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本邦初の“リアルドン勝”!「PUBG JAPAN DONCUP OFFLINE」大会レポート

参加者40人が同会場でバトロワ!仁義なき戦いを“神の視点”で見てみよう

6月25日開催



会場:自遊空間 高田馬場店

オフラインで集まってドン勝。みんな超真剣!
会場となった自遊空間 BIGBOX 高田馬場店イベントルーム
ゲームセッションの作成から司会進行、実況解説までフル回転だったDONCUP主催者のShobosuke氏
目指せドン勝!試合模様はShobosuke氏のTwitchチャンネルでもご覧いただける

 みんな大好き「Playerunknown's Battleground(PUBG)」。最大100人で無人島バトルロワイヤル(バトロワ)を楽しむスリルたっぷりのこのPCゲーム(関連記事:【特別企画】100人バトロワで“ドン勝”だ! 話題の「PUBG」徹底解説)、発売3カ月で400万本の売り上げを突破するなど凄まじい勢いで世界のゲームシーンを侵食中だが、このたび、日本初(!)となるオフライン大会が東京・高田馬場にあるネットカフェ「自遊空間 BIGBOX 高田馬場店」で開催された。

 「PUBG JAPAN DONCUP OFFLINE」と題された本大会を主催するのは、日本で唯一の“PUBGカスタムゲーム作成・運営権保持者”であるShobosuke氏。Shobosuke氏は「Minecraft Hunger Games」や「H1Z1: King of Kill」といったバトロワゲーム界における過去数年の大会実施等の貢献を認められ、「PUBG」の開発元であるBlueholeから直々に日本のコミュニティリーダーとしての活動を託された人物だ。Shobosuke氏あるところに「PUBG」大会あり、というわけである。

 これまではオンライン上で数度の「PUBG」大会を開催してきたShobosuke氏だが、その彼にしても「実際に1つの場所に集まって対戦するオフライン大会」の実施は初めてのこと。なにしろ「PUBG」は1ゲームで最大100名、少なくとも数十名は集まらないとゲームにならない性質があるので、そこらのネカフェ等でポッとやるというわけにもいかないのだ。

 そこで今回、「自遊空間 BIGBOX 高田馬場店」と、サードウェーブデジノスのゲーミングブランド「GALLERIA GAMEMASTER」がオフライン大会の実現を全面バックアップ。さらにIntel、Team GRAPHT(MSYのゲーミングチーム)、NVIDIA、TwitchといったeSports支援に熱心な各社が協賛することで、日本初の“リアルドン勝大会”が実現したというわけである。

 こうして当日、自遊空間の店内イベントルームに設営された大会会場には40台の選手用PCがズラリ。選手募集に応えた40人のサバイバーに加え、ギャラリーの皆さんも含めて100名あまりが集まり、3ラウンドのドン勝レースを堪能。会場を包む歓声に笑い声、そして極度の緊張と、まれに見る盛り上がりのeSportsイベントが進行していった。

会場には、協賛のTeam GRAPHT(MSYゲーミングチーム)によるRazer製ゲーミングデバイスの展示も行なわれた

そもそもネカフェのPCでちゃんと動くの?

ズラリと並んだサバイバー用PCとして準備されたGALLERIA GAMEMASTER、その数40台
Intelが展示していた今大会の使用PC。Kabylake世代の最新モデルだ
使用PCのスペック。この構成で今後、自遊空間の店舗内にも導入予定だ
万全の環境で、存分に戦おうぜ!

 「PUBG」は最近のPCゲームの中でも動作が重い部類で、けっこうなCPUパワーと充分以上のメインメモリ、そこそこ以上のGPUパワーがなければストレスなく遊ぶことはできない。特にこういう一期一会感の高い大会では、スペック不足が原因で負けた勝ったとなってしまっては興ざめである。また一般的に、ネカフェのPCはわりと枯れた世代のものになっていることが多く、最新ゲームの大会ではスペック面での不安が生じるのも無理はない。

 それが今回の大会ではどうだったというと……結論、全く問題なかった!

