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圧倒的なドラマとやり込み要素、「ヒットマン」先行体験
初心者も華麗な暗殺が可能! 新機能「アプローチ」など魅力を紹介
2017年7月5日 18:00
「ヒットマン」が発売される! 筆者はこの日を待ち望んでいた。シリーズ最新作である本作は、“原点回帰”を意図してタイトルは「ヒットマン」となり、日本では8月に発売決定となった。本作は欧米では1つ1つのエピソード配信として、2016年3月から発売されていたのだが、今回、6つのエピソードをセットにした形で日本語吹き替え音声も含む“フルローカライズ”で登場する。
今回、発売に先がけて開発中のバージョンで「パリ」のマップをプレイすることができた。1時間半ほどのプレイだったが、もうそのまま開発機材を家に持って帰ってどこまでもプレイしたくなってしまった。今回はプロデューサーの赤石沢賢氏の解説を受けながらプレイできた本作の要素や、魅力を紹介していきたい。
独特な“ルール”で行なわれる殺しのテクニック。初心者でも華麗な暗殺が!
前作の「ヒットマン:アブソリューション」では組織と対立していた47だが、今作では組織にその実力を見出され、様々な任務に派遣される、という設定になっている。このため組織からのバックアップもある。
今回収録されているのは、チュートリアルステージと、フランスのパリ、イタリアのサピエンツァ、モロッコのマラケシュ、タイのバンコク、アメリカのコロラド、日本の北海道となる。今回体験したのは最初のステージのパリだ。
「ヒットマン」で求められる最高のプレイスタイルは「サイレントアサシン」である。気づかれることなく、暗殺という証拠も残さず、仕事を完遂する。暗殺方法は無数に用意されており、クリアの仕方は様々。この自由度の高さ、ゲーム性の面白さが、「ヒットマン」を魅力的な作品としている。47は卓越した能力を持っているが超人ではなく、敵に撃たれればすぐに倒されてしまう。単純な力押しでは成功の確率は低い。いかにスマートに、そしてカッコ良く暗殺を決めるかが、本作の醍醐味なのだ。
今作の最大の特徴はフィールドが「サンドボックス」であること。様々なことが同時並行で行なわれている。パリでは華やかなファッションショーが行なわれるが、メディアと観客向けのレセプションが行なわれている裏で、トップモデルの1人はグラビア撮影をしており、ファッションショーでは準備にてんやわんや、さらに屋敷の奥では機密情報のオークションまで行なわれている。プレーヤーは47となって、このドラマ渦巻くフィールドに「殺しの目的」を持って飛び込んでいく。
今回のターゲットは2人。ファッションショーの主役であるデザイナーの「ビクター」そして謎の女性「ダリア」だ。彼らはどこにいて何をしているのか、47は歩き回りターゲットの人物と、暗殺するための方法を探していく。実際歩いてみると様々なドラマがある。文句を言っているモデル、談笑している招待客、裏で銃を持って警備をしている怪しげなガードマン達……キャラクターがどこでどんな行動をしているか把握していくのが「ヒットマン」のセオリーだ。
こいつはここで1人になる、ここではこんなドラマがある、この階段はどこに繋がっていて、警備が厳重なのはここ……本作はトライ&エラーのくり返しで“最高の暗殺”を目指していくのが楽しい。最初のプレイは情報収集に徹する、というプレイもアリだろう。
ただそういうプレイはちょっとハードルが高いのも確かだ。最初のプレイで華麗な暗殺を決めたい、今作の「ヒットマン」はプレーヤーのそういった要望にもきちんと答えている。それが「アプローチ」という今作に導入されたシステムだ。今作では暗殺のヒントとなるイベントがアイコンで表示されており、近づくことで暗殺のための情報が入手できる。
今回確認できたのは「従業員の会話」、「ゲストの会話」の2つ。従業員の会話は「ビクターのお気に入りのカクテルのレシピを地下に置いてきてしまった」というもの。彼のためだけに作るカクテル……これに毒を入れられれば。この会話を盗み聞きすることでトリガーが発動し、具体的な次の目標が出る。パリではこの目標を追うだけでかなり楽に暗殺ができる。
「ゲストの会話」の方は、裏で行なわれている“裏取引”の密談話。ここではビクターがファッションデザイナーという表の顔の裏でなにをやっているのかが明らかになる。この裏取引の現場に居合わすことができるのだ。
この時重要になってくるのが「ヒットマン」の根幹をなすシステム「変装」である。47は対象を気絶させたり、ロッカールームから入手した衣装をまとうことでその場の人になりきってしまう。ボーイの格好をすればパーティー会場から楽屋裏までかなりの場所を歩き回れる。レシピと毒を手に入れれば疑われることなくビクターを暗殺できる。ボディガードの服はさらに行動範囲が広くなる。しかしボディーガードは連携している場合も多く、服を奪うにも苦労が必要だ。
今作ではさらにこちらを疑うキャラクターにマークがつく。ボーイ長だったり、ボディーガードのリーダーだと、知らない人間が変装をしているのを見破ってしまうのだ。行動中はこういった人に注意しなくてはならない。こういった人達に近づかないのが得策だが、さけられない場合、「ブレンディング」が効果的だ。特定のポイントではブレンディングが可能となり、腕を組んで立っていたり、テーブルを掃除するなどいかにもな行動で注意をそらすことができる。パリはこういった基本的なルールを学ぶ場所でもある。アプローチを有効に使い、様々な方法を試みるのも楽しそうだ。
やりこむごとに見えてくる作り込み。吹き替え音声も全てカバー!
