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激アツ“警ドロ”を体験!「Battlefield: Hardline」βテストレポート

「BF」仕込みの対戦型クライムFPSは超ハイテンポ&スリリング!

6月9日~26日βテスト実施予定

 「バトルフィールド」シリーズ最新作は、驚きのスピンオフとなった。6月9日にPCとPS4でβテストが開始された本作「Battlefield: Hardline」は、本家本流の「バトルフィールド 4(BF4)」仕込みのゲームシステムで楽しむ、激しすぎる警察VS強盗団の戦いだ。

強盗団は武装ヘリまで装備する軍隊並みの集団
対する警察も万全の体勢で防衛線を張る

 武装ヘリまで所有するという装備の良すぎる強盗団に、かたや軍隊スレスレのガジェットを現場に持ち込む容赦なき警察部隊。戦いの舞台は高層ビルが立ち並ぶロサンゼルスのダウンタウン。狙うは一攫千金、金庫や現金輸送車を襲って札束を奪取せよとくれば、昨年スマッシュヒットとなったクライムFPS「PayDay 2」を思い起こすのは自然な流れ。

 しかし「PayDay 2」は基本的にCO-OP型のゲームで、ステルス要素に重きを置いていることに対し、本作「Battlefield: Hardline」はあくまでも「BF」。大人数でのハイテンションな対戦がゲームの骨子で、飛び交う銃弾、そこらじゅうを走り回る/飛び回る乗り物、途切れることのない大爆発……まさにバトルフィールド流のお祭り騒ぎが中心となる。

 その乱射祭りに警察VS強盗団という設定を活かしたルールやガジェットが導入され、本作のゲーム展開は「バトルフィールド」史上最高レベルのスピード感だ。恐ろしくハイテンポで旋回する試合模様、めくるめくような各状況はいかにもスリリング。いい意味で期待を裏切り、プレーヤーを夢中にさせてくれる1本だ。

【Battlefield Hardline: Multiplayer Trailer】

前線が動く!素早い展開が勝負を決めるハイテンポ&スリリングなゲーム性

高層ビルが立ち並ぶロサンゼルス・ダウンタウン
出撃画面は「BF4」と同様だが、非武装の乗り物がたくさん!
カネだ!!

 βテスト時点で公開されているマップはロサンゼルス・ダウンタウンを舞台にした「High Tension」で、ゲームルールは2種類用意されている。両チームがマップ中央の金庫から札束を回収しあう対称形のルール「Blood Money」と、強盗団チームが現金輸送車からの金品奪取&脱出を目指す非対称形ルールの「Heist」だ。

 いずれも対戦人数は最大16対16。マップの大きさは「BF4」の上海マップより少し小さい程度。歩きまわるには少々広いが、バイクやクルマで走ればあっという間に一周できるというサイズだ。両チームともに10両程度の車輌が用意され、基地からどの前線へ移動するにも15秒あれば充分。マップ中央部の高層ビル屋上から「BF4」譲りの分隊復活とパラシュート降下で一気に展開するという方法もあり、とにかく戦いの展開が速い。

 1つめのルール「Blood Money」では、マップ中央のビル1階に置かれている金庫が“前線”となる。警察は証拠品の押収として、強盗団は略奪対象として、金庫から札束を自陣に持ち帰るのだ。札束は1単位10万ドル、1人は1度に50万ドルを運べて、基地に500万ドル集めたチームが勝ちとなる。そこに「PayDay」のようなステルス要素は皆無で、いかに金庫周辺を実力で制圧するかが勝敗のポイントだ。

 1人のプレーヤーが運べる札束の量は限られている上、運搬中に倒されたら地面に札束をばら撒き「フリーマネー!」と大喜びの敵に拾われてしまう。場合によっては自分で金庫を襲うより、札束を抱えて逃走する敵チームの撃破に集中した方が実入りが良い。ゆえに、着実にミッションを進めるには制圧役、援護役といった役割分担も必要だ。銃撃戦が落ち着いたらようやく自分も札束にありつき、脱兎のごとく自陣へ駆け戻る、という塩梅でラウンド序盤が進む。クルマを使えば往復はあっという間だが、そのためにはアシ役を意識するプレーヤーも必要……という感じで、ゲームの構造そのものが自然にチームプレイを促してくれる。

