「エルダー・スクロールズ・オンライン:モロウウィンド」レビュー

エルダー・スクロールズ・オンライン:モロウウィンド

冒険の大地はキノコと火山の島「ヴァーデンフェル」!
「ウォーデン」で出発する新たなる旅路

ジャンル:
  • アップデートパッケージ
発売元:
  • DMM GAMES
開発元:
  • Zenimax Online Studios
プラットフォーム:
  • Windows PC
  • Mac
価格:
3,996円(税込)より
発売日:
2017年6月6日

 6月6日0時、ついに「エルダー・スクロールズ・オンライン(ESO)」初のアップデートパッケージ「モロウウィンド」が解禁となった。今回話題になるのは、ナンバリングタイトルの「The Elder Scrolls III:Morrowind」の舞台となった「ヴァーデンフェル」地方での壮大なストーリーを楽しむことができるところだろう。

 これまでのDLCは月額課金サービス「ESO PLUS」を使っていればプレイできたが、今回は料金が(ダウンロード版が3,996円(税込)より)が必要となる。そのボリュームはすさまじく、30時間はプレイできるヴァーデンフェル地方の追加シナリオ以外に、新たなクラス「ウォーデン」や、新たなPvPモード「バトルグラウンド」の追加など、これまでのDLC以上に遊びごたえがある。育てたキャラクターでも、新キャラクターでも楽しめるところもポイントが高い。この機会にプレイを始めるのもいいと思う。

 特に追加シナリオについては、「モロウウィンド」から冒険が始まる新たなチュートリアルまで用意するほどの気合いの入れようで、旧シリーズを知ってる人だけでなく、より多くの人にモロウウィンドの世界観を知ってもらいたいという思いが感じられる。筆者は残念ながら旧作の「Morrowind」は未体験だが、事前に簡単に歴史を調べてから、先行体験プレイで「モロウウィンド」に挑戦してみた。これから挑戦する人は、ぜひ参考にして欲しい。

【「ヴィベクの呼び声」~エルダー・スクロールズ・オンライン 日本語版(字幕版)】

キノコの国!? ダークエルフの支配する広大なヴァーデンフェル地方を歩いてみる

 今回の大型アップデート、「モロウウィンド」の舞台となるヴァーデンフェル地方は、2002年発売のシリーズ3作目「Morrowind」と同じ地域だ。日本語版が発売していないこともあって、筆者はプレイしていないが、主人公が予言で示された英雄となって世界を救うというストーリーが展開したという。今回は、その時代より“前”の時代が描かれる。調べてみる旧作で登場したキャラクターが数多く登場するということで、「モロウウィンド」をプレイした筆者は、旧作にも俄然興味がわいてしまった。

既存キャラクターでヴァーデンフェルに向かうには、招待状を使用してクエストマーカーを出現させれば、船の元まで簡単にたどり着ける。とはいえ船はかなりオンボロなので無事にたどり着くか心配になりそうだが、特に何事もなく、無事にヴァーデンフェルに着ける
今回はアルゴニアンのウォーデンを作成して1から再度冒険に挑むことにした。あんまりド派手な角を付けるのに抵抗があったので今回は俺らしくツルツル頭にしてみた。鱗模様があるので角や髭がなくてもあまり違和感がない。最近は顔をすっぽり覆うフルフェイスの兜を常備しているので顔は出さないようにしてたりする
平和な船旅。酔っ払った同乗者が話しかけてくるのんびりした感じだが……
気が付くとあっという間に毎度お馴染みの監獄だった。今回はたまたまアルゴニアンをチョイスしたが、別のアルゴニアンも奴隷商人に捕まっていた。要領の悪いヤツだな
声がかわいいダークエルフの暗殺者、ナリューが脱走の手筈を整えてくれる

 ということで早速モロウウィンドを導入してみた。既存のキャラクターでプレイしていると、キャラクターの元に招待状が届き、モロウウィンドの舞台となる「ヴァーデンフェル」に船で渡ることが可能になる。招待状を使うことでクエストとして受注され、マーカーが表示されるようになるので、それに従って向かえばいい。最終的に港に設置されたヴァーデンフェルに渡るための船に誘導してもらえるので、それに乗ればあっという間にヴァーデンフェルにたどり着く。

