イベントレポート

「FFXIV: 新生エオルゼア」、「田中理恵スペシャルトークショー」レポート

“レガシー女王”によるガチな質問の連発に吉田Pもたじたじ!

4月27日~28日開催

会場:幕張メッセ 1~8ホール、イベントホール

入場料:1日券 1,500円(前売)、2,000円(当日)

通し券 2,500円(前売)
優先入場券 1,500円(1日券)、2,500円(通し券)先行販売のみ

 4月27日と28日の両日、幕張メッセにて行なわれたニコニコ超会議2。2日目の4月28日、日本マイクロソフトブースでは、前日に引き続き「マイクロソフトのWindows8とスクウェア・エニックスのファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼアがコラボしてニコニコ超会議2に参加してみた。」が終日に渡って繰り広げられた。

 本稿では、昨日の「中村悠一・立花慎之介スペシャルトークショー」に続いて実施された「田中理恵スペシャルトークショー」の模様をお伝えしたい。プロデューサーレターLIVEや、ひろゆき氏とのトークイベントは別記事にて詳しくお届けするつもりだ。

田中理恵さんはトップレベルの「FFXIV」コアプレーヤーだった!

ミコッテの耳を地毛で結ってきたという田中さん
田中さんはディープな「FFXIV」話を繰り広げ、「はっはっは」と甲高い声で笑った

 かねてから、「FF」シリーズのファンであり、旧「FFXIV」の時代からコアユーザーであることを広言している声優田中理恵さんだが、旧「FFXIV」に声を担当したミコッテの耳を“地毛”で結ってきただけでなく、のっけの挨拶から「学生の頃から『FF』シリーズのファンでしたが、家が厳しかったのでバイトをしてスーパーファミコンを買って、それからずっとファン。一番好きなのは『FFVI』。『FFVII』も凄い好きですが、『FFVI』と言えば魔導アーマーじゃないですか、ビックス、ウェッジ、ティナー!」といきなり絶叫し、開始5分で、この声優はただ者ではないことを来場者と視聴者全員に知らしめた。田中さんは、魔導アーマーが「FFXIV」でも乗れることを楽しみにしていると語り、昨日会場でも公開した魔導アーマーの映像を見て感動したと前のめりで語ってくれた。

 昨日に続いて司会進行を務めた望月氏が今回の収録については話を振ると、田中氏はプロの声優らしく「ゲームの収録はアニメと違って落ち着いた感じで、アニメは多人数によるキャッチボールなのに対して、ゲームは自分の世界に入っていけるのでやりやすい」と語り、これを受けてサウンドディレクターの祖堅氏が、「カットシーンを見ながら入れて行く感じですが、田中さんはプレイされているので余計な説明がいらず、すべて知ってくれているから非常に助かる」ということで、その副作用として「毎回声を取り終わったあと、『この後どうなるんですか?』と答えられないことを聞いてくる」と楽屋ネタを披露してくれた。祖堅氏は「ユーザーとまったく同じ情報しか渡してません」と予防線を張っていたが、田中さんはそれぐらい公私混同でいろいろ突っ込んでくるようだ。

 気になる田中さんの「FFXIV」プレイ実績はというと、これがまた仰け反るぐらいに凄かった。「そうですね、インスタンスは終盤近くになると、カッター(カッターズクライ)とオーラム(オーラムヴェイル)を連戦してダークライト装備を取りに行ったりしてたんですけど、とれない! とれない!」とまた絶叫し、「足と腕しか取れない、全然取れないよ! みたいな(笑)」と語り、旧「FFXIV」のハイエンドコンテンツを連戦していたことを明かし、旧「FFXIV」の課金ユーザーを意味する“レガシー先輩”ならぬ、“レガシー女王”であることを証明した。

 「ちなみに何周ぐらいしたんですか?」との望月氏の問いに、「もう何周回ったかわかんない! TA(インスタンスレイドでアチーブメント設定時間以内でのクリアを目指す、高難度タイムアタックプレイ)すれば出るだろうということで何十回も回して、それでもでないですね!」と興奮気味で語り、祖堅氏が「ありがとうございます(笑)」と話を切り上げなければまだまだ不満話は続いていた雰囲気だった。

 「ジョブ専用装備は?」との問いには、「全部です。クエストで一番難しかったのは詩人。ドラゴン退治に苦戦しました。簡単なのはなくて、やっぱり初見で行くとナイトさんがバッタバタ倒れて、ヒーラーが倒れて、めっちゃ楽しい! もう一回行くぞ!といっててってけてってけ行くみたいな(笑)」とさらっと凄いエピソードを披露。投げた球がすべてホームランで返されるような、そんな状態である。

 そこで望月氏は「参加者の皆さんは、田中さんだと知ってるのか?」という変化球を投げ、これに対して田中さんは「若干バレてるような感じ(笑)。でも暗黙の了解でやらせてもらっている感じ。中身知ってても知らなくてもいいよって感じでみんな来てくれます。私も気にしてないところがあるし、一緒に遊べれば嬉しいな」と回答。心の底から純粋に「FFXIV」を楽しんでいる雰囲気が伝わってきた。

