★オンラインゲームファーストインプレッション★

各職業の個性が光る、爽快感のある戦闘 パーティープレイも手軽に、生まれ変わったオンラインアクション
「HELLGATE」


 ハンビットユビキタスエンターテインメントはオンラインアクションRPG「HELLGATE」 の“評価・改善テスト”を6月11日から行なっている。テストは6月20日まで毎日19時から23時まで行なわれ、6月16日に1度データがリセットされた。運営側としては、特にゲーム序盤のテストを重ね、ユーザーの意見を集めたいようだ。

 今回のバージョンはあくまでテストのため、ゲームの画面、データ、情報が大きく変更される可能性がある。本稿ではファーストインプレッションとしてこのテストバージョンの要素や感触を紹介していきたい。



■ 多数の敵をなぎ倒していく戦い。各職業で異なる戦闘スタイル

キャラクター作成画面。身長や体格、肌の色なども設定できる。“美人顔”も用意されている
巨大な敵と戦う。「HELLGATE」の魅力はやはり戦いにある。プレーヤーは敵を倒しながらマップを突き進んでいくのだ

 「HELLGATE」は米Flagship Studiosの「Hellgate: London」を韓国T3 Entertainmentが開発を引き継ぎ、オンライン専用タイトルとして生まれ変わらせたタイトルだ。韓国では「Hellgate:Tokyo」としてサービスが行なわれている。日本では「HELLGATE」というタイトルで、年内に正式サービスの予定である。

 「HELLGATE」ではプレーヤーは「ガーディアン(守護騎士)」、「ブレードマスター(剣騎士)」、「サモナー(悪魔術師)」、「エボカー(暗黒術師)」、「マークスマン(戦闘要員)」、「エンジニア(技術要員)」の6つの職業から選択しキャラクターを作成する。キャラクターの外見は顔や髪型だけでなく、肌や髪の色、体格や身長もカスタマイズ可能だ。

 日本での展開にあたり力を入れていくというのが顔のパターンだという。今回のバージョンではいくつもの顔パターンが確認できたが、全体的にアクが強いものが多く感じた。男の方も、モデルタイプの顔や少年タイプは少なく、ごついものが多い。これからも力を入れていく部分とのことで、期待したい。

 「HELLGATE」はばったばったとモンスターを倒し、道を突き進んでいくという爽快感のあるオンラインアクションゲームだ。基本的な操作はWで前進AとDで左右移動、Sで後退、マウスの左右でそれぞれの手の武器を発射できる。数字キーでスキルを使う。キャラクターの背中を見て戦っていくTPSタイプの画面構成だ。敵の撃つエネルギー弾をかわしたりと、戦闘はアクション性が強い。

 本作ではどの職業も攻撃力が高く、ソロプレイでも多数の敵に立ち向かい、はね除けていく戦闘力を持っている。襲いかかってくるモンスターの群れをどうさばいていくかというところが楽しい作品だと感じた。今回のテストでは、「ブレードマスター」を中心に、「サモナー」と「エンジニア」を体験してみた。

 「ブレードマスター」は両手に剣を持って戦う攻撃重視のスタイルで、ブンブンと剣を振り、敵を切り裂く。敵に肉迫し、自らもダメージを受けながらも剣を振るう攻撃的なクラスだ。補助武器として、敵をワイヤーで引き寄せる武器も持っているが、今回はもっぱら剣で戦っていた。キャラクター的にも体力が多く、ガンガン前に進んでいけるクラスだ。

 「サモナー」はエレメンタルを召喚して使役する。レベルが上がると召喚できるエレメンタルが増え、レベル4というはじめたばかりのキャラクターですら4体の火炎エレメンタルを召喚できた。火炎エレメンタルは小さいが、プレーヤーの周りで自動的に敵を攻撃してくれる頼もしい味方だ。4体いるとその攻撃力はかなりのものになる。プレーヤー自身は小火器を使う程度で、戦いの中心はエレメンタルという感じだ。

 「エンジニア」はロボットを使うが、サモナーと違い、最初のロボットは敵の足を遅くするような補助的な存在で、プレーヤーのマシンガンやロケットピストルで敵の体力を削っていく。本作の武器には弾数といった制限がなく、マウス押しっぱなしで連射できる。特にエンジニアは敵と一定の距離を保ち、後退しながら戦う、というのが有効なクラスだと感じた。

