インタビュー

PS4/PS3/WIN「ドラゴンズドグマ オンライン」インタビュー

カプコン最大規模で挑む“いつまでも続く、変化する、オンラインオープンワールドアクション”

2015年 サービス開始予定

価格:アイテム課金制

CEROレーティング:C(15歳以上対象)

 ゲームファンの皆様にとって驚きの発表だっただろうか、はたまた「ついに来たか!」という感想だっただろうか。シリーズ最新作にしてオンライン専用タイトルとなるオンラインオープンワールドアクション「ドラゴンズドグマ オンライン」が発表された。

 プラットフォームはPS4/PS3、Windows。正式サービスは2015年を予定しており、CEROレーティングはC(15歳以上対象)。

 一体どんな作品になるのか気になる「ドラゴンズドグマ オンライン」だが、プロデューサー松川美苗氏と、ディレクター木下研人氏にインタビューし、詳しい話を聞いてみたので、その模様をお伝えしていこう。

「ドラゴンズドグマの良さをそのままオンラインにしていく」ユーザーの声に応えてのオンライン化

プロデューサーの松川美苗氏。前作「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」を経て、ユーザーの要望に応えようとオンライン化のプロジェクトを進めた
ディレクターの木下研人氏。オープンワールドにしてアクションの本作を、オンラインゲームにするという高いハードルに挑んだ。やはり、かなりの苦労があったそうだ

――シリーズ作をプレイしてきたゲームファンの人からすると、「あぁ、ついにオンラインになるんだ!」という感想があると思います。そこでまず気になるのは“どんなオンラインゲームになるのか?”ですよね。

 枠組みで言えば、「MMO(千人規模の大規模オンライン)なのか、「MO(ルームなどで一定人数と一緒に遊べるオンラインマルチプレイ)」なのか。いきなりですが、そこからお聞かせ頂けますか?

松川氏:そうした枠組みから考えるというよりは、出発点として「オンラインアクションRPGを作ろうよ!」というのがあったんですよね。

 前作では戦闘のアクションであったり、ポーンという連れて歩けるNPCの仕組みなどをユーザーの方々から楽しいと言ってもらえました。同時に、「オンラインマルチプレイで遊びたい」という要望を頂いていましので、「次はどうしようか?」という話し合いをした時に「じゃあ、オンラインに挑戦してみようか?」となったのが始まりでしたね。

――オンラインゲームの枠組みはあまり意識せず、「ドラゴンズドグマ」をそのままオンラインで遊べるようにしよう……というのが出発点だったわけですね。プレイの方向性としては、例えば“狩りゲー”のような、共闘アクションになっているのでしょうか?

木下氏:アクションは「ドラゴンズドグマ」というタイトルとしても、カプコンという会社の強みとしてもあります。ユーザーの方々からのニーズとしては「他人のポーンを連れて遊べる緩やかな繋がりが面白い」と言っていただけつつも、「これがオンラインで他人と一緒に遊べたら」という声もあったと思います。

 「緩やかな繋がり」という良さは残したまま、先のニーズにもう応えしたいというのが基本にあります。パーティーを組んで、アクションで戦って、モンスターを倒して。それを繰り返すことで資産の拡充ができたりといった、オンラインゲームのサイクルになっています。

松川氏:狩りゲーというよりは、「ドラゴンズドグマ」の良さであるオープンワールドやアクション、そしてポーンに、オンラインマルチプレイが加わっているという感じですね。それも、ちょっとオンライン対応させたとかではなくて、本格的にしっかりとベースからオンライン化しています。

――コンセプトとして「ドラゴンズドグマの良さをそのままオンラインにしていく」というものを非常に大事にしている事が伝わりました。ちなみにスクリーンショットを見ると、「プレーヤーキャラクターは4人ぐらいなのかな?」と思います。そういう規模でクエストなりに向かっていくというスタイルなのかなと。

木下氏:ご想像頂いたとおりで、まず大きなロビーのような街があり、そこでパーティーを組みます。プレーヤーは4人ですが、ポーンを入れてプレーヤー2人とポーン2人、プレーヤー1人とポーン3人といったような形にもできますね。もちろん、他人のポーンを借りることもできます。そこからコンテンツを遊んでもいいですが、シンプルに「冒険しましょう」と探索の旅に出てもらってもいいんです。