 望月氏は続いて、「シャウトとかもする?」と若干姫プレイ(周りに助けて貰うだけの楽なプレイスタイル)の疑いを向けると、「ありますよ、私凄いシャウトします! リーダーになることが多いんで、刻印取りに行ったときはほとんどシャウトして集めました。刻印は大変でした! あれは大変すぎる!(笑)」と、またしても満塁ホームランで返し、トップレベルのコアプレーヤーであること証明した。いやはや凄いトークショウである。

田中さんは双蛇党党首のカヌ・エ・センナと、蛮神ガルーダの2役を担当

田中さんが声をあてたグリダニア双蛇党党首のカヌ・エ・センナ
もうひとりが蛮神ガルーダ

 望月氏は「刻印だけで40分終わってしまうので(笑)」と話を打ち切り、本題である田中さんが担当したNPCの紹介に入った。

 田中さんは1役ではなく2役務めており、1役目は双蛇党のカヌ・エ・センナ。グリダニアのグランドカンパニー双蛇党の代表を務める人物だ。2役目は意外にも「ガルーダ」。旧「FFXIV」でも蛮神のひとりとして、蛮神強烈な強さで冒険者に立ちふさがったキャラクターだ。つまり、「新生エオルゼア」ではガルーダが喋るシーンがあるということになる。

 発表時には各キャラクターのスクリーンショットが公開されたが、来場者の反応はセンナ様はみんな納得という感じだったが、ガルーダはどよめきの声が上がった。澄み切った上品な田中さんの声と、ガルーダの禍々しさはちょっと接点が見当たらないという感じだ。

 祖堅氏によれば「両者は全然性格が違う。そもそもこれ同じ人が声やってる? っていう。真逆ですから。カ・ヌエさんはファーとしてるけど」と語り、これを受けて田中さんも「そうですね。カ・ヌエさんはフワーッとしてるけど、ガルーダは芝居をしているところの顔を見せられない。とんでもない般若の顔になっているので(笑)」と語り、場内を沸かせた。

 その後、録りたてのボイスを公開した。センナの声は、「ようこそ、森の都、グリダニアへ」から始まり、ほぼ田中さんの地声そのままで、納得の仕上がりだった。続いてガルーダは「なぜじゃ」から始まる苦しげなしわがれ声で蛮神になりきっている。多少ボイスチェンジしてることもあり、言われなければ田中さんとは気づかない感じだ。

 祖堅氏にガルーダのイメージをどう作ったのかについて問われると、田中さんは「ガルーダ戦のときに聞いていた曲を思い出しつつ、カットシーンを飛ばさずに全部見て、それでイメージを沸き立たせました」とコメント。祖堅氏によれば、ガルーダの曲を収録直前にかけたりもしたという。田中さんによれば、祖堅氏は声優をリラックスさせてくれるためとてもやりやすかったという。

 望月氏が「自分の声がゲームから聞こえてくることについてどう思うか?」と質問すると田中さんは「ガルーダが実装されることになったら『倒してやらぁこらぁ』ってなると思いますよ(笑)」とコメントして笑いを誘い、「レガシーからだいぶ時間が経っているので鈍っていると思う。ガルーダは蛮神の中で一番難しかったので。最初はエリアルブラストのところで死んじゃいますから。あそこでかろうじて生き残っても、今度は分身するじゃないですか。分身して風がダメな位置から飛んでくるとそこで終わりですから。ガルーダには並々ならぬ想いがあります!」と聞かれていないことまで答え、隙のないコアっぷりを見せつけ、これには祖堅氏も「ありがとうございますといえばいいのか、すいませんといえばいいのか」と苦笑していた。

吉田Pをたじたじにさせた大好評のQ&Aコーナー

田中さんが吉田氏に何でも聞くという企画
何度も言葉に詰まる吉田氏
いくつものネタを引き出した田中さん。またの出演を心待ちにしたい

 イベントの締めくくりは、コアプレーヤーである田中さんが、プロデューサーの吉田直樹氏に何でも聞くという素晴らしい企画。ここからは田中さんの濃さをダイレクトにお伝えするために、Q&A形式でお届けしよう。

 なお、田中さんが使う略語には可能な限り補足説明を入れたが、対象のコンテンツそのものがハイエンド過ぎるため、「FFXIV」経験者でもかなりのコアユーザーでないと意味が分からない部分がいくつかあるが、中身ではなく前代未聞の濃さを楽しんでいただきたい。Q&Aの最後には吉田氏と祖堅氏に「ご飯をちゃんと食べて下さい」と女性らしい気遣いを見せた田中氏だが、切れ味鋭い質問を連発して吉田氏を大いに困らせていたのがおもしろかった。ぜひじっくりお楽しみいただきたい。

――剣術師のフラッシュの範囲が狭い気がするんですが、フェーズ3から広くなりますか?

