PS3ゲームレビュー

4者4様のバトルが熱い!
「龍が如く」シリーズ最新作

「龍が如く4 伝説を継ぐもの」

  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • 発売元:株式会社セガ
  • 開発元:株式会社セガ
  • 価格:7,980円
  • プラットフォーム:プレイステーション 3
  • 発売日:発売中(3月18日発売)
  • プレイ人数:1人(特定のミニゲームのみ2人プレイ可)
  • CEROレーティング:D(17才以上対象)


シリーズを重ね進化してきた「龍が如く」。本作では主人公が4人になった。これまでの物語をダイジェストムービーで閲覧できるので初めての人でも安心だ

 

 株式会社セガから3月18日に発売された「龍が如く」シリーズ最新作「龍が如く4 伝説を継ぐもの」。これまでは「桐生一馬」を主人公とした物語であったが、本作では主人公が4人となり、それぞれの主人公の視点から物語が楽しめる。

 バトルシステムについて大きな変更はないが、特色の異なるプレーヤー操作キャラクターが追加されたことで、4タイプのバトルが味わえるようになった。ただ、基本システムは同じなため、シリーズをプレイしてきた人であれば、どのキャラクターも簡単に操作できる。バトルの難易度は従来よりも少し下がった印象を受けた。

 ミニゲームは過去最大数。ミニゲームといいつつも、ミニとは呼べないレベルのものが多数収録されている。

 ゲームデータのインストールに対応。インストールせずに遊ぶことはできない。インストールには約20分ほどかかり、5120MB以上の空き容量が必要だ。

 早速、本作の魅力を紹介していこう。



■ 神室町で起きた小さな事件から大きな事態へと発展していく

 2010年、神室町。桐生が去ったこの街に、3人の男がいた。秋山駿。元ホームレスという経歴を持つ、街金業者。冴島大河。25年前、極道18人を殺して死刑判決を受けた脱獄囚。谷村正義。「神室町のダニ」と陰口を叩かれる、賄賂まみれの生活安全課刑事。それぞれの事情を抱えネオン街の喧騒と裏路地の暗闇の中を渡り歩く男達。だが、ある事件をきっかけに、彼らの運命は交錯する。極道同士の小競り合いと、発砲事件。この街にとっては、よくある出来事のはずだった。1人の女が、神室町に現われるまでは……。女の哀しみの影に、男達の激情が交差する。やがて彼らは集う。1人の男の元へ。“伝説の龍”と呼ばれた男、桐生一馬の元へ。

 神室町ではよくある出来事であったはずの極道同士の小競り合い。この出来事が大きな事態へと発展していく。4人の主人公を通して描かれる龍が如くらしいストーリーが堪能できる。また、これまでのシリーズをプレイしていない人でも、シリーズのダイジェスト映像が用意されているので安心してほしい。

 東京ゲームショウ2009のセガブースで開催されたWebラジオ「新・神室町 RADIO STATION」公開収録で話されていた「脱獄した冴島大河のストーリーを進めると何故真島が眼帯をするようになったかがわかるようになっている」についても明らかになるので、シリーズファンなら是非ともプレイしてほしい。

 本作を語る上で、登場人物たちは欠かすことのできない重要なファクターだ。ここからは4人の主人公や物語に大きく関わってくる人物を紹介していきたい。

■ 物語を紡ぐ4人の主人公

 シリーズの主人公である伝説の龍・元東城会四代目「桐生一馬」に加え、元ホームレスの街金融「秋山駿」、極道18人殺しの脱獄囚「冴島大河」、神室町のダニと呼ばれる刑事「谷村正義」と4人の主人公により物語は進んでいく。