 というのも、今回使用された選手用PCスペックのおかげである。大会で使用された40台すべてが「GALLERIA GAMEMASTER」の最新モデルになっていて、CPUは今春発売されたばかりのIntel Core i7-7700(Kaby Lake)、メインメモリはDDR4-2133/8GBデュアルチャンネル、GPUはNVIDIA GeForce GTX 1060(3GB)。最新ゲームを動作させるのに必要十分以上の能力を備えたセットアップだ。

 会場内のPCがこのスペックに統一されていたおかげで、試合中のゲーム動作は文句なしのスムーズさ。特にこのゲーム、各ゲームの終盤で大勢のサバイバーが狭い領域に集まる状況ではCPUパワーとメモリ帯域が快適動作のカギだ。そのへんが貧弱だと不意にフレームレートが下がってしまうものだが、本大会ではそんなことはなく、全選手の環境でスムーズにゲームが進行。最後の最後まで目を離せない試合模様を存分に楽しませてくれた。

 なお、このPC環境は、この大会のために特別に用意されたものというわけでもない。店舗関係者によると、これらのPCは実際に店内の標準装備として導入される予定だという。実際に導入されるのは来月あたりを予定しているそうだが、サードウェーブデジノスからの納品は完了済み。「せっかく最新のPCがあるんだし、ドン勝大会しなきゃもったいない!」という店舗側のアイディアもあったに違いない。

「GALLERIA GAMEMASTER」ブランドのPCは圧倒的な安定感と外装がシンプルで無駄のないつくりが特徴。質実剛健のゲーマー好みだ
Shobosuke氏が最近まで使用していたという“5年前のPC”と比較展示! Shobosuke氏が自ら「PUBG」をプレイしてみせるシーンもあった。こういう風景が見られるのもオフラインイベントならでは

参加者がガチ勢すぎる! 人生最高レベルの集中力で臨むドン勝バトル

試合開始を目前に、最後の設定や動作チェックに勤しむサバイバーたち
皆が皆、自前のデバイスを当たり前のように持ち込んでいる
貴重なRazerフルセット勢!

 というわけで、ガチなゲーミングPCで理想的な環境が用意された“リアルドン勝会場”。そこに集まった有志のサバイバーたちもかなりのガチ勢だった。

 なぜガチ勢とわかるのか? 40人の参加者がそれぞれ自分用の席にスタンバイしたのち、筆者は全員の使用デバイスを見て回ったのである。

 結果、自前のゲーミングギアを持ち込んでいるプレーヤーが100%。それも、SteelseriesとかZowie Gear、あるいはArtisanといった比較的マイナーな、というと語弊があるが、端的にいうとゲーマー内でもかなりコアな層が用いるブランドのデバイス比率が異様に高かったのである。Razerはそこそこ。逆に、国内トップシェアのロジクールのデバイスが意外にも少なめ。会場内はもはや、個性派のデバイスこだわり勢によって占領されていたのだ。

 そんなガチ勢40人が揃ってのドン勝バトルがいよいよスタート。幾人かのサバイバーに事前に話を聞いていたところ、口々に「今日は慎重に行きます」、「芋ります」といったコメントを頂いていたのだが、果たして第1試合目はまったくそのとおり、皆が皆、極限の慎重さで立ち回る様子を見ることができた。

 具体的にいうと、輸送機からの降下後、最初の死者が出るまでたっぷり10分はかかっていたという塩梅だ。筆者などは開幕の降下地点かぶりでパンチ合戦、開始数秒で即死するのが得意だというのに! その目前で展開していたのは、まるで別世界のハイレベル「PUBG」であった。

ぱっと見るだけでもロジクール、Razer、Steelseries、Zowie、Corsair、Roccat……ゲーミングデバイス展示会と化したドン勝会場。みんなちがってみんないい? ってやつかな

Shobosuke氏運営ならではの「神の視点」で見るドン勝

試合模様を見守るギャラリー勢
「神の視点」で全サバイバーの動向が丸見え
決定的バトルを逃さずキャッチ!
だんだんとオフライン特有の実況スタイルに慣れていくShobosuke氏

