トピック

ゲームから仕事まで“スーパーウルトラワイド”で快適に! GRAPHTのゲーミングモニター「GR4924COEL-BK」を試す

【Gaming Monitor - GR4924COEL-BK】
11月28日 発売
価格:189,970円

 皆さんはゲーミングモニターを購入するとき、何を重視しているだろうか。解像度やリフレッシュレート、画面サイズ、パネルの種類、入力ポートの数、デザインなど、それぞれの好みやプレイするゲームジャンルによって重視するスペックは様々だが、“アスペクト比”に注目する方はあまりいないと思う。

 ゲーミングモニターには、アスペクト比が16:9のベーシックな「ワイドモニター」のほかに、アスペクト比が21:9で少し横長な「ウルトラワイドモニター」、アスペクト比が32:9でワイドモニター2枚分に相当する「スーパーウルトラワイドモニター」が存在する。一般的に多くの方が「ワイドモニター」を購入していると思うが、コアゲーマーの中には「ウルトラワイドモニター」ファンも存在している。

 今回、GRAPHTから新登場した「GR4924COEL-BK」は、市場では貴重な“湾曲スーパーウルトラワイドゲーミングモニター”だ。アスペクト比は32:9、画面サイズは49インチ、解像度は5,120×1,440ドットで、これらの数値だけだとイメージしづらいが「27インチのWQHDゲーミングモニター2枚分をひと繋ぎにした」と言えば、少しイメージしやすくなると思う。

 本稿では、日常的にウルトラワイドモニターを使用している筆者が「GR4924COEL-BK」を検証。スーパーウルトラワイドとQD-OLEDの組み合わせによる圧倒的な没入感、49インチという大画面を活かした作業効率化、ピクチャーバイピクチャーやUSB Type-C周りの便利機能など、ゲームから仕事まで幅広く活躍する本製品の魅力をお伝えしていく。


    GRAPHT「Gaming Monitor - GR4924COEL-BK」のスペック
  • 画面サイズ:49インチ(アスペクト比32:9)
  • パネルタイプ:QD-OLED
  • 解像度:5,120×1,440ドット(DWQHD、湾曲:1,800R)
  • 応答速度:0.03ms
  • リフレッシュレート:最大240Hz
  • Adaptive Sync:対応
  • 視野角:178度/178度(水平・垂直)
  • コントラスト比:1,500,000:1
  • 表示色:約10.7億色(8bit+Hi-FRC)
  • 色域:sRGB 100%、AdobeRGB 99%、DCI-P3 99.3%
  • HDR:HDR400 True Black
  • スピーカー:5W×2(中高音域)、12W×1(サブウーファー)
  • 映像入力端子:DisplayPort 1.4ポート×2、HDMI 2.1ポート×1、USB Type-C 3.1ポート×1
  • USB端子:USB Type-B(アップストリーム)×1、USB Type-A(ダウンストリーム)×2
  • その他の端子:オーディオ出力端子、有線LAN端子

QD-OLEDパネル&便利なUSB Type-C搭載! 外観とスペックをチェック

 まずは外観やスペックを確認していこう。先述のように「GR4924COEL-BK」はパネルサイズが49インチ(アスペクト比32:9)で、ワイドモニター2枚分に相当する“スーパーウルトラワイドモニター”となっており、サイズは横幅1,199mm × 縦幅573mm × 厚さ361mmと横にかなり長いことがわかる。初めて見る時のインパクトは絶大だ。

 デザインはシンプルにまとまっており、正面は3辺フレームレスで、中央の「GRAPHT」ロゴも控えめなため、ゲームに集中しやすいデザインとなっている。中央下部には電源ボタン兼ジョイスティックが搭載されており、OSDや入力切り替えといった基本的な操作は全てこのスティックを用いて行なう。

 背面にはゲーミングモニターらしく、RGBライティングが搭載されており、設定から好きなカラーや効果を選択可能だ。また、スタンドにはケーブル類をまとめられるホルダー、折りたたみ可能なヘッドホンハンガーを備えている。

【外観・デザイン】
横幅約1.2mということもあり、初めて見るときのインパクトは絶大だ
中央の「GRAPHT」ロゴは控えめで、ゲームに集中しやすい
中央下部には電源ボタン兼ジョイスティックを搭載。OSDはこれを使って操作する
3辺フレームレスで、シンプルなデザインとなっている
背面もシンプルにまとまっている
RGBライティングを内蔵しており、好きなカラーや効果に設定可能だ
スタンドにはケーブル類をまとめられるホルダーと……
折りたたみ可能なヘッドホンハンガーを備えている

