インタビュー
「FFXIV」プロデューサー吉田直樹氏パッチ3.4インタビュー
今回は闇の戦士が主役!? 「今回の物語は、“新しいシーズン”に向けての第0章になる」
2016年9月21日 12:00
- 【パッチ3.4 魂を継ぐ者】
- 9月27日 実装予定
スクウェア・エニックスは、プレイステーション 4/3/Windows/Mac用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV（以下、FFXIV）」の大型アップデートパッチ3.4「魂を継ぐ者」を9月27日に実装する。
今回のパッチでは、竜詩戦争終結の後、それまで伏線として積み上げられていた闇の戦士の動向やアラミゴの独立運動など、物語が新たな展開へと動き出す。特に今回は、世界観やエオルゼアの秘密に切り込むストーリーになっているらしい
今回、東京ゲームショウを間近に控えたタイミングで、最新アップデートについて、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に話を聞いた。メインストーリーの見どころだけではなく、「極女神ソフィア討滅戦」や「機工城アレキサンダー零式：天動編」などのエンドコンテンツから、ハウジングに追加される水槽までアップデートのポイントを語ってもらった。
取材日がちょうどプレイステーション4 Proのニュースが発表された日だったこともあり、吉田氏に最新機種の感想も聞くことができたので、併せて紹介したい。
「大迷宮バハムート」をクリアしてアリゼーのデレを見て
――まずはメインストーリーの話をお伺いします。トレーラーの中にタイタンやガルーダが出てきましたが、今回は三国が舞台の話になるのですか？
吉田氏： いいえ、実はそれほど関係ないですね。今回は、闇の戦士たちとハイデリンそのものに焦点が当たっています。それと同時に今のエオルゼアにいる蛮族と人間の根源にある感情みたいなものにフォーカスしています。蛮族達に焦点が当たっているので、結果的に蛮神も登場しています。実は、メインストーリーの中でタイタン戦があります。
――どういうタイタン戦なんですか？ 真や極とはまた違う？
吉田氏： それは、是非メインシナリオでお確かめいただきたいです。結構凝ったことをやっています。僕もチェックしていて、開発チーム、細かいところまで頑張ったなと素直に思いました。
――コンテンツファインダーで繰り返し遊べるものではなくて、その場限りの戦闘ですか？
吉田氏： そうです。今の真蛮神戦のようなイメージです。バトル中の演出もシナリオに即していて、ちょっと凝ったことをやっています。今回は、ストーリーで語られることと、自分たちで体験することの噛み合わせがうまくできていると思います。その辺りの小技も、ストーリーが好きな方には注目していただけたらと思います。
――新インスタンスダンジョン（ID）の「峻厳渓谷 ゼルファトル」ではボスがガルーダを召喚していましたね。あれはメインストーリーのどういうところで出てくるのですか？
吉田氏： IDは、エキスパートルーレットのためにできるだけ早く開放してあげたいのですが、今回のダンジョンはどうしてもメインストーリーに組み込まなければなりませんでした。割と序盤には出てきますので、解放するのはそれほど難しくはないと思います。完全にストーリー絡みなので、ガルーダも何か関連しているのだろうなということだけは、PVでわかっていただけると思います。
IDはもう2つともバランス調整が終わっています。今回のIDはIL更新があるので、最初の頃は3.3のIDより難しく感じるかもしれません。3.3のIDでは、ILがもう上がっていて、残り期間が少ない状態で実装されているので、比較的初動から簡単だったと思いますが、今回はILが低い状態からの挑戦なので。もちろんクリアはできると思いますが、だんだん分かってきて、自分たちのILが上がっていくとどんどんクリアまでの時間が短くなるような作りになっています。最初は慎重に、全力でいってください。
――いきなりまとめると危ないですか？
吉田氏： 危険だと思いますよ（笑）。タンクの方は慎重に進んでください。
――ちなみにゼルファトルは東アバラシア山脈にあるという設定ですが、このエリアは今回ゲーム内に初登場ですね。
吉田氏： もちろん広大なフィールドがあるという設定なのですが、今回はゼルファトルの渓谷にイクサルたちが築き上げているイクサルの本拠地がテーマなだけなので、全容がわかるわけではないです。
――本拠地に直接乗り込むという形なのですね。
吉田氏： そうです。
――今回またアイメリクが出てきましたけど、イシュガルド側も何かお話に関係してくるってことなんですか？
吉田氏： 3.3のラストで竜詩戦争が完結しましたが、光の戦士や暁の血盟に対して直接的な動きがあったわけではないのです。だから、スタートは静かにイシュガルドから始まるという感じですね。アイメリクファンの方は冒頭ちょっと喜んでいただけるかなあと思います
――何かファンサービスがあるのですか？
吉田氏： そうですね。そこはちょっと、人によってはむずがゆくなる形から始まると思います。今回、ストーリーは本当にいろんな見所がありますので、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。
――アラミゴもトレーラーの最初の方にチラリと出てきました。今回のメインストーリーはかなり多方面に展開するのですか？
