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「ストリートファイターV」CBT3プレイレポート

「ストV」CBTもいよいよ大詰め! 新仕様と新キャラクターをじっくり紹介

2016年2月18日発売予定(PC/プレイステーション 4)

価格:
7,990円(税別、パッケージ通常版)
7,398円(税別、ダウンロード版)
8,990円(税別、HOT!パッケージ)
11,990円(税別、VALUABLE EDITION)
12,990円(税別、VOLCANIC EDITION)

 カプコンは、12月18日~12月21日までの4日間「ストリートファイターV(以下、ストV)」のクローズドβテスト(CBT)を実施した。前回、10月22日より実施されたCBT2に関しては、マッチングなどの不具合により満足なプレイが行なえず、残念ながらプレイレポートをお届けできなかったが、今回はそのようなこともほとんどなく、最初から最後までじっくりとプレイすることができた。もちろん、新キャラクターの使用感についても触れているので、ぜひ、ご覧いただきたい。

 今回のCBT3において特徴的なのは、クロスプラットフォームの形で実現されているというところ。つまり、プレイステーション 4とPCという、異なるハード同士での対戦が可能になったということだ。また、前回に引き続き、全世界同時対戦ということで、各国のプレーヤーとも対戦を楽しめるようにもなっていた。まずは、そのあたりからお伝えしてこう。

クロスプラットフォームによってプレイフィールに影響は?

画面に表示されているコネクタアイコンの部分に「PS」、「PC」の表示があり、そのプレーヤーのプラットフォームがひと目で確認できる

 今回は「ストリートファイター」シリーズでも初のクロスプラットフォーム対戦ということで、非常に楽しみにしていた。というのも、前作「ウルトラストリートファイターIV(以下、ウルIV)」では、ハードごとの性能差によるプレイフィールのごくわずかな差異があったため、こだわり派のプレーヤーが特定のハードに偏ってしまったという現象まで起きていたのである。これは対戦ゲームとしてあまり芳しいことではなく、プレーヤーはもとより、カプコンもそのような事態を憂慮していたであろうことは想像に難くない。

 そして今回のクロスプラットフォームである。これが実現したことで、どんなハードで「ストV」をプレイしていても、一緒に対戦ができる可能性が生まれたわけだ。恥ずかしながら筆者はこのシステムの技術的な難易度についてはあまりよくわかっていないのだが、これまでに実現できていなかったことを考えれば、やはり簡単な問題ではなかったのであろう。

 なお、筆者が今回参加したのはPS4版の「ストV」になる。これを3日間プレイしている間に、何度かPC版ユーザーとの対戦も体験できた。そこでときおりラグ(画面表示に遅延が出て、実際の動きとのあいだにズレが生じること)が感じられる対戦もあったものの、ほとんどは普通にプレイができていたので、テストとしてはなかなか良好な結果に終わったのではないだろうか。

CBT3における海外勢との通信対戦の感想

海外勢でも、韓国のプレーヤーとは比較的軽微なラグでの対戦が楽しめた。筆者の環境では、まれにゲームにならないほどのケースもあった

 前回に引き続き、今回も世界中のプレーヤーと対戦が可能となっていたCBT3。これまでのCBTでは海外勢とのプレイは比較的ラグを感じることはなかったが、それについては今回も似たようなもので、場合によりけりということだろう。

 ただ、このラグについては筆者の環境がPS4の無線LAN機能を使用しているというところにも起因している可能性もあるが、有線LANに切り替える必要がないくらいには無線LANでもほぼ快適だったので、多くの場合は問題ないだろう。

CBT3にて利用可能になった新メニューなどについて

 CBT3ではCBT2で使われていたメニュー画面が刷新され、選択可能な項目もいくつか増えた。また、CBT2と比較して機能的に増えているものも確認できたので、それらの中から主要な各項目について簡単に解説していく。

CBT2の際のメニュー画面(左)と、今回のCBT3におけるメニュー画面(右)。メニューの内容を見ると今回の形が製品版に近い形ということになるのだろう

●ランクマッチ

ランクマッチの結果で増減するLP(リーグポイント)はランキングに影響するため、試合には緊張感が漂う

 世界中のプレーヤーたちとランクマッチが楽しめるモード。「ウルIV」にも搭載されていたランクマッチと基本的には同じ仕組みになっており、勝てばLP(リーグポイント)が増え、負ければ減る。対戦相手はランダムだが、今回のCBT3においては筆者の体感上、CBT3実施期間の前半は完全にランダム、後半は同LP帯のプレーヤー同士の対戦となっていたように感じた。製品版での仕様は「ウルIV」と同じく後者になるのではないかと思われる。

●カジュアルマッチ

 LPの変動がないランダムマッチング方式の対戦。ランキングに影響しないので、気軽に様々なプレーヤーとの対戦が行なえる。ランクマッチではまだ通用しなさそうなキャラクターを、不特定多数の相手と練習したいときに絶好のモードとなりそうだ。

●トレーニング

トレーニングモードの内容は基本的にCBT2と同様といった感じ。個人的にはマッチング部分においてランクマッチではなくカジュアルマッチが選べるメニューも実装してほしかったが、製品版ではおそらくそうなりそうな雰囲気だ

 トレーニングモードがプレイできた。CBT2でもそうだったが、トレーニング相手のキャラクターに関しては自由に設定できるほか、ガードの有無、カウンターの設定、立ち、しゃがみ、ジャンプ……など、その状態も細かく指定することが可能。基本的には「ウルIV」のトレーニングモードとあまり変化はないようだ。