【4人の主人公】
桐生一馬 (CV:黒田崇矢)
伝説の龍・元東城会四代目
神室町の伝説となっている元極道。3年前から沖縄の養護施設「アサガオ」を運営し、遥と共に慎ましくも穏やかな日々を過ごしている。2009年に起こった沖縄土地買収騒動では、事件の裏で糸を引いていた男達との激闘に決着をつけるも、敵対する浜崎組組長・浜崎豪に刺され負傷した。一命を取りとめるものの、沖縄での静養を余儀なくされる。2010年現在は、傷も完治し、再び元の幸せな生活をおくっている
秋山駿 (CV:山寺宏一)
元ホームレスの街金融
数年前までホームレスをしていたという謎の街金業者。天下一通り沿いの雑居ビルにある「スカイファイナンス」を経営する。他の街金融が融資を断ったような客にまで金を貸す、その際客に特殊なテストをさせている、などの怪しい噂が絶えない。秋山の店に来る客も決して一筋縄ではいかない面々で、中には組織に上納するための金を借りに来る極道もいるとか。店の運営は事務員の「花ちゃん」に任せ、自分は好きな時間に出社し、好きなだけ昼寝し、好きな時に外出するという生活を送る。そんな秋山の店に、謎の女が現われた……
冴島大河 (CV:小山力也)
極道18人殺しの脱獄囚
元東城会系笹井組若衆。1985年4月に起こった「上野吉春襲撃事件」の実行犯。この事件で上野誠和会組員18人を殺害、死刑判決を受け、東京刑務所に服役する。それから25年。死刑執行の日を待ち続ける冴島に、思わぬ転機が訪れる。東京刑務所からの突然の移送……移送先は、誰も存在を知らない「謎の刑務所」だった……。囚人だけではなく、看守さえも極悪なその施設には、元東城会の大幹部の姿もあった。そこで明かされる「襲撃事件」の真相。己の信じていたものを確かめるため、仁義を貫き通すため、冴島は動き出す
谷村正義 (CV:成宮寛貴)
神室町のダニと呼ばれる刑事
警視庁神室署生活安全課の刑事。神室町の違法風俗店に出入りしては、違法行為を見逃す代わりに賄賂をもらっている。“神室町のダニ”と陰で罵られる汚職刑事である。ギャンブル好きで、勤務時間中にラジオの競馬中継を聴き、雀荘に入り浸る日々を送る。悪徳刑事の裏の顔では、不法入国した外国人を雇って搾取する経営者に厳しい一面を見せることも。自分と同じ「風俗孤児」の境遇にある人間への支援を密かに行なっている。また、孤児だった自分を救ってくれ、今の自分と同じ刑事でもあった養父の死の原因を追うことも、谷村の大きな目的である。このことは、本当に信頼のおける人間にしか話さない