吉田氏： そうですね。テレビドラマでいうと第2シーズンがパッチ3.3で完結して、いよいよ次の新しいシーズンに向かって、パイロット版的な第0話がいよいよ始まったという形です。見どころは多いです。いったい闇の戦士とは何なのかとか、彼らは何をしに来ていて、最終的に何を目指しているのかとか。あとはハイデリンというか、原初世界とはなんなのとか、その辺りの、「FFXIV」の根幹に関わる話が明らかになるので注目して欲しいです。分散せずに、上手くまとまったと思っています。
――今まで闇の戦士はチラチラと出てきただけでしたけど、今回はメインを張るんですね。
吉田氏： 主役です。今回はいろんな主役がいます。竜詩戦争編、パッチ3.1、3.2、3.3と、ドラマが多かったので、メインストーリーではクエスト数を少なくして、カットシーンパートを増やしてきましたが、今回はおつかいではないクエストとしてシナリオが充実しているので、たっぷり時間をかけて見ていただきたいです。早くコンテンツ行きたい方は、そちらから進めてもらって構わないので、週末とか、時間のある時にメインをゆっくり見ていただきたいと思います。
――今回のメインストーリーは長めなんですね。
吉田氏： しっかりストーリーを見ていくと、かなり長く感じていただけるんじゃないかなと思います。設定好きの方だと、端々ちょっと止まって考えるシーンが結構あると思うので。後は、アリゼーのデレがかわいいので、ぜひ「大迷宮バハムート」をやっといていただきたいなと。
――「大迷宮バハムート」をクリアしているかどうかで、セリフが違うのですね。
吉田氏： 話の筋は同じになるようにしてありますが、ルイゾワの意思を継いで、バハムートの再生を止めるという偉業を一緒に成し遂げたかどうかで、アリゼーの光の戦士に対する接し方は絶対違うと思っています。ですので今回はライターがこだわって、光の戦士に対してアリゼーがかける言葉は、「大迷宮バハムート」をやってる、やってないで細かく分けています。もちろんやってなくても、だんだん親密にはなっていくのですが、やはり、そこは大きく違う所です。宿屋では、「大迷宮バハムート」を一緒にやってない方しか見られないので、制限解除で構わないので、ぜひクリアしておいていただけると嬉しいです。
――「大迷宮バハムート」をやっていない場合は、広場でアリゼーの姿を見かけた後、それきりってことですよね。
吉田氏： そうですね。新生編三国の演説の時にアルフィノとアリゼーが後ろの方にいて、実は直接会ってはいないんですよね。クイックサンドで、アルフィノとアリゼーが兄弟喧嘩をして別れて、「鍵は扉を開く為だけあるわけじゃない」っていうアルフィノの台詞以降、アリゼーはメインストーリーに出てきてないんです（笑）。2.55の戦勝祝賀会の惨劇の後、馬車を手配してくれたのはどうやらアリゼーっぽいということぐらいです。
「大迷宮バハムート」は、制限解除なら、4、5人居ればなんとかなりますので是非。前回の14時間生放送のPLLでその話をしたせいか、各ワールドで「バハ制限解除でいきましょう」というパーティ募集をかなり見るようになりました。僕もお手伝いを何回かしましたよ。
――逆に言うと、それだけやっぱクリアしてなかった人が多いってことですか？
吉田氏： 大迷宮バハムートのクリア率は日本が1番高いですが、それでもやっぱり5割くらいの人は見てないかもしれません。
――3.4のメインクエストをクリアすると、次のシーズンの方向性というのは見えてくるんですか？
吉田氏： まだわからないと思います。以前にも少しお話したかもしれないですが、パッチ3.4があって、ラスベガスのファンフェスティバルがあって、日本のファンフェス、パッチ3.5、そしてヨーロッパのファンフェスがあります。これらで発表することが一連のストーリーの流れになるようにしています。ファンフェスで出させていただく今後の展開に関しての情報と、メインストーリーで進行する最新の話を組み合わせていくことで、いろいろ楽しんでいただきたいと思って、そのような構成をしています。多分、3.4だけでも予想はあれこれ出るけれど、決定打がないという状態です。
――ラスベガスでもまだわからない？
吉田氏： わからないというか、この先どうさらに展開していくんだろう。まだファンフェス2つあるけどなあ、みたいな。
――今、バル島の消滅であったり、帝国の皇位継承であったり、未消化の伏線がたくさんあります。そういうのがこれから4.0までで解消されていくんでしょうか
吉田氏： 解消されるものと、されないものがあります。
――今後に引き継いで4.0のメインストーリーになるものもある？
吉田氏： そうですね。それは、きちんと消化する前提で作ってはいます。時期はそれぞれ違いますけど。
――今、行方不明のホーリーボルダーたち暁の血盟の人たちはまた出てくるんでしょうか？
吉田氏： 生きていれば。でも、懐かしいというか、嬉しい再会は、もうまもなく来るかもしれません。
――今回仮面の男が出てるじゃないですか。仮面というと、ユウギリが出てきた時には新種族だから隠してるって感じだったから、今回もひょっとしてそうなのかなとスクリーンショットを見た時に期待したんですが。
吉田氏： そういうわけではないですね（笑）。仮面の理由は、いろいろご想像いただければ。仮面自体には意味があります。
――では、仮面の男は、これからも継続して登場するわけですか？
吉田氏： そうですね。鉄仮面卿って名前だけは、パッチ3.2、3.3でもイダとパパリモの話の中には出てきてるんですけど。彼がその鉄仮面卿なので、重要キャラではあります。