インタビュー

アーリーアクセスは本日から! 「Forza Horizon 3」インタビュー

次回作は日本を希望!! BlueprintやForzathonなど最新作の魅力をたっぷり聞く

9月29日発売予定



価格:6,950円(税別)

 Xboxを代表するレーシングゲーム「Forza」シリーズ最新作「Forza Horizon 3」がいよいよ9月29日にリリースされる。そして、毎作お馴染みのアルティメットエディションの特典であるアーリーアクセスは本日9月23日よりスタートする。熱心な「Forza」ファンは、今日の日を楽しみにしていたことだろう。

Xbox Showcaseでレーシングスーツ姿で「Forza Horizon 3」を紹介するBishop氏

 本稿では、東京ゲームショウ直前の9月12日に実施されたXbox Showcase(参考記事)に合わせて来日した、「Forza」フランチャイズグローバルプロダクトマネージャーのChris Bishop氏に「Forza Horizon 3」の魅力について話を伺った。

 「Forza Horizon 3」は、6月のE3(参考記事)と8月のgamescom(参考記事)での取材で基本的な情報はお伝えしているので、今回はマスターアップ後のインタビューと言うことで、次回作の展望も含めて踏み込んだ質問を重ねてみたのでぜひご注目頂きたい。

【Forza Horizon 3 Official Launch Trailer】
2016年のベストレーシングゲームがいよいよリリースされる!

「Forza Horizon 3」のウリは、4人でのキャンペーンと、「Horizon Blueprint」

小さくてよく見えないが「Forza Horizon 3」に収録される車種リスト。
今回の目玉となるワートホグ。「Halo 5」、「Halo The Master Chief Collection」のユーザーなら無料で手に入る
ワートホグのコクピット

――ゲームの基本的な部分についてはE3とgamescomの取材でだいたい理解しているので、今回は細かいところを質問したい。まず、ゲームには350車種が登場するということだが、シリーズ初登場のクルマは何があるか?

Bishop氏: クリエイティブディレクターのRalph Fulton氏にインタビューしているのなら、私が答えられることは何もないよ(笑)。ただ、日本のゲームファンに新しい情報が提供できるようにベストを尽くしてみる。初登場するクルマはClass 10 Buggyがある。デモで乗れる車がまさにそれで、ユニークなシルエットで、オーストラリアの過酷なオフロード環境で走るのに最適なクルマになっている。

 もう1つが1週間ほど前に発表した「Halo」ワートホグだ。「Halo 5: Guardians」か「Halo: The MasterChief Collection」のユーザーなら無料で手に入れることができる。このクルマもオーストラリアのオフロード環境に最適化されている。

――「Halo」とのコラボは私も楽しみにしている。ワートホグは実在しない架空のクルマだが、扱いとしては4WDなのか? あとスピードは何キロぐらい出せるのか?

Bishop氏: そのとおり。ワートホグは、我々は「Halo」シリーズの開発元の343 Industriesの協力を受けて開発したが、「Halo」には多種多様なワートホグが登場するが今回実装したのは、その中でも兵装のまったく付いていない民間用の輸送車両だ。銃座がない代わりにとても速い。時速200kmぐらい出せると思う。

――このワートホグは、ゲーム内で通貨を払って購入が必要なわけではなく、「Halo」ユーザーはいきなり手に入るのか?

Bishop氏: 条件を満たしているユーザーには、Xboxメッセンジャーでコードが発行されるので、それを入力すれば手に入れられる。米国ではこのコードはもう配られ始めている。もし、「Halo」を遊んだことがなくても大丈夫。10月に行なわれるForzathonイベントで一定の条件を満たすことで誰でもワートホグが手に入れられる。でも実在しないクルマなので、ゲーム内のオートショーやオークションで買うことはできない。

【Interview: Halo Warthog Playable on Forza Horizon 3】

――前作「Forza Horizon 2」では、カーパックでポルシェを手に入れることができたが、今回はどうなるか?

