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「World of Tanks」VRオブザーバーモードが熱かった!
鳥になった気分で上空から戦車戦を優雅に堪能
(2016/4/9 09:26)
Wargaming.netは、Grand Finalsの来場者向けアトラクションのひとつとして、ポーランドのVRメーカーFIBRUMとのコラボレーションによるVRデモを公開した。体験してみたところ、単なる客寄せ用のアトラクションという以上に良くできていたので紹介しておきたい。
今回Wargaming.netが公開したVRデモは3種類。いずれもGoogleのCardboardのシステムを使った簡易VRシステムによるVRデモで、1つはこのためにわざわざ撮影したという第二次世界大戦の戦車戦の実写映像。ドローンや自撮り棒のようなものを使って数メートルほどの高さから撮影したもので、360度空間で様々な映像が楽しめる。数十秒ごとにシーンが切り替わり、複数の戦車が進撃する風景や、榴弾砲の射撃シーンなど迫力たっぷりだ。
そしてもうひとつの映像は実際の「WoT」の30人対戦の映像をVRで楽しむというもので、交差点に置いた定点カメラで納めたもので、戦車達が最大戦速で次々に通り過ぎていく。透明人間になったような気分でなかなかおもしろい。この2つのデモは、すでに公開されているもので、今回初公開されたVRオブザーバー(観戦)モードの前座として、順番を待っている間に楽しめるものだ。
そしてVRオブザーバーモードは、予想していたよりもかなりおもしろかった。視聴は先ほどのデモと同じでCardboardのシステムを使うが、こちらはPC版「WoT」の映像を、スマホにWiFiで飛ばして視聴するというワイヤレスVRシステムになっている。無線でデータをやりとりしているため、わずかにラグがあり若干VR酔いを覚えるものの、激しく顔を動かさなければ十分視聴できるレベルだ。
視聴している試合はすぐ隣で行なわれている、「Grand Finals 2016」と同じルールで戦う来場者同士のバトルで、素材が同じであるため、まるで「Grand Finals 2016」の本戦をVRで観戦しているような興奮がある。
視聴モードは2つあり、1つは通常の観戦モードのように、3人称の視点から他のプレーヤーの試合を観戦できるというもの。これは正直、特筆すべき事は何もないし、VR化したからといって何が変わるわけではない。没入感の高い観戦モードだ。
VRの威力抜群だったのがフライモードだ。デフォルトでは通常の観戦視点となっているが、Xボタンを押す事でフライモードに切り替えできる。フライモードでは、まさに鳥の視点で観戦する事ができる。Xボタンを押すと、視点のロックが外れ、Yボタンで視点を上昇、Aボタンで下降させられる。任意の高さまで視点をあげたところで、上空から試合をのぞき見るわけだ。左スティックで位置を操作し、下を向いて俯瞰で見る。これがなかなか楽しい。
俯瞰で見るといっても、スマートフォンでは解像度が足りないため、ディテールの描写には限界があるが、細かく見たい場合は、視点を落とせばいいだけで、鳥の気分で試合が観戦できる素晴らしいモードだ。
現在、オブザーバーモードは、試合全体が俯瞰できて決定的に有利になるため、マルチプレイでは利用できず、トレーニングモードと、今回の「Grand Finals 2016」のような大会での利用に限定されており、同様にこのVRオブザーバーモードも今のところ実装の予定はないということだが、e-Sportsの観戦とVRの相性の良さに気づかせてくれた点で非常に貴重なデモだった。VRの優れた活用法として、なんらかの形で実装を検討して貰いたいところだ。