松川氏:パーティーの中にポーンを組み込める自由度を大事にしていて、「ポーンが良かった」という声と「オンラインで遊びたい」という両方の声を叶えるために、開発チームはがんばっています。



街でパーティーを組み、オープンワールドの世界を旅し、巨大な魔物とアクションで戦う。「ドラゴンズドグマ」の世界がいよいよオンラインで楽しめる

オンライン化はかなり大変! 一から作り直して「『ドラゴンズドグマ』だ!」と言われるものに到達

オープンワールドの広い世界で、戦闘システムはスピーディーかつダイナミックなアクション。オンライン化するのに難しい要素が揃っているだけに、開発にはかなりの苦労があったそうだ

松川氏:エグゼクティブプロデューサーの小林からは「ナンバリングではないけどナンバリング以上に。前作をプレイしてくれたユーザーの方々の要望に全力で応えるゲームに。」という要望がありましたが、開発チームが一丸となり、それを実現していって。なんとか形になってきました。

――開発チームは、「ドラゴンズドグマ:ダークアリズン」(以下、「ダークアリズン」)を手がけたチームがそのまま手がけているのでしょうか?

松川氏:「ドラゴンズドグマ」のチームがほぼそのままに「ダークアリズン」を作っていたのですが、その頃、一部のメンバーはオンラインの研究をしていて。「ダークアリズン」を完成させたメンバーが本作の開発に合流し、カプコンの中でもかなり大規模なチームになりました。「ドラゴンズドグマ」からのメンバーはもう6年ほどシリーズに携わっていたりします。

――開発期間はどれぐらいになっているのでしょう?

松川氏:準備期間を含めたら2年ぐらいでしょうか。

木下氏:2012年の5〜6月ぐらいから、先ほどもあったオンラインの研究をしていったので。それぐらいですね。

松川氏:はじめはね、(オンライン化は)できないって思ったんですよ(苦笑)。でも、いざやりはじめてみると……ね。

木下氏:妥協したら意味がなくなるという気持ちがムクムクと出てきたようですね。

――開発者としてのプライドというか。最初は渋い顔をしていても、やり始めたら「なんとかしてやる!」っていう意地が出てくるわけですね。

松川氏:それをなんとかするためにも、今回は「ドラゴンズドグマ」を「とりあえずオンライン対応させた」程度ではないんです。オンラインで遊ぶアクションRPGとして、1から作り直しています。モーションやモデリングもそうですし、敵の思考なども含めてほぼ全部ですね。

木下氏:オンライン通信をどうするかを、シリーズに長く携わっている開発チームが堅実に積み上げてくれました。

――ゲーム好きの人からは、結構簡単に「オンラインも遊べるようにしてよ」と言われてしまいますよね。でもオンラインプレイって通信周りの処理だったり、メモリの処理だったり。マシンパワーをかなり食う。かなりのハードルですよね。

木下氏:まさにその通りで、ハードル高いです。スクリーンショットを見ると「ドラゴンズドグマだ」っていう感じになっていますが、それこそプレーヤーキャラクターの素体から作り直しています。前作までの素体は頂点数やテクスチャはかなり豪華に作っていたので。

――逆に言えば、オフラインに特化すればかなりのマシンパワーをグラフィックスなりに使えるとも言えるぐらい。

松川氏:そうですね。でもそれを言い訳に「じゃあ今回はオンラインだから」とグラフィックスの質を落とせるかというと。簡単には割り切れないので。

 デザイナー、プログラマー、エンジンに関わっているメンバーががんばってくれて、喜ばれるものをどうやって出していくかに、全力で取り組んでくれました。

――プレーヤーが最大4人ということは、4人分の装備のあらゆるコーディネートがあって、それが同時に見えていて、衣服の動きなど処理も常にあって。オフラインゲームと比べるとそれだけで処理は何倍も大変になってしまうわけですよね。

木下氏:そうなんですよ。

――かなり苦労があったと思うのですが、今のスクリーンショットを見ると逆に「あぁ、『ドラゴンズドグマ』シリーズだな」とおなじみのものに思えてしまうかもしれません。オンライン処理を入れても、前作と同等かそれ以上のクオリティになっていることの凄さは、伝わって欲しいところですね。

木下氏:そうですね。そう言ってもらえるのは嬉しいです。そこまでたどり着くのに本当に力を重ねているので、がんばった甲斐があります。チームメンバーのお陰です。

開発チームはカプコン最大規模。重厚で、壮大な世界を作り上げている

――スクリーンショットはPC版の開発中のものですよね。PS4もほぼ同等のクオリティかと思いますが、PS3版が気になります。どんな感じになっているのでしょう?

