「エレメントハンター」 |
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[ おもちゃソムリエ ] | |
世間ではすっかり衣替えを終えた今日この頃、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池や電源で駆動する玩具のご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。それでは皆様、しばしの間、心を童心に帰してお付き合いください。 |
■ 消えた元素を探し出せ! 「エレバイル」で君もエレメントハンター!
NHKのアニメ番組と言えば、ストーリーに社会道徳や史学、科学知識などの知育要素が散りばめられているもの。現在放映中のアニメ「エレメントハンター」は、化学式に用いられる“元素記号”がキーワードになったユニークな番組です。2029年、突如として地球上から消失した元素たち。それらは次元の壁の向こうにあるネガアースで「QEX」と呼ばれるモンスターへと変容していた……。本作で描かれるのは、モンスターを倒して元素(エレメント)を取り戻そうと奮闘する少年少女たちの物語なのです。
ストーリーだけを説明するととても子供向けのアニメとは思えないSFチックな内容ですが、なかなか好評を博しています。今回ご紹介する関連商品「エレバイル」も人気で、ソムリエもちびっ子たちに交ざってさっそくゲット。アニメ作品をモチーフにした最新エレトイの魅力について、さっそくチェックしていきましょう。
■ ケミカルチェンジ! まずは「エレバイル」の遊び方をチェック!
本製品「エレバイル」は、劇中で主人公たちがモンスターに変容した元素を回収したり、自らモンスターを生成したりするための「元素回収ガジェット」を再現したエレトイとなっております。カラーはREDとBLUEの2色があり、REDは主人公チーム、BLUEはライバルチームという位置づけです。本体にはタッチパネル式のLSIゲームが内蔵されており、登場する敵モンスターを倒してすべての元素を回収するミニゲームが楽しめます。
ミニゲームでは、モンスターが敵として登場するほか、主人公たちが召喚して味方として戦わせることもできます。ここで注目したいのは、モンスターはいずれも元素記号をモチーフに生み出されるということ。元素は鍵のような「プレパラート」と呼ばれるアイテムに封印されており、これを劇中と同じように「エレバイル」に差し込んで、味方モンスターを召喚できるのです。さらに、複数のプレパラートを差し込んで化学反応させれば、次々と強力なモンスターを生み出せるという仕掛け。プレパラートを「エレバイル」に差し込むアクションの爽快さに加えて、化学結合式に基づいてモンスターを自由に生み出すパズル的なおもしろさが味わえます。
本製品は単四電池2本で稼働します。フタの開閉にはプラスドライバーが必要なので、事前に準備しておきましょう | サイズ的には10年前の携帯電話といったところ。非常に軽量な作りなので、長時間持っていても疲れません | 「RED」には、C(炭素)、O(酸素)、トライの3つのプレパラートが付属。対する「BLUE」には、H(水素)、N(窒素)、トライが付属しています |
■ 「エレバイル」を使ってモンスターを生成してみましょう!
それでは実際に、「エレバイル」にプレパラートを差し込んでモンスターを生成してみましょう。モンスターは、C(炭素)やH(水素)といった元素をモチーフにしたもののほかに、それらの化学結合によって初めて生み出されるものも存在します。ソムリエにとって遙か昔のことなのでうろ覚えですが、C(炭素)とFe(鉄)を結合させれば、FeC(炭素鋼)になるはず。さっそく「エレバイル」にCとFeのプレパラートを1回ずつ差し込んでみると、FeCをモチーフにした「ハガネ」というモンスターが誕生しました! さらに、N(窒素)を1回、H(水素)を3回差し込んでみると、NH3(アンモニア)になり「シビトリュウ」というモンスターが現われました。
このようにいろいろなプレパラートを差し込んでいくうちに、自然と化学反応式を覚えられるようになっております。本製品はキャラクタートイでありながら知育玩具的な要素も兼ね備えているのです。
まずは「エレバイル」にプレパラートを差し込んで(リロード)、元素を送り込んでみましょう | プレパラートに書かれている元素に応じたモンスターが「エレバイル」の画面に出現。これはO(酸素)のモンスターです | 複数のプレパラートを順番にリロードすると、その組み合わせによって強力なモンスターが現われます |
■ 遊び方を広げる「プレパラートセット」を使ってみる!
