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「ストリートファイターV」、新登場「かりん」をさっそく試す!

格の違いをお見せしますわ! TGS2015ではラシードやケンらもプレイ可能

2016年春発売予定

 東京ゲームショウ2015のカプコンブースにて展示されている「ストリートファイターV」の試遊バージョンでは、この度発表された「ストリートファイターZERO3(以下、ZERO3)」の人気キャラクター、かりんがプレイ可能となっている。

 その他、この試遊バージョンではラシード、レインボー・ミカ、バルログ、ネカリ、ケンと、これまで映像のみの発表だったキャラクターたちがプレイアブルとして登場している。今回は、そのなかでも本日発表となったかりん、そして2人目のオリジナルキャラクター、ラシードを中心にレポートしていきたい。

Vトリガー発動前後で戦闘能力が大きく変化――かりん

人気が非常に高く、ファン待望の参戦となったかりん。その実力やいかに!?

 かつて「ZERO3」のかりんが打撃主体の戦闘スタイルだったように、本作のかりんもそれを踏襲しての登場となる。Vトリガー発動後に使用可能な必殺技「紅蓮拳」からの派生技が非常に多く、かなりテクニカルなキャラクターとして仕上がっているようだ。

・攻めの起点「神月流歩行術 刹歩」

 まずチェックすべき必殺技は「神月流歩行術 刹歩(かんづきりゅうほこうじゅつ せっぽ)」。これは単体で使うと普通の移動技だが、追加入力により攻撃にも派生する。離れた間合いから移動のみを使用して奇襲をかけたり、追加入力技「大蛇(おろち)」や「天狐(てんこ)」で攻撃を仕掛けるなど、攻めに変化を持たせられそうで面白い。

 しかも「神月流歩行術 刹歩」は「天狐」追加入力のタイミングによって技の性能が変化する。通常の「天狐」は相手を上方に吹き飛ばすのみだが、最速の入力タイミングで「天狐」を発動させると吹き飛ばされた相手に食らい判定が残り、空中コンボが可能となるのだ。この最速「天狐」の入力難易度はやや高めだが、連続技として組み込めれば攻めのバリエーションもぐっと広がることだろう。

通常時の攻めの中心になると思われる「神月流歩行術 刹歩」。ちなみに背景は今回のバージョンで初めて導入となった神月邸ステージだ
「神月流歩行術 刹歩」からの「天狐」がヒット。相手は上方へと吹き飛ぶが、空中コンボへとつなげることはできない
「大蛇」はガードされたあとのスキが少なく、EXで出せばそのスキはより少なくなる。攻め継続の手段として有効だ
最速のタイミングで出した「天狐」が当たると相手が回転しながら吹き飛ぶ。このときは空中コンボ判定があるため、Vスキル「明王拳」などで追撃したい

・Vトリガー発動で「紅蓮拳」が使用可能に! 派生技で相手を翻弄せよ

 キャラクターによってさまざまな効果が得られるVトリガー。かりんのVトリガーの効果は必殺技「紅蓮拳」が使用可能になることだ。これが実に強力なのだが、その秘密は「紅蓮拳」からの派生技にある。

 「紅蓮拳」自体はいわゆる波動拳コマンドで出せる必殺技扱いの打撃技で、立ち、しゃがみのいずれでもガード可能。しかし、追加入力のコマンドによって、その後7種類もの打撃(または投げ)技へと移行するのだ。これらの技は、しゃがみガードが不可能ないわゆる中段技や、立ちガードが不可能な下段技、そして特定の条件を満たすことで成立する投げ技と、多彩な内容が揃っている。「ウルトラストリートファイターIV(以下、ウルIV)」のアベルが使う「チェンジオブディレクション」のバリエーションが増えた感じ、と言えばわかっていただけるだろうか。

 これらの派生技は、ヒット確認をしてからダメージの多い技につないだり、ガードされているときにはその状況からガードを崩す技を使ったりと、攻めている状況においては相手にかなりのプレッシャーを与えることができそう。派生の数だけコマンドも用意されているためコマンドを覚えるだけでも一苦労だが、すべてをマスターすればかなり面白い攻めが展開できることだろう。

特殊技「旋風刈り」でクラッシュカウンターを発生させたり、Vスキル「明王拳」を相手に当てることで攻めつつVゲージを溜め、早い段階からVトリガー発動を狙いたいところ
Vトリガー「神月流 紅蓮の型」を発動! ここからがかりんの本領発揮だ
「紅蓮拳」をガードされたあとの相手ガードをいかに崩すかがかりんの攻めの真骨頂!