木下氏:PS3版だと1番大きいのはテクスチャー解像度の違いですね。造形的に劣化したりということはないです。オブジェクトの描画距離に差が出る面もありますが、「え、こんなグラフィックスなの?」という印象にはならないと思います。前作と同等と考えてもらうとわかりやすいかもしれません。

――開発チームの規模はどれぐらいになっているのでしょう?「ドラゴンズドグマ」はそれこそ200人規模と伺いましたが。

松川氏:大規模ですね。内部外部を合わせたらそれぐらいになっています。本当はプロデューサーとしては……もっとコンパクトなチームが嬉しいんですけど(笑)。いざ作り始めると「何も切り捨てたくない」っていう欲があるので。じゃあ、やってみようと。瞬間風速的に、カプコン内でも最大規模のチームになっています。

木下氏:何も捨てたくないけど、そんな簡単にできるものじゃないし(苦笑)。

松川氏:どんどん膨れあがっていく開発チームを見つつ、「あれ、おかしいな? こんなつもりじゃなかったのにな」なんて思ったりも。でも、上がってくるゲームを見ると、やって良かったなと思うところもあります。なんとか世に発表できるところまで来られて、良かったなと思います。

――こういうファンタジー物はやはり、壮大さ、重厚さ、世界観の深さが魅力と思いますので。1ユーザーとしては、大規模に展開してもらえる事にワクワクしますね。国内でも最大規模のシリーズとなっていますね。

松川氏:新規のタイトルがなかなか生み出しづらいですが、「ドラゴンズドグマ」シリーズはユーザーの方々に喜んでもらえるものになってくれて。「次も早く出して!」って言ってもらえるのが嬉しいですよね。

――シリーズ作に寄せられた声には、他にどのようなものがありましたか?

松川氏:「もっとポーンで遊びたい」とか、「メインポーン1体だけなのは寂しい」とか。「アクションでもっといろんな敵と戦いたい」というものとか。あとは「オンラインでマルチプレイしたい」とかですね。「ダウンロードコンテンツください」とかも(笑)。

 敵が強いモードを配信したり、逆にアクションが苦手な人にイージーモードを配信したりとか。オープンワールドの世界でアクションで遊べるゲームとして、懐の深いゲームになってくれたなと思いますね。

――自分もそうでしたが、実際に前作を遊んだ人は「これをそのままオンラインプレイできるようにするのは、無理だよね」と感じ取ったのかもしれません。シームレスなオープンワールドですし。同じように感じたユーザーさんは、ポーンであったり新しい敵であったり、そういう遊びの拡充を要望したのかなと思えます。

松川氏:そうかもしれないですね。でも、ユーザーの方々からの率直な声はやはり「オンラインでも遊びたい!」だと思いましたので。そこをがんばってみたという感じですね。



完全新規の世界「レスタニア大陸」。面積は前作同等からスタートし広がり続け、制作中のものだけで3倍以上に。ハクスラ的に探索できるダンジョンも

石化に蝕まれる大地の守護者。レスタニア大陸に魔物の脅威が迫る

――気になる世界観なのですが、前作の世界と繋がりがあったりはするのでしょうか?

木下氏:「竜」と「覚者」(かくしゃ)であったり、ポーンの存在など、「ドラゴンズドグマ」のオリジナルなテーマやキーワードはそのままに引き継いでいますが、世界そのものは一新しています。

松川氏:「竜の理(りゅうのことわり)」はしっかりと引き継いでいます。タイトルにもある「ドグマ」は“教え”や“教義”というような言葉なんですけど、竜というシンボルは残しつつ新しい世界、新しいキャラクターの物語になります。

――世界地図のどこかに「実は前作の島がここにあります」とかではない?