 4人の主人公以外にもストーリーに欠かせない個性豊かな人物が多く登場する。CVを担当するメンバーは本シリーズらしく豪華な面々が揃っている。

リリ (CV:小沢真珠)
年齢不詳・本名不明。どこか影のある謎の女。保証人無しでも金を貸してくれるという噂を信じ、秋山の店・スカイファイナンスを訪れる。彼女の要望は「10日以内に現金で1億円貸して欲しい」。なぜそんな大金が必要なのか、その真意は……?
城戸武 (CV:桐谷健太)
東城会直系柴田組傘下の三次団体・金村興業の構成員。喜怒哀楽のはっきりした性格と人懐っこさを持った若手の極道者。金村興業の若頭である兄貴分・新井を慕っている
堂島大吾 (CV:徳重聡)
東城会六代目会長。沖縄の土地買収騒動に巻き込まれ凶弾に倒れるも、強靭な生命力で復帰。跡目騒動で混乱した東城会をまとめ上げようと奮闘している
浜崎豪 (CV:高橋ジョージ)
1年前まで東城会の若頭補佐として最高幹部の地位にいたが、跡目争いで中国マフィア・蛇華(じゃか)と結託し暗躍。その野望を桐生によって潰され、警察に逮捕される。現在服役中
杉内順次 (CV:遠藤憲一)
警視庁神室署捜査1課刑事。極道者もひるむほどの強引かつ乱暴な捜査も辞さない鬼刑事。極道や極道相手に商売をしている人間を嫌い、金村興業に金を貸し付けていた秋山を執拗に付け狙う
新井弘明 (CV:沢村一樹)
金村興業若頭。事なかれ主義の金村組長に代わり、組の実質的な運営からも将来を嘱望されるほどの実力者。実直な人柄で多くの人間から信頼されている
宗像征四郎 (CV:北大路欣也)
警視庁副総監。現場叩き上げから副総監にまで昇りつめたという、破格のキャリアを持つ伝説的な人物。1985年に冴島が起こした上野吉春襲撃事件では、刑事部長として事件に関わっていた
真島吾郎 (CV:宇垣秀成)
東城会直系真島組の組長。かつては超武闘派として名を馳せ、桐生とは何度も拳を交えた終生のライバル。まだ若い堂島大吾を支えるべく東城会の若頭補佐をしていたが、組織の若返りのため舎弟へと直る。現在は再び建設事業に力を注いでいる
遥 (CV:釘宮理恵)
桐生の最愛の女性、由美が遺した少女。桐生とともに沖縄へ渡り、親のいない子供たちと一緒に養護施設「アサガオ」で暮らしている。中学生となり、施設の小学生達のお姉さん的立場で面倒を見ている

 他にも秋山の経営するスカイ・ファイナンスの事務員兼秘書の花(CV:平野綾)、上野誠和会の若頭 葛城勲(CV:立木文彦)といった新キャラクターにも注目だ。伝説の情報屋 サイの花屋(CV:藤原喜明)、元刑事の新聞記者 伊達真(CV:山路和弘)らシリーズでお馴染みのキャラクターも登場する。



■ 四者四様のアクションが楽しめるバトルパート

 簡単な操作で地形や武器を使った攻撃や迫力ある連携が繰り出せる簡単操作のバトルシステムは健在。

 バトルの難易度は前作よりも多少下がった印象がある。より誰でも遊べるように調整された結果だろうか。歯ごたえのあるバトルを求めるなら、プレイ開始時に難易度を上げるといい。

 敵を倒したり、サブストーリーをクリアしたりすると経験値が手に入る。経験値を稼ぐとレベルアップし、能力が上がる。さらに呼ばれる能力強化に必要なスキルソウルが手に入る。スキルソウルを使って獲得できる能力はキャラクターにより異なる。

 獲得する能力はプレーヤーが任意に決められる。プレイスタイルにあったものを取っていくといい。使い勝手や汎用性を考えて、コンボスピードアップ、連携からの派生や追い討ちで使えるヒートアクションの能力を優先して獲得することを筆者はオススメする。

 全難易度試したわけではないが、レベル上限は20のようだ。ストーリーを進め、サブストーリーや地下闘技場などをプレイしていればあっさりとレベル20に到達する。レベル20時点で全ての能力が獲得できるので安心して能力を獲得していってほしい。

ボタンを続けて押すだけで迫力ある連携が繰り出せる。技や特徴を理解すれば、さらにバトルが楽しめるバトルやサブストーリーをクリアすれば経験値が手に入る。他にも食事を摂ったり、武器を破壊することでも経験値が得られるレベルアップしたら、得られたスキルソウルを使って能力を強化できる。欲しい能力から優先して獲得していこう
ヒートゲージがたまったらヒートアクションのチャンス。使える場面になると画面に表示されるのでわかりやすい。ヒートアクションの中には使い込むことで成長するものもある

 これまでのシリーズと異なり、操作キャラクターが4人に増えた本作では、それぞれのキャラクターの特徴を把握して戦う必要がある。ここからはそれぞれのキャラクターについて簡単に紹介していきたい。


 ・ 秋山駿 (CV:山寺宏一)

