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「ウルIV」と何が変わった? 「ストリートファイターV」CBTプレイレポート

ダメージの大きさが身にしみる。ジリジリとした立ち回りが熱い!

2016年春発売予定

 突然で恐縮だが、筆者は「ストリートファイター」シリーズのファンである。当シリーズに関しては、巨大なラバーゴムで覆われた加圧センサー内蔵ボタンを採用していた初代「ストリートファイター」の時代から、現在の「ウルトラストリートファイターIV(以下、ウルIV)」まで長いあいだ楽しませてもらっており、それなりにシリーズ愛も持っているつもりだ。

 そんな筆者だが、8月22日と23日に実施されたプレイステーション 4版の「ストリートファイターV(以下、ストV)」のクローズドβテスト(CBT)に参加できた。このCBTは日本・アジア地域限定で実施されており、もともと本来のCBTは7月24日から5日間の日程で開催予定だったが、トラブルによる延期でこのタイミングにて実施となったという経緯がある。

 当CBTにて体験できたのは、当初より公式サイトで告知されていたように「トレーニングモード」および「対人戦(ランダムマッチング)」の2種類のコンテンツ。ただし、それぞれ制限が設けられていて、プレイ時間は各日の14時~22時まで。プレイアブルキャラクターは、リュウ、春麗、ナッシュ、ベガ、キャミィ、バーディーの計6キャラクターだった。

 計2日、16時間という短い時間ではあったが、それらを力のかぎり体験したなかで、今回はとくに前作「ウルIV」ファンなら気になるであろう部分について、「ストV」独自のシステムやプレイフィールに注目しながらお伝えしていきたい。

 なお、記事の後半では、今後実施が予定されている次回CBT以降に参加するプレーヤーのために、各キャラクター操作時の注意点なども簡単に書き加えさせていただいた。現時点の情報ではあるが、よろしければそちらもご参考いただきたい。なお、本作の基本システムに関しては前回記事を参照してほしい。

落ち着きのあるゲームスピードが駆け引きの楽しさを生み出す

技によって攻撃スピードにかなりの緩急があるため、接近戦では的確に技を選んで出さないと一方的に攻められてしまう
連続技には「ウルIV」ほどの複雑さはなさそう。いくつかの基本コンボを覚えるだけでも十分に戦えた
本作のコンボ補正はかなり緩め。スタン状態に追い込んだら迷わず最大攻撃力のコンボを叩き込もう

 キャラクターを動かしていてまず気になったのが動作の重さだ。ゲームスピード自体が遅めだということもあるのかもしれないが、技の1発1発を当てるたびにズシリとした感覚が伝わってくる。とくに中・強攻撃ヒット時の感触は重く、あるいはヒットストップ(攻撃が当たった際に、敵味方お互いの動作が停止している時間)がやや多いのかもしれない。キャラクターの移動スピードもゆっくりめで、「ウルIV」と比較すると落ち着いた感じのゲームテンポとなっていた。

 ほとんどのキャラクターは基本技のリーチが短く、「ウルIV」に例えて言えば「弱攻撃2~3発からヒット確認で中or強攻撃につなげて必殺技へ」といったありがちな連続技が、今作のCBTバージョンにおけるほとんどのキャラクターで不可能。さらに、通常投げの投げ間合いについても、弱攻撃を2発もガードさせると、もうその場からは投げられなくなるほどに狭い。そのため、従来のシリーズよりも即断即決気味の接近戦を要求されそうだ。

 反面、攻撃力は高めに設定されていて、ひとたび連続技が決まると程度の差こそあれ、結構なダメージを与えることができる。それに比例して「スタンゲージ」がたまる量も多く、立て続けに2回ほどちょっとした連続技を当てれば、ほとんどの場合は相手をスタン寸前、あるいはスタンに追い込むことが可能だ。ちなみに「スタンゲージ」とは攻撃を受けた際に加算される「スタン値」の蓄積を表わすゲージのこと。「スタンゲージ」が最大までたまると、そのキャラクターは行動不能(スタン)状態になる仕組みだ。

 通常時は相手の動向に対応しつつ立ち回り、チャンスをつかんだら連続技で大ダメージを狙う、という格闘ゲームのセオリーはそのままだが、ゲームスピードの遅さから「ストV」は、「ウルIV」よりも駆け引き部分をじっくりと味わえるゲームであると言えそうだ。

【その他の細かな注目点】
中・強攻撃を相手にガードさせると体力をケズることができる。このケズリはダメージを受けなければ時間経過で回復
連続技のバリエーションは少なそうな今作だが、ターゲットコンボを持つキャラクターは多い。基本コンボはこれでまかなってもいいだろう
「Vトリガー」発動のカギとなる「Vゲージ」。このゲージは1ラウンドかぎりで持ち越すことはできない
必殺技はクリティカルアーツでキャンセル可能。「基本技→必殺技→クリティカルアーツ」とつなげれば大ダメージを与えられる!
ダウンと同時に「レバー←」または「Kを2個以上同時押し」で後方へ、「レバー↓」または「Pを2個以上同時押し」でその場で受け身を取れる。セットプレイ対策に有効
一部の目押しコンボについては「ウルIV」と比較にならないほど簡単になった。色々な技で試してみるといいだろう

キャラクター別、ワンポイント解説!