軽快な動きとトリッキーな動きで相手を急襲――ラシード

ラシードについてはキャラクターの性能はもとより、背景のストーリーも気になる。「友想う片翼」の二つ名は何を意味するのだろうか
パルクールと風を組み合わせた戦闘スタイルを持つ一風変わったファイター。こうなると水属性ファイターの登場も待たれる……?

 ネカリに続く完全オリジナルキャラクターとして登場したラシード。中東出身で、パルクール(あらゆる地形で自在に動くための運動法の一種)を生かした戦闘スタイルと、風を操る戦法を得意とする。動きが速く、ジャンプ軌道とめくり性能はなかなかに優秀。奇襲系の技も持ち、的確に使えば相手を翻弄できそうなキャラクターだ。

 必殺技の1つ「イーグル・スパイク」はジャンプキックを繰り出す技だが、地上だけでなく空中でも発動が可能。空中での発動時は一瞬、停止をしてから急降下を行なうという、「ウルIV」で言うところの豪鬼らの「天魔空刃脚」のような軌道を見せる。基本技で対空攻撃を出してくる相手などにはとくに効果がありそうだ。また、相手を跳び越えた瞬間に使うと自動的に相手側へと攻撃を繰り出してくれるため、奇襲として使えそうでもある。ただし、ガードされた場合は跳ね返ったあと着地まで無防備な状態だったため、ヒットが確定する状況で出さないと反撃は必至だ。

 Vスキルが2種類あるのも特徴で、普通に中P+中Kで発動した場合は春麗のVスキル「鸞脚」に似たような軌道のジャンプ「フロント・フリップ」を行なう。このとき基本技は出せないが、キックボタンの追加入力で「イーグル・スパイク」を出すことが可能。その性能は必殺技のものとほぼ同じように感じられた。もう一方のレバー↓+中P+中Kで発動できる「アサルト・ロール」は地面を転がって一定距離でストップする移動技で、こちらもキックボタンを追加入力すれば「アサルト・ネイル」という攻撃を繰り出せる。リュウの波動拳をくぐることもできるということで、飛び道具キャラクター相手には重宝しそうな技だ。

 Vトリガーの「イウサール」は、縦に長い竜巻を発生させる技。射出後はゆっくりと前進し、相手に接触した際には複数ヒットする。ラシードの動きが早いので「イウサール」を発動したあとに相手を跳び越え、「イウサール」と自身の攻撃ではさみ撃ちにするなどといった戦い方が面白そうである。なお、射出時にはVゲージをすべて消費する。

 移動も技の振りも速いものが多く、動かしやすいキャラクターといった感じのラシード。飛び道具をはじめとする必殺技に多少のクセはあるが、基本技を中心に立ちまわることになりそうなので、そこはあまり問題にならないだろう。ラシードについてはプレイ時間の都合上、かりんよりもライトなレポートとなってしまったが、プレイの機会ができ次第、追ってお伝えしていきたい。

地面を転がって進むVスキル「アサルト・ロール」は移動技の一種だが、追加入力を行なえば攻撃することも可能
空中からの「イーグル・スパイク」。当たれば相手はダウンするが、外した場合のリスクも大きく狙い所は難しそうだ
つむじ風を撃ち出す必殺技「ワールウインド・ショット」。前方斜め上へと射出されるタイプの飛び道具で、相手のジャンプ牽制に有効
Vトリガー「イウサール」は当たった相手を吹き飛ばすが、このとき空中コンボ判定が残るため追撃することもできる

 なお前回のクローズドベータテストでは登場しなかったケン、ネカリ、バルログ、レインボー・ミカも試遊が可能となっていたが、取材時間の都合上ゆっくりと触れることはできなかった。ともあれ、実際に動いているところを見ることはできたので、軽く感想などを下記に記しておく。

【新たなプレイアブルキャラクターのワンポイント解説】
ケンのVスキル「奮迅脚」はかなりの距離を走りつつ攻撃できたのが印象的。リュウとはまたちがった「攻めるスタイル」は健在か
ようやく実物を見ることができたネカリ。ひとたびVトリガーを発動すれば、その効果はラウンド終了まで継続する
バルログの爪はフリーの状態であれば任意のタイミングで着脱可能。ただし1度破壊されるとそのラウンドは元に戻らないようだ
レインボー・ミカのVスキル「熱血プロレス論」は、パフォーマンスの時間に応じて必殺投げの威力がアップ。これを最後までやり通したあとの一撃は相手の体力を満タンからゼロにする!

(泊 裕一郎)