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Cygames、対戦型モバイルTCG「シャドウバース」先行体験会を開催
「ハースストーン」に並ぶ本格カードゲームの内容がついに明らかに!
(2015/11/29 20:13)
Cygamesは、Android/iOS用対戦型デジタルトレーディングカードゲームAndroid/iOS用「シャドウバース(Shadowverse)」の先行体験会を11月29日に開催した。場所はe-sports SQUARE。
「シャドウバース」は、2016年初頭のサービス開始を予定している対戦型カードゲーム。それぞれ異なった能力を持つカードからデッキを構成し、1対1のターン制バトルで相手の体力を0にすれば勝利となる。
先行する同ジャンルのゲームにはデジタル版「マジック・ザ・ギャザリング」や「ハースストーン」などが有名どころとして挙げられるが、本作はこれらの作品に真正面から挑む本格的なカードゲームとなっている。
先行体験会は、まだ全貌が明らかにされていない内容にいち早く触れられる機会となっていたので、さっそくこちらの模様をお伝えしていきたい。
ポイントは「進化」。「シャドウバース」基本ルールを説明
「シャドウバース」の基本ルールは、「ハースストーン」をイメージしてもらうとわかりやすい。お互いの体力は20で、交互にカードをプレイする。行動リソースの「PP」は1から始まり、ターンが回ってくるごとに+1される(上限は10)。
本作にはメインキャラクターが7名おり、プレイ時には彼らの中の1名を選択することとなる。キャラクター自体が行動できるわけではないが、例えばエルフの「アリサ」は「フェアリー」カードを大量に抱え、「フェアリー」カードの使い方で戦況が変わるタイプ、Royalクラスの「エリカ」は大量の兵士系カードで速攻を仕掛けるタイプなど、それぞれ扱えるカードのコンセプトが異なる。
体験会では、7名のキャラクターの内、アリサ、エリカ、イザベル、ローウェン、ユリアスのあらかじめ組まれたデッキがプレイできた。
大体のゲームの流れは同ジャンルのカードゲームとほぼ同じだが、本作の大きな特徴はカードを「進化」させられるという点。「進化」には条件があって、先攻プレーヤーは5ターン目から進化可能で1試合につき2回まで、後攻プレーヤーは4ターン目から進化可能で1試合につき3回までとなる。
「進化」をするとイラストがガラリと変化するほか、ユニットの攻撃力/防御力が上昇したり、カードによっては特殊な能力を発動することもある。さらにユニットは通常、召喚したターンは攻撃できないのだが、「進化」状態に限り相手ユニットに対しては攻撃可能となる。回数が決まっているので乱発はできないが、ここぞという時大きな力を発揮するシステムだ。
本作ならではの戦略設計も確認。全貌が明らかになるCBTに期待!
では実際はどのようなプレイになるかということで、再び「アリサ」を例に紹介を続けたい。
「アリサ」はユニットやスペル(呪文)に、“「フェアリー」を手札に加える”という効果を持つカードが多く存在しており、また「このカード以外に2枚以上カードをプレイしていると~」、「ユニットを召喚するたびに攻撃力+1」という条件付きで効果が発動するカードもある。
「フェアリー」は攻撃力/体力が1/1、コストが1のユニットとなっており、全体的に低コストのカードが多いので、手札にフェアリーを増やしつつ、フェアリー2枚とあわせて「2枚以上プレイ」条件のカードを使ったり、「ユニットを召喚するたびに攻撃力+1」のユニットを強化したりすることで、序盤から場にそれなりのユニットを並べることができる。
またここぞという場面では、「フェアリープリンセス」(コスト6)と「ローズクイーン」(コスト8)というカードも強力で、「フェアリープリンセス」は場に出すと手札に上限(最大8枚)までフェアリーを埋められ、「ローズクイーン」は場に出すと手札のフェアリーをコスト2で3ダメージを与える「ローズスラッシュ」というカードに変化させることができる。
「アリサ」は手札にフェアリーがあるほど真価を見せるので「フェアリープリンセス」の能力は貴重だし、「ローズクイーン」の能力はそのフェアリーを手軽かつ強力なダメージリソースに変えるということで、こちらも頼りになるカードだ。どちらもコストが重めだが、中盤以降もこうしたカードで臨機応変に戦えるのが「アリサ」の大きな特徴と言えるだろう。
他に面白かったのは、Witchクラスのイザベル。彼女のカードには「スペルチャージ」という能力を持つスペル/ユニットカードが存在していて、他のスペルカードを使うたびに、そのカードのダメージが増加したり、コストが減ったりする。どんなものがあるかというと、「カードを2枚引く」(コスト5)のコストが1ずつ下がる、「ランダムなユニットに1ダメージを与える」の回数が1ずつ増える、「ユニット1体に1ダメージを与える」のダメージが1ずつ増える、「召喚すると相手ユニット全員に1ダメージ」のダメージが1ずつ増えていく、といった感じで、呪文を使えば使うほどスペルチャージの手札が強力になっていく。
スペルチャージで強化されたカードを使ってさらに他のスペルチャージのカードを強化して……とスペルをこねくり回してダメージ管理やコスト管理をしていくイメージで、会場で「テクニカルなデッキ」と説明があったとおり、確かに考えることが多い。「イザベル」を相手にした場合、ターン数が進めば場のユニットが一掃されることもザラなので、長期戦では非常にやりづらい相手になるだろう。
本作の最大の特徴は確かに「進化」の駆け引きや派手さにあるのだが、こうしたキャラクターごとのコンセプトもしっかりしており、むしろ筆者としてはこれらのコンセプトがいかに機能し、楽しめるかに本作の肝があるように感じた。「進化」はあくまで駆け引きを強化する機能の1つに過ぎないので、今後はその部分がどう仕上がってくるかにも注目していきたい。
ただ少し気になったのは、ユニットは全部で5体までしか場に出せないという点。ユニットを並べやすい「アリサ」や「エリカ」を使用するとこの枠があっという間に埋まってしまうため、プレイしていて窮屈さ感じることがあった。これはプレイを複雑にしすぎないための配慮かと思われるが、このあたりのバランスがどうなるかも気になるところだ。
なお今回の先行体験会は、400種類以上登場予定のカードの内、75種類を使っての開催となっていたという。それでも本作の面白さや狙いは十分に伝わってきたし、今後実施予定のクローズドβテスト以降ではすべてのカードが登場するということで、まだ明かされていない2キャラクターのコンセプトや、自身でデッキを構築する要素も楽しめるようだ。クローズドβテストは次に本作に触れられる機会になるので、こちらも期待しておきたい。