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【PS Plusフリープレイレビュー】今月イチオシは「Dragon Fin Soup」

酒浸り、かんしゃく持ちの赤ずきんが冒険する破天荒ローグライクRPG

2015年12月2日~2016年1月5日 フリープレイ(PS Plusへの加入が必要)

 プレイステーション 3とプレイステーション 4、そしてPlayStation Vitaの3ハードで提供されている定額制のサービス「PlayStation Plus」。このサービスに加入すると、特定のゲームをプレイ回数やプレイ時間の制限なく無料で楽しむことができる。今月のフリープレイ可能なタイトルは、「Dragon Fin Soup」、「LIMBO」、「英雄伝説 閃の軌跡II」、「フリーダムウォーズ PlayStationRVita the Best」、「STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん」、「カラドリウス ブレイズ」、「ADK魂」、「Lunatic Dawn Odyssey」の8本。

 当コーナーでは、そのなかでもとくに注目したいタイトルを紹介し、「PS Plus Challenge!」に実際にトライして、かかった時間とクリアするための指針も掲載していく。今月の目玉は、海外のインディーズメーカー「Grimm Bros」が2年の歳月を費やして開発・制作したRPG「Dragon Fin Soup」だ。なお「Dragon Fin Soup」は今月の「PS Plus Challenge!」の対象にもなっているので、こちらの模様もあわせてお伝えする。

【「Dragon Fin Soup」オフィシャルトレーラー】

自動生成されるダンジョンを冒険して目的を達成していく

宝箱を見つけても油断は禁物。ミミックが擬態していることもあるので、戦闘態勢を整えてから開けたほうが安全だ
障害物の先に新しい道が隠されていることも。アイテムが手に入ることもあるので、障害物できるだけ壊して進もう

 直訳すると“龍のヒレのスープ”という意味になる本作は、いわゆるローグライクRPG。乱暴に言ってしまえば、「トルネコの大冒険」に代表される「不思議のダンジョン」シリーズのようなゲームだ。画面には表示されないものの、ダンジョンは四角のマス目で構成されており、主人公は1ターン1回、移動や攻撃などを行なえる。もちろん、敵も同じように行動するので、何も考えずに動くのは危険。周囲にいる敵の様子を確認しつつ、状況に応じた手を打っていかなければならない。

 これだけなら「不思議のダンジョン」と同じだが、本作はダンジョンに大きな特徴がある。いくつかの部屋が細い通路でつながれている「不思議のダンジョン」シリーズに対して、本作は部屋と通路が分かれていない巨大なダンジョンが登場。細い通路で敵と出会ってしまうとそのまま1人で戦うしかない「不思議のダンジョン」とちがい、本作のダンジョンはどの場所もある程度の広さがあるため、仲間と協力して敵を攻撃できるのだ。

 もう1つの特徴は障害物。本作のダンジョンには、破壊可能な木や石、サボテンなどが置かれている。それら障害物に攻撃を当てて壊せば、アイテムが手に入ったり新たな道が開けたりすることも。また、「PS Plus Challenge!」の目標を達成するためには、木を壊す(切り倒す)必要がある。壊せる障害物はどんどん壊していくのが得策だ。ただし、障害物に気を取られ過ぎて敵の接近を許してしまわないように注意しよう。

赤ずきんが酒浸り! ブラックユーモアたっぷりの内容

ゲームの舞台は、宇宙空間を漂う巨大なカメの背中に広がる世界・Asura。その姿は、ワールドマップ上で見ることができる
右上の表示に注目! 公共物の破壊は罰金を課せられてしまう。基本的に大きなものを壊したときほど罰金の額は大きくなる

 本作は、基本的にはダークファンタジー的な世界観をベースにしているが、ブラックユーモラスが随所にちりばめられている。中でも印象的なのは、赤ずきんのようなビジュアルの主人公「Red Robin」だ。赤ずきんという風貌だけならさして珍しくもないが、彼女の場合は酒びたりのかんしゃく持ちである。しかも、酒を飲み過ぎたり敵の攻撃を受け過ぎたりすると、怒りで暴走してしまうという、大人しい一般のゲームではまずお目にかかれない破天荒なキャラクターである。