 ヴァーデンフェルは地図上の位置的にはエボンハート・パクト領の北にあるかなり大きな島で、島の北部には巨大な活火山「レッドマウンテン」がそびえ立ち、島のどこからでも確認できる。このレッドマウンテン、エボンハート・パクトの北の海岸までいくと、そこからでも確認することができる、かなり存在感のあるシロモノだ。

 今回は今まで連載などで使い続けてきたハイエルフではなく、今回導入された新クラスの「ウォーデン」で挑戦してみた。やはり、常に熊を従わせて戦うのは楽しそうだ。そして種族はアルゴニアンをチョイス。アルゴニアンは竜人とも言える外観が特徴で、鱗があり、立派な角や髭を生やすこともできるが、今回はあえて角のないツルっとした細身のアルゴニアンを作成して冒険することにした。

 「モロウウィンド」のウリの1つが「新しいチュートリアル」だ。導入後に新キャラクターを作成した場合、モロウウィンドのクエストが起点となり、完全に新規でなければチュートリアルをスキップしていきなり物語を始めることもできる。チュートリアルの始まりは快適な船旅。本シリーズは基本いつも囚人スタートなのに珍しいと思ったのも束の間……あっという間に船が大揺れで大破し、気が付くと奴隷商人に捕まって牢獄にいた。シリーズのお約束なのは承知だが、何度牢屋にぶち込まれてもドキドキしてしまうシチュエーションだ。

 ここで脱走を手伝ってくれるダークエルフの暗殺者「ナリュー・ヴィリアン」からアイテム回収や戦闘など、一通りの操作方法を学ぶことができる。彼女の手ほどきで囚われていた囚人たち全員が牢獄を脱出でき、それ以降はヴァーデンフェル地方を自由気ままに旅できるようになる。

 そこでまずあえてクエストなどを進めず、ヴァーデンフェルの島をぐるっと一巡りしてみた。フィールドの印象はとにかくキノコ! 右を見ても左を見てもいたるところに生えているキノコが印象的だ。大小様々なサイズのキノコが草原や川などにこれでもかと生息しているほか、ヴァーデンフェルに住むダークエルフの賢者たちなど、偉い人の住処なども建物の代わりにキノコが使われており、エルフが木々をそのまま家として使っているのに通じるところがある。

 ヴァーデンフェルでは基本的にダークエルフが社会の中心となっており、昔ながらの貴族的な名家が存在し、彼らが統治者となり代々各地を支配している。中でもヴィベクなど生き神と呼ばれるトリビュナルのダークエルフたちの権力は絶大だが、彼らにもそれぞれ問題や悩みがあり、それを解決していくのがメインのストーリーとなるようだ。こうやって「Morrowind」の時代まで生き残り、ストーリーにも絡む主要キャラクターのヴィベクたちの若かりし頃の話が楽しめる辺りは旧作を知ってるとテンションが上がるところだ。

 ダークエルフの中でも階級社会は存在しており、ヴィベクたち生き神を信仰する派閥のほかに、デイドラを信仰するアッシュランダーたちも登場する。アッシュランダーたちはこの時代では明確に蛮族として扱われており、地位も低く虐げられており、しばしばもめごとが発生しているようだ。

 さらにはアルゴニアンやカジートなどが非合法ながら奴隷として扱われる種族差別が蔓延した階級社会というのも特徴だ。今回はその辺の背景を知らずにたまたまだがアルゴニアンを選択した事で、虐げられる側により深く感情移入できたのは面白かった。例えば最初の牢獄で知り合った別のアルゴニアン「エイオキ」と脱獄後に「サドリス・モラ」という町で再会したのだが、よっぽど要領が悪いのか、彼は再びこの街を支配する貴族「テルヴァンニ家」の奴隷としてダークエルフにこき使われていたのだ。

