インタビュー

【ゆく年くる年特別企画】「グランブルーファンタジー」ディレクターの福原氏を直撃!

TVCM、オーケストラコンサート、アニメ&アクションRPG制作発表……話題満載だった1年を振り返る

 来年3月にサービス開始から3周年を迎えるAndroid/iOS/Chrome用RPG「グランブルーファンタジー(以下、グラブル)」。ユーザー数は今なお増加の一途をたどり、今年3月の時点ではユーザー数が1,000万人を突破。さらに、8月には1,200万人を突破し、ビッグタイトルとしての地位を揺るぎないものにしている。

 今回、その「グラブル」のディレクターを務める福原哲也氏に、この1年間で印象的だった出来事をはじめ、これから始まる新たなコンテンツや、今後の抱負なども含めたお話を伺うことができた。

ユーザー数が1,200万人を突破。その原動力ともなったCMやイベントを振り返る

「グランブルーファンタジー」ディレクターの福原哲也氏

――まずはざっくりとになりますが、今年1年の印象はいかがでしたか?

福原氏: イベントで言えば、既存キャラクターの続編ものが多かったかな、という印象です。ロボミだったりフェードラッヘだったり、あとはロミオとジュリエットなど。また、続編ではないのですが、「とりまトッポブで。」などの変わったイベントも多かったですね。第1弾のイベントを知らない方ももちろんいらっしゃるので、前作と合わせて開催したりという部分で、そのキャラクター自体の認知を広めたいというか。

 キャラクターがどんどん増えていくんですけど、すでにいるキャラクターの掘り下げであったり、再登場みたいなものも今後増えていくと思います。今年も、一昨年とくらべればすごく増えました。「古くからこのキャラクターいるけどよく知らない」みたいな方がまだいらっしゃると思いますし、そういったものは仕組み上どうしても生まれてくるので、そこのケアを今後どうしていこうかな、というのを考えているところですね。

――ユーザーの数としては900万、1,000万、1,200万と、とても順調な伸びを見せています。

福原氏: CMやイベント、オーケストラコンサートなどで「グラブル」というタイトル、あるいは言葉を知ってもらえた1年なのかなと思っています。ゲームは直接知らなくても「グラブってる」や、「『グラブル』って聞いたことあるけど何なの?」など、「グラブル」が気になるという話を、例えば実際に親戚だったりゲームと縁遠い人からも聞かれたりしたので、そのへんの認知度というのは上がっているのかなと。

――CMもアニメ調のものから、実写を使ったものまでさまざまな種類がありました。評判的には、ゲーム内のキャラクターを使ったものと、菅田将暉さんなどを起用した実写ものとで反応の違いがあったりしましたか?

福原氏: これは向けているところがそれぞれでちがうので……菅田さんのCMの場合、ゲームをすでにやっている人からすれば「ゲーム関係ないじゃん」となり、ゲームを知らない人なら「菅田さんが出てるCMいいよね」という感じの、結構両極端な反応です。ゲーム画面を使っていると、ゲームを知る人からすれば「こういうCMがいいんだよ」という意見をいただけますし、ゲームを知らない人からすればとくに気にする風でもなかったり、逆に「『グラブル』ってこういうゲームだったんだね」のような、いろんな反応があります。

【【グランブルーファンタジー】CM 「聞けない男子+言えない女子」 篇 30秒ver.】

――さっきおっしゃっていましたが「とりまトッポブで。」の、あのチャラ男たちがCMにも出ていました。「ウェーイ」と言うやつが(笑)。

福原氏: ああいうCMもありましたね(笑)。

【【グランブルーファンタジー】CM 「ローアインとファミレス」篇】

――あれ、変ですよね(笑)。

福原氏: マッチョジジイが一言言うだけのCMもありましたけど、ああいう系統のCMは、ゲームをすでに遊ばれている方へのサービスに近いものではありますね。もともとゲームに興味があったり、そちらにアンテナを向けている人からすれば「こういう面白いノリもあるのね」という発見も得られるかなと思っています。

イベント「とりまトッポブで。」(3月31日~4月8日開催)
イベント「リペイント・ザ・メモリー」(5月31日~6月8日開催)
イベント「ロボミ」&「ロボミ外伝」(6月30日~7月8日開催)

――さきほどの印象的だったイベントとして「とりまトッポブで。」も出てきたので聞くのですが、あのように変わったイベントというのはどのように企画されているのですか?