 いくつかのオンラインゲームは、序盤はやれることも少なく、作品としても似た感触の物も多い。しかし、「HELLGATE」は各職業が序盤から個性的で、職業によって戦い方がはっきりと違う。また、序盤の戦闘バランスはライトで、数で押し寄せてくるザコ敵、巨大なボスモンスターをガンガン倒し進んでいける。戦い続けることで、手に入る装備と新しいスキルをよりうまく使えるようになる。SFと魔術が入り交じった世界観も魅力だ。


職業により大きくキャラクターのイメージも異なっていく。キャラクターの顔パターンは数は多いがアクの強いデザインが多く、もう少し美形が多くなって欲しいと感じた
両手に剣を持ち、舞うように敵を切り裂くブレードマスター。多数の敵を切り倒していくのは爽快だ
エレメンタルを召喚し戦うサモナー。攻撃のメインはエレメンタルになりそうだ。武器とエレメンタルをどう組み合わせていくかが楽しい
エンジニアの使うロボットは、補助的な役割が強い。マシンガンやロケットピストルの攻撃はカーソルを合わせつつ後退しながら当て続けるという戦い方だ。成長することで様々なロボットを使うことができそうだ


■ ボスを狩り、レアアイテムをゲット。プレイ意欲を強くプッシュするゲームシステム

ボスを倒すと大量のアイテムをドロップする。アイテムをどう組み合わせていくかが楽しい
マップ画面。かなり速いペースでフィールドが拡張されていく。ロンドンに関する知識があればより楽しめそうだ

 「HELLGATE」ではプレーヤーは悪魔に占拠された近未来のロンドンで、様々なクエストをこなしながら進んでいく。プレーヤーはMMOフィールドである“駅”でクエストを受け、モンスターがひしめくMOフィールドへ旅立ち、敵を倒しながらクエストをクリアしていく。レベルを上げ、キャラクターを強くしたら次の駅へ向かう、というのが基本的な流れになる。

 実際のロンドンにある地名をマップとして取り入れており、地下鉄の駅が起点となり、様々な名所を再現している。実際のロンドンの資料を見ながらプレイすると臨場感が増しそうだ。筆者はゲーム内に登場する「大英博物館」に実際に行ったことがあるのだが、博物館内の雰囲気をうまく再現していると感じた。

 本作ではマップのほとんどにボス、中ボスのモンスターが存在する。さらに一定のモンスターを倒すと「地獄の伝令」と言われる中ボスが登場する。ザコモンスターはほぼ一撃で倒せるが、ボスモンスターは強い。敵の攻撃をかわすためのパターンを読んだり、時には距離を取って戦わなくてはならない。その間もザコモンスターは再出現するので、ボスと地獄の伝令の複合攻撃、といった展開になる場合もある。

 こういったピンチをどう切り抜けるかが本作の楽しいところだ。ボスモンスターはランダムで様々な能力が付与されている。電撃を帯びた弾を周囲にばらまいたり、テレポートしてプレーヤーを翻弄したりする。ランダムなので、1度目の戦いと、2度目では全く違った戦いになることも多い。

 ボス・中ボスを倒すと、大量のアイテムをドロップする。「HELLGATE」でプレーヤーを夢中にさせるのがこの「アイテム」の存在だ。アイテムには「エンハンスド」、「レア」、「レジェンダリ」といった等級がある。アイテムに付与される能力はランダムで、最初はどんな能力がキャラクターを強くするかわかりにくい部分があるが、その豊富なオプションに目移りしてしまう。さらに“MOD”と呼ばれるオプションアイテムを装着することで、武器はさらに強くなる。

 ゲームの序盤からこの“アイテム選び”ができるのが「HELLGATE」の最大の特徴だ。特に武器は、エネルギーをまとった剣や、小型ロケット銃、マシンガン、さらに毒虫を発射する銃など種類も豊富で、ここに能力、MODのスロットなどでも違いが出てくる。プレーヤーはアイテムを求めてダンジョンに向かい、大量のアイテムから取捨選択して、より効率的な武器、うまい戦い方を学んでいく。各職業の個性、戦闘の楽しさ、アイテム収集……「HELLGATE」は、「Hellgate: London」が持つコンセプトをきちんと受け継ぎ、さらにプレイしやすくなっていると感じた。


チュートリアルは、とにかく各要素を紹介しておこうという感じでもう1つという感じ。文字の大きさなど、まだまだ改良の余地を感じさせられる
駅からスタートし、荒廃した街の中へ。ゾンビや悪魔がひしめく世界で、プレーヤーは人類のために戦っていく
一定数のモンスターを倒すと登場する地獄の伝令。レアアイテム獲得のチャンスだ。
ストーリーは謎めいた展開も見せ、スケールを更に大きくしていく