 彼との再会がきっかけとなり、そこから野心を持った同じテルヴァンニ家の奴隷のアルゴニアン「影の中の太陽」の出世を手助けをするようなサブクエストが発生した。今回はそれを中心に進めてみたのでちょっと紹介しよう。

 彼女は魔法の知識と能力があるため、その能力を活かして出世したいという。しかも彼女が出世することで、奴隷を得られる立場になれば、エイオキを自分の手元に置き、自由にしてあげられるから、出世のための裏工作に協力してほしいと頼まれたのだ。

 最初のうちは順風満帆に出世していった。奴隷から貴族の召使いとして雇用されるところまで昇進し、個人の家まで持てるようになったのだ。ところが彼女の野心はここで終わらない。さらに上級の家臣への出世をしようとあれこれ根回しを画策するが、アルゴニアンという種族その物を嫌う貴族、「テルヴァンニ家」のメンバーの1人の感情的な偏見が原因で、折角の根回しも役に立たず、出世への道は断たれてしまう。

 そこで終わればよかったのだが、彼女はこちらを騙してその貴族の暗殺を試みる。暗殺その物は成功するが、その企みはバレてしまい彼女は幽閉されてしまう事になる。彼女を釈放するために再度力を貸してやり、無事釈放されるところまでは進めたのだが、サブクエストはここで終わらない。彼女の野心は最終的にどこに向かうのか……

 ゲーム的には行なったり来たりのお使いが中心となるのだが、内容は単なるお使いにとどまらず、色々な趣向が凝らされているので飽きずに進められる。さらにはストーリーがしっかり構成されているので、こんな感じでサブクエスト1つ取っても続きが気になるためについついクエストを進行させたくなってしまう。気が付けば時間の大半を彼女とのサブクエストに費やしてしまった。この辺りの物語の作りは実に見事だ。

 「ESO」では「The Elder Scrolls」シリーズのバックグラウンドの世界観がしっかりできているので、こうしたストーリーを組みやすいのだろう。どのクエストを進めても不自然な話になることがなく、さらには考えさせられる結末を迎えたり、その取捨選択をこちらに委ねる事も多いので、選択肢が出た画面でしばし考えさせられる事も多い。この辺りのストーリーの深みは「ESO」のメインクエストもそうだったが、本作「モロウウィンド」ではさらに深そうなので、ストーリーメインで楽しんでいた人たちはさらに楽しめそうだ。

 最後に1つ、旧作「Morrowind」をプレイした事がある人は是非メインクエストを進めてみてほしい。というのも、メインクエストの序盤の調査クエストでアッシュランダーの一族を調べていたら、何と「ネルヴァリン」の名前が出てきたのだ! ネルヴァリンと言えば「Morrowind」の主人公で予言でうたわれた救世主の呼び名だ。このタイミングで登場するのはちょっと早い気がするのだが、ここで登場したネルヴァリンは果たして本物なのか偽物なのか……続きが気になるところだ。

【スクリーンショット】
エボンハート・バクトの北、ストンフォールの街からはヴァーデンフェルが確認できる。試しに泳いで渡れるか試してみたが、ちょっと岸を離れた辺りで魚が出現し、あえなく死んでしまった。やはり正攻法じゃないと渡れないようになっているようだ
フィールドを歩いていて気になるのはやっぱりキノコ。とにかくでかいのから小さいのまで様々だがキノコキノコ。島の西の方が若干キノコは少ない印象だが、どこかしらにキノコは存在する
ダークエルフの生き神「ヴィベク」。体は黄金に輝き、常時浮いているので、確かに神様っぽさを感じられる。神様なら何の悩みも苦労もなさそうに見えるが、実は……
賢者たちの建物内にはこのような魔法のエレベーターが設置されている。ちょっとSFっぽくもあってなかなかカッコいい演出だ
アッシュランダーは全体的に好戦的なので、あまり話をせずに敵対すると確かに蛮族と呼びたくなる気持ちもわかる。だが抗争を避ける方向で話し合いをしていると非常に知的で、他のダークエルフと比べても筋の通った意外といいヤツであることがわかる
トナカイのような角と毛並みと、昆虫のような6本の足を持つスキャンパー
魔法が使えるアルゴニアン「影の中の太陽」。詩的な名前が内に秘めたる野心を覗かせているようにも思える
他の賢者たちにも知れ渡る才能の持ち主のようで、裏工作があったとは言え、あっさり奴隷から解放され、雇い人まで昇格した
本作の隠されたテーマとしては、ダークエルフを頂点とする階級社会のあり方について色々考えさせられる。これまでアルゴニアンの迫害っぷりは色々見てきたが、ハイエルフすら奴隷として売買されてしまう場合もあるようだ
行き先がふさがっているダンジョンにはシリーズお馴染みのパズルも健在だ。リトライ不可の物はないので、ごり押しで解決してもいいし、頭を使ってパズルを解いてもいい
これまでの冒険譚が本当か怪しくなるほど、罠にハマるだけハマって自分では何もせず、思った通りの展開にならないとこちらに八つ当たりしてくる冒険家「ナルシス・ドレン」のサブクエストはあまりのバカさ加減に怒りを通り越して笑ってしまった