Bishop氏: 現時点で発表した350車種以上のことで公式コメントできることはない。ただ、我々はリリース後6カ月に渡ってカーパックをリリースしていくことを発表している。これはカーパスやアルティメットエディションを購入することによって入手できる権利が得られるもので、350車種以外にも様々なクルマが追加される。

――その中にポルシェは含まれるのか?

Bishop氏: それについてはまだアナウンスできない。今アナウンスできるのは、ゲーム本編に350車種が実装されることと、リリース後6カ月に渡って毎月提供されるカーパックで毎月7車種ずつ、計42車種を追加するという情報だけだ。さらに6カ月以降も更なる追加を予定している。

――「Forza」ファンを代表してカーパックのシステムについて不満を表明したい。「Forza」シリーズは、「Forza Motorsport」と「Forza Horizon」が交互に毎年リリースされるのに、購入したカーパックを一切引き継ぐことができず毎回全部買い直しになる。これはどうにかならないのか?

Bishop氏: その不満については我々も理解をしているし、できれば引き継ぐことが可能なようにしたいとは考えているが、カーライセンスの観点からそれを実現することが難しい。カーメーカーから獲得したライセンスは、そのタイトル限定のもので、新しいタイトルではライセンスを取り直す必要がある。この課題については我々だけで決められることではないが、ライセンスを獲得するチームは、複数のタイトルに向けてライセンス獲得に動いている。

 たとえばポルシェは、Electronic Artsが独占的なライセンスを取得しており、我々がポルシェを導入しようとする場合、EAからサブライセンスを取得する必要がある。前作ではそういう交渉を経てエキスパンションパックとしてポルシェが導入された。それが今回どうなるかはまだわからない。

――今回のXbox Showcaseで「Forza Horizon 3」の概要を説明した際、キャンペーンの長さはだいたい100時間ぐらいと発言していたが、その中身は?

Bishop氏: バラエティに富んだたくさんのイベントをこなしていくとだいたいそれぐらいになる。レース、探索、様々なゲームモード、フェスティバルの構築もある。中でももっとも魅力的なのはキャンペーンで、今回のキャンペーンは最大4人でフレンドと一緒に進めることができる。

――協力プレイの場合、キャンペーンの進行度はどのような処理になるのか?

Bishop氏: たとえば、私がゲームに招待して、あなたが参加したとする。イベントをクリアしたとする。その場合、イベントをクリアしたことで得られる報酬は参加者全員に与えられるし、そのイベントは全員がクリアしたことになる。自分のキャンペーンで改めてプレイしてもいいが、報酬は獲得済みですでに1度クリアしたことになっている。

――キャンペーンモードについて、4人の協力プレイに対応した以外に、「Forza Horizon 2」から大きく進化したところはどこか?

Bishop氏: それは「Horizon Blueprint」だと思う。基本的な内容は以前Ralph(Fulton氏・「Forza Horizon」シリーズクリエイティブディレクター)が説明した通り(参考記事だが、キャンペーンのイベント内容をカスタマイズすることができる。自分がマッスルカーが好きだったら、イベントの対象車をマッスルカー限定にすることができる。自分はエディットは苦手だというなら、フレンドが作ったものを遊ぶだけでもいいし、知らない誰かがアップロードしたイベントをダウンロードしてプレイしてもいい。「Horizon Blueprint」は、ユーザーのフィードバックを反映して実装された機能だが、これこそが前作との一番大きな違いだと思う。

 あとストーリーも大きく違う。あなたは「Forza Horizon 2」で優勝したことでHorizon Festivalのボスになる。あなたが参戦するレースはみんなが注目する。あなたはどのようにイベントを盛り上げるか、レースで流すBGMはどうするか。自分が考えて、決めて行かなければならない。

【Forza Horizon 3 E3 Trailer World Debut and Onstage Demo】
E3のワールドプレミアで、4人協力プレイのデモが行なわれた

――まだフリープレイで走れていないので、今回のコンセプトである“自分がボスでイベントを成功させる”というところが今ひとつ飲み込めていないのだが、自分がボスだから「Horizon Blueprint」で自由にコースをリデザインできるし、車種を変えたり、音楽を設定したりできるという理解でいいのか?

