インタビュー

「新生FFXIV」プロデューサー吉田直樹氏「パッチ2.3」インタビュー

「フロントライン」の対戦では視線切りのテクニックが重要

「フロントライン」の対戦では視線切りのテクニックが重要

72人参加の対人コンテンツ「フロントライン」

―― パッチ2.3の目玉要素といえる「フロントライン」ですが、トレーラーでは「大迷宮バハムート」風のタイルがある場所で、何かが出現していましたね。

吉田氏: ギミックが動作するのはあそこだけです。あの高台はちょうど3都市のホームポイントの中間地点に当たる場所です。カルテノー平原は衛星ダラガブが爆発した爆心地そのものなので、いくつかアラグのギミックが落ちているというイメージです。実は一部メインストーリーに係わってくる部分もあります。

―― あのギミックは何ですか?

吉田氏: あの装置に紐付いてモンスターが出現します。モンスターはどの勢力に対しても敵対なので、ある意味中立の存在です。そのモンスターを倒してもポイントが貯まるので、倒しにいくとか例えばリミットブレイクゲージを稼ぐために倒すのも戦術の1つとして可能です。

―― 装置を発動させればモンスターが出現するのですか?

吉田氏: 装置は2種類存在し、1つは固定間隔で出現しますが、もう1つの大きい装置は出現タイミングがランダムで、出現するとゲーム内に告知が流れるようになっています。3勢力の戦いではありますが、あそこに第4の勢力としてモンスターがいるので上手く戦術の1つとして活用してもらえればと思います。

―― 3都市の拠点は崖になっていますが、あの崖の上や下からも攻撃が通るのですか?

吉田氏: 可能ですが、登ることはできません。あそこは復活ポイントなのですが、復活ポイントで待ち伏せをして生き返った人を即倒すという、いわゆるレポップキルを防ぐために段差を付けています。復活する場所は、かなり奥の方にあるので、崖下から攻撃しようとしても無理ですし、デメリットしかないです。それに上から集中砲火されてしまうでしょうし。

―― 上から攻撃するほうが有利なのですか?

吉田氏: 下からだとかなり距離を詰めないと視線が通らないですが、上からなら見晴らしがいいから視線が通り放題ですから。

―― 対人戦のあるゲームだと、どこかの勢力が一方的に追い詰められて、入り口に敵が群がるようなシーンがよくありますよね、「フロントライン」はそういう展開にはならないのですか?

吉田氏:単なる倒す/倒されるのゲーム性だとそうなる可能性がありますが、拠点をホールドしている数によってポイントのたまりが早くなるので、フロントラインの場合、そうなるとさっさと決着が付いてしまうだけですね。ただ、かなり距離があるので、敵の拠点まで行くというシチュエーションにはほぼならないと思います。

陣の中に4人入ると、占領速度が最大になる

―― 中立の陣はいくつあるのですか?

吉田氏: 途中に6カ所あります。そこが主戦場になります。

―― そこに行くためのルートはいくつかあるのですか? また、広いフィールドだけではなく、隘路のような場所もありますか?

吉田氏: もちろんあります。途中には視線切りに使えるダラガブの破片が落ちていたりもしますから、そこに隠れながら魔法の打ち合いや退避に使っていただければと。をしたりしていただければいいかなと。視線を切るのは結構重要です。あとはマウントですね。離脱したい時には、マウントに乗って即逃げた方が速いです。

―― 敵の射程から外れると、ターゲットが外れるのですか?

吉田氏: モンスターと戦う時のルールと同じです。ターゲットが50mなので、それ以上になると自動的に外れます。

―― 外れると自動回復も?

吉田氏: ターゲットの解除と戦闘状態の解除は無関係です。内部的にはPCにも敵視リストが存在しており、モンスターとの戦闘がある程度離れると敵視リストがクリアされます。

―― 中で使えるチャットの種類は?

