使って試してみました! ゲームグッズ研究所

あの頃が蘇る!ミニハードに最適なHDMIセレクターや、Nintendo Switch用「ファミコンコントローラー」を試してみた

連載第395回

 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。

 往年のゲームハードのミニサイズ版という流れもすっかり定着して、様々なハードが販売されてきたのだが、それらを買っていると地味に悩ましくなってくるのがHDMIポートが足りなくなってくることだろう。となればHDMIセレクターを買おうということになってくるのだが、そこで登場したのが、今回試してみた「CYBER・レトロデザインHDMIセレクター 3in1」だ。

 また、Nintendo Switchの「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」をプレイするのに最適な、「ファミリーコンピュータ コントローラー」も試してみた。どちらも、あの頃のスタイルを再現して楽しめるアイテムなので、当時を知る人はぜひチェック頂きたい。

細かなディテールもしっかり再現された、ミニシリーズと組み合わせるのに最適なHDMIセレクター

メーカー:サイバーガジェット
実売価格:オープンプライス(実売価格:4,082円)
発売日:12月01日

 「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を購入された人は1度は、「こういうアイテムも出たら嬉しいよね」と思ったのではないだろうか。外観はまさに、昭和世代のゲームファンなら誰もが知る懐かしの「ディスクシステム」風のデザインだ。

 ちなみにパッケージも銀色っぽいグレーをベースに印象的なイエローを配色していて、懐かしいパッケージを思い出させるものになっている。

 見た目だけのアイテムでなくHDMIセレクターの機能を備えていて、ゲームハードを繋げるのにぴったり。実用性もしっかりあるのが嬉しいところだ。

 HDMIタイプAの入力が3系統、映像出力が1系統あり、3台までのHDMI機器を切替え可能。電源を入れた機器に入力が自動で切り替わる機能も備えている。また、本体のセレクトボタンで手動切替えも可能だし、付属のカードリモコンでの切替えも可能だ。

 なお、セレクター自体は電力供給は必要はないが、カードリモコンにはボタン電池が使われている。

 なお、HDMIのバージョンは1.4なので、解像度は1080pまでに対応し、HDRは非対応となる。最新の映像機器用のセレクターとしては物足りないのだが、「ニンテンドークラシックミニ」シリーズなどのミニハード系を繋ぐのならば十分というところだ。もちろん、ミニハード系以外のHDMI映像機器を繋げても良い。

パッと見はまさにあの頃のレトロデザイン。リモコン受光部周りの文字やロゴなどはオリジナルなものになっているが、位置や白文字の感じは雰囲気ばっちりだ

 やはりポイントはその外観なわけだが、再現度はかなり高めだ。

 本体のサイズは、約95.5×160×45mm(横×奥行き×高さ)とミニサイズ。写真のとおり、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を上に乗せるのにぴったりの大きさだ。重量は約150gと軽量。

 本体デザインは、印象的なえんじ色の基本色に角に丸みがありつつも角張った印象のフォルム。側面にあるの位置も精巧に再現されている。

 ちなみに本体の天面には、見た目を再現しているだけではあるが、乾電池を入れられそうなボックスのフタのような感じを思わせる形になっていて芸が細かい。なお、セレクター本体は前述の通り電力不要で動作する。

 前面の黒い部分にはスロットがあるが、こちらも見た目を形状で再現しているもので、フタが可動したりはしない。その下にはワンポイントに黄色いパーツが使われているボタンがあるが、こちらはこのセレクターでは「セレクトボタン」というHDMI入力の切替えをするボタンになっている。

 前面右にはHDMI機器の切替えをするリモコンの受光部があり、白い文字でリモコンをこの受光部に向けて使うように注意書きが記されている。また、左下にも製品ロゴがそれらしい形であしらってあり、レトロなデザインを上手くアレンジして、それらしさを高めている。

黄色いセレクトボタンで入力機器を切替えられる。正面のディテールの細かさもさることながら、側面のモールドや天面の形状なども細かく作られている。背面には出力1/入力3のHDMI端子を備えている
付属のカード型リモコンでも入力の切替えが可能だ

 実際に各ミニハードを繋げて使ってみた。

 やはり相性がいいというか、しっくり来るのは「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」との組み合わせで、上に乗せてみるとまさに「こういうアイテムも発売されたら面白いのになぁ」と思っていたそのもの。サイズ感や色味にも違和感はなくてしっくりくる。

 ただ、このセレクターはあくまで本体部分のみになっていて、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」に乗せたくなる黒いものがないのが残念。これが例えば、上に乗せる黒いものを飾りパーツとして付属していたり、カードリモコンの見た目も黄色のディスク風だったりしたら、より購買力の高まる製品になっていたかもしれない。

「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」を乗せれば、まさにあの頃のスタイルそのもの。ミニサイズ感もちょうどいい

 セレクターとしての使い勝手には、特になにも問題は見られず良好だ。背面は上に出力1、その下に入力3があるので、HDMIケーブル4本が密集することにはなるが、本体サイズからするとコンパクトかつ扱いやすいレイアウトにまとまっている。

 ちなみに、このセレクター自体にはHDMIケーブルは付属していないので、実際に複数のミニハードを繋げて使いたいというときには、追加でもう1本、テレビとセレクター間を繋げるためのHDMIケーブルが必要になるので、HDMIケーブルが余っていないという人は、そちらも忘れずにご用意頂きたい。