木下氏:先々の構想として、そういう展開があっても面白いかもしれませんが……。まずは、5年、10年続いていけるような新しい大陸、世界を舞台にしています。

 前作から引き継いで良いところと、それを引き継ぐと広げづらくなるところ、がどうしてもあるんですよね。いろんなものをオンラインゲームとしては見直さなければいけないタイトルではあったんです。大事なところは残して、他は新しくしてという事に力を入れています。

――「ドラゴンズドグマ」の世界は、竜から力を与えられた存在が「覚者」というものですが、今回はプレーヤーはみんな覚者なんですね。

木下氏:そうです。元々シリーズ作では、とある人間が竜に選ばれ、最終的に竜に挑むという物語だったのですが、今回はその関係性は持ちつつも、白竜に守られているレスタニアという大陸に大きな問題が起こり、白竜も力を失って衰弱しているんです。

 この白竜が本来では覚者を1人だけ見いだすのが理なのですが、その理にひずみが生まれてしまい、大地を守るためにたくさんの覚者を生み出すことになったというのが、今回の世界になっています。

――シリーズ作を最後までプレイしている人だと色々とニヤリとさせられるところですが、これまでの世界とは少し事情が異なる、緊急事態の起きている世界というわけですね。

松川氏:そうなんです。そういう意味では前作をプレイしてくれた人が「おぉっ」と思ってもらえるようなものも、いつかできるかもしれないですね。

――レスタニア歴322年とあるように、レスタニア大陸が中心の世界ということですが、このレスタニア大陸は前作までのグランシス半島や黒呪島と比べても、大陸と呼ぶ大きな世界なのでしょうか。

木下氏:大陸ですね。オープンワールドでしっかりと。そこはもう「ドラゴンズドグマ」の大事な魅力ですから。広さとしては、サービス開始からエリアを開放してどんどんと広げていく予定で、今作っている物量だけでも、これまでの3倍ほどありますね。

 世界には「拠点」となる集落のようなものがエリアごとにあって、そうしたところもシームレスで入っていけます。ただし、大きな建物の中だったり、ダンジョンだったりに入る時はローディングの切り替えが入ります。外は基本的にオープンワールドでシームレスに繋がっています。

――屋内と屋外の切り替わりはありますが、それ以外はシームレスで広大なオープンワールドであると……。プラットフォームにはPS3もありますが、かなりメモリ周りが厳しかったのでは?

松川氏:あぁ、厳しかったですね(苦笑)。ある程度ゲームが組み上がってきた頃に、あっちこっちでメモリ祭りが起きていました。読み込みしきれない、というような。

 それでもPS3も作っていったのは、「ちょっとでも遊んでみようかな」って思ってもらえた時に、遊んでもらいやすい浸透しきったハードは入れたかったんですよね。実現するために開発チームはかなりがんばってくれました。

――先ほど世界の広さのお話で、エリアを開放していくと現時点でも3倍ほどあるということでしたが、サービス開始当初だと、どれぐらいの広さになりそうですか?

木下氏:サービス開始当初の見込みだと、前作と同じぐらいの広さになるのではと思います。そこからバージョンアップをどんどんとかけていって広げていきます。あまりお待たせしないように。何年もかけて3倍ぐらいになるとかではないですね。

――「拠点」というのはどのような場所になるのでしょう?

木下氏:ひとつひとつのエリアで冒険できるスポットが結構あるんですね。そのエリアの中に中継拠点として点在しています。宿屋もありますし、装備品を買い足したり、パーティーメンバーを入れ替えたりといったことも行なえます。

 拠点はファストトラベル(任意の場所への瞬間移動)もできるようにしています。リムポイントという通貨があるのですが、拠点内のシンボルにポイントを使って瞬間移動が可能です。

――なるほど、便利な中継拠点が各地にあるわけですね。個人的には途中に拠点も何もないようなものすごく遠い、最難関の場所を目指したりとかも好きなんですが、そういうのはどうでしょう?

木下氏:アクセントとしては楽しんでもらえるんですけどね(笑)。どちらかというとテンポを崩しすぎないように拠点間の移動手段も用意してあります。

 ヘビーな遊びとしては、ダンジョンですね。巨大なカタコンベ(地下墓所)のような場所もスクリーンショットにありますが、地下何階まで続いているかもわからないようなダンジョンを奥深くまで探索する。そういう場所も多く用意してあります。





アクションのシームレス&自由度はそのままに。オンラインならではのプレーヤー同士の連携がさらなる魅力

――「ドラゴンズドグマ」と言えばアクションであり、アクションの魅力やスピード感、爽快感があるわけですが、オンラインでもそれは実現できているのでしょうか?

