【連載第271回】ゲームライフに役立つグッズをレポート


Xbox 360で使えるRazerのワイヤレスヘッドセット「Chimaera」や
3DS用のサウンドスタンドなど音にこだわるグッズを試してみた


 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。


 今回は3DS用のちょっと変わった特徴を持つグッズを2つと、ヘッドセット製品を2種類試してみた。3DS用のグッズでは、3DSの音をより大音量で楽しめるようになるスピーカー搭載のスタンド「サウンドスタンドD3」と、網目状のラバーをグリップに貼ったアタッチメント「ハンディグリップD3」を試してみた。

 ヘッドセット製品では、海外のゲーミンググッズメーカーRazerのXbox 360/Windows PCに使えるワイヤレスステレオヘッドセット「Chimaera Wireless Gaming Headset」と、8個のスピーカーを内蔵したバッファローコクヨサプライのサラウンドヘッドセット「両耳ヘッドバンド式ゲーミングヘッドセット 5.1chサラウンドモデル BSHSUH05BK」を使ってみた。

【今週のおしながき】
3DS リンクスプロダクツ「サウンドスタンドD3」
3DS リンクスプロダクツ「ハンディグリップD3」
Xbox 360 Razer「Chimaera Wireless Gaming Headset」
Windows PC バッファローコクヨサプライ「両耳ヘッドバンド式ゲーミングヘッドセット 5.1chサラウンドモデル BSHSUH05BK」

 




● 迫力の大音量でニンテンドー3DSをプレイするサウンドスタンド

「サウンドスタンドD3」

    メーカー:リンクスプロダクツ
    価格:オープンプライス(購入価格:2,940円)


3DSの下にあるのが「サウンドスタンドD3」大口径のステレオスピーカーを搭載している

 3DSのサウンドをもっと迫力ある大音量で楽しみたい、というグッズがこの「サウンドスタンドD3」。平たい板のような本体に2個のスピーカーがついていて、そこに3DSをセットしイヤフォン端子で繋いでプレイするというものだ。

 サイズは13.4×8.5×2cm(縦×横×厚み)、重量は約132g(乾電池無し)となっている。電源は3DS用のACアダプターを繋げられるようになっているほか、単4乾電池3本での使用もできる。乾電池動作時の連続駆動時間は約4時間となっている。

 本体天面の左右にスピーカーを2個搭載。中央には折りたたみ式のスタンドと角度調節のスリットがあり、スタンドを立てて折りたたみ、角度調節スリットに差し込んで三角形のように組み立てる。ヒンジ部には収納式の音声接続プラグがあるのでそれを引き出し、3DSをセットすれば装着完了だ。

 ヒンジの側面には左に押しボタン式の電源スイッチとLEDが、右はボリュームコントローラーがある。ボリュームコントローラーは奥側に回せば音量アップ、手前に回すと音量ダウンとなる。


薄く平べったい板状になっている。写真左下のようについたてを立てヒンジを回転させるとスタンドになる。3DS付属のACアダプターを使うか、単4乾電池3本を底面の電池ボックスに入れて動作させる

スタンドを立てた状態で手に持ってプレイ。スタンドの角度は3段階に調節できる
スタンドを立てずに重ねて持ってプレイ。適度な厚みが加わるので案外持ちやすく、プレイしやすい

 早速、実際に使ってみた。まずセッティングだが、特異な外見からも、最初は組み立て方に少し悩むかもしれない。折りたたみスタンドで三角形を作るようにして、ヒンジの中央だけ回転させるのがポイント。1度組み立てられれば完全に理解できる。

 ついたては手前、中央、奥と3カ所のスリットに差し込んで角度を調節できる。ゲームをプレイする時はこのスタンドに3DSを装着したまま3DSだけを持ってプレイするのだが、テーブル等の置く場所の高さに応じて角度を調節できるのは嬉しい。