 第1部に登場し、最初に操作することになるのが秋山駿。スピーディーかつ隙の少ない多彩な足技を駆使して戦う。最初のキャラクターに相応しく操作しやすくバランスの良いキャラクターに仕上がっている。

 連携からヒートアクションにつながる能力や追い討ちで使える能力は使いやすいため、早い段階で獲得しておくといいだろう。



 ・ 冴島大河 (CV:小山力也)

 冴島大河はタメ技を得意とするパワーキャラクター。単発、連携など全てのフィニッシュブローをためることができる。

 タメ中に攻撃を受けて攻撃を中断されがちな使い勝手の悪いキャラクターと思いきや、攻撃を受けても怯まないタイプの能力を覚えることで強力かつ扱いやすいキャラクターに化ける。通常の難易度であれば、連携~フィニッシュブロー(タメ)を繰り返すだけでボスクラスの敵でも簡単に撃破できるほどだ。


 ・ 谷村正義 (CV:成宮寛貴)

 捌き、掴みからの派生する腕取り掴みや投げといったテクニカルで華麗なバトルができるのが谷村正義。

 捌きや掴みからの投げは、他の敵にヒットすることから、多数の相手とのバトルにも強さを発揮する。能力によっては投げた敵にヒットした敵をダウンさせることも可能。

 捌きは敵の攻撃に併せてL1ボタンを押すことで出るのだが、L1はガードのボタンでもあるため、失敗してもガードとなるだけで隙なく使える。また、捌いた相手は無防備になるため、1対1のバトルでも使い勝手がいい。


 ・ 桐生一馬 (CV:黒田崇矢)

 全キャラクター中、最も多くの技が持ち、あらゆる場面に対応できるハイレベルなオールグラウンダー。プレイ可能になる時点から豊富な技が扱えることも彼の強さを印象づける要因のひとつであろう。

 「古牧流・弾き返し」、「古牧流・虎落とし」、「古牧流・受け流し」といった古牧流格闘術も健在で、シリーズで使っていたテクニックはそのまま使える。





■ 屋上、地下とさらなる進化を遂げた神室町が堪能できるアドベンチャーパート

 前作では沖縄が追加されたが、今回は新たな地域の追加はない。ただ、その分、神室町には屋上と地下エリアが追加され、新たな神室町が堪能できる。屋上や地下へ行ける場所はマップにわかりやすく表示されているので迷うことはないだろう。

 牛めしや定食が充実している松屋、個性的なテーマソングのドン・キホーテなど、タイアップ企業の店舗に加え、サントリーやエースコックなど、販売されている商品にもタイアップ商品が含まれている。これら実在企業とのタイアップにより、神室町はリアリティのある街並みを実現しているといえるだろう。

実際の街のようなリアリティを持つ神室町。この神室町を舞台に物語が繰り広げられていく新たに屋上や地下が追加された。屋上や地下ならではのイベントも発生する街を歩いているとギャングやヤクザが絡んでくる。さっさと退治して経験値やお金をいただこう

 依頼人の話を聞いて依頼を達成していくサブストーリー。キャラクターを深く知ることのできるものや小さな出来事を追いかけるものまで様々。アイテムや経験値などの報酬がもらえるのである程度はこなしておくことをオススメする。

 本作でもコインロッカーの鍵は街のいたる所に落ちている。とんでもない場所にあったりもするので主観視点を利用して獲得していこう。コインロッカーは泰平通り、神室地下街の2つあり、開けるとアイテムが獲得できる仕組みだ。この鍵集めに役立つのがロッカーキーウォッチャー。鍵の周囲に近寄ると音を鳴らして教えてくれる便利アイテムだ。ただ、このアイテムがあるせいか、難しい位置にある鍵が増えたような気もする。

特定の人物と話すと発生するサブストーリー。携帯電話のメールから発生するなんてことも街のいたる所に点在するコインロッカーの鍵。誰がこんなところに落としたんだ!と笑ってしまうような場所にあることも2種類あるコインロッカー。メニューのコンプリートで、開けた場所、鍵を持っている場所などがいつでも確認できる