 このルールの特に面白いのは、札束の奪い合いが最終的に両チームの陣地襲撃合戦に発展するところだ。札束の集積ポイントとなる現金輸送車からは、金庫と同様に札束の略奪が可能。したがって、相手チームが勝利条件の500万ドルに近づいてると見るや、仲間を連れ添って襲撃開始。5~6人で一気に回収すれば、ゴール寸前だった敵の回収量が数秒で半減、かたやこっちは大逆転!といった劇的展開を演出可能だ。バイクやクルマを使えば自陣→敵陣の移動も10秒ちょっとなので、まさに電光石火のゲーム展開。プレイに慣れ、試合の流れを読めるようになってくるとたまらなく面白い。

お札をバラ巻きつつ自陣へダッシュ
敵陣を制圧して、回収済みの札束を奪い返すことも可能。最終的にはこのやり合いで泥試合になることも
現金輸送車に爆弾を装着
強盗団の基本はとにかく固まって動くこと
奪った武装車輌で犯罪者の展開を防ぐ警察チーム

 もうひとつのルールである「Heist」は、攻める強盗団と守る警察という構図。強盗弾は2箇所の現金輸送車のカーゴドアを爆破し、中身を2つの脱出地点に持ち去れば勝利だ。爆破完了まで40秒余りの間は、爆弾解除に殺到する警察軍団をひたすら撃退し続けるというゲームになり、撃ち合いが中心だ。いざ爆破成功、荷物をゲットしたら脱出だ。しかし脱出地点はマップの遥か遠くにあるため簡単にはいかない。全力で阻止を図る警察チームの防衛網をいかに突破するか?

 いわゆる前線となるのは、略奪品を運ぶプレーヤーそのもの。荷物を持っている限り敵味方全員のミニマップにその位置が表示されるため、モタモタしてると警察の群れにたかられて即死確定。スピードが命だ。荷物をゲットしたら即車輌に乗り換え、超高速で脱出地点を目指す。これがうまくハマって警察が防衛網を敷く前に突破できれば、2箇所ある脱出ポイントのうちひとつは15秒、もうひとつは40秒程度で到達可能。すなわち強盗団は最速で開幕2分以下での勝利が可能だ。

 対する警察チームの勝利条件は、強盗団チームの復活チケット(初期値100)を枯渇させること。最善の方法は開幕から最速で現金輸送車の周囲に防衛網を張り、濃密な火力を集中させてカーゴドアの爆破をひたすら阻止し続けることだ。警察側の連携が非常に良ければ強盗団に何もさせず終わらせることもできる。

 しかしカーゴドアが爆破され、内容物が持ち去られると今度は機動力が求められる展開へ。関係ない場所でモタモタ撃ちあっていると数十秒で敗北確定である。脱兎のごとく脱出地点を目指す運び屋を仕留めるには、その目的地で待ち伏せるのが最善だ。特にいい位置に分隊メンバーがいれば、分隊復活を使って展開することで素早い防衛網の構築が可能。逆に、運び屋には逃げられ、回収ポイントは遠く、手近な乗り物は全損、いい位置にいる分隊メンバーも居ない……となると負けは必定。先を見越した連携が必要だ。

 いずれにしてもスピード勝負。運び屋になったプレーヤーの心持ちはまさにリアル鬼ごっこである。背後からの銃撃にヒヤヒヤしながら必死に前進。前方に敵のいないことを祈りつつ、理論上最速レベルを目指してゴールへ走る。何にも増して必要なのは味方のサポート。運び屋が倒されても、荷物はしばらくその場に残り、他の仲間が回収できる。防衛網に突っ込む形でこうなると、ラグビーかアメフトかという様相へ。数メートル進んでは倒されを繰り返し、根性と分隊復活で押し切れ!

 「BF」シリーズならではのチームプレイの醍醐味と、本作特有のスピード感。最終局面ではゴリ押しもひとつの方法となるあたり、古参「BF」プレーヤーが大好きなバカゲー臭も大いに漂い、プレイを繰り返すほどに面白さが増幅していく感じだ。これは奇作・傑作の手応えアリである。

「BF4」ゆずりのハデハデな銃撃戦が楽しいのも大切なポイント。
ふんだんに用意された乗り物。素早く前線に展開しよう

(佐藤カフジ)