 もうひとつ持ち方として、ついたてを収納してスタンドと3DSを重ね、スタンドごと3DSを持つということもできる。形もそれに合わせて、3DSとスタンドがキレイに重なるようにできている。3DSの厚みに加えてスタンドの厚みも加わることになるが、手の大きい人なら適度な厚みが加わってむしろ持ちやすく感じるところがある。重さに関してはさすがにスタンド分が増すだけに気になるが、厚みによって持ちやすくなったホールド感とで相殺という印象だ。

 電源を入れると青色のLEDがヒンジの左右で点灯し、右側のボリュームコントローラーで音量調節ができるようになる。3DS本体のボリュームとスタンドのボリュームの2段階で調節していく。3DS本体の音量を最大にし、スタンド側も上げていくと、音量のゲインは3DS単体の1.5~2倍ぐらいに大きくなった。

 スピーカーの位置は3DSの背面側になるわけだが、スタンドを置き3DSをついたてに立てている状態なら上方向に音が出るので、音が邪魔されているようなところは感じさせない。ついたてをたたんでスタンドごと3DSを持っている状態だとスピーカーと3DSが密着した状態になるが、こちらも横から音が出て行っているのか、それほど聞こえ方に変化は感じなかった。

 音質については、3DS本体のスピーカーと比べて中域の音がよく聞こえるようになり、より細かな音が聞こえるようになる。低音はほとんど強調されず少しヌケたような乾いた音だ。ただ気になったのは高音で、ノイズと音割れが非常に目立つところがあった。音量を絞ってもこの高音部のノイズと音割れは消えず、ゲーム中のBGM次第では相当に気になってしまう。また、3DS本体側スピーカーに搭載されている疑似サラウンド機能の効果もなくなるため、全体に寂しい聞こえ方になってしまうところも辛いところだ。疑似サラウンド機能はまだしも、音がポイントの製品だけに高音部の音質については残念だ。


ヒンジ部分には電源ボタンや回転式のボリュームコントローラーを搭載している

 スタンドとして置いて使うにしても、スタンドごと3DSを持つにしても扱いやすいのだが、音質についてはもう一歩がんばって欲しかったというのが正直なところ。イヤフォン端子からの出力とスピーカーによって中域の音がよく聞こえるようになるところは非常に魅力的なのだが、高音のノイズと音割れは厳しい。それに伴い、あまり音量を上げることも躊躇するところがあった。




● グリップに網目状のラバーを貼った3DS用グリップアタッチメント

「ハンディグリップD3」

    メーカー:リンクスプロダクツ
    価格:オープンプライス(購入価格:880円)
    カラーバリエーション:ブルー、ブラック


独特な形をした3DS用のグリップアタッチメント。3DSの下側にパーツが集中している

 3DSに装着してグリップ力を高め、ホールド感を良くするグリップアタッチメント。グリップ部分に網目状のラバーが貼られていて、滑り止め効果を高めているのが特徴だ。

 3DSの下半分側にグリップの膨らみが集中していて、左右の側面が丸く膨らみ、下半分は丸くくぼんでいるという独特のデザインが印象的。サイズは約10.6×17.2×約3.3cm(縦×横×厚さ)、重量は76g。

 アタッチメントは素材がABSで手触りもそのプラスチック感のある感触をしているが、グリップの背面には網目状のラバーが貼られている。このラバーは少し指が吸い付くようなラバー質の強い感触になっていて、滑り止め効果が高い。

 3DSを装着すると下半分がアタッチメントの装着部分に埋まるようになっていて、ボリュームスイッチの手前ぐらいまでがアタッチメントに覆われる。そのため、SDカードスロットだけはアタッチメントを着けていると触れなくなるが、手前側にある電源やバッテリー残量を示すLEDは隙間から覗けるようになっている。

 また、アタッチメントの背面には収納式のついたてスタンドを搭載。ついたては立てたあと下にスライドできるようになっていて、スタンドの角度を2段階に調節できる。


正面は平らだが、背面は網目状のラバーを貼ったグリップが膨らんでいる。背面の中央には収納式の簡易スタンドを備えていて、下の写真のようにスタンドをスライドさせて角度の調節も可能だ
3DSの底面がアタッチメントのくぼみに埋まる形になるが、写真のようにボリュームスイッチや無線LANのスイッチは触れるようになっている