ウォーデンはバランス重視! メインはマジカだがスタミナも重要

 新クラスのウォーデンについてもより詳しく紹介したい。ウォーデンについては「熊を従えて戦う」以外の情報を殆ど入れずにノリで始めてみた。そのため、当初の個人的な印象では戦士っぽいイメージだったので、ゲーム開始直後はスタミナにもステータスを振って重装備+剣を装備して冒険を開始してみた。

ウォーデンと言えば熊を従えて一緒に冒険するイメージが強い。ただしこの熊を召喚するアルティメットアビリティ「野生の守護者」を取得するにはウォーデンのメインスキル「獣神」をレベル12まで上げる必要がある。つまりそれまでは身1つで冒険しなければならない
個人的に一番使いやすいのが獣神スキルの「ダイブ」だ。クリフ・レーサーという鳥を呼び出して敵に突撃させるというなかなか残酷な魔法だが、呼ばれた鳥が青白い感じなので、精霊的な意味合いなのかもしれない。その後、変異により遠距離の敵へのダメージを増加した「絶叫ダイブ」に強化している

 ところが気持ちよく剣で敵を倒してレベルアップしてから、よくよくメインスキルである「獣神」の詳細を見てみると消費するのがマジカばかり! 他のスキル「緑との調和」や「冬の抱擁」も全てマジカ消費のスキルだ。実際のところは魔法がメインのクラスという感じだった。

 しかもウォーデンの象徴とも言える熊を召喚させて戦わせる「野生の守護者」は獣神のレベルを12まで上げることで習得可能なアルティメットスキルなので、そこそこ育てあげないと使えないので注意が必要だ。

 では「魔法使いとして、マジカメインで育てていけばいいのか」、と問われるとそこがウォーデンの悩ましいところだ。というのもウォーデンのスキルはマジカ消費のスキルが中心だが、変異時にパワーが強化される代わりにマジカとスタミナを両方消費するようになったり、スタミナ消費のスキルに変異できたりと、スタミナを上げてもそれなりに役に立てられるスキルが多いのだ。剣をフル活用しつつ戦うスタイルも充分アリなのである。

 ただそうするとどのステータスを強化すればいいのかが悩みの種になる。マジカとスタミナ、剣で戦うならある程度体力も必要になるなど、ステータスの割り振りはかなり慎重に考えないと育成が難しい。そこで、俺の育成は最初はあまり考えずにスタミナに振ってみたが、結局いつものマジカ中心の割り振りに変更し、メイン武器も魔法の杖に変更することにした。ただ、せっかくなので防具については、全て重装備に統一することにした。

 そしてスキルについては、とにかく少しでも早く「野生の守護者」がほしかったので、“クリフ・レーサー”という鳥を敵に突撃させる獣神のスキル「ダイブ」をメインで使う事にした。待ち時間がなく発動して割と早いタイミングで攻撃が飛んでくるので使いやすい。連射も効くのでマジカが許す限り連打すると結構気持ちよく敵にダメージが与えられる。