 さて、最高なのはここからである。皆さんがいつもプレイもしくはTwitch等で視聴している「PUBG」は、カメラがプレーヤー自身の視点に固定されていることとおもう。視点が固定されていることによる“状況把握の難しさ”がこのゲームの面白さに直結していることは間違いないのだが、観戦となるとまた話は別だ。見ている人にとって、ゲーム内で何が起きているのかわからないのでは、大人数バトロワの物語を充分に堪能できないというものである。

 そこでShobosuke氏である。Shobosuke氏は、Blueholeのコミュニティパートナーだけが許される「神の視点」で試合を観戦することが可能なのだ。カメラを自由に動かして俯瞰視点での観戦が可能なほか、8×8kmの広大なフィールドに散在する全サバイバーはシースルーで表示され、名前、体力、使用武器といったステータスも画面上にオーバーレイ表示。さらにワンクリックで任意のプレーヤー視点に移行し、ドン勝をめぐるあらゆるモーメントを逃さず捉えることができる。

 Shobosuke氏はこの機能を駆使し、試合の観戦カメラ制御、実況・解説まで一気にこなす。同じ建物内に居合わせてしまった2人のサバイバーがどのような運命を辿るのか? 事件が起こりそうな場所をすばやく察知したShobosuke氏による迫真のカメラワークで、ドキワクなバトル模様が手に取るようにわかる。おお、これぞeSportsの鑑。

 無数に展開する緊張の瞬間はもちろん、思わず笑ってしまうようなシチュエーションも次々に登場。車の中で倒されたサバイバーの体が、Unreal Engine特有の物理エンジン処理で荒ぶる様子を執拗に追いかけるShobosuke氏。「死体がハマってます!あっ、車が走り出しました! まだ死体が暴れてます! 振り落とされるか!? 振り落とされないっ!……あっ、ちょっとズレた! いったいいつまで耐えられるかというゲーム!!」。ぶはははは!

 といった感じでShobosuke氏は「PUBG」特有のバカゲーっぷりも軽妙にアピールしつつも、ゲーム終盤となれば一転、緊張感あふれる展開に。狭まったエリアに集中する全サバイバーの配置を俯瞰視点で捕らえつつ、Shobosuke氏はそれぞれの行動や意図を的確に実況・解説していく。おかげで、プレーヤー勢だけでなく観戦者勢も大いに楽しめる大会となっていた。

 第3試合目は特に傑作である。Shobosuke氏もオフライン大会ならではの進行に慣れてきたのか、次第に「実況者がゲームを作る」スタイルを披露しはじめた。プレイ中の各サバイバーはヘッドセットを装着しているが、会場に響き渡るShobosuke氏の実況音声はどうやっても耳に入る。そこで、注目エリアで戦うサバイバーたちの行動や状況を、あえて聞こえるように言うのである(笑)。「なんと! この狭い集落に8人もいます!!」。

 そして第3試合の最後、すぐ横で寝そべっていた敵に気付かず通り過ぎようとしたサバイバーに、Shobosuke氏が絶叫。「右! 右ィ!! 右ィィイ~!!」。これにはギャラリーも大爆笑。こういった、運営者によるある種の“ゲームメイク”が許されるのも「PUBG」オフライン大会のいいところだな、と感じることができた。これがもっとガチなeSportsタイトルであれば非難轟々だろうが、「PUBG」ならある程度OKというようなユルさがあるのだ。

同じ建物に2人のサバイバー! いったいどうなってしまうのか!?
車にハマった死体が大変なことに! 勝負そっちのけで死体のあらぶりを実況
Shobosuke氏「右! 右ィ!」
Shobosuke氏「左だああ!」

ドン勝は運か? 実力か? 両方だ!

最初は慎重に分散していく40人のサバイバー
やがては狭い空間に殺到してのスリリングな戦いへ
最後の1発くれてやるよ!