手に持った時のバランスはかなり独特。下半分にグリップがあるので全体を下側で持って支えるような重心になる

 実際に装着してゲームをプレイしてみると、その下半分にグリップの膨らみが集中した独特な作りから、手に持った時のホールド感や重心も少し独特なところがあった。

 グリップがアタッチメント全体の下側に位置しているため、それを握った手も全体の下側を持つようになる。そのため、上側に3DSの重量を強く感じるという重心になり、手の付け根側で全体の重量を支えるようになってしまう。重量を感じさせる重心バランスと感じた。

 また、グリップの位置からボタンやスライドパッドに指を添えると、どうにも上側がスカスカとしてしまい、全体を支えづらいところもあった。グリップに貼られた網目状のラバーのおかげでグリップ力や滑りにくさはとても良いのだが、そのグリップ自体が手の平の手首側(下側)に位置しているため下側に力が入りがちで、ボタン操作をする指先側は動かしづらくなってしまった。それをカバーするために持つところを全体に上側にすると、グリップの膨らみが手の平に合わなくなってしまい、どうにもしっくりこないところがある。


網目のラバーが貼られたグリップは滑り止め効果が良くてうまい作りなのだが、下側にグリップが集中しているのでホールド感はちょっと厳しいものがあった

 網目状のラバーをグリップに貼った工夫は相当に滑り止め効果が高くて良かったのだが、いかんせん下方向に位置しすぎているグリップのため、全体の重心バランスが崩れ、手にしっくりこないという結果になってしまった。




● Xbox 360やWindows PCで使えるワイヤレスステレオヘッドセット

「Chimaera Wireless Gaming Headset」

    メーカー:Razer
    販売:MSY
    価格:13,800円

    [ヘッドフォン部]
    ・無線周波数帯:2.4Ghz
    ・無線範囲:約10m
    ・周波数応答:20 - 20,000 Hz
    ・インピーダンス:32O at 1kHz
    ・感度:(@1kHz, 1V/Pa): 105dB +/- 2dB
    ・ドライバ:50mm ネオジウムマグネット
    ・バッテリー:単4型充電池×2(最大駆動時間約12時間)
    ・充電時間:約3時間

    [マイク部]
    ・周波数応答:130 - 10,000 Hz
    ・感度:(@1kHz, 1V/Pa): -42 ± 2dB
    ・S/N比:>55 dB
    ・ピックアップパターン:単方向性



ワイヤレスのステレオヘッドフォンタイプ兼ヘッドセットと、充電ができるスタンドのセットになっている

 コアゲーマーに向けたゲーミンググッズを販売する海外メーカー「Razer」のワイヤレスゲーミングヘッドセットだ。2.4Ghzワイヤレスのヘッドセット一体型ステレオヘッドフォンで、Xbox 360やPCに使用できる。

 スタンドになる「チャージングドック」と「ヘッドセット」のセットで、このほかにRCAケーブル(赤と白のプラグのケーブル)、ACアダプター、Xbox 360コントローラーと接続するためのマイク用ケーブル、ヘッドセットに使う単4型の充電池2本が付属している。充電池はヘッドフォンの右側カバー内の電池ボックスに収納。チャージングドックにセットすれば約3時間で充電され、使用時には最大約12時間動作する。

 ヘッドセットにはアームタイプの可動式マイクやマイクミュートボタン、電源ボタン、ヘッドフォンのボリュームボタンとマイク音量のボリュームボタン、チャージングドックとのシンクボタンを搭載。Xbox 360でヘッドセットを使用する場合は、付属の2.5mm端子マイク用ケーブルでヘッドフォン部側面にある端子とXbox 360コントローラーのボイスコミュニケーター端子とを繋いで出力する。

