようになったキャラクターメイキング、性能やプレイ感の異なる職業

 ゲームの最初にはプレーヤーの分身となるキャラクターを作成する。メイキングでエディットできるのは「名前」、「性別」、「職業」、「身長・体型」、「髪型」(髪型・オプション・色)、「顔」(目・目の色・口)、「肌の色」、「勝利ポーズ」、「ボイスタイプ」の9項目。前作から「身長・体型」が追加されただけでなく、それぞれの項目における選択肢が大幅に増えている。例えば、前作では髪型は10パターンだったのが20パターンに、髪型のオプションは5パターンだったのが15パターンに増えるなど、より個性が出せるようになっている。

 一度決定した容姿はクリア後に追加されるグレードショップで「キャラリメイク機能」を購入するまで変更できないため、慎重に決定したい。なお、ランダム機能を使えば、「性別」、「職業」に応じて自動でパーツを選択してくれる。

パーツの多さに加え、RGBで色指定まで可能。目に至っては片目ごとに色が設定できる。自分だけのキャラクターを作成しよう

 最初に選択できる職業は、基本職である「戦士」、「剣士」、「格闘家」、「狩人」、「盗賊」、「魔術師」。最初にどの職業を選ぶかはプレーヤーの自由だが、攻撃面、防御面共にバランスの良い剣士が遊びやすいだろう。転職はいつでも可能なので、使ってみて自分に合った職業を見つけるのもいい。

 さらに条件を満たせば、基本職の「僧侶」、上級職の「大剣士」、「双剣士」、「ガンマン」、「モンク」、「ビショップ」、「魔法剣士」、「忍者」、「海賊」、「聖騎士」に転職できるようになる。基本職、上級職とはいっても、基本職は上級職に劣るわけではない。あくまで特徴の異なる職業と考えてもらえればいいだろう。さっそくこれらの職業について簡単に紹介していきたい。

近距離で戦う職業は単にダメージを与えるだけでなく、距離を取る必要のある職のキャラクターに敵を近寄らせないことも重要

 ○ 戦士
 斧による強力な攻撃で戦うパワータイプの職業。攻撃速度は遅めながら、高い攻撃力と広範囲攻撃可能な技が魅力。また、盾が装備できるため、防御力も高い。

 ○ 剣士
 片手剣による素早い攻撃を得意とする職業。攻撃速度が速いため、攻撃が潰されにくく、リーチもそれなりで、盾が装備可能で防御面も安心とバランスが良く使い勝手がいい。近距離戦を得意とするものの、斬撃を飛ばしたり、一気に間合いを詰められる技の存在により、中距離から攻撃できる点でも優秀。

 ○ 格闘家
 己の肉体を武器にして戦う近距離戦闘のエキスパート。攻撃力が高く、攻撃スピードも速い。また、打撃だけでなく、ダウン状態の相手を投げることもできる。弱点はリーチの短さと装備できる防具の少なさによる防御力の低さ。リーチの短さは間合いを詰める技で、防御力の低さはガードや間合い調整で補いたい。

 ○ 盗賊
 短剣を武器に素早い攻撃で戦う職業。リーチが短く、火力も他の職業に劣るが、突進・回避など機動性が高い技や飛び道具もあるため、距離や状況を選ばず戦える汎用性を持つ。また、盗賊らしく敵からアイテムを盗める技があるため、アイテム収集に活躍する。


狩人や魔術師などの職業を扱うなら、敵との距離を一定以上保つことを心がけたい。特に術を使う職業は詠唱中に攻撃を受けてしまうと詠唱が中断されてしまう

 ○ 狩人
 弓による遠隔攻撃を得意とする職業。近距離戦は苦手なため、間合いをいかに取るかが鍵となる。通常移動だけでなく、間合いを取れる技や足止めできる技も使って敵との距離を取りたい。また、弱点やHPなど敵の能力を把握する特技も使うことができ、弱点を突くために必要な属性付きの技も豊富。

 ○ 魔術師
 強力な術で攻撃を行なう職業。敵の弱点を突いた術を使い分ければ大ダメージが見込めるが、術には詠唱時間があり、発動までに時間がかかる。近接戦闘向きの技がなく、防御力も低いため、敵を抑えてくれる近距離職と共にパーティに組み込みたい。また、術の詠唱中には対象の切り替えが可能なので、状況に合わせて切り替えられるようになると攻撃の幅が広がる。