Bishop氏: とても良い質問だ。自分がボスというのが今回のストーリーのベースで、みんなはあなたのことを知っているし、過去の実績からリスペクトを受けている。あなたはイベントの主催者として、そこで流すBGMから、イベントを盛り上げるために、コースを変更したり、新しく作ったりしていく必要がある。「Forza Horizon 3」では、あなたの行動をどれだけ支持してくれるのか、ファンが付いているのかを理解できる指標が用意されている。

 あなたが正しい行動をすることによりより多くのファンがフェスティバルを支持してくれる。それを実現するためのツールが「Horizon Blueprint」だ。

――自分がボスで主催者としてイベントを構築できるということは、今回一切走らずに、イベント設計するだけという遊び方もあるのか?

Bishop氏: それはできない。ボスであるためにはレースにも参戦しなければならない。そこはこれまでと変わらない。良いお手本を見せてくれるボスということだ。

――「Horizon Blueprint」についてもう少し詳しく教えて欲しい。まず、「Horizon Blueprint」の対象となるエリアは、舞台全域なのか、それとも特定の地域限定なのか?

Bishop氏: 「Horizon Blueprint」は、完全に新規のイベントを作成できるわけではなく、既存のイベントをモディファイするイメージになる。Playround Games(開発元)が作成した既存のイベントに対して変更を加える、たとえば時間帯を夜間限定したり、コースを海岸沿いに変えたりなど、プレーヤー好みに自由にカスタマイズしていくのが「Horizon Blueprint」だ。

 ちなみに「Horizon Blueprint」は、Playgroundがコース作成に使っていたコース作成ツールをそのまま実装したものだ。我々としても常に最良のレースを探しており、プレーヤーにも様々な選択肢を与えたいと考えているんだ。スタートとゴールは決まっているので、その意味でフルスクラッチでコースを作成できるわけではないが、逆に言えばそれ以外は自由にカスタマイズできるので、様々なことができると思う。レース以外でも「Horizon Challenge」は自由に設定できる。崖からジャンプするチャレンジを作成したり、この距離を5分で走破するチャレンジを作成したりなど、優秀なものは我々が公式採用することもある。

――正式サービス開始後に実施を予定している公式大会「Forzathon」について教えて欲しい。

Bishop氏: 「Forzathon」は我々にとって新しいチャレンジで、毎週末ごとに実施されるPlaygroundが主催するレースイベントだ。これはゲームの新鮮さを維持するために導入するもので、「DIVISION」のデイリーチャレンジのようなものと考えて貰えればいい。10月に行なわれるイベントでは、ワートホグを手に入れることができる。

――毎週末毎に実施すると言うことだが、これはいつまで行なうつもりか?

Bishop氏: 現時点で期限は明示していない。プレーヤーがこのゲームをプレイしてくれる限り、続けようと考えている。

――レースの報酬にはクレジットだけでなくクルマもあるということだが?

Bishop氏: そのとおり。ただ、何を提供するかはまだアナウンスできない。新しいユニークなものが出てくると思う。

――「Forzathon」でしか入手できないクルマもあるか?

Bishop氏: その可能性はある。

――「Forzathon」は日本からも参加できるか?

Bishop氏: もちろん、参加できる。グローバルサービスとなる。私がシアトルから、あなたが日本からプレイしていて対戦することもあると思う。

――特にシビアな操作が要求されるレースゲームでは海外のユーザーと対戦する場合のレーテンシーが気になるが?

