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松木安太郎さん「コレずっと冷たいね!」 「FIFA 19」のプロゲーマー3選手が、クールかつ熱いプレイを披露! 「THERMOS HOW TO ENJOY e-SPORTS」レポート
2019年6月13日 10:00
- 5月18日開催
- 会場:e-sports SQUARE AKIHABARA
魔法びんメーカーのサーモスは、サッカーゲーム「FIFA 19」を使用したeスポーツのエキシビションマッチ「THERMOS HOW TO ENJOY e-SPORTS」を5月18日に東京・秋葉原のe-sports SQUAREにて開催した。
本大会に出場したのは、Jリーグのガンバ大阪の推薦プレーヤーである青黒豆選手、同じく湘南ベルマーレ所属のBlues(ブルーズ)選手、鹿島アントラーズ推薦プレーヤーのファントム選手の3名で、いずれも「FIFA 19 グローバルシリーズ eJ.LEAGUE SAMSUNG SSD CUP」に出場したトッププレーヤー。1試合総当たりのリーグ戦方式で、FUT(FIFA ULTIMATE TEAM)モードの6分ハーフ、難易度はワールドクラスに設定したうえで行なわれ、2戦全勝のファントム選手が優勝となった。
大会の実況を務めたのは、数々のeスポーツ大会で精力的にMCをこなす岸大河氏。解説は、サッカーゲーム解説を得意とする羽染貴秀氏に加え、ゲストとしてテレビのサッカー中継でもおなじみの松木安太郎氏も登場し、当日の模様はYouTubeにて1日限定でLIVE配信された。
「真空断熱タンブラー」のニーズを、eスポーツ大会に見出したサーモスの狙い
そもそも本エキシビションマッチの主催社であるサーモスがeスポーツ大会を開こうと思ったのはなぜか? その答えは、同社が参加者たちにドリンクを提供する際に使用した、「真空断熱タンブラー」の存在に行き着く。「真空断熱タンブラー」は、中に入れた飲み物を長時間にわたって保冷し続ける保冷力と、いつ持っても手が濡れたり、滑ったりしない結露しにくい構造が大きな特長となっている。
この特長は、eスポーツの熱戦の合い間に、冷たいドリンクで水分を補給し、気分転換を図ったり集中力を高めたいという選手のニーズはもちろんのこと、観客のニーズにも合致しており、“タンブラーを通じたeスポーツ観戦の新たな楽しみ方の提案”という、サーモスならではの取り組みとなる。
筆者は、実況の岸大河氏にタンブラーの有用性についてお話を伺ってみたところ、「プレーヤー目線で言いますと、『FIFA』シリーズの場合は1試合で15~20分ですから、その合い間に水分補給ができますが、ゲームによっては1試合で1時間かかるようなものもあるんです。そうなると、試合中になかなか手を付けられませんので、1時間後には冷めたり、ぬるくなっているということもありますので、氷が溶けにくいとか、温かいものが冷めにくいというのは、私としてはうれしいですね」とのことだった。
また岸氏は、「動画を視聴しながらタンブラーを使うこともあると思いますが、ついつい見入っちゃって手が付けられないときにも、すごくいいのではないでしょうか。僕も、アイスコーヒーを自宅でよく飲みますが、タンブラーは重宝しています」とも説明してくれた。
同じく、解説の羽染貴秀氏もお話を聞いてみると、「『FIFA』シリーズの場合は1試合の時間は短いのですが、eスポーツの大会は1日の試合時間がものすごく長いので、途中で休憩したい時に冷たい水やドリンクが常に飲めるようになるのはうれしいですよね」と、選手目線でタンブラーの有用性を指摘した。プライベート時も、「『FIFA』シリーズはヨーロッパを中心にeスポーツの大会が行なわれていますので、日本では夜から始まる中継を日付が変わるまで、ドリンクをゆっくり飲みながらよく見たりするんですよ。ですから観戦する側としても、冷たいものがいつでも飲めるようになるのはありがたいなと思います」と語るなど、観戦時にも重宝するとのご見解だった。
さらに、本大会のゲスト解説として松木安太郎さんを招いたのは、単に知名度が高いだけでなく、その「熱さ」ゆえのことだろう。本大会中の松木さんは、普段のサッカー中継時と同様に「ナイスカバー!」、「◯◯選手、利いてるねえ!」などと元気よくしゃべり、試合の合間の水分補給時にコメントを求められると、「コレずっと冷たいね!」と「うまいねえ!」などとシャウトしており、その熱いキャラクターが、タンブラーの持つ保冷力をより際立たせる存在となっていたからだ。
J1クラブの看板を背負い、エキシビションマッチでも真剣勝負。すべての試合がロースコアの接戦に!