 ○ 僧侶
 回復と補助の術を得意とする職業。キャラクターメイキング時に唯一選択できない基本職でもある。一部、攻撃に向いた術もあるが、大半はHPや状態異常回復、味方の能力向上の術で占められている。術には詠唱時間が必要なため、魔術師同様、距離を取って、味方を援護したい。

 ○ 大剣士
 身の丈程もある両手剣を振り回して戦うパワータイプの上級職。攻撃速度は遅めだが、リーチが長く、攻撃力は高い。両手で武器を持つため、盾は装備できないが、防御力の高い防具が装備できることもあり、防御面の不安も少ない。

 ○ 双剣士
 片手剣を両手に持ち、手数で押す上級職。魅力はその手数の多さを活かした火力。攻撃で相手を圧倒したいが、それほど防御に優れているわけではないので、状況次第ではガードして、被ダメージを抑えたい。手数の多さを活かせば、多段コンボが狙える。


初登場のガンマン。遠距離だけでなく、近~中距離で使える技も習得できるが、防御力は高くないので、むやみに敵に突っ込むのは危険だ

 ○ ガンマン
 本作初登場となる、2丁拳銃による高速の攻撃がウリの上級職。狩人より攻撃速度が速く、さらに近~中距離で使える技も習得できるが、属性付きの技は少ない。双剣士と同じく、手数が多いため、多段コンボを狙いやすい。

 ○ モンク
 格闘による近接攻撃と回復系の術を兼ね備えたオールマイティな上級職。格闘家よりわずかに火力が低く、僧侶より回復手段は乏しいが、両方を兼ね備えるため、場面を問わず戦える万能さが魅力。

 ○ ビショップ
 攻撃、回復、補助の術を使いこなす上級職。距離をとって詠唱時間さえ稼げれば、どんな場面でも活躍できる術のプロフェッショナルだ。

 ○ 魔法剣士
 片手剣での近接戦、攻撃の術と遠近問わず戦える上級職。近接職に不足しがちな属性攻撃を術で補えるので、相手を選ばず活躍できる。また、盾が装備可能なため、防御力も高い。

 ○ 忍者
 素早い動き、トリッキーな技を多く持ち、奇襲を得意とする上級職。火力は他の近接職に劣るが、近接戦闘だけでなく、クナイでの遠隔攻撃、距離を詰めたり、離したりと多彩な技で敵を翻弄できる。属性付きの技の豊富さを活かして弱点を突くことで火力を補いたい。

 ○ 海賊
 片手に短剣、反対の手には銃を持つため、どの距離でも戦える上級職。火力はそれほど高くないが、距離を問わず戦える汎用性を持つ。色々できる分、使いこなすのが最も難しい職業ともいえるだろう。

 ○ 聖騎士
 両手剣を装備し、大剣士の攻撃力と僧侶の回復術を併せ持つ万能な上級職。総合的なステータスは他の職業に比べ、トップクラスを誇る。

基本職をある程度プレイしなければ解放されない上級職の多くは複数の基本職を掛け合わせたような性質を持つ。複数の性質を持つことから、扱いにくそうと感じるかもしれないが、上級職を解放できているなら、そう苦労せず扱うことができるだろう


パーティー構成により戦闘の難易度は大きく変化する。強敵相手であればなおさらだ。最低でも1名は回復役を入れておきたい

 このように多くの職業が存在するが、重要なのはパーティー構成。どんな布陣にするにせよ、最低でも1名は回復役をいれておくのがいいだろう。オススメの構成は汎用性の高い、近距離攻撃2名+遠距離攻撃1名+回復役1名の構成だ。

 どの職業であっても、複数の敵に囲まれる状況は危険。ダウンさせられた後、起き上がってから行動した直後にまた攻撃を受けてダウン状態に……ということが発生することも。なるべく囲まれないように立ちまわることが基本だが、近距離で戦闘をする職業だとそううまくいかないケースも出てくる。そんな場合には一定範囲の敵を怯ませることのできる技が有効。さらに技後に距離が取れるようであればベストだ。