Bishop氏: マッチングのラグは平等だし、レーテンシーを見て、Pingの近いユーザー同士を繋げるということもやっている。具体的には、Xboxはグローバルで30万以上のAzureベースのクラウドサーバーを持っているので、自動的な最適な相手とマッチングされる。色んなアルゴリズムが働いているので簡単に説明できないが、基本的には物理的に近い相手同士がマッチングされるようになっているので、レーテンシーをあまり気にする必要はないと思う。

――「Forza Horizon 3」はXboxタイトルとして最初にHDR対応を表明したタイトルだが、具体的に何がどう変わるのか教えて欲しい。

Bishop氏: HDRはハイダイナミックレンジの略で、より多くのカラー、ブライトネス、クラリティで表現することが可能になる。Xbox One SとHDR TVを組み合わせることで「Forza Horizon 3」でHDR表現が可能になる。今回のデモバージョンにはまだ実装されていないが、製品版にはHDRが盛り込まれている。

――言葉で表現するとHDR対応によってどう変化するのか? 太陽光がよりまぶしくなるようなイメージでいいのか?

Bishop氏: というよりも、もっと多くのカラーが表現可能になる。黒はもっと黒になるし、そのほかの色はピュアな色が表現できる。現在と比較すると、グレーのフィルターを取り払った感じになるという表現がわかりやすいかもしれない。たとえば、ありふれたHDTVと、高級なOLEDのプラズマTVでは、表現力がまるで違うが、それと同じぐらいの変化がHDR対応によって発生する。

――今回PC版も同時発売されるが、HDRはサポートするか?

Bishop氏: HDRはサポートしない。PC版では、4K解像度への対応と、フレームレートの30fpsのリミッターのカットが違いとなる。

――上位版であるはずのPC版でHDRをサポートしない理由は?

Bishop氏: 正直な所、私にもよくわからない(笑)。ただ、もちろん、グラフィックスはより綺麗になるのでパワフルなPCを持っていれば、より美しいグラフィックスでゲームが楽しめる。Xbox One版は1080p/30fps固定なのに対して、PC版は4K表示にもできるし、60以上のFPSも出せる。

――ポリフォニーデジタルがプレイステーション 4向けに「グランツーリスモSPORT」を開発しているが、コンペティターとしてどのような感想を持っているか?

Bishop氏: 私自身は子供の頃から「グランツーリスモ」シリーズをプレイしてきた。我々「Forza」シリーズは、Xbox OneとWindows 10でハイクオリティのレーシングゲームを出すことを使命としているが、「グランツーリスモ」はずっとファンだったので、同じレーシングゲームのフランチャイズとして成功することを願っている。

――少し未来の話がしたい。2年後、「Forza Horizon 4」が出るとしたら舞台はどこになるのか?

Bishop氏: (笑)。あくまで個人的な意見だが日本がいいんじゃないかと思っている。クルマの愛好家が多いし、自然も豊富、オーストラリアと同じように環境の多様性もある。ただ、それは私が決定することではないし、決定はもう少し先になるだろう(笑)。

――日本の「Forza」ファンとして、近年の「Forza」シリーズが残念なのは過去のシリーズと比較して、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎなど日本のコースがどんどんなくなっていることだ。偶然意見が一致したが、「Forza Horizon 4」では日本を舞台にすることにより、去って行った日本のレースゲームファンを戻すべきだと思う。

Bishop氏: それは確かに日本を舞台にするにはとてもいい理由だと思う。常に私の意見が通るとは限らないが、そのアイデアはスタジオに伝えておくよ(笑)。

――日本のレースゲームファンに向けてメッセージを。

Bishop氏: 「Forza」を広めるために世界各地を回っているが、様々な国を回って日本はクルマ好きがダントツで多い国だと感じた。日本の街を歩いていると、カスタマイズカーの多さに驚かされる。また、日本は「グランツーリスモ」をはじめ、レースゲームの歴史も長い。「Forza Horizon 3」は、多種多様なクルマが登場し、日本のスポーツカーも数多く登場するので、日本のクルマファンも気に入って貰えると思う。

【スクリーンショット】