 また、ダンジョンと同じく街や村にも壊せる壺や柵などの障害物があるが、それらを壊すと器物損壊として罰金を取られてしまう、といったファミコン「ウルティマ 恐怖のエクソダス」を思いださせるようなシステムも特徴だ。

 しかし海外製のゲームということで、日本人にとっては取っつきにくいかもしれない部分もある。たとえば、ゲーム序盤に登場するダンジョンでも異常に広い。チュートリアルダンジョンなどは一切ないので、試行錯誤しつつ何度かプレイしてみないとゲームの基本システムはつかめない。

 最近のローグライクRPGは親切すぎるあまり、難易度が低いものも多いが、本作はやりごたえ十分。チュートリアルが特ににないままゲームがスタートしたり、最初のダンジョンでいきなり勝利不可能のボス敵が登場するなど(この戦闘だけは、HPがゼロになってもゲームオーバーにならない)、かなり破天荒な作りになっている。また、コミカルな外見のキャラクターに対し、ダンジョンのグラフィックスは実にリアルで、臨場感あふれる冒険が楽しめるのも良い。

 ズーム機能がついているため、周囲の状況を知りたいときはズームイン、ダンジョンの全体像をつかみたいときはズームアウトすれば、探索をスムーズに進められる。ゲームに慣れていないうちは違和感を覚えるかもしれないが、操作方法を完全にマスターすれば、日本製のRPGとは一味ちがう魅力を十二分に堪能できるだろう。

 なお難易度自体は決して低くなく、序盤のタンジョンであっさりゲームオーバーになってしまうこともある。とはいえ、ゲームを開始するときの難易度選択で「クラシック」を選べば、ゲーム中にいつでもセーブを行なえる。ゲームオーバーになるとセーブデータが消えてしまう「ハードコア」や、手ごわいダンジョンに挑戦する「サバイバルモード」、迷宮を冒険してハイスコアを競う「ラビリンスモード」などもあるが、まずは「ストーリーモード」の「クラシック」から遊んでみるのがオススメだ。

「Dragon Fin Soup」の「PS Plus Challenge!」に挑戦

「PS Plus Challenge!」達成時間

30分

マップは、3段階にズームイン・アウトが可能。最大までズームアウトして探せば、木が密集している場所を見つけやすい

 本作の「PS Plus Challenge!」 は、4本の木を連鎖によって倒して、トロフィーの「木こり野郎」を獲得すればいい。木を攻撃して切り倒したさい、倒れた木が別の木に当たると、ドミノ倒しの要領で連続して倒れていく。これを利用して、1回の攻撃で合計4本の木を倒せばOKだ。

 しかし4本の木を連鎖で倒すには、木の配置が重要となる。いくら木が立っていても1本だけでは連鎖を発生させることができないからだ。幸いにもゲーム開始直後に訪れることになるダンジョンは、木が密集している場所が多い。

 もし条件に合う木の配置が出現しなかった場合、ボスとなる敵が出現したらゲームを最初からやり直すのが、もっとも効率的なクリア方法と言えるだろう。ちなみに筆者は、上記の方法で30分もかからずに達成することができた。ダンジョンの地形は自動生成されるため、達成までの時間は運によって大きく左右されるものの、根気よく続ければ1時間以内に「PS Plus Challenge!」を達成できるはずだ。

【スクリーンショット】

その他フリープレイタイトル一覧

・「LIMBO」
プラットフォーム:PS4
ジャンル:アドベンチャー

・「英雄伝説 閃の軌跡II」
プラットフォーム:PS3/PS Vita
ジャンル:ストーリーRPG

・「フリーダムウォーズ PlayStationRVita the Best」
プラットフォーム:PS Vita
ジャンル:“奪還”マルチプレイアクション

・「STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん」
プラットフォーム:PS Vita
ジャンル:想定厨×2アドベンチャー

・「カラドリウス ブレイズ」
プラットフォーム:PS3
ジャンル:ゴシックホラーシューティング

・「ADK魂」
プラットフォーム:PS3
ジャンル:バラエティ

・「Lunatic Dawn Odyssey」
プラットフォーム:PS3/PS Vita/PSP
ジャンル:ロールプレイング

(平平平平)