 パネルにはサムスン製の量子ドット有機EL(QD-OLED)を採用。完全な“黒”を再現できる有機ELと、色再現性の高い量子ドットを組み合わせることで、コントラスト比は1,500,000:1、sRGBカバー率100%となっているほか、AdobeRGBカバー率99%、DCI-P3カバー率99.3%に達している。

 解像度は5,120×1,440ドットで、湾曲率は1,800Rとなっており、没入感のある映像体験を楽しめる。リフレッシュレートは240Hz、応答速度は0.03msで、可変リフレッシュレート(Adaptive-Sync)にも対応しており、ゲーミングモニターとして必要十分なスペックを備えている。

【パネル周り】
パネルにはサムスン製QD-OLEDを採用。完全な黒を再現できる有機EL、色再現性の高い量子ドットを組み合わせた最新パネルだ
1,800R(半径1.8mの円を描く曲がり具合)と程よい湾曲率で、違和感はあまりなく、没入感のある映像体験を楽しめる
解像度は5,120×1,440ドット、リフレッシュレートは240Hzと、ゲーミングモニターとして必要十分なスペックを備えている
NVIDIA「G-SYNC Compatible」やAMD「FreeSync」といった可変リフレッシュレートにも対応している

 映像入力ポートはDisplayPort 1.4を2つ、HDMI 2.1を1つ、USB Type-Cを1つと豊富に搭載しており、全ポートで5,120×1,440ドット/240Hz入力が可能だ。ゲーミングPCだけでなく、後述のピクチャーインピクチャー(PIP)やピクチャーバイピクチャー(PBP)を活用して、コンソールゲーム機やスマートフォンの画面を同時に表示させることもできる。

 さらに、USB Type-Cポートを通じたドッキングステーションのような機能も併せ持っており、USB Type-Aポートを2基、有線LAN端子を1基に加えて、USB PD給電機能を搭載している。「GR4924COEL-BK」にマウスやキーボード、有線LANを接続しておけば、USB Type-Cケーブル1本でノートPCをデスクトップPCのように使用できるのだ。

【搭載されているポート】
背面中央には、映像入力ポートとしてDP1.4を2基、HDMI 2.1を1基、USB Type-Cを1基搭載。このほかにもUSB Type-A(ダウンストリーム)を2基、USB Type-B(アップストリーム)を1基、オーディオ出力端子1基を備えている
背面左端には有線LAN端子を搭載
背面右端には電源入力を備える。ACアダプターは不要で、スペースを節約できる
【USB Type-Cの機能】
「GR4924COEL-BK」はドッキングステーションのように使用可能。ノートPCをUSB Type-Cで接続すると、映像を出力しながら、USB機器や有線LANへの接続も可能だ
加えて、USB PD給電機能も備えており、ノートPCやスマートフォンの充電もできる

 今回、GRAPHTがスーパーウルトラワイドゲーミングモニターを発売すると聞いたとき、筆者は少し驚いた。ワイドモニターは各社から様々な製品が投入されているが、スーパーウルトラワイドモニターは市場でも珍しく、同じジャンルの製品は数えるほどしかない。そのため、新製品が投入されにくく、ワイドモニターに比べてゲーミング性能が劣っていたり、20万円を超える価格設定だったりすることがほとんどだった。

 だが、“ゲーマーへの新たな提案”を謳う「GR4924COEL-BK」は違う。QD-OLEDパネル、WQHDモニター2枚分の解像度、240Hzのリフレッシュレート、0.03msの応答速度で、昨今のゲーマーのトレンドを着実におさえながら、価格は20万円を大きく切って189,970円と、スーパーウルトラワイドゲーミングモニターの中では比較的安価な製品に仕上がっているのだ。

 これによって、これまでスーパーウルトラワイドに憧れていながらも、ゲーミング性能や価格がネックで諦めていた人たちにとって「GR4924COEL-BK」は新たな選択肢になってくれる。また、現在ウルトラワイドやスーパーウルトラワイドを使用していて、買い替えを検討していた方にとって「GR4924COEL-BK」は最新のスペックを備えたベストな引っ越し先だ。

「GR4924COEL-BK」はゲーマーの新たな選択肢となるスーパーウルトラワイドゲーミングモニターだ

圧倒的な没入感! スーパーウルトラワイドがもたらすゲーミング体験をチェック

 ここからは実際に「GR4924COEL-BK」でゲームをプレイした様子をお届けしていく。まず前提として、プレイステーション 5やXbox Series X|S、Nintendo Switch 2といったコンソール機は、スーパーウルトラワイドやウルトラワイド解像度の映像出力に対応していないため、画面いっぱいに映像を表示させたい場合はPCが必要となる。今回は筆者のゲーミングPCを使用した。