木下氏:大型のモンスターに対して、よじ登ったり、押さえつけたり、プレーヤー同士の連携として跳ね上げるだったり。「ドラゴンズドグマ」の魅力であるテンポや自由度ですね。それをなくす事なく、オンラインでのマルチプレイを実現していると思います。

 コントローラーを持って、走り出して、剣を振ったら、「あぁ、ちゃんと『ドラゴンズドグマ』だな」って思ってもらえるかと。

 せっかくのオンラインゲームですので、各ジョブでのロールプレイ(役割)の要素も立たせています。そのジョブならではの個性を活かした動きをすれば、モンスターを速く倒せたり、気持ちよくダメージを入れられたり。モンスターのリアクションが変わってくるんです。

――例えばですが、ファイターがモンスターの脚を集中攻撃して、崩れ落ちて口を開いたところにハンターが弓矢を放てば、大ダメージを与えられたり……そういう連携プレイ的な要素が高まっているということでしょうか?

木下氏:そういう方向性ですね。例えば大型モンスターは“怒る”ことがあるのですが、怒っている時にヒーラー役が特別な弱点を発見できたり。アタッカーにエンチャントで属性ダメージを追加させて攻撃すると、怒り状態からダウンさせるまでが速くなったりとか。そういう“連携して崩す”というロールプレイを高めています。

――なるほど、前作まではそういうプレイは1人でやっていた印象がありますね。

松川氏:そうですね。そこは自由度も高いままにしておきたいところでもあって。前作ではメインポーンとサポートポーンを連れていく形で自由にパーティーを組めていました。今回もその自由は残したくて。

 例えば、「絶対にこの敵を倒したい!」っていう攻略をがっちり重視するなら、このパーティー構成がいいよねとかは出てくると思いますが、「サイクロプスに行くなら、誰か弓やってくれない?」っていうオンラインゲームならではのコミュニケーションを持ってもらえたらなと。勝てなかった時も「じゃあ次はこのジョブ育てておくよ」とかね。

木下氏:逆に「4人とも弓だけどいける!?」っていうような時も……。

――やりようはある?

木下氏:やりようはあります。そういう楽しさは残しておきたくて、ロールを縛りすぎたくはなかったんですよね。そのあたりのバランスは大事にしています。

――シームレスにバトルに入れるところも前作同様でしょうか?

木下氏:同じです。遠くに大型モンスターがうろうろしているのが見えるから、「じゃあちょっとやってみようか」とか。

――4人で遠巻きに弓でチクチク攻撃しまくる、なんていうこともできちゃう?

木下氏:できます、できます。

松川氏:この間も木下含め4人で、テストプレイをしたのですが。「オークを倒しに行こう」とピンを置いた目的地に向かっていたのに、盗賊団にちょっかいを出してて。「ちょっと、これ強いわよ! 助けてー!!」なんて言いながら、結局は盗賊団と戦い続ける感じになっちゃって(笑)。

 目的を持って出発するんですけど世界は生きて動いているので。そういう世界で4人が冒険していたら、見えたものは倒したくなるし、落ちている物は拾いたくなるし。「なんでそっちに行ってるの!?」、「いや、良い物があったから!」とか。広い世界を自由に冒険してもらうというのを楽しんでもらいたいですね。

 もちろんちゃんと目的通りに「今日はグリフィンを絶対に倒すぞ! 素材が欲しいから!!」と、それに向かってきっちり達成するのもいいですし。オープンワールドならではの自由度という面で、面白い形になってきたかなと思います。


王道ファンタジーのテイストで、世界が常に変化し続けるオープンワールド

――世界が生きている動いているという点で、前作のように大型モンスターが移動して、突如違ったエリアに出現するというようなことはあるのでしょうか?