福原氏: 毎月末にストーリー付きのイベントをやっているのですが、そこで方向性だったり、毎回ジャンルのちがう話をしようと決めていて、プロットはだいたい僕が考え、デザインも早くて半年くらい前から準備してやっています。一応、王道ファンタジーRPGですからマジメな話が中心ですが、たまにふざけた感じのものを入れないと飽きてしまうし、一本調子で幅が広がらなくなる。そのため、3~4カ月に1回ぐらいのペースでそういう変わったものを意識的にやるようにしています。

――ユーザーさんの反応はどうですか。

福原氏: ふざけているものはだいたい評判がいいですね(笑)。「毎回これをやればいいのに」とも言われるのですが、毎月それをやっても食傷気味になるというか。全体の印象として「『グラブル』ってそういうゲームなの?」となるのも良くないと思いますし。そこはバランスなのかなと思っています。

――3~4カ月に1回というペースは、考えるのは大変ですか?

福原氏: 最近は大変ですね。キャラクターも口調などに気をつけてキャラクターかぶりを避けているのですが、ストーリーとなると、ジャンルの絶対数みたいなものがどうしても小さくなる。「今年はホラーをやってない」、「『トッポブ』みたいなふざけたものはまだだよね」みたいなところで入れていっても、もうすぐ3年で毎月やっているとどんどん厳しくなるという(笑)。それでも来年の8月くらいまでは現時点で決まっているので、今はなんとかやっていけています。

――とくに評判が良かったイベントはありましたか。

福原氏: 王道ですと、今年の5月末にやった「リペイント・ザ・メモリー」は人気がありました。イベントだと毎回新キャラクターが登場してくるのですが、このイベントでは「グラブル」のメインストーリーで出てくるキャラクターが敵の罠にハマって悪夢の世界に捕えられて……というお話でした。これはみんなが知っているキャラクターの掘り下げを行なったという部分で、すごく評判が良かったです。それ以外では「トッポブ」や「ロボミ外伝」などはふざけている度合いがマックスのものだったのですが、そちらも評判は良かったですね。

――その2つはどの辺りが評価された感じでしたか?

福原氏: 「トッポブ」はチャラ男3人の人気がもともと高くて、「そいつらがしゃべってるだけで楽しい」みたいな感想があったので、「だったらイベントでずっとしゃべらせてやるぞ」とやってみたら、ちゃんと面白くなりました。本当にしゃべっているだけでも楽しかった、というものですね。

 「ロボミ外伝」というのは「ロボミ」という昭和テイストのロボットのキャラクターだったり、それに対する怪物や悪役というのが出てくるものだったのですが、それの続編ですね。ロボットアニメや、特撮のお約束ネタをふんだんに盛り込みつつ「ロボットアニメの王道ってこうだよね」という直球のストーリーが展開されていて、そこを評価していただけたのかなと思っています。昭和から平成前半くらいの単純明快さというか黄金パターンというか。

 去年「ロボミ」を最初にやったときには「本当にこれをやっていいのか?」と戦々恐々としていました。キャラクターデザインをやっている皆葉(CyDesignation代表取締役社長の皆葉英夫氏。「グラブル」のキャラクターデザインを務めている)は、半分冗談だったと思いますが「これがウケなかったら僕、引退します」みたいなことまで言い出されて、みんなドキドキしていたのですが、蓋を開けてみたらプレーヤーの皆さんには受け入れてもらえたので、「このぐらいまではふざけていいんだ」とわかりました。

――ある意味転換点というか。

福原氏: タガが外れたとも言いますね(笑)。

オーケストラコンサート「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA-SORA NO KANADE-」。8月12日より東京公演を皮切りに開催された

――今年で言うとゲーム内だけじゃなくてゲーム外の広がりもありました。例えば1番大きいのがオーケストラコンサートですよね。ほかにもコミカライズなども開始されていますが、ゲーム以外にもコンテンツを広げていくことに対する狙いや、ユーザーの反応などはいかがですか?