 最初にスーパーウルトラワイド解像度に対応した「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」をプレイ。結果としては、湾曲スーパーウルトラワイドによる視界を覆うような没入感、QD-OLEDパネルによる映像美によって、まるで本当にマンハッタンを駆け巡っているような最高のゲーム体験を楽しめた。筆者はゲームプレイ中、あまりの楽しさに口角が上がっていたほどだ。

【PC版「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」】
視界を覆うような没入感、QD-OLEDによる映像美が組み合わさり、本当にマンハッタンにいるかのような感覚を楽しめる
最高のゲーム体験に、筆者は思わず口角が上がっていた

 この後もスーパーウルトラワイドに対応した「バトルフィールド6」や「Apex Legends」をプレイしてみたが、自分が戦場に飛び込んだような感覚で、いずれも圧倒的な没入感を味わえた。加えて、リフレッシュレート240Hz、応答速度0.03msとゲーミングモニターとしての性能も高く、バトルや画面が激しく動くシーンもくっきりと描画される。

 「GR4924COEL-BK」はWQHDモニターを2枚並べた解像度と同じではあるが、マルチワイドモニター2枚の環境とスーパーウルトラワイドモニター1枚の環境ではゲーム体験が大幅に異なる。境目のないひと繋ぎの映像体験を楽しめるため、アクションやレース、FPSなど、没入感の高いゲームジャンルと相性が良い。

【バトルフィールド6/Apex Legends】
「バトルフィールド6」では本当に戦場にいるかのような、大迫力の映像体験を味わえる
「Apex Legends」では視界いっぱいに戦場が広がり、いつもとはまた違った感覚でプレイできる
解像感も非常に高く、ゲーミングモニターとしても一級品だ

 一方でスーパーウルトラワイドに対応していないゲームもあり、例として「FINAL FANTASY VII REBIRTH」や「VALORANT」をフルスクリーンでプレイすると、16:9のゲーム画面となり左右に黒帯が表示される。また「モンスターハンターワイルズ」や「ゼンレスゾーンゼロ」などウルトラワイドに対応していても、スーパーウルトラワイドには対応していないゲームも存在する。

 この場合、一部のゲームではMODを導入してスーパーウルトラワイド化させることも可能だが、筆者としてはウィンドウ表示やボーダーレスウィンドウでゲームをプレイし、左右にブラウザやボイスチャットツールを表示させておくのがオススメだ。

【スーパーウルトラワイド非対応のゲーム】
「FINAL FANTASY VII REBIRTH」はアスペクト比が16:9に固定されており、フルスクリーンでプレイすると左右に黒帯が表示される
「モンスターハンターワイルズ」はウルトラワイド(21:9)に対応しているが、スーパーウルトラワイド(32:9)には対応しておらず、左右に少なからず黒帯が表示される
これらのゲームはウィンドウ表示がオススメ。左右にブラウザやボイスチャットツールなどを表示しておける

コンソール機を使うときにオススメ! マルチモニター派にも嬉しい「PBP&PIP」

 先述のように、PS5やXbox Series X|S、Nintendo Switch 2は32:9のスーパーウルトラワイド解像度に対応していないため、これらのコンソール機を接続すると16:9のワイド解像度で表示となる。OSDから引き伸ばして表示させることも可能だが、こういった時は「ピクチャーバイピクチャー(PBP)」および「ピクチャーインピクチャー(PIP)」を活用しよう。

「GR4924COEL-BK」は32:9という横長な画面領域を活用した「PIP」および「PBP」を搭載

 「ピクチャーインピクチャー」は、画面の中に小さいウィンドウを配置し、2つの映像入力を同時に表示できる機能。ウィンドウのサイズは大・中・小の3種類、位置は右上・右下・左上・左下の4種類から選択可能で、PCで全画面表示をしながら、コンソール機の画面を確認することが可能だ。

【ピクチャーインピクチャー】
画面の中に小さなウィンドウを配置し、2つの映像入力を表示できる「ピクチャーインピクチャー」
ウィンドウの位置は4種類から選択可能
ウィンドウのサイズも3種類から選択できる
好みの位置とサイズで2画面表示が可能だ

 一方の「ピクチャーバイピクチャー(PBP)」は画面を2つに分割して、それぞれ別の映像を表示できる機能。これによって、左はDisplayPortに接続したPCの画面、右はHDMIに接続したコンソール機の画面といった形で、 Switch2でゲームをプレイしながらPCで攻略情報を調べたり、デスクトップPCからDisplayPort 2系統で映像を出力し、あえてマルチモニター的に使うことも可能だ。