さて、主役である「FIFA 19」エキシビションマッチも、熱く、クールなものとなった。
本エキシビションに3人の「FIFA 19」プレーヤーは、名実共に国内トップ選手ばかりであり、お互いにライバル同士だ。
今年4月に開催された「FIFA 19 グローバルシリーズ eJ.LEAGUE SAMSUNG SSD CUP」では、青黒豆選手が決勝ラウンドでベスト8に進出し、ファントム選手はその青黒豆選手に負けベスト16で敗退。Blues選手は代表決定戦で敗れてたため、決勝ラウンドに出場することはできなかった。直近の成績だけで判断すれば、今回の優勝候補は青黒豆、ファントム、Blues選手の順になるだろうと思われた。
第1試合では、青黒豆選手とBlues選手が対戦。キックオフ前に、青黒豆選手が「ガンバ大阪の看板を背負っているので頑張りたい」とコメントすれば、Blues選手も「楽しんでプレイして、ベルマーレに勝利をもたらしたい」と応じ、ともにJ1所属クラブの代表であることを強く意識した発言が飛び出した。
試合はお互いに4-3-3から4-2-3-1にシフトするフォーメーションを選択すると、立ち上がりから細かいパスを敵陣バイタルエリアでつなぐ青黒豆選手のG大阪ペースとなり、スルーパスからペナルティエリア内に走り込んだアグエロのシュートが決まり、前半のうちにG大阪が先制した。
後半もアザール、サラーの両ウイングとアグエロを中心に、変幻自在のドリブルとパスを繰り出した青黒豆選手が主導権を渡さず、1-0のまま逃げ切った。エキシビションとはいえ、スポンサー企業がついた大きな大会に初めて出場したBlues選手は、緊張のためか本来の実力を発揮できなかったようで、試合後にコメントを求められると、「やりたいことが何もできなかった。悔しいです」と敗戦の弁を述べていた。
第2試合はBlues選手対ファントム選手、すなわち湘南VS鹿島の組み合わせ。「エキシビションマッチですが、自分の持っている技をすべて出し切り、鹿島らしく勝ちにこだわりたい」とコメントしたファントム選手は、キックオフ直後に意表を突いたミドルシュートを放ち、会場に詰め掛けたギャラリーをいきなり沸かせる。その後はボールを浮かして反転しながらキックする大技、エル・トルネードを織り交ぜたクロスや、ムバッペの華麗なドリブルで攻め込むファントム選手の攻撃を、Blues選手が水際で食い止めてカウンターを狙う構図となり、スコアレスのまま前半を終了した。
試合が動いたのは後半開始直後、エリア内で相手ボールホルダーを背後から倒した湘南のファン・ダイクのプレイがファウルの判定でPKとなり、これをC・ロナウドが決めて鹿島が先制する。その後も相手に反撃の隙を与えないファントム選手は、C・ロナウドのエル・トルネードからの鮮やかなミドルシュートを決め、さらにリードを広げる。終了間際には、Blues選手がお返しのミドルシュートを叩き込んで1点差に詰め寄った湘南だったが、このままタイムアップ。「2点目はずっと練習していた形だったので、決まってうれしかった」(ファントム選手)と話し、”魅せて勝つ”役者ぶりを発揮した鹿島が勝利した。
第3試合は、1勝同士の2人による事実上の優勝決定戦となった、ファントム選手と青黒豆選手による鹿島対ガンバ大阪戦。両者は本年度のeJ.LEAGUEのラウンド16でも対戦しており、その時は青黒豆選手が勝利していた。
「ぜひリベンジしたい。先制点が大事なポイントになる」とコメントしていたファントム選手は、立ち上がりから敵陣でパスを回しつつ、堅固なブロックを敷いて守るG大阪の隙を伺う展開に。青黒豆選手も負けじと時折カウンターを仕掛けるが、鹿島の中盤から自陣にかけての守備が非常に堅く、お互いに決定機がなかなか作れない。このまま前半が終わると思われたが、ピッチの中央でロングボールを受けた鹿島のC・ロナウドが、相手DFを巧みにかわしてボールをキープすると、空いたスペースに絶妙のスルーパスを放つ。これに走り込んだネイマールが、相手GKのニアサイドを鮮やかに破るシュートを決め、ハーフタイム直前に鹿島が先制した。