 今回のCBT3ではこれまでのCBTと同様に対戦の待ち受けがつねにオンになっており、トレーニングモード中にマッチングが成立すれば自動的にランクマッチへと移行していた。メニュー画面の構成を見るかぎり、製品版ではマッチングそのものの有無や、マッチングがある場合でもランクマッチ、カジュアルマッチの選択といった部分を調整できるようになりそうな感じだ。

 また、これはCBT版のみの仕様ではありそうだが、トレーニングモード中にマッチングが発生した場合は、トレーニングモードで使っているキャラクターではなく、あらかじめ設定しておいたキャラクターで対戦に臨めるようになっていた。CBT2までは、トレーニングモードで使っているキャラクターでしか対戦ができなかったので、ランクマッチのポイントを気にするプレーヤーにはかなり助かる仕様だったのではないだろうか。

●CFN(カプコンファイターズネットワーク)

CFNではさまざまなデータの確認ができる。戦った相手のプロフィールを見ることで、どのようなタイプのプレーヤーなのかも知ることが可能だ

 世界中のプレーヤーのプロフィールやリプレイを検索したり、ランキングの確認ができる。マイリストには、自分が気に入ったプレーヤーのプロフィールを登録することも可能で、例えば有名プレーヤーの対戦データなどを確認したいときに役に立ちそうだ。

 また、リプレイデータは「ウルIV」のときと異なり、自動的にすべての対戦が自動的にアップされているようなので、気になったプレイはいつでも鑑賞できる。とは言うものの、実際に運用が開始されたあとはぼう大なデータ量になることが予想されるため、あるいはリプレイ保存期間のようなものが設けられるのかもしれない。

さて、気になる新キャラクターの実力はいかに!?

CBTを重ねるにつれ増えてきたキャラクター。「スーパーストリートファイターII」リリース時のキャラクター数がほぼこれと同数なわけだが、今思うとこれでも少なく感じる

 今回のCBT3で最終的に使用できるようになったキャラクターは総勢15人。最初はリュウ、バーディー、キャミィ、ネカリ、ナッシュ、ララのみの運用だったが、19日にはザンギエフ、ダルシム、春麗、バルログが加わり、20日にケン、ベガ、R・ミカ、かりん、ラシードも加わる形となった。

 CBT2から扱えたキャラクターは、CBT3へ実装されるにあたりさまざまなバランス調整を経てきた模様で、これまで可能だった連係や連続技が不可能、あるいは困難になっていたという部分はいくつか確認できた。全体的には大味な部分が削られていき、より繊細な立ち回りが要求されるようになった、という印象だ。

 本来であれば、今回の記事にてすべてのキャラクターについて現在の性能などをお伝えしたいところだが、取材時間の関係上、残念ながらそれは実現できなかったため、今回は注目の新キャラクター、ララ、ザンギエフ、ダルシムの3キャラクターに絞って概要をお伝えしていくことにしたい。

●ララ

 スキの少ない打撃技であるボルトチャージと、コマンド投げのサンセットホイールを使って戦う「ウルIV」で言うところの「アベル」タイプのキャラクター。弱・ボルトチャージで接近して判定の強い技で固めつつ、ときにはコマンド投げのサンセットホイールも織り交ぜて積極的に相手を崩していけるのが面白い。

 飛び道具のサンダークラップは、射程は短いものの弾速が遅く、盾としても利用できる。また、Vトリガー発動中はサンダークラップの性能がアップするので、Vスキルを多用して積極的にVゲージを溜めつつ戦うのも手だ。

突進系の技で相手に接近しつつ、そこから基本技やコマンド投げなどで相手をほんろうしつつ戦うのが楽しい
EXボルトチャージは動きが速く、距離が遠いからと油断している相手に対して奇襲として使えた

●ザンギエフ

 「ウルIV」時と比較すると大幅な性能変化が施され、プレイフィールもかなり変わった。クイックダブルラリアットやバニシングフラットといった、ザンギエフが飛び道具に対抗する手段が削られているが、それに代わるものとしてヘッドバッドが追加。また、Vスキルのアイアンマッスルはスーパーアーマー効果があり、こちらも飛び道具をさばきつつ接近する手段として重宝する。

 さらに、新必殺技として、空中用コマンド投げのボルシチダイナマイトが加わったが、こちらは投げ間合いが非常に広く、スクリューパイルドライバーを警戒して空中に逃げる相手や、敵の飛び込みに対する対空としても使っていける。

Vトリガーのサイクロンラリアットは打撃技だが、遠くにいる敵を引き付ける効果もある。これで一気に間合いを縮めて反撃に移ることも可能!

●ダルシム

 過去のどのシリーズにもない独自の手足の伸ばし方があったり、放物線を描くようになったヨガファイアのおかげで、姿形こそ似てはいるが、戦い方としてはまったくの別キャラとも言える変貌を遂げた。

 地上にこだわって戦っているとどうしても押され気味になるため、けん制用のヨガファイアだけでなく、ときにはVスキルのヨガフロートを使って空中からの奇襲なども織り交ぜつつ戦うなど、これまでのシリーズのダルシムよりも戦い方に創意工夫が必要になるという印象を受けた。突進系の技を持つキャラクターに相性が悪いような気もするが、それでもうまく噛み合えば相手を完封することが可能でなかなかに面白い。

変更点が多いなかでも、「ウルIV」からの強力な奇襲攻撃、低空テレポートからの連続攻撃は健在。要所で繰り出しダメージを取っていきたい
接近戦用の技はバリエーションが少ないため、相手の動きを封じてとにかく接近させない試合運びが肝要となる
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(泊 裕一郎)