 特定の場所で発生する出来事からは「天啓」を得て新たなヒートアクションが使えるようになる。出来事の記録方法は4人それぞれ異なる。中でも冴島は木を掘るという独特な記録方法だ。街中でいきなり木を掘り出す様は圧巻なので1度は見て欲しい。

 技が習得できたり、アイテムがもらえる修行の相手もキャラクターにより異なる。桐生一馬は師匠である古牧流無手格闘術師範の古牧宗太郎から、秋山駿なら海外で傭兵として戦ってきた西郷から修行が受けられる。修行をこなすことで戦力増強が見込めるので修行を受けられる人物と出会ったら、全てとは言わないが少しくらいはこなしておこう。

 地下闘技場はストーリーをある程度進めると利用できるようになる。結果に応じて経験値、お金、闘技場ポイント、名声ポイントがもらえる。闘技場ポイントは特定のアイテムと交換できるポイントで、強力な装備品も用意されている。名声ポイントをためると称号が変化。称号のランクが上がると多く報酬がもらえるようになる。このように地下闘技場では複数の報酬が1度に得られるため、効率よくキャラクターを強化できる。

新たなヒートアクションが得られる天啓。秋山駿は携帯電を使って天啓を記録する修行をこなしておけば戦力アップ間違いなし。難しいものもあるが、諦めずにリトライしよう難易度が高いものほど、多くの報酬が得られる地下闘技場。様々な条件での熱いバトルが楽しめる


■ 実在機種が遊べる「パチンコ」や格闘家育成シミュレーション「格つく!」といった充実のミニゲーム

 多くのミニゲームが収録され、毎回新たな遊びが追加される本シリーズ。今回追加されたもので注目したいのは「パチンコ」と「格闘家をつくろう!」だろう。

・ パチンコ

 「パチンコ」はパチンコ店ボルケーノでプレイ可能。お金を支払って玉を買い、玉は景品と交換できる。「~の皿」というアイテムと交換して売ればお金を稼ぐことも可能だ。遊べるパチンコ台は「CRアラジンデスティニーEX」、「CRバーチャファイターMVJC」の実在2機種となっている。

 自動で玉を打ち出す機能があるため「CRバーチャファイターMVJC」で以下の条件でテストを行ってみた。

  ・パチンコ玉を購入し、オートで玉を打ち出すようにセット
  ・ボタン入力などは一切しない
  ・30分毎に確認
  ・玉がなくなるか、3時間経過するまで、計3回計測

「CRバーチャファイターMVJC」テスト
テスト1回目
~30分0玉  当たりを引けず玉切れ
テスト2回目(台を変更)
~30分0玉  当たりを引けず玉切れ
テスト3回目(台を変更)
~30分4,502玉  2人勝ち抜き中
~60分9,152玉  6人勝ち抜き中
~90分16,724玉  10人勝ち抜き中
~120分17,621玉
~150分17,135玉  1人勝ち抜き中
~180分22,181玉  6人勝ち抜き中

 放置していても玉が増えるケースがあることがこのテストからわかる。玉で交換できるアイテムやお金目当てで寝る前にでも試してみてはいかがだろうか。うまくいけばセットして放っておくだけで、ものすごい玉数(結果的にお金)がゲットできるかもしれない。失敗しても初期投資費用だけですむ。

「CRバーチャファイターMVJC」、「CRアラジンデスティニーEX」の実在2機種がプレイ可能。打ち方ガイドまでも用意されている親切っぷり。勝率を上げたいなら当たり確率に影響するアイテムを忘れずに

・ 格闘家をつくろう!