後半に入ると、「ビルドアップができないので」(青黒豆選手)と4から3バックに変更して反撃に出たG大阪だったが、逆にエル・トルネードからのクロスに飛び込んだ、鹿島のC・ロナウドにヘディングシュートを決められ、差を広げられてしまう苦しい展開に。その後はG大阪にも何度かシュートチャンスはあったものの、鹿島のGKデ・ヘアの好セーブもありゴールを奪えないまま、2-0でタイムアップ。直前の湘南戦と同様に、見事に有言実行を果たしたファントム選手の鹿島が、連勝で文句なしの優勝を決めた。
ファントム選手は、「この勝利は鹿島ファンと、自分が所属するeスポーツチームに捧げたい。相手の守備が堅くて、点を取るのがたいへんだったが、2点目を取れたのが大きかったです」と試合を振り返り、「今度は『FIFA20』の世界大会に向けて頑張ります」と、次回へ向けての抱負も語っていた。一方の青黒豆選手は、「先制されると苦しい。こちらは完全にフリーな状態でシュートが撃てなかったので、仕方ないですね」とコメントしていた。
今日のところは、世界レベルの大会でも実績十分で場慣れした青黒豆、ファントムの両選手と、不慣れなBlues選手との経験の差が大きく出てしまったというのが、現地で観戦していた筆者の率直な印象だ。Blues選手は、この悔しさを糧にして、次回以降の大会でさらなる成長した姿を見せていただきたい。また青黒豆、ファントム選手はパスやドリブルなどの攻撃だけではなく、相手のパスやドリブルの軌道などを先読みしてボールを奪ったり、決定機を未然に防ぐ守備のうまさもさすがだった。
「選手たちの織り成すドラマも知っていただければ、きっとeスポーツが面白くなる」岸大河、羽染貴秀両氏に聞く、eJ.LEAGUE観戦のコツと今後の展望
大会終了後、eJ.LEAGUEをはじめ、数々のeスポーツ大会において実況を務める岸大河氏、同じく解説の羽染貴秀氏に、本大会の印象をはじめ、eJ.LEAGUE観戦時のコツや、今後の展望などについてお話を伺ってみた。特に、今後eJ.LEAGUEを観戦するうえでのポイント、および両氏が実況・解説する際のこだわりについてのコメントは、ぜひ参考にしていただきたい。
岸大河氏
今回はエキシビションマッチということもあり、勝利にこだわりつつも、みなさんがそれぞれ持っている良さや持ち味を出して、見ている人が楽しめるプレイをしていましたよね。特にファントム選手は、「FIFA 19」でよく見られる得点パターンをいくつも見せたり、初めて見る人でもトリッキーな技を使っていることが伝わるようなテクニックを繰り出していました。彼はプレーヤーとしてすごく伸びていますし、今までの豊富なキャリアからゲームの楽しみ方をよくわかっているからこそ、今日のような試合ができたのだと思います。
松木安太郎さんとは、以前にも仕事でご一緒させていただいたことがあります。羽染さんはサッカーゲームの解説をする一方で、松木さんはサッカーらしい解説をすることによって、テレビの解説と同じ声がゲームの世界でも聞こえてくると、より没入感があると言いますか、一般の方でも入りやすくなるように思いますね。私や羽染さんは、もともとサッカーゲーマーあがりの人間なので、どうしてもサッカーゲームとして見てしまいますが、元選手・監督である松木さんの視点でゲームを見ると、「ああ、こういう視点もあるんだな」という新たな発見がありましたね。
「FIFA」シリーズのeスポーツ大会は、初心者にはちょっと難しいかもしれませんが、初心者から一歩進んだぐらいの、ゲームのシステムが何となくわかったぐらいのレベルの方々には、攻撃の面白さよりも守備の難しさに注目して見ていただけるといいと思います。選手のカーソルをどうやって切り替えているのか、どうやってパスをカットしているのかを見ていただければ、「あ、だからパスが通らないのか!」とか、新たな視点が見出せると思います。
