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PS Vita「Neo ATLAS 1469」体験会を開催。山口洋一ディレクターのトークショーも!
自分だけの世界地図を描こう! 体験版の配信も決定!
2016年10月14日 21:02
アートディンクは、10月27日に発売を予定している世界発見シミュレーション「Neo ATLAS 1469」の体験会を開催した。
「Neo ATLAS 1469」は、世界地図を自分で作り上げていくシミュレーションゲーム「THE ATLAS」シリーズの最新作となる。PCに端を発してプレイステーションなど多数のプラットフォームで発売されてきたが、久しぶりの新作となる。6月の発表以来、ファンの間では反響を呼び、シリーズ再開を待っていたファンの注目を集めていた。東京ゲームショウ2016では15分程度しか試遊できなかったが、今回はたっぷり2時間遊べると言うことで、いち早くプレイしたいファンが集まった。
まずはアートディンクの清道孝行プロデューサーがゲームの説明を行ない、「このゲームにとっては2時間は短いかもしれませんが、じっくり体験してください」と挨拶。実際“時間泥棒”と呼ばれるほどやりこむことができる同タイトルにとっては、確かに2時間ではゲームの冒頭しかプレイできないが、それでもその楽しさの一端を知ることができるこの体験会は貴重な機会だ。
さらに体験会には、1作目からシリーズの制作を手がけてきた山口洋一エグゼクティブディレクターが登場。「心待ちにしてくれている人たちが集まってくれてうれしい。楽しんでください」と語った。
ここで、体験会に突入かと思いきや「ソフトは海賊に取られてしまいました」と清道氏。「取り返してきます!」とばかりに、ソフトを持った海賊を呼び込んだ。その海賊は、なんと元アスキーの「ログイン」編集長・高橋ピョン太氏! 「THE ATLAS」シリーズを初めてプレイしたときからそのゲームのおもしろさにとりつかれたピョン太氏は「ログイン」でコーナーを展開するなど「THE ATLAS」を布教していったことは、古いファンにはおなじみのエピソード。今回も海賊の衣装で登場した。
ここで2時間ほどの試遊タイムに突入。山口氏は“プレイする上でのヒント”を披露。ゲームの操作系はフリックやピンチアウトなどのタッチパネルを使用した操作がメインだが、同時にボタンやスティックなどを使用することでより効率的に操作することができる。また「△ボタンを押すとメッセージを早送りできます」との話には、すでにプレイ中のピョン太氏も「知らなかったです!」と突っ込み。ちょっとした機能だが、何度も表示されるメッセージもあるため、便利機能とも言える。これらの言葉に耳を傾けながらも来場者はゲームに没頭していた。
トークショーでは「THE ATLAS」開発当初の貴重な逸話も披露!
体験会終了後には山口洋一エグゼクティブディレクターと高橋ピョン太氏によるトークショーが行なわれた。ずっとプレイしてきたピョン太氏は「(当初は)貿易の航路を引くのも大変だった。(指南役の)ミゲルもいなかったし」と当時のゲームプレイを振り返った。今のような親切に手取り足取り手助けしてくれるゲームは少なかった時代。それでも、地図を作り上げていくという斬新さはピョン太氏の心をつかんだようだ。
「THE ATLAS」はセピア調の画面で、白紙の紙に地図を作り上げていくような感覚があり、プレーヤーの想像力が試されるゲームでもあった。山口氏によれば当時は、セピア調の画面を見た周りの人からは「これ、モノクロですか?」と聞かれたのだという。PC98で16色しか表示できない時代の話。「THE ATLAS」ではその16色の中からなんと10色を使ってセピアの淡い色調を出していたのだという。ピョン太氏は「この色使いがシンプルかつMacintoshのような雰囲気で、衝撃的だった」と振り返った。その受けた衝撃のまま編集部に戻り、「連載するしかないですよ!」と盛り上がったのだとか。
当時の「ログイン」編集部では、探索に出した提督の話を信じるか信じないかで地図を描いていくというそのゲーム性をもじり、何か問題が発生しても「信じない!」と言って切り抜けたり、「THE ATLAS」のゲーム内の言葉が流行ったのだとか。このほかにも衝撃的なキャラクターとして登場する「肉人」など、ログイン編集部でも大いに盛り上がったようだ。ちなみにこの「肉人」、今回も登場すると山口氏。是非ともプレーヤーの皆さんには探し出していただきたい。
山口氏はゲームを作るきっかけにもふれた。「プレーヤーに大航海時代の頃の人になって欲しかった。(情報が未発達の時代のようになるには)どうすれば良いのか考えたとき、信じるか信じないか選択させることで地図を描くことを思いついた。実際にその当時、王族が提督を使って世界を探索させ、見聞きしてきた」と語り、ゲームの根幹が作り上げられていったようだ。大航海時代をテーマにしたゲームなだけに発売前のコードネームはなんと「東インド会社」だったのだとか。
今の時代もまだこのゲームシステムが斬新であり続けていることについて、山口氏は「今回の『Neo ATLAS 1469』でもゲームの根幹はなにひとつ変わっていない」という。だが、今のプレーヤー達があの当時を振り返り「そうそう、『THE ATLAS』って楽しかったんだ」と感じるようなプレイ感を実現するために、いろいろと現代風に手を加えていったのだという。たとえばチュートリアルですんなりとゲームに入り込めるようにしたり、指南役のミゲルを配したり。
ちなみに「Neo ATLAS」から登場したミゲルの原型は山口氏自身だという。「Neo ATLAS」制作当初、スタッフから「ゲームをどう進めたら良いんですか?」と聞かれ、山口氏がヒントを出すと、スタッフはそのシステムを理解して「面白いですねぇ!」と入り込んでいったのだという。ここで山口氏は「僕が質問に答えたようにヒントを出すキャラクターを登場させれば良いんだ」と思いついたのだという。
現代のプレーヤーでも入りやすいようにゲーム開始当初の難易度は落としてあるという。しかし中盤から後半にかけてゲームとしての歯ごたえはかなりのものだそうで、「こんなアイテムどうやって探し出すんだ?」といった貴重な遺跡なども登場するようだ。
「ATLAS」シリーズにおける貴重なアイテムとして有名なのものの1つに「イヴラークの骨」がある。今回も登場するというこの「イヴラークの骨」。イベントではその名前の由来も明らかにされた。この名前は焼き肉を食べながら考えていたということで、テーブルに出てきた「骨付きカルビ」を見て、「英語の『Calvi』を逆に読んだら良いんじゃない?」となり、あっさり決まったのだとか。
山口氏は「Neo ATLAS 1469」について、「アートディンクらしいゲーム。アートディンクは『A列車で行こう』など他のタイトルもそうだが、“世界”を作って自由に遊んで欲しいという構成のゲームが多い。この“世界”を作るというのがゲーム作りだと思っているし、楽しい」と語り、これからも遊べる世界を作っていく」と語り締めくくった。
イベントの最後には山口氏から「『Neo ATLAS 1469』の体験版のリリースが決定しました」と発表があった。配信時期は未定だが、喜望峰までプレイできるという。また、体験版の最後には凝った演出も用意されているといい、セーブデータを引き継ぐこともできることから「体験版をプレイして楽しんでください」とアピールして体験会を締めくくった。
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