 「格闘家をつくろう!」では、練習スケジュールを曽田地道場の門下生に指示して育成していく。1回の練習スケジュールでは通常4+特別1の5項目が設定できる。最終的に50ターン以内に新人トーナメントで優勝するのが目標だ。育てられる門下生は1人ではなく、それぞれの門下生の特徴に応じて育成方針を変えていく必要がある。

 試合に勝利すると賞金が得られる。賞金は懐には入らないが、道場の練習施設のレベルを上げるのに使うことができる。レベルの高い施設ほど、効率のよいトレーニングが可能になるため、惜しむことなく施設のレベルをあげておきたい。

 実際に試合が始まれば後は見ているだけ。と思いきや○ボタン連打でトレーナーゲージを増やし、MAXにすることで必殺技使用タイミングを指示できるといった要素がある。必殺技を指示すると○、△、□、×のボタン入力画面が表示され、制限時間以内に入力を成功させれば必殺技が発動する。ミスしてしまうと逆にダメージを受けてしまう。また、成否を問わず信頼が少し下がってしまうデメリットがある点にも注意したい。

練習メニューを設定し、実行したら、結果を見守るだけでいい。怪我をさせないように休息を挟みながら練習させよう門下生とのミーティングは信頼をアップさせられる可能性のある特別メニューの1つ。3択に正解し、信頼を上げよう試合では必殺技使用タイミングにのみ介入できる。ただし、トレーナーゲージがMAXでも必殺技発動に必要な状況にならなければ指示できない

 他に「温泉卓球」、前作に登場したシューティングゲームの続編「BOXCELIOSII」、「カラオケ」の新曲なども追加されている。「No.1キャバ嬢をつくろう!」や「麻雀」など従来のものも遊べるので安心してほしい。麻雀やカジノなど、結果としてお金につながるものが多くあるので金策として楽しむのもいいだろう。

 ファーストインプレッションでも紹介されているので興味があれば覗いてみてほしい。



■ 無料でネットワーク配信されるエキストラコンテンツ

 ゲームクリア後に「PREMIUM ADVENTURE」を選択して「占いの店 ナオミの館」を訪れると楽しめるエクストラコンテンツ。エクストラコンテンツには特別なゲーム、アイテムパック、衣装などがある。

 発売日から楽しめるのが、倒されるまでに倒した敵の人数を競う「地下闘技場SP-闘技王決定戦」。PlayStation Networkにサインすることで結果をネットランキングに登録できる。

 前作では各ミニゲームの2P対戦モードやアイテムパックなどが配信されたが、本作では具体的にどんなコンテンツが配信されるかは続報に期待してほしい。

シンプルでわかりやすいルールの「地下闘技場SP-闘技王決定戦」。ネットランキングに登録し、自分とランカーたちとのスコアを比べてみよう


■ 最後に

 現段階では詳しく紹介できないのが残念だが、他のゲームでは味わえない「龍が如く」ならではのストーリー展開やクリア後に用意されたコンテンツのボリューム、クオリティはさすがの一言。

 サブストーリーやミニゲームをあまりプレイしなければ、1キャラクター4~6時間程度でクリアできるため、メインとなるストーリーを追うだけなら気軽にプレイできる。ヘビーなプレーヤー向けには多くのやり込み要素、クリア特典、ミニゲームが用意されているため、遊ぼうと思えばいくらでも遊べる。

 このボリュームのタイトルを1年に1本程度のペースで開発しているスタッフには頭が下がる。これだけ多様なゲームを収録しているとなるとチェックするだけでも膨大な時間がかかりそうなものだが、シリーズを重ねていくことで生み出されたノウハウがあるのだろう。

 個人的に4人の中ではバトルスタイル、ストーリー共に谷村正義が一押し。彼をプレイできるのは3部なため、ある程度ストーリーを進めなければならないが、是非ともプレイしてほしい。なお、アップデート配信にどのようなコンテンツが用意されているのかは未発表。続報に期待してほしい。

 PS3を持っていて本作の世界観やジャンルが好きなら買わない手はないだろう。



(C) SEGA

(2010年3月27日)

[Reported by 木原卓 ]