 同様に獣神の「灼熱」も取得してみた。3秒後に発動し、ショークの群れを召喚して正面の敵にダメージを与える攻撃魔法だ。ダメージはでかいのだが、3秒の発動時間のタイミングが取りにくいので、普段はあまり使わずにここぞという時に使用している。

 そして、回復魔法としては、周囲にキノコを生やして回復する緑との調和のスキル「フンガルの恵み」をチョイスした。しばらく使用しているとレベルが上がり変異可能になったのでスタミナ消費で体力を回復する「安息の胞子」に変異させた。これにより上げたスタミナも有効活用できるスタイルで進めている。また、現時点ではソロでプレイすることが多いため、補助魔法が多い「冬の抱擁」は未取得だ。

 剣をぶんぶんと振り回して戦うウォーデンもいるらしいが、俺の場合は結構後衛向きなスキル構成になってしまっている。他の人は、ステータスの割り振りやスキルレベルの上げ方などをどのように分配してるのだろうか、気になるところだ。

【スクリーンショット】
回復にはキノコを生やす「フンガルの恵み」がとにかく便利。範囲回復なので将来的に仲間と冒険する時にも役に立つ。現在はスタミナ消費で回復させる「安息の胞子」に変異させて使用している
ここぞと言う時に使う獣神スキル「灼熱」はショークの群れが地面からぶわっと現われて正面の敵に大ダメージを与える魔法。3秒の待機時間があるので、使いどころが難しい。タイミングや使い方を研究中だ。変異で気絶効果を追加した「深淵」に強化している
自然の力を使って戦うウォーデン、こちらも育てていきたい

連携大事! 強敵とのエキサイティングな戦い、「バトルグラウンド」

 こちらは正直に言えば軽くしか触れていないのだが、新たなPvPの「バトルグラウンド」についても触れておこう。参加するにはメニューの「アクティビティ検索」から「バトルグラウンド」を選択するだけだ。仲間同士でチームを組みたい場合は事前にパーティを組んでおく必要がある。

「バトルグラウンド」を開始するにはメニューから「アクティビティ検索」を使用する。今回は軽くしか触れてないが、レベル50未満のキャラクターは「チャンピオン」アビリティが禁止されたグループにマッチングしてくれるので戦力差が少ないので助かる。マッチングが完了すると画面中央に通知が表示される。これを承諾すれば時間経過後に自動でバトルグラウンドのステージにジャンプしてくれる
2人で固まって動いたことでかなり有利に戦いを運べた。ただ、敵が死に際にこちらを集中攻撃してきたため、やられてしまった

 キャラクターのレベルに応じて自動でグループの割り当てが決まる。レベル10~50までのキャラクターの場合、レベル50以上で強化できる「チャンピオン」アビリティは使用できないグループが割り当てられるので、シロディールの攻城戦のようにチャンピオンアビリティによる能力差に悩まされる事なくマッチングしてもらえるのはかなりうれしいところだ。順番待ちの設定を終えたら後は待つだけなので適当にプレイして時間を潰す。

 バトルグラウンドのメンバーが集まると画面上に通知が出るので「準備」を選択することでバトルグラウンドの戦場にジャンプする。この際に画面上に「チームデスマッチ」などのルールが表示される。ルールはランダムで決定するため、どのルールで戦えるかは運任せとなる。

 戦場にジャンプしたら準備待ちの時間を経ていよいよバトルスタートだ。今回ソロで試してみたが、敵の陣地から旗を奪って自軍に持ち帰る「キャプチャーザフラッグ」が選択された。メンバーは各チーム2人の少数精鋭となった。

 まずは2人揃って敵の陣地に旗を奪いに向かった。ところがこちらが敵と戦闘を繰り広げている間に、別チームがうちのチームの旗を奪っていった。1人ずつに分散して動くより固まって動く方が有利になるという考えが裏目に出たとも言えるし、運の要素もあるように感じた。今回向かった先のチームの陣地がもぬけのからであれば、旗を奪えたのはうちのチームだったかもしれない。ともあれ奪われた旗を取り戻すより目の前の戦闘に勝利して、旗を奪っていこうとバトルをつづけた。1人の敵に対して2人で挑んだので戦闘はかなり有利に進んだが、魔法使いの自分が狙われて倒す寸前にこちらが返り討ちにあってしまった。悔しい!