 これらの職業には、職業ごとにレベルが設定されているため、新たな職業に就くと、レベル1からのスタートとなる。このため、いち早く物語を進めたいなら、1つの職業を使い込んでレベルを上げることをオススメしたい。パーティーの構成によっては多少厳しいと感じる場面もあるかもしれないが、レベルを上げたり、装備を整えたりすれば、どの職業でもゲームを進めることができる。ゲームを進め、高レベルのエリアで仲間に敵を倒してもらえば、低レベルの職業のレベルアップも簡単だ。



■ 制限なく術技を連続発動できる新システム「レディアント・ドライヴ」

 ゲームの流れや基本的な戦闘システムは前作と同様だが、クエスト完了後にバンエルティア号にすぐ戻れる、採取時に鎌などが不要、一括最強装備機能、戦闘に参加していないシリーズキャラクターにも経験値が入る、シリーズキャラクターは参加時点で入手できる武器防具を装備した状態で仲間になるなど、遊びやすさが大幅に向上している。さらに制限なく術技が連続発動できる「レディアント・ドライヴ」、“TP消費量-5%”、“最大HP+2%”など、様々な恩恵が受けられる称号実績など、ゲームの幅を広げてくれる新機能も追加されている。なお、前作であった、キャラクターを変更しながら攻撃し続けられる「インフィニティジャム」は無くなっている。

クエスト完了後は歩くことなく、一瞬でバンエルティア号のホールまで戻れる。この機能はクエスト完了後ならいつでも利用できるので、TPがなくなるまで敵を倒してから利用するなんてことも可能だ特定の条件で得られる称号はセットすることで“獲得経験値+5%”、“基礎物理攻撃力+5% 基礎物理防御力+5%”など、様々な恩恵が受けられる

 新システムの目玉は「レディアント・ドライヴ」だ。敵を攻撃するとたまる「リミッツゲージ」を最大まで貯めた状態で、Lボタン+方向キー↓を押したままRボタンを押すと「レディアント・ドライヴ」が発動。「レディアント・ドライブ」中は、TPを消費せずに術技使用、特技→秘技→奥義の流れを無視した連携、詠唱時間0での術の発動が可能になる。これにより、流れを無視した連携により通常では不可能なコンボ、詠唱時間0を活かした緊急回復などが可能になる。斬撃を飛ばす魔神剣を連発するなんてこともできるわけだ。

レディアント・ドライヴを発動したキャラクターはピンク色に光る。発動中は、術技のTP消費が0になるだけでなく、特技→秘技→奥義の流れを無視した連携が可能。大ダメージを与えるチャンスだ。さらに術の詠唱時間が0になるため、即座に回復させたい場合にも有効。なお、リミッツゲージがなくなった時点でレディアント・ドライヴは終了する

 本シリーズの特徴ともいえる「オーバーリミッツ」も健在のため、「リミッツゲージ」MAX時には「レディアント・ドライヴ」と「オーバーリミッツ」のどちらかを選択することになる。どちらも強力ではあるが、一番の違いは秘奥義が出せるかどうかだろう。これまで通り、秘奥義は「オーバーリミッツ」からしか出すことはできない。下記の表は両者の違いを簡単にまとめたもの。参考になれば幸いだ。


レディアント・ドライヴ
(Lボタン+方向キー↓を押したままRボタン)
オーバーリミッツ
(Lボタン+Rボタン)
特技→秘技→奥義の流れを無視した連携が可能
詠唱時間0
・術技のTP消費なし
秘奥義使用可
・攻撃力アップ
・術技のTP消費なし
・詠唱時間短縮
・被ダメージ軽減
・状態異常回復
・のけぞり状態にならない

オーバーリミッツを発動するとキャラクターが青色の光に包まれる。プレーヤーキャラクターの場合、職業ごとに異なる秘奥義を繰り出せる。「テイルズ オブ」シリーズのキャラクターの秘奥義も必見だ


■ 豊富に用意されたやり込み要素の数々

 職業16種、約250用意されたクエスト、11以上のダンジョン、1,900以上の装備アイテム、100種を超える称号、77人の戦闘操作可能キャラクター、豊富なスキット、連動サイトでのアイテムやクエストのダウンロード、傭兵アップ/ダウンロードと、これだけでもかなり遊べることが容易に想像できる本作だが、遊べる要素はまだまだある。