上手なプレーヤー同士の試合になると、お互いの長所を消し合うのでミスだらけになるんですよ。でも、なぜミスが多くなるのかと言いますと、あらかじめ危険なパスコースを切ったりすることによって、パスの出しどころが全然なくなるからミスが生まれるんですね。ですから、「本当にうまいのかな?」と思ってしまうかもれませんが、実はよく見るとポジションを微調整していたりして、ディフェンスがものすごくうまいんです。そんな守備の場面にも注目して見ていただけるとうれしいですね。また、選手たちのプレーヤー歴もみんなある程度長くなっていますので、それぞれのプレイスタイルや推薦クラブなどから、見ている人が応援するようになるきっかけ作りができたらいいなと思いつつ、私は実況に注力しています。
10年ぐらい前から、何となくですが将来はeJ.LEAGUEのような大会が起こり得るということは想像していました。実際に始まってみると、改めて規模が大きいなあと感じますし、各チームのファンが、バーチャルの世界でも応援してくれているんだなというのも感じています。いずれは海外のように、eスポーツの選手を保有するクラブが、より広まっていくのかなと思います。Jリーグとつながることによって、例えばケガをしてしまった選手がセカンドキャリアとしてeスポーツの世界に行けるようになるかもしれませんし、もしかしたら監督・コーチにだってなれるかもしれません。逆に、ゲームからサッカーのコーチ、戦術アナリストがもし誕生すれば、何か新しいものが生み出されるかもしれませんよね。将来的には、そんな相互作用が生まれるのではないかと思っています
羽染貴秀氏
みなさんトッププレーヤーですので、どれも堅い試合でしたね。Bluesさんは、湘南に所属してからこのような試合にユニフォームを着て出場するのが初めてでしたので、慣れない環境で緊張があったのかもしれません。青黒豆選手は、縦パスがFWに入ってから周りの選手が動くことで攻撃の形を作り、ファントム選手は「フェイントをいろいろやりたい」と言って実際にやって見せながら、「FIFA 19」で強力なシュートを決めたりとか、それぞれの特長がよく出ていましたね。
eJ.LEAGUEなどのように、スポーツ競技団体がeスポーツを開催してくれることに関しては、もうまさにウェルカムです。私も普段、いろいろなスポーツ団体とかを回ったりしていますが、リアルスポーツをされている方はeスポーツも受け入れてくれているという印象を持っています。最初のうちは半信半疑な方もいるのですが、本気で取り組んでいるプレーヤーの姿を実際に見ると、「あ、これは本当にスポーツだ。心を動かしてくれるものなんだ」というのを、本気でスポーツをやっている方ほどよく理解していただけている気がしています。
私が「FIFA」シリーズの解説をする時には、難しいことはあまり言わないようにしています。「解説する時はアマチュア向けなのか、それともプロ向けにやっているのか?」という質問をよくされるのですが、私の場合は8割ぐらいはアマチュア寄りではないかと思っています。例えば、「C・ロナウドの利き足は右です」とか、もう少し深い話をする時でも「C・ロナウドのシュート力は99です」とか、サッカー自体を解説するようなつもりでしゃべっていて、あまり戦術がどうこうとい話はしないようにしています。
eスポーツをまだ見たことがないという方は、「FIFA」シリーズに関してはサッカーゲームですからわかりやすいですし、普通のサッカーあるいはスポーツを観戦するつもりで、気軽に見ていただければと思います。もしゲームに魅力を感じたら、今度は実際に遊んでより理解を深めていただき、さらに選手たちの織り成すドラマも知っていただければ、きっとeスポーツが面白くなると思いますよ。今日の大会に出場した選手たちも、またこれから何度も対戦してドラマを作っていくことになると思いますので、ぜひ選手間のドラマにも注目していただきたいですね。
なお、既報のように、サーモスでは、本エキシビションマッチの対戦風景とeスポーツの楽しみ方を伝えていく動画「松木安太郎公認 THERMOS HOW TO ENJOY e-SPORTS MOVIE」がスペシャルサイトにて公開されるほか、「真空断熱タンブラー」の体験スポットを6月13日より、東京、名古屋、大阪、福岡の4都市、5カ所に期間限定で順次オープンする。興味のある方は参加してみては如何だろうか。