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ワーナー「シャドウ・オブ・ウォー」試遊レポート
殲滅、暗殺、裏切り、服従なんでもこいのバトルシステムを体験
2017年8月24日 18:19
ドイツで開催されている、ヨーロッパ最大のゲームショーGamescom 2017のワーナー・ブラザース テレビジョン & ホームエンターテイメントブースで、同社が10月12日に発売を予定している、PS4/Xbox One/Windows用アクション「シャドウ・オブ・ウォー」を試遊することができた。
本作は、「指輪物語」の舞台である中つ国にあるオークの国モルドールで繰り広げられるアクションゲーム。家族を殺され、自らも斬殺された主人公タリオンは、エルフの死霊の力を得て復活し、死霊の力を得てオークの軍勢と戦う。
敵を支配して自らの軍勢に組み入れたり、逆に裏切られたり、プレーヤーを殺したオークは能力が向上したりと、常に揺れ動く複雑な関係性を構築する。敵のオークは、主人公と戦ったことや、敗戦したこと、かつて支配されたことなどを覚えており、戦う時の態度やセリフが変化する。この「ネメシスシステム」が、プレーヤーごとに全く異なる体験を提供する。
今回は、ネメシスシステムや、新しいアクション要素、ミッションなどを体験することができた。なお、今回はXbox One Xでの体験だったため、操作方法などはXbox One X版での紹介となっている。たっぷりのスクリーンショットともに、本作の楽しさを紹介したい。
2段ジャンプで自由自在に空中を移動
戦闘システムは基本的な操作は前作と同じように、正面から切り込む戦闘と、ステルスで近づき暗殺する方法がある。通常のバトルでは、「A」+「X」ボタンで地面に放射状の全体攻撃、「A」+「Y」ボタンの同時押しで剣に特殊なエフェクトがつく強力な攻撃を出すことができる。
ダッシュには、通常のダッシュよりもさらに早いダッシュが入った。このダッシュは使用するとゲージが減っていくので、それほど長時間使い続けることはできない。
壁登りには2段ジャンプが入り、登るスピードが格段に速くなった。登っている最中に、もう1度「A」ボタンを押すとその場からまっすぐ上空にジャンプするように一気に登っていく。
さらに、ジャンプしたり、飛び降りたりするときに2段ジャンプを使うと、幽鬼の姿になってかっこよくバック転しながら、離れた場所に一気に飛び移ることができる。この2段ジャンプを駆使することで、前作なら1度下りて、敵の目を盗みながらまた昇っていた少し離れた足場に、安全で高速に空中移動することができるようになった。アクションは前作に比べて全体的にスピード感が増し、その分爽快感も増しているという印象を受けた。
戦闘が始まると、周辺の敵がそれに気づいて集まってきてしまい、どんどん相手の数が増えていく。前作でも敵に囲まれることはあったが、今作は1度戦闘が始まると走ったり壁を登って振り切ることは難しく、大勢がいつまでも追いかけてくる。屋根まで上って、もう大丈夫だろうと思っていたら、カラゴルに乗ったオークが素早く追いかけてきてぎょっとさせられたりと、敵のしつこさは前作の比ではない。その時には、2段ジャンプで何とか振り切ったが、不用意な戦闘はなるべく避けて、考えつつ動く必要が前作よりも高くなっている。
敵を味方にしたり、裏切られたりとどんどん変わる勢力図
大勢に囲まれたときに頼りになるのが、自軍の配下にいるカラゴルやオークたちだ。配下にしたオークやカラゴルは十字ボタンで呼び出すことができる。さらに「B」ボタンで幽鬼の能力を使い、無理やりしもべにする「ネメシスフォロワー」というシステムもある。頭に緑色のアイコンがついた、情報を持ったオークを尋問したついでにフォロワーにできるが、このフォロワーを弱点としているオークもいる。
筆者と同じくらいアクションゲームが苦手な人は、フレンドリーファイアに注意して欲しい。主人公の攻撃は、呼び出した手下やフォロワーにも当たるので、あまり近くで戦っていると、味方を攻撃したり、巻き添えでダメージを与えてしまったりする。
今回の試遊でも、敵に使うつもりの幽鬼の力をうっかり手下に使って、手下のHPを吸い取って殺しかけたり、せっかく騎乗していたカラゴルの脳天に剣を突き刺して倒してしまったり(敵のカラゴルにまたがって、同じ方法で倒すというアクションがあるらしい)と、信頼を失いそうなミスを連発してしまった。
そのせいなのか、それとも操作が下手すぎたからか、大勢の敵に囲まれて死にかけるほどのピンチに陥った時に、それまで一緒に戦ってくれていた手下とフォロワーがいきなり同時に裏切って、敵側についてしまった。結局その時には、オークの1人に殺されてしまった。「シャドウ・オブ・ウォー」では、プレーヤーを殺したオークは能力が向上して、内部抗争に勝利すると地位も向上する。誰がプレーヤーを殺したのかはわかるので、そのオークを標的にしてリベンジすることもできる。
オークの軍勢を自らの支配下に入れる
前作でもオークを支配して仲間にするという要素はあったが、今作ではそれを軍団単位で行ない、自らの軍隊を組織することが目的になっている。前作のサウロン軍画面では、ラスボス級が後ろに並び、前には小隊長が並んでいたが、「シャドウ・オブ・ウォー」では軍団長を頂点に、戦士長や小隊長が階層を作って並んでいる。手下を増やして、支配地域を増やすことで味方の軍勢が大きくなっていく。
サウロン軍の一覧画面からは、各オークの弱点と得意分野、性格などがわかる。カラゴルに弱いとか、蜘蛛に弱いなどみな違っているので、それに合わせた攻略を考えるのが、本作の戦略性につながる部分だ。
ここで標的を設定すると、ゲーム画面上にそのオークがいる位置が表示されるようになる。メインストーリーを進めるだけではなく、裏切った相手を再び支配しにいってもよし、自分を殺した相手に復讐をしに行ってもいい。自分がやりたいことを自由に選択することができ、その選択によってまた関係性が変化していく。これが、プレーヤーごとに違う物語を楽しめる所以だ。
武器や装備は複数登場。レアリティも存在
キャラクターのスキルは、前作同様バトルやステルスなど、プレイスタイルによっていくつかのジャンルに分かれている。スキルは前作の単純なツリー構造から、キーとなるスキルの周りに六角形のマスが並ぶ複雑な構造になった。順番に関係なく欲しいスキルをアンロックすることができるようになっている。
前作と同じく武器は成長させることでレアリティが変化していく。装備品の成長システムは、前作のルーンを刻むものから、ジェムをはめ込むという形に変更された。ジェムには固有の能力があり、前作のルーンと同様はめることで、その武器の能力を向上させることができる。
Gamescomに合わせて、オークの妖術師の召喚に応えて、マグマの中から現われた巨大なモンスター、バルログと戦うトレーラーが公開されている。バルログは、燃える翼とねじれた角を持つ悪魔のようなモンスター。タリオンが手下のオークや、カラゴルと協力してバルログと戦う迫力ある映像をぜひ見て欲しい。
筆者もこのミッションに挑戦してみたが、それまでに別のことで遊びすぎていたせいで、バルログまで行きつくことなく終わってしまったのは残念だ。まあ、トレーラーを見る限りかなり強そうなので、倒せていたかどうか自信はない。ぜひこれを読んで興味を持った方は、自分の手で邪悪な悪魔たちをねじ伏せて、サウロンの魔の手から中つ国を護って欲しい。
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