 先ほど1,900以上の装備アイテムと紹介したが、これはあくまで装備アイテムの数であり、1つの装備アイテムをとっても無数のバリエーションが存在する。装備アイテムには最低でも1つのスロットがあり、スロットに“獲得グレードポイント+40%”、“敵からのアイテム獲得+3”、“物理攻撃力+25%”といった装備スキルが付いていることがある。同じ装備であっても、より強力で、より多くの装備スキルのあるアイテムを求めて、宝箱を開けたり、敵からのドロップを狙っていこう。

同じ装備であっても、スロット数や装備スキルが異なる。より多くのスロット数、より強力な装備スキルを求めて、敵を倒しまくろう

 さらにアイテム集めを魅力的にさせているのが合成と強化。合成はベースとなるアイテムのスロットに、他のアイテムの装備スキルを移すもの。装備スキルを移したアイテムは無くなってしまうが、より強力なアイテムを目指し、合成を繰り返すわけだ。合成で装備スキルが移せることからもわかる通り、スロット数の多いアイテムが強力なアイテム作りには必要。スロット数が多ければ多いほど、多くの装備スキルが付与できるからだ。ただし、なんの制限もなく合成できるわけではない。まず、合成するアイテムの装備レベルが高まるにつれ、合成に必要な金額が上がる。そのため、強力な装備ほど多額のガルドが必要になる。もう1つが残強化回数。合成を一度するたびに残強化回数が減っていき、0になると一切合成ができなくなってしまう。強化は素材アイテムとガルドを支払ってアイテムを強化するもの。素材アイテムにより、アップする能力は異なる。強化を繰り返せば、元は弱いアイテムであっても強力なアイテムへと変身するが、強化も合成同様、1度行うたびに残強化回数が消費され、さらに強化するごとに装備可能レベルが上昇してしまう。

 レアアイテム収集性能、戦闘力、獲得経験値上昇など、どんなバランスで装備スキルを付与させるかが悩ましくも楽しい。

残強化回数が許す限り、合成・強化で装備をパワーアップさせたい。残強化回数が0になっても、他の武器に装備スキルを移すことができるので無駄にはならない

 クリア後に解放されるグレードショップでは、戦闘で獲得したグレードを消費して、キャラリメイク機能、倉庫拡張、所持アイテム数増加、ミニマップ情報プラスなど、様々な特典を受けることができる。より強力なアイテムや装備スキルを求めるなら、是が非でも購入しておきたい特典が難易度ハード/マニアの追加。難易度が上がるほど、強力なアイテムや装備スキルが入手でき、クエストの報酬も良くなる。

キャラリメイク機能を解放すれば、名前や性別までも変更できるミニマップ情報プラスは、ミニマップに宝箱や採集ポイントが表示される便利な機能だ強力なアイテム入手を狙うなら高難易度は欠かせない。ダンジョン内以外ならいつでも変更できる

■ 最後に

 クエスト単位でゲームが進むため、1度に長時間プレイできない人でも遊びやすい。レベルアップや装備強化さえすれば、誰でも進められる程度の難易度設定のため、ストーリーやキャラクターのやり取りを楽しみたいが、アクションはさほど得意でないというプレーヤーでも安心。オートバトルを利用すれば、全ての戦闘をNPCに任せることもできる。アイテムや称号収集、クリア後に挑める高難易度、周回プレイ、職業毎のレベルアップ、連動サイトなど、遊べる要素は多く、長時間やり込みたいプレーヤーも満足できることだろう。

 筆者のクリアまでのプレイタイムは40時間程度。サブクエストもこなしつつのプレイのため長時間を要したが、物語を進めることを優先すればもっと短い時間でクリアできると思われる。

 ゲーム内容に直接関係する点ではないが、データインストールを利用した際のロードの速さはかなりのもの。“待たされる”と感じることはまずないと言えるほどの速さだ。

 「テイルズ オブ」シリーズキャラクター夢の競演!ということばかり注目されてしまうかもしれないが、大幅にパワーアップしたゲームシステムは秀逸。“ファンディスク”の1言では片付けられないタイトルだ。



(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)2011 NBGI

(2011年2月21日)

[Reported by 木原卓 ]