 ヘッドフォン部は「サーカムオーラル型50mmドライバユニット」を搭載し、耳をすっぽりと包み込んで長時間のプレイでも負担のない、人間工学に基づいた設計がなされている。バンド部のアジャスターは8段階に伸縮する。

 チャージングドックは土台部分にまっすぐ上へスタンドが伸びているという「逆Tの字」の作り。スタンドの頂点部に充電用の接点があり、ここにヘッドセットを乗せると充電が行なわれる。縦長のスタンド部前面には電源や充電状態を示すLEDを搭載。土台の背面には電源ボタン、シンクボタン、3.5mmヘッドフォンジャック、3.5mmマイクジャックを搭載しており、ヘッドフォンジャックにRCAケーブルからの音声出力を繋げて使用する。

 なお、3.5mmマイクジャックはXbox 360での使用時には使わず、PCでの利用時に別途用意したケーブルでチャージングドックと繋ぐ時に使用する。


ヘッドセットには可動式アームマイク、アジャスター、スピーカーとマイクのボリュームコントロール、電源やミュートボタンを備えている。写真下のように、電池ボックスに付属の充電池を入れて使用。RCAケーブルはテレビとゲーム機の間に挟んで繋げられるようになっている
チャージングスタンドはボタンやコネクタ類を全て背面に備えて外観をすっきりとさせている。使用時には背面の電源ボタンを押してスタンバイからオン状態にする操作が必要だ

Xbox 360でマイク機能を使う場合、写真のように2.5mm端子マイク用ケーブルでヘッドセットとコントローラーを接続する

 実際にXbox 360でのゲームプレイに使ってみた。まずはセッティングだが、接続には付属のRCAケーブル(赤と白のプラグのケーブル)を使う。このケーブルはプラグの後端にメスのコネクタも付いているというもので、テレビの接続端子とXbox 360のケーブルコネクタとの間に接続。Xbox 360からの音をヘッドセットに音を出しつつテレビ側にもスループットするというわけだ。

 そのRCAケーブルをスタンドに接続し、ヘッドフォンに2.4Ghzの無線周波数で音声がワイヤレス出力される。マイク機能はXbox 360で使う場合、ヘッドフォンとコントローラーを2.5mm端子マイク用ケーブルで繋いで使用。ここだけは手元のコントローラーと有線接続することになる。2.5mm端子マイク用ケーブルは約1mと適度な長さがあり、コネクタもコントローラー側はL字、ヘッドフォン側はストレートになっていて扱いやすい。これでセッティングは完了。初回のみ、スタンドとヘッドフォン両者のシンクボタンを押してペアリングを行なう必要がある。

 使用時は、スタンドの背面にある電源ボタンでスタンドをスタンバイ状態からオンにし、ヘッドフォン側の電源を入れると音を受信し始める。このスタンド背面のボタンで電源をオンにする操作が必要なのは、少し煩わしく感じられるところだろうか。

 頭に装着すると、頭側のクッションや柔らかなイヤーカップがしっくりと頭を押さえてくれる。イヤーカップは大きくて耳を完全にすっぽりと覆い、耳に余計な刺激を与えない。ヘッドフォンの重量は約364g(充電池含む)と少々重いが、フィット感の良さが重量感を軽減してくれているという印象だ。ただ、締め付けが結構強めなので、フィット感こそは高いものの長時間つけていると疲れるところは若干あるかもしれない。

 マイクのためにコントローラーとはケーブルで繋がっているものの、ヘッドフォン側の出力はワイヤレスなのでケーブルの煩わしさはかなり軽減されている。ヘッドセットを使わない時なら、完全なワイヤレスヘッドフォンとしても重宝する。

 ヘッドフォンの外側には電源ボタン、マイクのミュートボタン、ヘッドフォンのミュートボタン、シンクボタンが配置されている。左耳側の上のボタンがマイクのミュート、右側の上のボタンがヘッドフォンのミュートになっているのだが、マイクアームのある左側にマイクミュートボタンもあるので理解しやすくなっている。