木下氏:ありますね。その要素はよりいろいろな楽しみを出すためにも活かしています。オープンワールドにも当然寿命はありまして、ストーリーを遊びきったらとか、探索し尽くしたらとか。

 今作では、そこに手を入れ、日々クエストを変化させられるシステムを入れています。「今日はここで異変が起きている」とか、「このダンジョンの様子がおかしい」とか。世界に変化をつけていきます。レベリングだけでなく、「今日はここで何かが起きているみたいだから、行ってみよう」という遊びができるようになっています。

――王道ファンタジーの楽しさが味わえそうですね。冒険者が酒場に集まりパーティーを募って、そこには噂話的なものが掲示板に貼られていて。それを見て冒険に出発していくような。

木下氏:本当にそういうノリで楽しんでもらいたいなという感じですね。ロビーには「レスタニアニュース」という新聞のようなものがあって、このクエストがここで起きているというのを見られます。流動的な変化のある世界として、オンライン化させています。

――楽しみですね。そういう意味では「ドラゴンズドグマ」って、オンラインゲームになるべくしてなっていくタイトルなのかな、と思えますね。

松川氏:すごく広い世界を作って「もっと遊びたい」って言ってくださるユーザーの方々がいたからこそですね。「じゃあ次はオンラインにして、敵やクエストを常に変化させていける作りにしたいよね」という話になって。にいつまでも楽しんでもらえるものにしたいという気持ちからの結果ですよね。

木下氏:私たちも「新しいものを足していける」というのは楽しいんですよね。ユーザーの方々と一緒に楽しんでいきたいなと思います。

――いつまでも広がり、常に変化のある、オープンワールドのファンタジー世界ですね。ところで、戦闘のお話に戻りますが、モンスターを倒したあとはどのようになるのでしょう?

木下氏:モンスターが倒れ、ドロップアイテムがあればそれが手に入ります。取り合いではなく、パーティー全員が報酬をもらえる形式にしています。

――ちなみにコミュニケーションの手段はどのような形になっているのでしょう?

木下氏:テキストチャットに、グループ、パーティー、という使い分けもあって、いわゆるスタンダードなコミュニケーションツールは整えています。フレンドリスト、クランというものもありますね。

ジョブは初期4種類以外にもまだまだ存在する? ポーンを働かせる生産要素にもまだまだ秘密が?

――初期の4ジョブとして「ファイター」、「ハンター」、「シールドセージ」、「プリースト」が今回明かされていますが、具体的にはどのような役割でしょう?

木下氏:ファイターとハンターがいわゆるDPS(物理攻撃アタッカー)、シールドセージがタンク(盾役)、プリーストは回復や支援役ですね。初期4ジョブはパーティーに組み込みやすい、基本の存在ですね。

――シールドセージが結構印象的で、いわゆるナイト的なイメージよりも、より中世ファンタジーの「メイスを持って戦う神官」というイメージでしょうか。

木下氏:そうですね、神官騎士という立ち位置です。

――いわゆる魔法アタッカー的なジョブはいないのかな、とパッと思うところですが。

木下氏:初期4ジョブは今回最初に公開させて頂いたものというだけで、実はまだいろいろと……(笑)。今後の発表を楽しみにお待ち頂きたいです。

――なるほど。装備についてはいろいろな種類があるのでしょうか?

木下氏:いろいろと用意しています。「ドラゴンズドグマ」にあった装備や様々な種類はありますし、シンボルになるような新しいものも追加しています。レベルの上昇にあわせて装備できるものも増えていくので、好みで使い分けていけます。

――スキルやアビリティにおいてもそこは同じように種類が存在しますか?

木下氏:そこもそのままですね。カスタムスキル・ノーマルスキル・アビリティとありまして、長く遊んでもらいたいのでレベルの段階を広くもっています。「ドラゴンズドグマ」と同じようにバンバン使いまくれるようなスキル・アビリティばかりですね。

 「ドラゴンズドグマ」でもスキル・アビリティを取っ替え引っ替えしつつプレイしましたが、今作でも同じように拠点で付け替えができますので。

松川氏:ジョブの転職も今回はノーコストで、ポイント消費等なしでできますので。

――オンラインゲームとしてはバトル以外の、いわゆるクラフト要素ですね。装備品を生産したりといった要素はどうでしょうか?