 Shobosuke氏渾身の実況解説のおかげもあって楽しく進行したドン勝3試合。各試合の最後、生き残りが数名となり、エリアも極小まで狭まってくると、各サバイバーが体験している極限の緊張がまるで会場全体に伝染しているかのようだった。実力で生き残っていくか、それとも豪運に恵まれて生き残るか。それまでは雑談に興じていたギャラリーも声を潜め、手に汗を握り、じっと勝負の行く末を見守った。

 最後の1対1ともなれば、各サバイバーの一挙一動や、さらなるエリアの縮小に思わず声が漏れる。大勢のギャラリーと38人の死亡済サバイバーが観戦用スクリーンに釘付けとなり、最後の瞬間を待つ。「……動いた! 見えた! 撃った! 当たった!……倒した!? いやまだ倒れない! オオオオオオォォォオ!」。

 いやぁもう、見ているだけでもめっちゃ楽しい。うむ、ドン勝は本当にいいゲームだ。

 こうして、全3試合で勝者が生まれた。

 第1試合目の勝者はLagRu選手。5キルをとっての見事なドン勝ぶりだったが、なんと、これがソロプレイでの初ドン勝だったそうである。最後は緊張で手が震えまくり「弾が全然あたりませんでした」とか。わかるわかる。最後のシーンではエリア縮小の運に恵まれ、有利ポジションを維持し続けることができたという勝利でもあった。なおこのラウンドで3位に入った選手は0キルだったので、運要素がわりと強く作用した試合だったと言えるだろう。

第1試合の結果
優勝は、なんとこれがソロ初ドン勝というLagRu選手

 第2試合目の勝者は、MisoLemon氏。かつてオンラインで開催されたオンライン版の「DONCUP」で優勝経験があるという猛者である。5キルを記録しての文句なしのドン勝だったが、2位に終わったoisuq選手はそれを上回る8キルを記録、3~4位の選手も3キル、5キルと、ほぼ実力本位で順位が決まったパターンだといえるだろう。

第2試合の結果
優勝のMisoLemon氏は、DONCUP優勝2回目という実力派
最終エリアへ車で殺到するサバイバーたち

 第3試合の勝者は、tyapatu選手。車を使った冷静かつ効率的な立ち回りで、最後の敵2人を次々になぎ倒しての見事なドン勝だった。「PUBG」における乗り物運用の重要性を象徴付けるかのように、この試合、終盤まで戦ったほとんどのプレーヤーは、最終エリアに車・バイクでなだれ込んでいる。その中でも、最後の最後まで車両を捨てなかったプレーヤーが機動力を活かし、有利位置を素早く確保して勝利したという格好だ。

第3試合結果
優勝のtyapatu選手。終盤まで車を大事に使った立ち回りで、遮蔽物の少ない平地での決戦をうまく制した

 こういった形でそれぞれのラウンドで「PUBG」の違った側面を見ることもでき、非常に面白く大会を楽しむことができた。スムーズにプレイできる環境でプレーヤーも満足、Shobosuke氏の実況解説でギャラリーも満足、1度のマシントラブルもなく進行できて関係者も満足、というわけで、初めての大人数オフライン大会としては期待以上の成功だったと言えそうだ。

今後はさらなる規模拡大での開催も!?

 といった形で、皆が大いに楽しんで終えることができた日本初のドン勝オフライン大会「PUBG JAPAN DONCUP OFFLINE」。本大会の設営・運営に尽力した自遊空間、サードウェーブデジノスの関係各氏も期待以上の手応えを得ることができたとのことで、「ぜひまたやりたいですね!」とニッコニコで語っていた。

 当のShobosuke氏も、やりきった感のあふれる表情で筆者の質問に応えてくれ、「次は100人でやりたいですね!」とノリノリである。今回会場に使用された自遊空間 BIGBOX 高田馬場店イベントルームは、面積的には100台のPCを並べることも可能だという。これだけ盛り上がってしまうと、次回大会がさらに規模拡張して実施される可能性も極めて高いというものである。

 よし、筆者も、次は選手として参加してみよう!「PUBG」が気になっている読者のみなさんも、もはや指を咥えて見ている場合ではないですぞ。「ウチの環境だと重くて……」という方も、最新ゲーミングPCが導入されたお近くの自遊空間にて“ドン勝”チャレンジをしてみてはいかがだろうか?

1/40の生存を目指し、スリルあり、驚きあり、笑いあり、スーパープレイあり、などなどで展開した全3試合のオフラインドン勝大会。見てるだけでも面白いが、見ていると自分でも参加したくなる不思議!