大きさ比較用にディスクシステム用ソフトを並べてみた。当然ながら、セレクターにはディスクは入らない。じっと見ていると、大きさの感覚がおかしくなってくる写真だ
あまりこういうスタイルで置いていた人はいなかったと思うが、「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」を乗せるとこんな感じになる
「プレイステーション クラシック」を乗せてみた
「プレイステーション クラシック」は形状的には横向きの方が安定するだろうか
もはやなんだかよくわからない組み合わせだが、「NEOGEO mini」を乗せるとこんな感じになる
ミニハード系アイテムと共に並べてみると、なんとも賑やか。このコンセプトでいろいろなデザインのものが今後も登場して欲しいところだ

 懐かしいデザインが魅力のセレクターだが、細部のディテールの細かさや、ちょうどいいサイズ感が良くできている。「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」をより見た目で楽しめるようになる。それでいて、HDMIセレクターとしての実用性もあるので、特にミニハード系アイテムを複数買っていてHDMIポートが足りなくなってきている人にはピッタリのアイテムだろう。

ファミコンタイトルをプレイするのに最適!こだわり再現の「ファミリーコンピュータ コントローラー」

メーカー:任天堂
実売価格:6,458円

 こちらはファミリーコンピュータ用コントローラーを再現した、Nintendo Switchで実際に使用できるコントローラー。Nintendo Switchの有料サービス「Nintendo Switch Online」加入者だけが、ニンテンソーストアにて購入可能で、ファミコンソフトがプレイできる「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」を初めとした、往年のタイトルをプレイするのに最適なコントローラーとなっている。

 コントローラーの外観はまさにファミコンのコントローラーそのもの。ケーブルがないのと、Joy-Conと同じスライドレールがくっついているが、それ以外はファミコンコントローラーそのものだ。

 特徴的なえんじ色の筐体に、ヘアライン加工の施されているゴールドプレート、さらに十字ボタンやA/Bボタンの高さや押下の感触、スタート/セレクトボタンのゴムの質感までも、しっかり再現されている。

Joy-Conと同じレールスライドがついていて、その中にL/Rボタンが搭載されているが、それ以外は外観はまさにファミコンのコントローラーそのものだ

 ユニークなのはIIコントローラーのマイク機能。こちらは見た目だけではなく、ちゃんと機能も搭載されている。マイクボリュームのスライダーも使えるし、実際にマイクに喋りかけるとファミコン実機同様にテレビからマイク音声が出力されるようになっている。

 マイク機能はもちろんゲームにもちゃんと利用可能で、例えば「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」で、「ゼルダの伝説」に登場するポルスボイスをマイク音声で倒したり、「熱血高校ドッジボール部」のメニュー画面でうさぎ飛びをしているくにお君に声をかけて、こっちを向かせたりできる。

IIコンのマイクもしっかり搭載! ファミコンと同じようにちゃんと使用可能で、「熱血高校ドッジボール部」でくにお君にこっちを向かせたりなど、マイクを使った裏技なども再現できる

 充電はJoy-Con同様にNintendo Switch本体の左右に装着することで行なえる。着脱もJoy-Con同様で手軽だ。ただし、Joy-Con充電スタンドのような充電グッズを使っている場合、このコントローラーはスライドレールよりもコントローラーの幅が大きくて、しっかりと装着できない場合がある。あくまでNintendo Switch本体で充電するのが基本的な使い方となる。

Nintendo Switch本体に装着して充電するのだが、Joy-Conと比較すると幅が広く、充電スタンドのような製品ではちゃんと差し込めず充電できないこともある

 実際にゲームプレイに使って試してみた。やはりこのコントローラーでプレイするのなら、ファミコンソフトがプレイできる「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」が最適で、ファミコンそのままの操作感でプレイすると、より記憶が蘇ってくるものがある。

 Lボタンがキャプチャーボタンに、RボタンがHOMEボタンの機能になっているほか、ゲームプレイ中はL/R同時押しで中断メニューを呼び出せるので、プレイの面でも不便を感じない作りだ。

 また、このコントローラーを登録したNintendo Switchだと、「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」のメニューの色がよりファミコンのえんじ色を再現したカラーに変化。操作ガイドも専用のものが用意されているなど、特別感のある演出も施されているのが嬉しい。

 このコントローラーをNintendo Switch本体に接続した携帯モードでは、左側のコントローラーは十字ボタンがそのままJoy-Conの方向ボタン操作に割り当てられ、Aボタンはキャプチャーボタンになる。右側のIIコントローラーは、A/BボタンはそのままA/Bボタン操作のままで、十字ボタンはどの方向に入力してもHOMEボタンの操作になる。携帯モードでもクラシックなタイトルであればプレイ可能な割り当てとなっている。

 もちろん、「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」以外のゲームでも、十字ボタンとA/BボタンL/Rボタン程度のボタン数で問題ないタイトルであればプレイは可能だ。ハムスターの「アーケードアーカイブス」シリーズの中でもシンプルな操作のものなどは、これでプレイしてみるというのもいいかもしれない。

Nintendo Switchのコントローラー認識アイコンもしっかりファミコンコントローラーに。また、「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」ではメニューの色もファミコン風に変化する

 ファミコンのコントローラーそのままなNintendo Switch用コントローラーだが、基本的な再現度の高さはもとより、マイク機能までしっかりと搭載して「ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online」の収録タイトルで対応していたり、専用のメニューデザインを用意していたりと、こだわりの感じられる作りとなっていた。コントローラーの手触りから、ファミコンをプレイしていた記憶が蘇るところもあり、往年のタイトルを遊ぶなら最も最適なコントローラーと言える。