パリではもう1人ターゲットがいる。それがダリアという謎の女性だ。彼女は元トップモデルだというのだが……。パリではボディガードの変装をし、ダリアの隙がないか彼女を尾行してみた。
すると彼女が裏で進める恐るべき計画を知ることができた。彼女は密かに行なわれているパーティで、様々な報告を受け取ったり、スタッフに指示を出したりしている。会話の端々からその実力の高さ、スケールの大きさが伝わってくる。彼女を追跡することで、彼女こそが今回の真のターゲットであり、ビクターなど小物に過ぎないことがわかるのである。
赤石沢氏はこういった要素こそ本作の本当の楽しさだと熱く語った。ゲームとして暗殺に集中するのも良いが、舞台背景、ドラマ、意外な人の繋がりなど、「ヒットマン」ではタイムテーブルに沿って様々な場所でドラマが繰り広げられている。何度もプレイし、色々なものを把握することで、「ここでこんなことが起きていたのか」といった形で物語が保管され、大きな動きが明らかになってくる。やりこむほどに楽しいのが本作の大きな特徴だという。
そんな彼女の暗殺方法の1つは「有名モデルになりすます」という方法。ファッションショーの“主役”の1人が、スキンヘッドで顔にメイクをしたモデルなのである。その姿は、47にそっくりだ。彼になりすまし、ダリアと密会して彼女を暗殺する。それが可能なのである。
この時は赤石沢氏にコントローラを持って貰ったが動きが全く違う。全てを把握しているとここまで動けるのかと感心してしまった。まず離れた場所でボーイの服を入手、次にモデルを追跡、彼が1人になるのを待って気絶させる。その後楽屋裏でメイクを施した後、なんと“ランウェイ”に立つ。47がファッションショーにデビューしちゃうのである。
そしてその後、ダリアとの密会だ。安心しきってる彼女の背後に回り込み……。後は彼女の死体を隠し、ゆうゆうと出口に向かえば良い。この時赤石沢氏は「行きがけの駄賃」とばかりにビクターまで毒殺してしまった。
「ヒットマン」の楽しさはまさにここにある。慣れたプレーヤーにとってはどこで何がいつおこるか把握している。アイテムの場所もわかる。これをいかに組み合わせて劇的に暗殺をするか、そこがテーマとなるのである。しかもさらなる“やり込み要素”がある。決められた殺害方法をクリアするなどチャレンジを達成していくことで、スタート地点が選べたり、武器を事前に隠しておけるようになるのだ。。
通常ではたどり着けないスタート地点から機密情報のオークション会場にボーイとして紛れ込めたり、ある場所にスナイパーライフルを隠せたり、より殺しの幅、アプローチの幅が広がるのである。しかもさらなるチャレンジも用意されてるというのだ。本当に遊びごたえのあるゲームだというのが今回実感できた。
赤石沢氏は、「本作は我々が手がけた中でも最大規模となっています。ドラマはもちろん、何気ない会話から、リアクションの多彩さなど本当に力を入れたローカライズを行なっています。ぜひ日本語音声のボリュームの大きさを実感して欲しいですね。とてもお待たせしましたが、それだけいいものになりました。ぜひ、この圧倒的なボリュームにご期待下さい」と読者に語りかけた。本当に発売が楽しみだ。
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