 PBPのモードは、それぞれ均等に16:9の画面にわける「2Win 1:1」のほかに、スマートフォンの縦画面に最適化した「2Win 2:1」および「2Win 1:2」の3種類から選択可能。スーパーウルトラワイドモニターのPBPは、マルチモニター環境と似ているが、ワイドモニターを2枚設置するよりもスペースを節約でき、視線移動も減るというメリットがあるので、マルチモニター代わりに「GR4924COEL-BK」を導入するのもオススメできる。

【ピクチャーバイピクチャー】
「2Win 1:1」は均等に二分割して、それぞれ16:9のモニターとして使用可能。画像では左にWindows PC、右にMacの映像を表示している
「2Win 2:1」は左をPC、右をスマートフォンの縦画面に最適化
「2Win 1:2」は左をスマートフォンの縦画面、右をPCに最適化している
Switch2でゲームをプレイしながら、PCで攻略情報を調べたり……
ゲーミングPCと「GR4924COEL-BK」を2系統のDisplayPortで接続し、左でゲーム、右でブラウジングなど、あえてマルチモニター的に使うことも可能だ

スーパーウルトラワイドで作業効率化! 仕事・クリエイティブ用途もチェック

 最初に述べたように、筆者は日常的にウルトラワイドモニターを使用しているのだが、その理由が「設置スペースを節約しながら、作業スペースを確保するため」だ。リモートワーク中心の筆者は、ワイドモニター1枚だと作業スペースが足りない一方で、デスク周りが狭くマルチモニター環境を構築する余裕があまりない。そこでウルトラワイドモニターを導入し、仕事もゲームもこれ1枚で完結させるようになった。

 スーパーウルトラワイドモニターの「GR4924COEL-BK」は設置スペースを節約しながら、WQHD解像度のワイドモニター2枚分に相当する広大な作業スペースを確保可能。加えて、QD-OLEDパネルの色域の広さも相まって、ゲームのみならず、仕事やクリエイティブ用途でも活躍する。

 今回、本稿の作業に「GR4924COEL-BK」を使用し、執筆や画像編集などにあたってみた。筆者は作業中に複数のウィンドウを行き来するのだが、「GR4924COEL-BK」は大小様々なウィンドウを重ねることなく同時に表示できるため、結果として作業効率が向上した。加えて、画面が適度に湾曲しているため、視線だけで画面を見渡すことができるのもポイントだ。

【筆者の仕事用途】
筆者の作業環境を再現した様子。複数のウィンドウを一度に表示でき、視線だけで画面を見渡せるため、快適に作業にあたることができた

 このほかにも広大な作業領域は表計算ソフトなどで活用できるほか、QD-OLEDの圧倒的な色域は画像・動画編集で活きてくる。ゲーム配信をする時は、プレイ画面とOBS Studio、コメント欄を一画面にまとめて表示することも可能だ。

 筆者が現在使用しているウルトラワイドモニターは購入から4年が経ち、ゲーミング性能で最新製品に見劣りする部分が出てきた。筆者にとって「GR4924COEL-BK」は最新のゲーミング性能を備えつつ、広大な作業スペースを確保でき、価格も抑えられた理想的な引っ越し先だ。

【作業・クリエイティブ用途】
Mac標準の表計算ソフト「Numbers」。拡大率100%で67行・AW列まで表示できる
映像編集ソフト「DaVinci Resolve」ではタイムラインを横いっぱいに表示させることができ、一覧性が非常に高い

「GR4924COEL-BK」でひと味違うスーパーウルトラワイドゲーミング体験を!

 ここまでGRAPHT「GR4924COEL-BK」の魅力をお伝えしてきた。本製品は、最新のQD-OLEDパネルを採用し、5,120×1,440ドット/240Hz、応答速度0.03msと申し分ないスペックを備え、ゲームにおいては最高の没入感をもたらしてくれるほか、仕事やクリエイティブワークまで幅広い用途で活躍するモニターだ。

 スーパーウルトラワイドゲーミングモニターは選択肢が少なく、特に2025年現在で最も高性能な“5,120×1,440ドット/240Hz”に対応したモデルは限られる。その中で「GR4924COEL-BK」は、189,970円と同ジャンルの中では価格を比較的抑えており、現在スーパーウルトラワイドや大型モニターを検討していて、価格がネックになっていた方は、本製品が新たな選択肢となってくれる。

 ぜひ「GR4924COEL-BK」で、これまでとはひと味もふた味も違うスーパーウルトラワイドゲーミングの世界を体験してみてほしい。