吉田氏: 24人全員が見ることができるアライアンスチャットと、パーティチャットに加えて、ShoutやSayなども使えますが、同陣営にのみ届く仕様になっています。

―― 例えば、画面にドロップテキストで表示される指揮チャットのようなものはありますか?

吉田氏: まだそういったものが必要になるほど長期戦を考えていません。あくまでも「フロントライン」シリーズの入り口なので、そこまでしなくてもいいように作ってあります。こなれてくるといろいろな戦術が出てくると思うので、そうなってくると、軍師役に名乗りを上げる方もいらっしゃると思いますが、それがないと勝てないバトルではありません。

―― 基本的には8人パーティで動くことになるのですか?

吉田氏: 中立拠点の占領は4人までしか判定しないので、最少構成は4人になります。その構成で動いてもいいし、3人で動いてもいいですし、あまり8人パーティを意識する必要はないかなと思います。

―― 4人以上いても占領速度が変わらないのですか?

吉田氏: そうです。もし自分たちが4人で同じサークル内に相手が3人いる場合には、1人分しかカウントしません。4対4だとゲージはどちらにも増えません。ですから、相手を倒して自軍の占拠率を上げるという遊びになります。

―― 拠点でジョブを変更できますが、例えば拠点でパーティを組み直したり、抜けてバディを呼び出したりできるのですか?

吉田氏: パーティの組み直しはできません。PvEほど厳密にパーティにこだわる必要はなく、近場にいる仲間と一緒に戦うという感覚です。ユーザーインターフェイス設定で仲間のHPバーを常に表示させておけば、敵味方が判別しやすいです。

―― 敵味方の判別はわかりにくいのですか?

吉田氏: ネームタグのカラーが違うのですぐに分かります。マップに表示される点も全部色が違います。

ウルダハのテレジ・アデレジが企む「戦争」が起こる

―― 前回のストーリーの最後で「戦争だよ」というセリフがありましたが、今後、対人戦がメインストーリーの中で、意味を持ってくるのですか?

吉田氏: 「FF」シリーズはPvE、つまり自分が英雄になって世界に訪れる脅威と戦っていくという物語です。だから必ずPvPを通過しないとメインストーリーが進まないとか、PvPの結果によってその後のメインストーリーが大きく変わっていくようなことをやるつもりはありません。世界の中で戦争をやっている意味はきちんとメインストーリーの中で語りますが、そこに参加することが必須にはしないというのが「新生FFXIV」のポリシーです。

―― 戦争になると聞いたとき、ここから3都市が敵対関係になっていくのかと思いました。

吉田氏: それはないですね。それをやるなら、最初からプレーヤーの皆さんに提示していなければいけないと思います。最初からやるつもりはなかったです。

―― グランドカンパニーの階級は「フロントライン」で何か意味を持つのですか?

吉田氏: ありません。PvPでグランドカンパニーの階級を使うつもりはないです。この先また階級を解放するタイミングでは、PvPではなく、PvEでメリットがあるようなことをやっていこうと思っています。

―― 今回は階級の解放はないのですか?

吉田氏: 次に階級を解放するタイミングはいつですかという質問をよく受けます。単純に階級を解放するだけならいつでもできるのですが、その階級でできる遊びだったりアイテムがないと解放しても意味がありませんので、そちらと合わせて実装する予定です。今、フリーカンパニー(以下、FC)で同じ目的をもって遊ぶという要素を開発していますが、その辺りと一緒に階級上限が上がるということになると思います。

―― ということはパッチ2.4で上がるということですか?

吉田氏: まだ確定ではありません。解放した方がいいとは思っていますが、他に優先すべきコンテンツがある場合はそちらを優先するので、時期までは意識していないです。

―― 今は軍票がカンストしても、使い道がなくて放置している人が結構いますよね。

吉田氏: もったいないです。せめて素材に交換してマーケットに流すだけでも儲かるのでぜひ……。個人宅に向けて、ぜひお金を貯めておいてください。

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(石井聡)