福原氏: そのような展開自体は「グラブル」をひとつのブランドとして、タイトルを認知してもらうという狙いがまずあります。またキャラクターが多くいますし、イベントでどんどん世界観の設定も増えていくので、ゲーム内でフォローしきれない部分や特定のキャラクターに焦点を当てるということをやりやすいのです。そういったことを求めているユーザーさんがいることも把握しているので、そこで上手い具合に広げていければ、というところです。

 オーケストラコンサートは植松伸夫さんと成田勤さんでやっていただいていますが、植松さんといったらやはり「ファイナルファンタジー」シリーズの作曲をされていた方ですので、その方の書かれた楽曲を「オーケストラで聴きたい」というファンの声も実際多くあり、そういった要望も含めて実現すべきだろうと動いたものですね。

――ゲーム内でも、植松さん、成田さんが登場するイベントも作られましたよね。

福原氏: お2人にアフレコもしていただきました。

――あれは作ってみていかがでしたか。

福原氏: せっかくご当人たちにご了承いただけたので、面白くしたいなと思いながら、過去に植松さんが書かれていた本などを全部読んで、しゃべり方……文章上のですけど、それを調べてセリフを書いたということがありましたね。成田さんにはそういうものがとくになかったので、普段の人となりから想像して自由に書かせていただきました。

――植松さんはノリノリでやられていましたね。

福原氏: そうなんです。初めてなはずなのにとてもこなれていて……とてもビックリしたのを覚えています(笑)。

――ユーザーとして、自分も面白かったです(笑)。

福原氏: あれは好評でしたね(笑)。

――コンサートの東京公演にあわせた渋谷のジャックもとても印象的でした。

福原氏: あれは実際すごかったらしいですね。「すごい」というシンプルな感想が飛び交ってるのを見て「すごい」と自分も思いました(笑)。

渋谷広告ジャック時の東急百貨店本店前の様子

――実際にやってみていかがでしたか?

福原氏: オーケストラコンサートに合わせてやったこともあって、コンサート会場に来場してくださったユーザーさんが写真を撮ってツイッターなどにアップしてくれたのですが、そういう方が何人もいらっしゃったので、すごくうれしいなと。ゲームをやっていない方でも「スゲー!」と写真を撮られていたようです。

「グラブル」3周年を迎えるにあたって

――今後の話ですが、来年の3月10日で3周年を迎えますが、その3周年を見据えたうえで、来年にはどういうものを用意しているのでしょうか?

福原氏: ユーザーさんが増えて、そのうえで1年、2年と継続して遊んでいただけている方も多くなってきて、そうするとゲームのステータス的にもどんどん強くなります。そこで2周年のときには上級者向けのコンテンツをメインで増やしたのですが、そうすると一部の上のほうにいる方は遊べますが、中級者や初級者の方にそこを目指して遊んでもらおうとしてもすぐにはたどり着けないですし、すんなりとは楽しめません。

 プレーヤーの数が増えれば、ゲームを提供する側として遊び方を提案しても、プレーヤーごとの遊びかたの幅が広がり、いろんな意見も出て来ることもあったので、今年はそれを加味しつつ色々とコンテンツの追加をしてきました。

 ただ、年の節目ともなると、大きなアップデートのタイミングではあるので、今回はエンドコンテンツを増やしつつも、初心者の方であったり、あまりガッツリとプレイはしない中級者の方でもお楽しみいただけるような新しいコンテンツも入れるつもりで動いています。

――そのコンテンツはバトル系ということになりますか?

福原氏: メインはバトルですね。ボスを倒して武器を獲得し、それを鍛えてまた強いボス倒して……というところがゲームの主軸ではあるので。強い武器は、自分自身が強くなって、そのゲーム内で1番強い敵を倒さないと取れないというのが主流だったのですが、それを序盤というか、そんなに強くない敵からもとりあえず獲得できて、その武器を鍛える過程で自分も一緒に強くなっていく、という流れになるようなものを考えています。あとは、武器を1度手に入れれば、あとは好きな見た目の武器に着せ替えられるような、細かい楽しみも考えています。これも3周年前後ぐらいになるかと思います。

――今後、手を入れたい部分はありますでしょうか?