「エレバイル」本体に付属しているプレパラートはCとOの2種類だけ。これだと、CO2(二酸化炭素)のモンスター「ゲッコウワシ」しか作ることができません。そこで登場するのが、別売の「プレパラートセット」です。
セットには現在A、B、C、Dの4種類が存在し、それぞれ火と生命、水と幻、土と金属、気体と電気のプレパラートが封入されています。ソムリエが入手した「プレパラートセットB」には、At(アスタチン)やZn(亜鉛)をはじめとする5種類が、「プレパラートセットC」にはAu(金)やZr(ジルコニウム)などの5種類が入っており、これらを組み合わせることで生成可能なモンスターの種類もグンと増えます。「エレバイル」で遊ぶなら、ぜひ「プレパラートセット」を一緒に購入するのがオススメ。いろいろな元素を手に入れて、多様な化学結合式を試すことで俄然おもしろさが増します。
下が元素情報が書き込まれたデータキー。上が属性パーツで、開いている窓の位置によりデータキーの性質が変わります | データキーには4種類のエレメントが封じられており、属性パーツとデータキーの組み合わせでも、呼び出せるモンスターが変化します | 付属の「QEXカード」で、生成可能なモンスターを研究することができます。表記されている元素を「エレバイル」でリロードしてみましょう! |
■ 化学結合式を理解したら、バトルモードにチャレンジ!
プレパラートを使ってモンスターを生み出すやり方を理解したところで、「エレバイル」に内蔵されたミニゲーム「バトルモード」で遊んでみましょう。ここでは「エレミクスアクション」と呼ばれるタッチパネル操作によって、出現した敵モンスターをプレーヤー自身で攻撃したり、味方モンスターを応援したりして戦っていきます。また、バトルの途中には「リロードタイム」と表示されるときがあり、ここですばやくプレパラートを「エレバイル」に差し込めば味方モンスターを召喚できます。
敵味方のモンスターには相性が存在し、お互いの属性を見極めてどんなモンスターを召喚するかが勝利のポイントになります。強力なモンスターほど複雑な化学結合式が必要になるため、限られたリロードタイムを有効に使うことも重要です。たとえば、H2Oで生成できる「ミズノカミ」を召喚するなら、最初のリロードタイムでひとまずHを2回差し込んでおき、次のリロードタイムでOを1回差し込むこと……というやり方を利用すると便利。このようにプレパラートの差し込み方にも工夫がなされているため、飽きずに遊ぶことができます。
■ 楽しく化学結合! 改めて元素記号に親しんでみませんか?
「エレバイル」にプレパラートを差込み、化学反応を起こしてモンスターを召還するという、アニメさながらのアクションを楽しめる本製品。多様なモンスターを自分の仲間にしながら戦いを進めるというゲームジャンルは数あるものの、我々の身近にある元素をモンスターに例えた世界観は実におもしろく作られています。
また、アニメ本編と同じように、ガジェットにキーを差し込んでモンスターを召還、という流れを忠実に再現できる「エレバイル」も、非常に優秀な商品企画と言えるでしょう。ボタンを押すだけの携帯ゲーム機と違って「複数のキーを連続して差し込む」というアクションは、実に心躍るものです。アニメ本編を視聴されている方ならばマストバイ、化学が趣味の方にもオススメできる商品といえます。「エレバイル」が複数台あれば、通信対戦やモンスターの育成も楽しめますので、自慢のモンスター同士を戦わせるのも楽しいですね。
【テイスティング】 | |
■ 熱中度:☆☆☆ 劇中で主人公たちが行なうプレパラートリロードを、忠実に再現したアクションが楽しめます ■化学度:☆☆☆☆ ■操作性:☆☆ |
(C)Elementhunters Production Committee
□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「エレメントハンター」のページ
http://elementhunters.com/
□「エレメントハンター」のトイ関連ページ
http://elementhunters.com/project/toy/
□「エレメントハンター エレバイル」の攻略サイト
http://www.b-boys.jp/elementhunters/
(2009年 11月 9日)