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【E3 2013】“探偵要素”をさらに強化した「バットマン:アーカム・ビギンズ」

広大なゴッサムシティを飛び回り、襲いかかってくる悪役達を撃退せよ!

6月11日~13日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 ワーナーはE3にて「バットマン:アーカム・ビギンズ」をシアターで出展していた。「バットマン:アーカム・ビギンズ」はプレイステーション 3/Xbox 360/Wii U用アクションで北米では10月25日発売する。日本では2013年冬予定。

 「バットマン:アーカム・ビギンズ」は「バットマン:アーカム・シティ」と同じオープンワールドで、さらに広大な地域を探索できる。今回はシアターと同じところをプレイアブルで体験できたので、感触も交えてゲームの要素を紹介していきたい。

前作の倍以上の広さを持つゴッサムシティが舞台。悪役達のサブミッションも豊富に

アーマーを着た敵など、新たな敵が登場する
ゴッサムに巣くう様々な犯罪者が敵となる

 「バットマン:アーカム・ビギンズ」はこれまでのシリーズより前の作品となる。バットマンはまだ若い。彼はゴッサム・シティを牛耳るギャングの帝王、ブラックマスクに賞金をかけられ多くの悪役達に狙われることとなる。物語はバットマンと悪役達の“1夜”を描くという。

 今回のゴッサムシティは「バットマン:アーカム・シティ」以上の広いフィールドとなっている。目的地はマーカーで表示され、翼を広げる滑空と、ロープを打ち出す「グラップル・ネイルガン」で移動していく。前作までをプレイした人ならすんなりと移動できる。

 今作のゴッサムシティは刑務所と化してしまった前作に比べ明るい雰囲気がある。街のネオンなども輝いている。しかしバットマンが憎む“悪”はそこら中にはびこっており、道行く人はまばらで、そこかしこで犯罪者が暗躍している。ゴッサムは“犯罪都市”なのだ。

 ゲームはマーカーが示すメインミッションを進めていく形になるが、様々なサブミッションも用意されている。今はつかまってしまっているが爆弾魔の「アナーキー」が街中に爆弾を仕掛けている。バットマンは探索用のカメラでこの爆弾を探すことができ、爆弾を解除していくのも重要なサブミッションの1つだ。

 戦闘は基本的には前作までと同様だが、新たな敵、新たな要素が盛りこまれている。今回はアーマーを着た強力な敵で、攻撃が通らない。マントで目をくらませてからボディへの連続攻撃で敵をふらふらにした隙に小型爆弾でアーマーを破壊することでダメージを与えられるようになる。また多彩な技を使うカンフー使いにはカウンター攻撃が有効だ。

 バットマンは賞金を掛けられているため悪役達は彼の姿を見かけると攻撃を仕掛けてくる。また強盗の現場に居合わせるなど突発的に戦闘が始まることも多い。コンボを繋げると大技の使用が可能になる。いかに華麗に戦うかは本シリーズの大きな楽しさであり、今作ではさらに多彩な要素が盛りこまれているのだ。

【Batman: Arkham Origins E3 Gameplay Trailer】

巻き戻しと再生で、隠された真実を暴き出す進化した捜査システム

突然爆発するヘリ。新たな捜査機能で調査する
犯罪者に付け狙われるバットマン。時にはピンチに陥ることも

 そして今回のデモンストレーションで最もクローズアップしていたのが、「捜査要素」だ。バットマンのスーツには様々なセンサーがついており、その情報を送信できる。情報は秘密基地バットケイブ内のバットコンピューターで分析が可能だ。

 ミッションを進めていると突然目の前にヘリが現われ、バットマンに機銃を向ける。しかし次の瞬間突然炎を吹き上げて墜落する。何が起きたのか? バットマンは炎上するヘリに近づき、捜査を開始することになる。

 マスクのセンサーを作動させると分析画面となる。今作ではこの時に特定の物体をポイントすると、その物体の過去の動きをトレースできるようになるのだ。ビデオテープの巻き戻しのように、地面に叩きつけられてボロボロになった飛行機の部品が組み合わさり、空に飛び上がる。

 バットマンは建物の上に上がり、空を飛ぶヘリの映像を見る。ヘリは尾翼を撃ち抜かれて墜落している。ではちぎれた尾翼はどこなのか? 再生と巻き戻しを繰り返しながら探し、そこからえられたデータでさらに状況がはっきりし、より以前の状況を再生できるようになる。どうやら向かいの建物から打たれたようだ。

 向かいに移動したバットマンは狙撃兵を発見するが、その狙撃兵も倒されていることを確認する。実は弾丸はこの狙撃兵をつらぬき、その弾が跳弾してヘリを撃ち抜いていたのだ。跳弾は明らかに狙ったものであり、こんな真似ができるのは「デッドショット」しかいないとバットマンは確信する。

 この捜査システムは感心させられた。ゲーム本編ではこう言った新要素が多数盛り込まれるとのことで、今後の情報にも期待したい。「バットマン:アーカム・ビギンズ」はこれまでのシリーズのファンにはもちろん、バットマン好きにも注目の作品だ。筆者は個人的に前作で刑務所になってしまった都市ではなく、コミックに描かれる通常のゴッサムシティを探索できるところに興味を惹かれた。発売が楽しみな作品だ。

(勝田哲也)