 ヘッドフォン左右の側面には左側にマイクのボリュームボタン、右にはヘッドフォンのボリュームボタンがある。どちらもボリュームコントロールの段階が非常に広くて、細かく調節できる。

 ヘッドフォンの音質は、低音が良く響き、ダイナミックな迫力ある音。音の分離も良くメリハリが強めで、まさにゲーム向けのチューニングと感じる。ノイズ感や歪みもなく、軸のしっかりとした高級感のある音になっている。細かい音もかなり良く拾うので、FPS/TPSのシュータータイトルのプレイに大きなプラスになってくれる。

可動式のアームマイクは、ちょっと音質に残念なところを感じた

 ヘッドセットのマイクは可動式アームになっていて、ヘッドフォン左の側面から口元へ降ろせるようになっている。少し固めだが、マイクを内側や外側に曲げることもできるほか、ヒンジも固めのしっかりとした作りでマイクの角度をシームレスに固定できる。ボイス音声もゲーム音と一緒にヘッドフォンから出力されるが、音質が明確に分けられていて音が混じることがなく、しっかりと聞き分けられる。非常に聞き取りやすい。

 一方で、マイクで拾う自分の声の音質はに少し残念なところを感じた。くぐもっていてノイズ感が強く、明瞭ではない。ヘッドセット製品としてはこのマイクの音質は物足りないという印象だ。声が小さい人だとこの音質では相手には伝わりづらい。もちろん実用レベルだが、マイクの音質にはもう少しこだわって欲しかったところ。マイク自体の集音性は良く、ボリュームコントロールもすぐにでるきなど扱いやすさは良いだけに、残念なところだ。

 このほか特徴としては、RCAケーブルを接続の間にはさんで音を入力しているという作りなので、テレビとヘッドフォンの両方に音が出力されるところ。ヘッドフォンだけでいい場合、テレビ側は消音しておくことになる。

 2.1chのステレオヘッドフォン+ヘッドセットで、Xbox 360での使用も考慮されたゲーミング製品。RCAケーブルを使った接続なので、汎用性が高いのがポイント。音質は非常によく、ゲームをより没頭して楽しむのに向いた音だ。ワイヤレスの恩恵も大きい。一方でヘッドフォンの音質の良さと比較すると、マイクの音質がだいぶ低く感じられたのは残念なところで、ヘッドセットとしての性能を重視する人にとっては物足りなさがあるだろう。ゲームに適したワイヤレスヘッドフォンとしての質感や音質は非常にいいだけに惜しい製品だ。




● 8つのスピーカーを搭載して5.1chサラウンドシステムを採用したゲーミングヘッドセット

「両耳ヘッドバンド式ゲーミングヘッドセット 5.1chサラウンドモデル BSHSUH05BK」

    メーカー:バッファローコクヨサプライ
    価格:8,000円

    ■ヘッドフォン部
    ドライバーユニット【フロント/センター/リア/サブウーファー】
     30mm/30mm/30mm/40mm
    周波数帯域【フロント/センター/リア/サブウーファー】
     20Hz~20kHz/20Hz~20kHz/20Hz~20kHz/20Hz~1kHz
    感度【フロント/センター/リア/サブウーファー】
     118±3dB/117±3dB/118±3dB/117±3dB
    インピーダンス【フロント/センター/リア/サブウーファー】
     32Ω/64Ω/32Ω/32Ω
    標準入力【フロント/センター/リア/サブウーファー】
     30mW/30mW/30mW/200mW
    最大出力【フロント/センター/リア/サブウーファー】
     50mW/50mW/50mW/100mW

    ■マイクロフォン部
    指向性なし
    ドライバーユニットφ6.0×2.7mm
    周波数帯域100Hz~10kHz
    感度-54dB±3dB
    インピーダンス2.2kΩ



左右4つずつ、計8つのスピーカーを搭載し5.1chサラウンドシステムを採用したゲーミングヘッドセット。接続はUSBでケーブル途中にはリモートコントローラーも備えている