 ただ、その後、仲間が旗を奪って自軍に戻ってきてくれたので無事こちらも旗を1つゲットできた。ただ、その後は敵2チームのうち片方のチームが順調に旗を稼ぎ圧倒的にリードを広げた。うちのチームは旗を奪うところまではいいのだが、持って帰る途中で志半ばにして倒されてしまうパターンが続き、8分ほど時間が経過したところで、参加者の1人がログオフしてしまったため、バトルが強制終了となってしまった。

 他のチームの様子を見ていると、2チームの片方はルールを理解しているのか順調に旗を稼ぎ、防衛もしっかり行なうなど連携がしっかりとれたチームだった。もう片方のチームはあまり旗に固執せず、個々に敵のいるところにいきひたすら戦いを挑みにいくデスマッチのような戦い方で、ルールを把握していないようだった。うちのチームはその点でバランスは悪くなかったが、なるべく固まって動こうとした結果、かえって旗を奪われ放題になってしまっていたのが問題だった。

 今回はソロで挑んでみたが、ソロでもこれだけ楽しめるのであればパーティで挑んでうまく連携してバトルできたらもっと楽しく遊べそうだ。今度機会があったらフレンドたちと是非挑んでみたいと思う。何より正式サービスで参加者が増えることに期待したい。12人が参加するフルの戦いが楽しみだ。

 以上、大型アップデート、「モロウウィンド」を先行体験してみたが、正直まだまだ全然遊び足りない。特に重厚なシナリオのサブクエストやメインクエストがまだまだたくさん残っており、これらをもっと遊んでTESシリーズの歴史をもっと深く知りたい。これだけでも「モロウウィンド」を導入する価値があるほど、非常に魅力的なシナリオの数々だと思うので、「ESO」のクエストが楽しみでプレイしていた人はまず間違いなく購入して損はない。

 それに、ある程度レベルが上がったところで、ウォーデンを使って再度バトルグラウンドにも挑戦してみたい。今回はレベル的に足らないという判断からバトルグラウンドのみハイエルフで挑んでみたが、ウォーデンの補助魔法はこうした少人数のバトルで活かせそうな物も多く、もっとレベルを上げてから再度挑んでみたい。ウォーデンの育成もまだまだなので、今後はさらにレベルを上げるための経験値稼ぎなどを進めて、より強力なスキルを覚えたい。

 また、今まで「ESO」をやった事がない人も、これを機会に「ESO」の世界にやってくるのもいいだろう。今回は「モロウウィンド」と「ESO」本体がセットになったパッケージも用意されているので、モロウウィンドをクリアしてから、従来の「ESO」のメインクエストであるモラグバルとの戦いを楽しむのもアリだ。「ESO」の世界はまだまだ盛り上がっていくぜ!

【スクリーンショット】
2人で固まって動いたことでかなり有利に戦いを運べた。ただ、敵が死に際にこちらを集中攻撃してきたため、やられてしまった
スコアを順調に稼ぐ敵チームは、こちらより1枚上手だった。防衛と攻撃の切り替えがうまく、隙を見せたかと思ったら待ち伏せを仕掛けてきたりで、手も足も出なかった。うまいヤツはたくさんいるもんだと思ったが、これこそフレンドやギルドメンバーたちとチームを組んで挑んだら面白そうだ
ギルドメンバーを誘って、4vs4vs4のキャプチャーザフラッグに挑戦した。さすがに総勢12名のバトルは所狭しとキャラクターたちが激戦を繰り広げることとなり、圧巻! 最終的にはバトルスキルも高く、戦術にも長けた敵の1チームが圧倒的勝利で15分を待たずしてコールドゲームとなった。やっぱりPvPは人数が多いほど盛り上がるな!