松川氏:クラフトに今回は結構力を入れていますね。

木下氏:ポーンをカスタマイズできるという前作からの要素はそのままありますが、新要素として「ポーンに装備を生産させる」というものがあります。冒険で得た素材をポーンに与えて、クラフトルームという場所で装備品や消耗品を作ってもらいます。

 そこでも、メインポーン1人だけでなくサポートポーンに手伝わせて、生産時間を短縮したり、生産量が増えたり……。

――オンラインでポーンを使うとなると、生産にも色々と広がりが出そうですよね。プレーヤーみんなでポーンを……。

松川氏:(ちょっと慌てて)まぁまぁ! そこはさらなる新情報をお待ち頂きたいですね(笑)。

基本無料・アイテム課金方式のFree to Playで運営。基本方針は“ユーザーの気持ち最重視”

――気になるサービス形態についてお伺いします。基本無料・アイテム課金方式となるということですが、これだけ豪華なゲームをFree to Playで運営していくのは……率直に言うと厳しいのではと思えてしまうのですが。

松川氏:そう思いますよね。ただ、多くの人にたくさん遊んでもらいたいというのが1番にあるんです。でも今、ゲームに時間やお金を使いづらくなっていますよね。既に持っているハードで、無料で、となれば遊んでもらいやすくなりますしい、いっぱい遊んでもらえるのが私たちも嬉しいので。

 じゃあ基本無料でというのは、大きな決断だったんですけど。たくさんの人に長く遊んでもらえる大きなオンラインゲームとしてがんばっていきたいと思って、そうしました。

――5年、10年を見越しての決断ということですね。

松川氏:そうですね。前作で頂いた声が、とても嬉しかったんですよね。シリーズ通じて220万人ほどのユーザーの方々が手にとってくれて、喜んでもらえてる意見もあり、ここをもっとがんばって欲しいというような熱い声もあったりで。うちのチームはそういう声に応えようとするチームであってくれて。「じゃあ次はオンラインでやろう」、「だったら基本無料でやろう」と。新しい挑戦をカプコンらしく挑んでいるところです。

 課金の部分はまだ未定と言いますか、考え中なのですが。

――今のユーザーの方々が「基本無料」というものに抱いているのは、さじ加減への怖さかと思います。いわゆる“Pay to Win”、お金を払わないと結局は満足に遊べないのでは?というものです。そのあたりに対して、方針だけでも伺わせてもらえればと思うのですが。

松川氏:本当に無料で遊べるようにしていきます。ゲーム内のコンテンツ参加に対して課金の制限を設けたりとか、そういうものは一切なしで作っていますね。カプコンとしても当初から基本無料で展開するこれだけの規模のタイトルは初めてなので、運営スタッフとも相談しつつ色々考えているところです。

――ユーザーの方々の気持ちを重視している、ユーザー本意であるということですね。

松川氏:そうですね、それは本当にそうで。そうでなければ「ドラゴンズドグマ オンライン」というタイトルをそもそも作っていないですし、シリーズを遊んでくれたユーザーの方々の声があったからこそ、カプコンとしてもこのタイトルを作ろうと決断しました。そこを大事にして、ユーザーの方々と一緒に歩いていけたら嬉しいなと思います。

今後はユーザーテストを予定。新情報も続々と公開予定!

――今後の展開なのですが、ユーザー参加のテストの予定などはいかがでしょうか?

松川氏:はい、ユーザーテストの準備をしています。そう遠くないタイミングに続報をお伝えできると思いますので、お待ち頂ければと思います。

――それでは最後にユーザーの方々に向けて一言頂けますでしょうか。

木下氏:“オンライン”と発表されると、いろんな不安を持つ人もいるとは思うのですが。僕としては「ドラゴンズドグマ」の良かったところを消さないようにという意識は強いです。良さを知っている人には、そのままに楽しんでもらえ、さらにその先を広げていける世界を構築していきたいと思っています。製作初期からそれを考え、今は終盤に来ていますが実感が出てきています。。Free to Playですので、ぜひ1度遊んでみてもらえればと思います。

松川氏:「ドラゴンズドグマ オンライン」をやっと発表できて、開発チーム一同、ついにここまで来られたなと思っています。これからいろいろな情報を発表していくのですが、「こういうゲームを待っていた」と思ってもらえるような要素をたくさん入れていますので、続報をお待ち頂きつつαテスト、βテストに応募して頂きたいと思います。一緒にレスタニア大陸の世界を作っていってもらえたらと思います。よろしくお願いします。

――楽しみにしています。ありがとうございました。

(山村智美)