■ 瞬時に集合可能なパーティ、待望のオークションなどオンライン要素を強化

パーティーを組み、メンバーのタブを右クリックすることでポータルを開き、すぐにメンバーに合流できる
巨大な敵と戦う。「HELLGATE」の魅力はやはり戦いにある。プレーヤーは敵を倒しながらマップを突き進んでいくのだ

 日本語版「Hellgate: London」では北米とサーバーを同じにしているために協力プレイの際、言葉の問題が発生する点や、パーティーを組むときのハードルの高さが指摘されていた。今回の「HELLGATE」は日本でのサーバーとなり、オンラインゲームとして様々な改良が加えられているという。

 大きく変わったのがパーティーシステムだ。「HELLGATE」では募集をかけることで他プレーヤーと距離が離れていても組むことができるようになり、しかも瞬時に集まれるようになった。パーティー参加の方法はパーティーウィンドゥを開き、募集しているプレーヤーをクリックするだけ。たとえリーダーがMOマップにいても、その場にすぐに移動できる。

 「HELLGATE」では最大5人までパーティーを組むことができる。今回体験したのは2人パーティーで、2人のプレーヤーとそれぞれ組んでみたのだが、どちらも遠距離攻撃が得意な「マークスマン」だった。筆者は「ブレードマスター」である。マークスマンはかなりの射程をほこるが反面撃たれ弱い。このためソロプレイでは敵と距離を取りつつ戦う。一方ブレードマスターはまっすぐ敵に突っ込み、こちらの体力を減らしながらも敵を減らしていく。

 今回のパーティープレイではブレードマスターとマークスマンの戦い方がかなりうまくかみ合った気がした。ブレードマスターである筆者が近付くまでに敵の体力が減り、ソロ以上に敵をなぎ倒せる。敵の群れをこちらで引き受けるため、マークスマンは足を止めて敵を狙うことができる。時にはお互いをカバーし合い、どんどんマップを進んでいく感触はかなり爽快だった。

 キャラクターのレベル10前後で挑戦することになる「大英博物館」あたりからは敵が強く、量も多くなる。ここで募集するユーザーが多いようで、筆者は1度、1人のプレーヤーと大英博物館のクエストをクリアしてから、もう1人のプレーヤーとも大英博物館に向かった。その後のマップもかなり敵が多いようで、パーティープレイの需要が増していくゲームバランスだと感じた。

 もちろん、1人でコツコツ進めていくプレーヤーも多いとは思うが、筆者はやはり知らないプレーヤーと出会い、協力して進んでいくプレイが好きだ。ただし、各マップごとに細かいクエストがたくさんあるというゲームシステムなため、パーティーでどんどん先に進んでしまうと取りこぼしが多いかも、とは感じた。パーティープレイとソロプレイをバランス良く進めていくのがいいのかもしれない。

 「Hellgate: London」で要望の大きかったオークションシステムも今回のバージョンで実装されている。「HELLGATE」ではインベントリーが小さいこともあり、装備できないレアアイテムは見逃しがちだが、“高価で売れる”ならば、魅力は大きく増す。オークションシステムの実装により、セットアイテムや、自分の求める戦い方に合わせた装備を集めやすくなるだろう。

 今回はプレイ時間が限られる評価・改善テストなため体験できるところはごく限られていた。それでもゲームが持つポテンシャルと、プレイの感触は良好だった。翻訳できてない部分や、メッセージの表示が大きいなどすぐ気がつく不具合もあるが、これらは今後改善されていくだろう。

 「HELLGATE」は年内に正式サービスに関するアナウンスがなされるということで、今後本作がどう変化していくか、注目していきたいところだ。今後は、PVP要素なども盛り込まれ、さらに韓国で実装されている東京を舞台としたマップも楽しみだ。他にどんなゲーム要素が入ってくるか期待したい。


初めてのパーティープレイは大英博物館までの道と、そこからの戦いが中心となった。ACT1という区切りの戦いなため、かなりの激戦となった
2人目は大英博物館から、次の駅までの道を進んだ。次の駅までは敵が多く、1人ではキツイ感じだ。今後はパーティープレイの必要性が増してくると感じた

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Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

(2010年 6月 18日)

[Reported by 勝田哲也]