 左右4つずつ、計8つのスピーカーを搭載し、5.1chサラウンドシステムを採用したゲーミングヘッドセットだ。有線で接続端子はUSB。手元で操作できるリモートコントローラーや、可動式のアームマイクを備えている。対応する機器はPC/Macで、Windowsで対応するOSはWindows 7(32bit/64bit)/Vista(32bit/64bit)/XP(32bit)となる。プレイステーション 3でも使用できるが、ヘッドセットの機能のみになり、ヘッドフォンとしては使えない。

 ヘッドフォンの内部にはセンタースピーカー、フロントスピーカー、リヤスピーカー、サブウーファーを左右それぞれに内蔵。ヘッドフォンでのサラウンド出力を物理的に実現している。EAX1.0/2.0やA3D1.0、Direct Soundに対応したPCゲームに向けて作られている。

 ヘッドフォンのバンドやイヤーパッドには厚手のソフトレザーを使用。半密閉タイプのヘッドフォンで、外の音も適度に聞こえるところが特徴だ。左右のアジャスターは伸縮の段階が細かく、最大で4cm伸ばせる。ヘッドフォンの重量は約373gと多少重め。

 接続用のUSBケーブルは約2.1mあって、ヘッドフォンから50cmぐらいのケーブル途中にリモートコントローラーを備えている。リモートコントローラーには、ボリュームコントロールと電源状態を示すLED、マイクミュートとスピーカーミュートのボタンがあり、手元でコントロール可能だ。

 ヘッドフォンの左側には可動式のアームマイクがあり、垂直の状態から140度ぐらいの下向きにまで回転できる。10度ずつぐらいの角度ごとに、段階的に固定できるようになっていて、アームも内側外側に曲げられる。

 専用ドライバーには「Xear 3D Soundドライバー」が付属。音声入力を2ch、4ch、6ch(5.1ch)、8chに切り替え、出力をヘッドフォン(2ch)、2スピーカー、4スピーカー、6スピーカーに切り替えたり、DSPモードでのバーチャルスピーカー機能により、スピーカーの設置距離をバーチャルに再現しコントロールできる。この他ミキサー機能や音場の切り替え、イコライザー機能、マイクのエコー機能やキーピッチ変更機能などを備えている。


バンド部分のアジャスターとケーブル途中にあるリモートコントローラー。アジャスターは細かく調節でき作りもしっかりとしている。リモートコントローラーではボリューム調節やミュート操作が手元ですぐに行なえるようになっている
付属の専用ドライバー「Xear 3D Soundドライバー」のスクリーンショット。入力・出力のチャンネル数設定やDSPモードでのバーチャルスピーカー機能、ミキサー機能、豊富なイコライザーや音場の切り替え、マイクのエコー機能やキーピッチ変更機能がある

バンド部分やイヤーカップには柔らかなソフトレザーを使用していて肌触りが良い。イヤーカップも大きくて耳をすっぽりと包み込んでくれる。またこのヘッドフォンは半密閉タイプで、周囲の音も装着したままで聞こえるようになっている

 実際に使ってみた。まずはWindows PC(Windows 7 64bit)にて、FPSタイトルのプレイや映画の視聴などを試してみた。

 まずはセッティングだが、USBケーブルを繋げ、自動的にドライバーがインストールされたあと、付属のCD-ROMで「Xear 3D Soundドライバー」をインストールするだけでいい。ただ、接続するUSBポートはUSBハブを介さないほうがいいようで、USBハブ経由で繋げたところ音にノイズが出る事があった。電源の容量にも多少余裕があったほうがいいようだ。

 ヘッドフォンの締め付けは適度で、バンド部分やイヤーカップに使われているソフトレザーの肌触りの良さが良く、フィット感がいい。イヤーカップも大きくて、耳を完全に包み込んでくれて耳に嫌な刺激を与えない。有線タイプのヘッドフォンとして考えると多少重さはあるが、長時間つけていても疲れにくかった。