福原氏: これまでのメインはやはり常に遊ばれている方が、より深くキャラクターストーリーを楽しんだり、高難易度のボスを倒してもらったり、などという既存プレーヤー向けの施策が多かったかなと思います。その一方で、全体的にプレーヤーが増えたぶん、やはり中級者や新規の方も増えてきました。そういった方々にも楽しんでいただきたいと思っているので、今後はその人たちが、すでに1年、2年遊ばれているプレーヤーと同じように長い期間遊びつづけてもらうための整備に力を入れていきたいと考えています。

ローアイン
ナルメア
ヤイア

――ゲームの作りについてですが、本作は王道RPGでありながら非常に個性の強いキャラクターが多数登場しています。運営の狙いとしても、実際にキャラクターをフィーチャーしたいという部分は強かったのでしょうか。

福原氏: そうですね。キャラクターがエピソード付きでどんどん増えるので、作品全体として重要な要素になってきていると思います。

 運営を重ねるうちに、そのゲームと一緒にユーザーさんも同じ年月を経ていって、1年、2年と付き合っていくわけで、そこでキャラクターが一緒に、例えば「グラブル」ならクリスマスとお正月に挨拶をしてくれるなど、友だちや仲間として付き合っている感じをとても重視しています。イベントごとに出てきて、イベントが終わったらもう全然関係ないキャラクター、みたいなものはやりたくないな、というのはありますね。

――ちなみに、ユーザーの反応で「このキャラクターすごく人気あるな」というものや、「人気出るだろうと思っていたのに実装してみたらイマイチだった」といったものはありましたか?

福原氏: 狙って出したものでうまくいったキャラクターは結構いました。一方で、人気が出なかったキャラクターは、いるにはいますが前者と比べるととても少ないです。

 狙って成功したのは、ローアインや、ナルメアなどがそうです。ただ、開発段階でみんながみんな「このキャラクターいいぞ」と確信できるのは、ストーリーやイラスト、バトルアニメーションなどが全部組み合わさって本当に手応えがあるときだけでしょうか。

 もちろん、こちらもキャラクターを考える時点である程度の狙いはつけます。ヤイアというキャラクターは主人公を「お兄ちゃん」と言ってくれる妹キャラクターなのですが、イラストを描く時点で理想の妹キャラクターにしたかったので「妹がいないスタッフ」を募って、その者達の意見やアイデアをイラストとシナリオにふんだんに反映したりしました(笑)。

――実際にいないからこその理想を狙ったんですね!

福原氏: 狙い通り、ヤイアは妹キャラクターとして一定の地位を得た感があります。そういう狭いターゲットを狙うこともあります。

コラボキャラクターの選択基準は? 2017年の新コラボキャラクターにも注目

「スレイヤーズ」コラボでのリナ=インバース
「サクラ大戦」コラボでの真宮寺さくら。コラボ時は毎回イラストを1から描いているという

――コラボ関連では、「サクラ大戦」をはじめとして印象に残るものが多いのですが、どうのようにコラボ先を決めているのでしょうか?

福原氏: 「スレイヤーズ」や「サクラ大戦」、「テイルズ オブ アスタリア」は、一部、開発メンバーが好きなタイトルだったというのもありつつ、コラボでほかの作品のキャラクターが入ってきて、それにストーリーがついてもユーザーさんが嫌悪感を覚えないというか、「このキャラクター知ってる」、「このゲームやったことある」と思ってもらえるようなものが選ばれています。

――こうしたコラボではイラストも印象的ですが、全部皆葉さんが描き起こしているのですか?

福原氏: はい、どのタイトルも皆葉とウチの社内スタッフで1から描いてます。中でも「スレイヤーズ」が1番大変でしたね。目をああしないと「リナ=インバース」じゃないと(笑)。何回もパターンを出して、あらいずみるい先生に見ていただきつつ「線画できたけど着彩時の白目はどうする」、「ほっぺたのこの線は生かすべきかどうか」など、社内でも色々ありました。

――描き直すことで、コラボ先のファンも喜ぶポイントになると。

福原氏: 1月にも、「サムライスピリッツ」とのコラボを予定しています。戦闘不能になったら胴体が真っ二つになって藁で運ばれていく演出をいれたかったのですが……(笑)、これは自主的にあきらめました。

――それもまた、登場キャラクターやそのイラストが楽しみですね。

福原氏: そうですね。楽しみにしていてください。

「Project Re:LINK」、「アニメ版『グラブル』」……ゲーム外のコンテンツについて

――「グラブル」と言えば、2016 PlayStation Press Conference in Japanでも発表があった「Project Re:LINK」ですが、現在の進捗はいかがですか?

