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「World of Tanks」の世界一を決める「Grand Final 2016」がワルシャワで開幕

賞金総額30万ドルのビッグマッチ。優勝はNAVIかHellraisersか?

4月8日、9日開催



会場:TORWAR HALL

 Wargaming.net主催の「World of Tanks」の世界大会「Grand Finals 2016」が、ポーランド ワルシャワにて4月8日開幕した。

会場となったTORWAR HALL
コンサートホールのような構造になっている
会場の様子。横にかなり長い
ロビーでは試遊コーナーが用意されている

 「Grand Finals 2016」は、「WoT」のトップリーグである「Gold League」で上位入賞を収めたチームと、ワイルドカードを勝ち上がってきたチームの計12チームで争われる世界大会。賞金総額は30万ドルに達し、優勝チームにはその半分となる15万ドルが与えられる。数ある「WoT」の国際大会の中でも名実ともに頂点に位置する大会となる。

 「Grand Finals」の開催は今年で3回目。「WoT」がメイン市場となっている東西ヨーロッパの真ん中で、e-Sportsが盛んな国ということで、3回連続でポーランドが選ばれ、首都ワルシャワの大規模ホールで開催されている。ただし、会場は毎回変えながら規模を拡大しており、いまだ成長の過程にある大会だ。

 試合ルールは、従来と変わらず攻撃/防衛モードのままだが、使用する戦車が最上位ランクとなるティアXまで解放され、試合時間も7分から10分へと伸び、より濃密な打撃戦が期待される。また、最近適用されたパッチ9.14によるフィジックスアップデートにより、ゲームバランスが激変し、マップ毎のセオリーや、有効な侵攻ルート、攻撃ポイントなどがすべて変わっている。本大会は、チームの実力もさることながら、ティアXとフィジックスの両方にいかに対応するかという、変化への対応力が求められる大会となっている。

 チームへの取材では、ティアXの解放よりむしろパッチへの対応の方が大きな問題ということで、この物理シミュレーションの導入により、たとえば、勢いよく戦車をドリフトさせることで意図的に横転させ、横転させた戦車を壁にして拠点制圧を進めるなど、従来だと考えられなかった新しい戦い方がいくつも生まれている。

 初日の戦いでは、アジアサーバーの野良プレイではあまりお目にかかれない“戦後型”のティアX戦車ばかり、しかも重戦車ではなく、軽量快速の中戦車を主軸に据えた布陣で、一糸乱れぬ隊列を組み、見事な操縦で突き進む姿が見られた。試合時間が7分から10分に延びたため、長期戦が予想されたが、高火力の集中砲火でわずか数分で決着が付く試合が多かった。チーム編成は与えられた68ポイントを7台で消費しきらないといけないため、最低でもティアXIIIを使わなければならず、小さい戦車や座高の低い戦車で逃げまくるといったトリッキーな作戦は見らなかった。結果として、集団行動での不意の遭遇戦がメインとなり、思ったよりも試合展開はスムーズだ。

 8日は、9日の決勝トーナメントに向けて12チームを4つのリーグにわけ、上位2チームが勝ち上がる予選リーグが開催された。一戦目はなんと2014年大会で優勝したNAVIと2015年大会で優勝したHellraisersの2チームによる戦いとなった。なぜ強豪同士が予選リーグからぶつかったのかというと、実力でGrand Finals出場を決めたNAVIに対し、HellraisersはCISのリーグを勝ち抜くことができず、ワイルドカードで出場を決めたためだ。危うくGrand Finalsの出場を手にしたディフェンディングチャンピオンがその座を守りきれるかどうかが注目される。

 本誌では、8日の予選リーグと9日の決勝トーナメントの模様を詳しくレポートするつもりなのでどうぞお楽しみに。

【オープニングセレモニー】
オープニングセレモニーでは、Wargaming.net Head of Global Competitive GamingのMohamed Fadl氏が挨拶し、全12チームを一気に紹介。ディフェンディングチャンピオンのHellraisersが戦車のアーマー風の優勝の盾を変換し、試合が開始された

【展示ブース】
展示ブースでは、Windows版、PS4版「WoT」の試遊、グッズの販売、VRコンテンツの提供など、楽しく遊べるアクティビティがたくさん用意されていた

【屋外ブース】
屋外では、「WoT」伝統の戦車の展示が行なわれていた。今年はT-34とM4シャーマンで、大人に混じって子供や幼児も一緒に楽しんでいたのが印象的だった

(中村聖司)