吉田氏:それは広くしてくれってことですか? それ質問じゃなくて要望だろっていう(笑)。もうちょっと範囲内に集められませんかね?(笑) ちゃんとマーカー付けて、コンボも入れたりして、フラッシュだけでキープしようとするのは甘いんじゃないかなあ(笑)。一応バトルチームには伝えます。

――斧術師はタンクだと言われていたと思うが、アタッカーとしてもうちょっと行きたいなというところがある。カッターズクライの姫蟻戦ではアタッカーとして活躍できたけど、極イフ(極イフリート討滅戦:蛮神戦の最上位バトル)ではどうかというとタンク扱いなので、「新生」ではアタッカーとしてもうちょっと何とかなりませんか?

吉田氏:剣術とはメリハリが付きました。一応、ロールでいったらタンクはタンクですが、攻撃でキープするタンク。旧「FFXIV」ほど中途半端にはならないようにしています。斧術はライブでほとんど聞かれなかったので実はかなり変わっちゃっているので楽しみにしていて下さい。フェーズ3から使えます。

――蛮族拠点ですが、レガシー(旧「FFXIV」)ではボスもいて唯一アライアンスを組んでいけたので、また新生では、新しい拠点やボスが用意されるのですか?

吉田氏:ちょうど先週、プロモサイトを更新してサハギンとシルフのスクリーンショットを公開したのですが、サハギンやシルフの拠点もありますし、新生スタート時には5つの蛮族の拠点がどどーんと用意されます。最初は単純に攻略して貰うためのF.A.T.E.が用意されるんですけど、内部的に2.1と呼んでいるパッチからコンテンツを変えようとしていて、これまで蛮族はよくわからないけど悪い奴っぽいから戦っておけというものという印象でしたが、もっと世界観やストーリーに踏み込んだものに変わっていきます。

――カッターズクライやオーラムで取れるダークライト装備というものがありますが、ダークライト装備は新生ではどの程度のグレードの装備品になりますか?

吉田氏:ヒエラルキー表はすでにありますが、ズバリいっていいものか……。蛮神戦に行くために持っておいたほうがいいかな? ぐらいの位置づけです。旧「FFXIV」ほど手に入れるためにめちゃくちゃしんどい思いはしなくても取れるようになっています。

――レガシーのときにはどうしても胴が取れなかったユーザーさんからすると嬉しい情報ですね!

吉田氏:でも、もの凄く苦しい想いをして取った人からすると「は?」となるんじゃないかと思います。これは結構痛い質問なんです。

――レリックについてです!

吉田氏:お、おう。

――あ、吉田さん逃げないで下さいよ! 私もレリックは取らせて貰いましたが、レリックを作るのに本当に大変な思いをしました。武器を作るのにパリンパリン割れて、素材も大変な上に、割れるし、競売で買っても凄い高い! いざできたやったーよし、ここでマテリアを入れるぞ! となってまた割れて、また一からやり直しになるわけです。

 吉田さんの話によれば、レリックは成長するということですが、新しいレリックが出るかも知れないということは、あれだけ大変な思いをして作ったのに、また新しいレリックー? みたいな(笑)。いわゆる「FFXI」のミシックやエンピリアン(装束)みたいなものが出るのか!

吉田氏:だんだんガルーダになるの辞めて貰えませんか?(笑)。ちょっと誤解があって、レリックは旧「FFXIV」だと頂点の位置づけでしたが、新生の位置づけだとクリスタルタワーに行くために取って貰おうと思っています。クリスタルタワーでドロップする武器はレリックよりも上のものがあります、かつ今度はクリスタルタワーで取った武器や防具で挑戦する大迷宮バハムートはそれより上になります。これが正式サービスがスタートしたときの状態。

 ただ、今度コンテンツが足されます。次はレリックを強化するコンテンツが実装されます。そうすると格が一番上に上がります。それをクリアするためにコンテンツをクリアして貰うことになります。そして同じデザインだと飽きますよね? だからさらにそれを改造してレリック2みたいなものにすると、それを交互に実装することで、どっちのアイテムも死なないようにするつもりです。無駄にはならないようにするつもりです。

――トリは軽めなんですけど、パーティーを組むときに、皆さんコマンドを撃ち込んで、“/pcmd add キャラ名”みたいに、たとえばログで名前が出てたらそれをクリックするだけで代用できたり、迷惑だなと思ったらクリックすればブロックしたり、ほかにもtellしたり、パーティー誘ったりというのはできるようになりませんか?

吉田氏:フェーズ3から機能が増えて、ログをクリックしてtellしたりといったことが可能になります。製品版までにコマンドを増やしていくので、たぶんいま仰ったことは全部載ると思います。ようやくチャットシステムを全部取り替えました。ここはもの凄く沢山の要望をいただいていて僕らも認識していたのですが、ようやく取り替えることができたのでもう大丈夫です!

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(中村聖司)