福原氏: あれは……まぁ頑張っています(笑)。ストーリーができた、ということを8月に言ったと思いますが、現時点では新しくお出しできる情報はなく粛々と作っています。今はマルチプレイのテストなどを行なっている段階ですが、とくに滞っているようなことはありません。8月に発表したときは開発度は10%ですと言いましたが、そこから形になるまでが結構長いフェーズになるので、数値化はしづらいのですが、土台作りに注力しています。


【【グランブルーファンタジー】『Project Re:LINK』プロモーションムービー 第二弾】

――その「Project Re:LINK」ですが、改めてタイトルの立ち位置をお聞かせください。

福原氏: タイトルの立ち位置的には、「グラブル」の世界観を広げるためのものです。どちらかと言えば、今、スマホ版の「グラブル」を遊んでくださっている方に対してのファンサービスとなります。もちろんスマホ版をプレイしていればより楽しめますが、スマホゲームはふだんやらないけれど「グラブル」は知っていて、「PS4ならちょっと遊んでみようかな」といった方にも、世界観やキャラクターを見せて「『グラブル』はこういうゲームなんだ」というのを知ってもらうためのものでもあります。

――開発中の画面の印象はいかがですか?

福原氏: 作品としての絵づくりというか、エンジン開発を含めて進めているところなので、ゲーム自体の新たな情報をお出しできるところにはありませんが、1マップを最初からボス戦まで遊んで……という流れはすでに動作するようになっています。

――進捗はいい感じですか?

福原氏: アクション部分は結構できてきて、いい感じですね。

――では、同じく制作が発表されているアニメの制作状況はいかがですか?

福原氏: アニメは、今の段階でアフレコが半分まで終わっています。お話的には昨今あまりないような、すごくスタンダードなファンタジーですね。世界観を大事にしていて、ファンタジー、異世界の生活感……たとえば食事をするシーンや、そういう日常的な部分を結構描いていて。ゲームだと四六時中バトルをしまくっているのですが、そことはまたちがった方向性です。

 ゲームだとバトルとバトルの合間でストーリーが進んで……となるのですが、そこでしっかり描けなかったことや、ゲームの仕組み上描けなかったことを、アニメだと丁寧に補完している感じです。1990年代のいいファンタジーアニメ、みたいな感じですね。昔からアニメを見てる方だと「懐かしい」という気分になるかもしれないです。雰囲気がとても良い感じです。


【「グランブルーファンタジー ジ・アニメーション」 第2弾PV】

――ところで、アニメでは女性の主人公が出ないのではないか、という話もありましたね。

福原氏: ストーリー上どうしても……。その代わり、宣伝隊長という別の次元で活躍をしています。でも、何かしらでチャンスはあるかもしれません。

――それでは最後になりますが、来年の抱負をお願いします。

福原氏: 運営を3年やってきて、コンテンツの量などもすごく増えてきたので、初心者さん向けの施策を合わせつつ、色々とゲーム内の整理をしていきたいと思っています。同時に、遊びやすさだったり便利さの部分だけでなく、上級者さんがより強くなるためのコンテンツも実装できればというところです。そしてそのどちらの方に向けても、より遊びやすくしていきたいと考えています。

 「グラブル」は多くのプラットフォームを持っていますが、なかでもPCブラウザ版の機能が充実しており、スマホ版よりもプレイしやすい環境が整っています。これをスマホ版にも実装することで、さらに遊びやすくできればということも計画中です。

 また、ユーザーさんに「いつ再登場するんだ」と言われているキャラクターが結構いますが、これも数が多く、なかなか出すタイミングが難しいという現実があります。本当は出したいのですが、出せていないキャラクターがたくさんいるので、これは何とか調整をして出したい、というのはあります。「つぎのタイミングでこそ出るだろう」とずっと期待されていて、それでもずっと出ずに落胆されているユーザーさんがいらっしゃることは、もちろん認識していますが、これはなるべく実現させていきたいと思っています。

 プレイしていただいているユーザーさんにはゲームは楽しんでもらいたいですし、遊びやすくしていきたい。また、自分たちでも入れていきたいと考える要素もありますので、ユーザーさんの意見と共にそういう部分も積極的に反映させていければと考えています。

 来年にはアニメが始まったり、イベントもあったりと色々と予定していますし、グッズなども楽しみにしていただければ、というところです。また、「Project Re:LINK」は2018年予定のタイトルですが、情報は来年から出していけるはずなので、そちらも楽しみにお待ちいただければと思います。

――本日はありがとうございました。