 機能のコントロールは全て「Xear 3D Soundドライバー」で行なう。この「Xear 3D Soundドライバー」はなかなかに機能が豊富で、入力ソースと出力のチャンネル数切り替えはもちろん、DSPモードでのバーチャルスピーカー機能でスピーカーの配置距離変更を擬似的に再現する機能もある。一般的なAV機器のサラウンドヘッドフォンとは違って入力と出力の切り替えを手動で行なうのは慣れるまでは多少煩わしさがあるものの、自分で好きなようにコントロールできる良さがある。

 ゲームプレイ中に嬉しい特徴として、ケーブル途中にある“リモートコントローラー”と、半密閉タイプなので“周囲の音が聞こえやすい”というところがある。リモートコントローラーがあるので、ゲームプレイ中にマウスをゲームウィンドウから外さずに調節できるのが嬉しい。半密閉タイプで周囲の音がけっこう聞こえるので、携帯電話の着信やインターホンの音などが聞こえるのも嬉しい。ただしそのぶん音漏れもけっこうあるので、その点は一長一短だ。

 音質はサブウーファーを物理的に持っていることもあって、低音がデフォルトでかなり強めになっている。迫力はあるが、そのぶん音がこもり気味に聞こえるところがあり、乾いたガサガサ感のある音と感じた。音楽試聴用にと考えると、もう少し艶のある伸びやかさが欲しかったところだ。

 サラウンド感はさすが物理的に左右8個のスピーカーを内蔵しているだけに、方向別に音が耳元の違う位置からしっかりと聞こえてくる。バーチャルサラウンドタイプの物と違って、別方向の音が混じらないのがならではだ。ただし、さすがに前後のセンターやリヤの音ははっきりと前や後ろというより、耳元の前側、後側ぐらいの聞こえ方にはなる。

可動式アームマイクは写真のように垂直からかなり下側まで可動する
PS3にもヘッドセットとしての機能は使えるのだが、どうにもマイクからの音声が正常ではなくボイスチェンジしたような声になってしまっていた

 FPSタイトルのプレイでは、この音を方向別に聞き分けられるというのがかなりの強みになる。足音や銃声の方向を認識するのに、バーチャルヘッドフォンでのプレイよりも一段はっきりとした違いを感じ取れた。さすがに前述のように後ろ方向の音は若干はっきりしないところはあるものの、後方からの音の聞こえ方には特徴があるので、このヘッドフォンでの聞こえ方に慣れてくると認識できるようになってくる。スピーカーによる完全なサラウンド環境そのものとはいかないが、これは大きなプラスになる。

 マイクは指向性はないものの音を良く拾ってくれる。ノイズ感もなく音質はクリアで良い。ただ、ベースのマイク音量が小さく、マイク音量を「Xear 3D Soundドライバー」側で最大にしてもまだ小さめ。いわゆるマイクブーストのような機能もないので、小声で使うにはちょっと厳しいものがある。USBヘッドセットなのでマイクアンプのような機器を挟むのも難しいところはネックかもしれない。

 最後にPS3で使ってみた。PS3に接続すると「USB Sound Device」という汎用的なマイク機器のデバイス名で認識され、そのまま入力・出力の機器に設定すればヘッドセットとして利用可能だ。だが、マイクの音声は標準状態でボイスチェンジャーがかかったような声になってしまうところがあった。ヘッドフォンとしても機能せず、あくまでヘッドセットとしてのみ使うことになり、ゲーム音はスピーカーからヘッドフォン越しに聞く事になってしまうため、実用は厳しいという印象だ。

 ヘッドフォンの中に8個のスピーカーを内蔵して物理的なサラウンドを実現したゲーミングヘッドセット。サラウンド効果はスピーカーによるサラウンド環境ともまた異なるものの、耳元ながら物理的に異なる位置から聞こえてくるのはやはり大きなメリット。ヘッドフォンの音質に少し物足りないところは感じたものの、マイクの質もそこそこに良く、安定して扱っていける良さを感じた。ゲーミングヘッドセットの入門に良さそうな製品だ。






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(2011年 10月7日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]