 ここからは、CBTバージョンで扱えた各キャラクターの特徴や扱い方など、気がついた部分について解説していく。次回CBT参加時の参考にしていただければ幸いだ。なお、当情報は8月22日~23日時点のCBTのものなので、その点ご了承願いたい。

リュウ

 地上戦では波動拳、対空攻撃には昇龍拳と、扱いやすい必殺技を持つ。基本技にもクセがないが、いずれもリーチは若干短めだ。対空攻撃としては中・昇龍拳が潰されにくい。また、とっさの場合にはしゃがみ強Pも有効だ。連続技は密着からの立ち中P×2→しゃがみ強Kがお手軽かつ強力で、めくり攻撃からも狙うことが可能。

弱・竜巻旋風脚ヒット時は、着地に真空波動拳で追撃が可能。画面端ならEX昇龍拳による追撃でも可

春麗

 もともと機動力があるキャラクターなので、タメ技である気功拳の使いどころが難しい。飛び道具の相殺や、ダウンさせた相手の起き上がりに重ねて使うなどの工夫が必要。ある程度間合いを詰めたら鶴落脚→しゃがみ中K→弱・百裂脚や、しゃがみ中K先端当て→弱・百裂キックなどを使うといい。調子に乗って相手を固めすぎるとVリバーサルで反撃されるので注意。

対空攻撃としてはEXスピニングバードキックか天空脚が有効
Vトリガー発動時は強攻撃を中心に当て、最後にEX百裂脚につなぐと大ダメージを与えられる

ナッシュ

 ソニックブームは「ウルIV」のガイルほど高性能ではないが、コマンド技となっているので好きなタイミングで撃てる。打ち合いなら高速の弱、連携を狙うなら低速の強で撃つようにしたい。自分の手前に落ちるようなジャンプ攻撃はしゃがみ強Pの先端当てで落とせるが、EXゲージがたまっているときはEXソニックサイズでの迎撃が有効かつ強力。

連続技は、密着状態からであればラピッドキック→ラピッドパンチ→ソニックサイズがお手軽だ
Vトリガーのソニックムーブ・ハイドは相手の背後に瞬間移動する。低速の強・ソニックブームとの組み合わせが相性抜群

ベガ

 おそらく移動スピードはCBT全キャラ中最遅。もっとも、タメが完成していればダブルニープレスで直接攻撃を当てにいくのが早いしラクだ。ダブルニープレス発動中もタメを作り、ガードされていた場合でもしゃがみ中P→弱・ダブルニープレスなどで連携攻撃を仕掛けていくゴリ押し戦法が意外に強い。

対空にはしゃがみ強Pや早出し気味のサイコインフェルノなどが有効。クリティカルアーツもかなり優秀

キャミィ

 機動力、連続技ともに優秀なキャラクター。ギリギリ先端を当てるキャノンストライクや、近距離でのニーバレット→リフトコンビネーションといった攻撃手段も有効。スパイラルアローやキャノンストライクは便利な突進系必殺技だが、ガードされると反撃される危険があるので乱用は禁物だ。

フーリガンコンビネーションが相手を通過してしまっても、そこでKを押す、または何もしなければ相手に攻撃できる
Vトリガー発動中は必殺技が強力になっているのでつい使いたくなるが、チャンス到来まではガマンしたい

バーディー

 攻撃力は文句なしのトップクラス。通常時は相手との距離に合わせて投げ系の必殺技をうまく使い分けるのがポイントだ。Vトリガー発動時には、ブルヘッドが多段ヒットするようになり、ヒット確認後にクリティカルアーツを出せば手軽かつ強力にダメージを与えられる。対空技としてはブルホーンがなかなか信頼できるので、余裕があればタメを作っておくといい。

起き上がりにはしゃがみ強Kを重ねるorキリングヘッドで投げる、といった使い分けで相手を翻弄したい
Vスキルのバナナの皮や空き瓶を使ってトリッキーに戦うのも面白い

(泊 裕一郎)