使って試してみました! ゲームグッズ研究所

連載第396回

手元でバッチリ縦画面! Nintendo Switch用の縦画面アタッチメント「Flip Grip」を試してみた

 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。

 Nintendo Switchでアーケード移植タイトルなどをプレイしているときに、「もっと快適に縦画面で遊べたらいいのになぁ……」と思ったことがある人は意外と多いはず。そんな希望を叶えてくれるのが、今回試してみた「Flip Grip」だ。実際に使って試してみたので、その使用感をお伝えしていこう。

【今週のおしながき】

携帯モードでも縦画面を大きく表示! アーケード移植タイトルのプレイに最適なアタッチメントが国内上陸!

メーカー:Fangamer
実売価格:2,000円

 「Flip Grip」は元々、クラウドファンディングのKickstarterで資金を募り制作されたグッズだ。プロジェクトは早々に目標額を達成し、昨年11月にバッカーに出荷されたのだが、その評判も良く、購入方法の拡大を求める声が多く寄せられていた。そして、2019年2月1日からゲーム関連アイテムの通販サイト「Fangamer Japan」にて国内向けにも販売が開始されたというわけだ。

 そんな「Flip Grip」は、作りとしては非常にシンプル。アタッチメントに縦向きにしたNintendo Switch本体を差込み、両サイドにJoy-Conを装着して使用するというものだ。

 アタッチメント本体は、サイズが11×10.2×1.8mm(横×縦×厚み)、プラスチック系の素材でできているので重量も約50gと軽量だ。

Nintendo Switchの携帯モードを縦画面でプレイ可能にするアタッチメント「Flip Grip」
「Flip Grip」の製品自体はシンプルなもので、中央のアタッチメントが本体になる。ステッカーや使用方法が書かれたカードが付属

 Nintendo Switch本体を差し込む収納部には柔らかなフェルトが4箇所貼られていて、Nintendo Switch本体に傷がつかないよう配慮されている。ちなみにNintendo Switch本体を収納する向きは底面側を左にした方向に決まっていて、収納部の角の丸い形状で向きを判別できるようになっている。

 また、プレイ中にNintendo Switch本体の排気熱が篭もらないよう、収納部の左右には背面へと細長いスリットが開けられている。

 背面には、オレンジ色のラバー素材の突起がついたつまみがあり、このつまみを持ち上げることで、Nintendo Switch本体を固定しているラバーの突起を外せるようになっている。

収納部にはフェルト素材が4箇所貼られているほか、本体の固定にオレンジ色のラバーパーツも使わっている。左右には排熱用のスリットがあるが、ここにカードを差すと簡易の縦画面スタンドにも使用できる

 実際にゲームプレイに使って試してみた。まずは装着だが、こちらは非常に簡単。Joy-Conを外したNintendo Switch本体をアタッチメントに差込み、その後に両サイドにJoy-Conを装着するだけ。Nintendo Switch本体背面のおよそ6割ぐらいにアタッチメントが被さるようになる。

 アタッチメントに差し込むときにはそれほど硬さもなくスムーズに装着できるが、装着後に逆さにしてもNintendo Switch本体が落ちないぐらいにしっかりと固定される、それでいて、手で引き抜こうとすると比較的すんなりと取り外せるので、ほどよい硬さで扱いやすい作りだ。

 両サイドのJoy-Conの着脱は、Nintendo Switch本体へ取り外しするときに近い感触を実現しており、装着時にはしっかりとカチッと音がなって固定されるし、引き抜く時もスムーズだ。

 装着した状態で手に持ってみると、画面を縦向きにして持っているぶん重心が高くなっているので、普通に横向きでNintendo Switchを持っている時よりも少し重さを感じやすくなるところが独特。ただ、Joy-Conでしっかりとホールドすれば持ちにくいと感じるようなことはなく、良好だ。

Nintendo Switch本体を差込み、Joy-Con左右を装着すれば準備完了。手軽に扱える

 ゲームは主に「SEGA AGES ゲイングランド」、「ナムコミュージアム」、「斑鳩」などをプレイを試してみたのだが、いずれも「Flip Grip」の良さを実感できた。

 通常はNintendo Switchの横画面の中心部にゲームの縦画面が表示されるので、携帯モードで遊ぶときにはゲーム画面がだいぶ小さくなってしまうのだが、「Flip Grip」で縦向きにすれば画面いっぱいに表示できる。

 この“手元で縦いっぱいの画面表示”のインパクトはかなりのもので、大きく表示していることで迫力が増し、細部の表示もよりくっきり楽しめる。なにより画面枠に対して縦に表示されているのは、横画面の中に縦表示が納まっているのとは感覚的にも違ったものがあり、より自然なアーケード感覚で楽しめる気がしてくるという、体験的な違いも感じられた。

「SEGA AGES ゲイングランド」を縦画面表示でプレイ
「ナムコミュージアム」にも縦画面表示で遊ぶとよりらしさの高まるタイトルがたくさん
「斑鳩」を縦画面表示で。この他にもNintendo Switch用タイトルには縦画面に対応しているものは多い

 一方で、「もう一歩ここが良くなったらいいな」と感じたのは、「Flip Grip」を装着しているとUSB-Cポート、音量アップダウンのボタン、電源ボタンがアタッチメントで塞がってしまって触れなくなるところだ。

 充電しながらプレイはできない点については、「Flip Grip」を使ってプレイするタイトルは基本的に縦画面表示があるアーケード移植タイトルが主になってくるので、それほど気にならないかもしれない。どちらかというとより実用面で気になるのは、音量アップダウンのボタンが触れないところだろうか。構造上仕方ないのだが、Joy-Conとアタッチメントの間に指1本分の隙間をつけて触れるようにするなど、何かしらの方法でクリアされていたら、より扱いやすかったかもしれない。

Nintendo Switch本体の約60%ほどがアタッチメントで覆われるので、USB-Cポート、音量アップダウンのボタン、電源ボタンは装着したままだと触れない

 クラウドファンディング生まれのNintendo Switch縦画面アタッチメント「Flip Grip」を使ってみたが、縦画面表示モードのあるゲームをプレイしたことのある人なら誰もが1度は思ったことのあるスタイルを、シンプルな作りで叶えてくれている良質なグッズだ。国内でも購入しやすくなったので、ぜひチェックしてみてもらいたい。