「チョロQハイブリッド」 |
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[ おもちゃソムリエ ] | |
木枯らし吹きすさぶ季節の到来を肌で感じる頃、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動する玩具のご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。それでは皆様、しばしの間、心を童心に帰してお付き合いください。 |
■ 手のひらサイズのレーサー魂!進化形チョロQが疾走する!
1980年に登場し、ライトホビーの代表格として歴史を重ねてきた「チョロQ」。当初はロールバック式ゼンマイを動力にしたシンプルなおもちゃでしたが、1990年代初頭からレース用にチューンされたハイテクゼンマイを搭載したタイプも登場。とりわけ「パーフェクトチョロQ」はカートリッジでギアを交換できるというマニアックな進化を遂げました。
そんなチョロQシリーズですが、今年の2月に旧来のシリーズにひとまず終止符を打ち、今年10月から新シリーズが立ち上がることに。今回ご紹介する「チョロQハイブリッド」は、往年のロールバック方式ゼンマイ搭載型に加え、リモートコントロールで操作できるモータータイプがラインナップ。ゼンマイタイプもリモコンタイプも共通のシャーシサイズとなっており、2タイプの間で自由にボディを付け替えできるところがハイブリッドの由来となっている。今回は、モーターを搭載したエレトイであるリモコンタイプに注目してレビューをお届けしましょう。
■ 「チョロQハイブリッド リモコンタイプ」の中身を徹底チェック!
まずは恒例の内容物の確認です。今回手に入れた製品は「チョロQハイブリッド リモコンタイプ HONDA INSIGHT」。パッケージには、クルマ本体と専用リモコン、片輪走行用オプションパーツが同梱されています。クルマ本体は充電式のリチウム電池で動作しますが、リモコンには単四電池が4本必要です。事前にコントローラーの電池ケースを開けるためのプラスドライバーを用意しておきましょう。
クルマに内蔵されたリチウム電池は購入した時点では未充電の状態。充電はクルマをリモコンに接続して行ないます。フル充電までにかかる時間は5分ほどで、充電後はおよそ5分間の走行が楽しめます。最大駆動時間が5分というのは短いような気もしますが、手軽かつ短時間で充電が済むので遊び足りないという印象はありません。
■ ナリは小さいがレスポンスは良好! チョロQを自由自在に操る爽快感!
充電が終わったところで、さっそくクルマを走らせてみます。リモコンタイプのクルマの走行速度は時速10kmと、人が歩くスピードのおよそ2倍程度に過ぎず、ゼンマイタイプに比べるとかなりノロノロとした印象を受けます。机の上で遊ぶにはちょうどいいスピードだけどなんだか拍子抜け……というのがソムリエの第一印象です。
しかし、そんな印象を吹き飛ばしてくれるのが、リモコンに搭載されている「ダッシュボタン」。このボタンを押すや否や猛烈な勢いでクルマが加速します。最高速度は通常走行のおよそ3倍ほどでしょうか。このダッシュこそがリモコンタイプの真骨頂で、猛烈な加速の爽快感は1度味わうとヤミツキになることを請け合いです。
ただ、ダッシュはその速さゆえに、下手にステアリングを操作するとクルマが横転することもしばしば。また、発進時にステアリングを切ったままダッシュすると、その場でスピンして前進できません。要は使いどころということで、狭いスペースで遊ぶときは通常走行で、広いスペースならダッシュと使い分けると小気味よくクルマを操作できます。
■ 「チョロQ ミニサーキット」で家庭内レースを楽しもう!
机や床で気ままにクルマを走らせるのも楽しいですが、サーキットで最高の走りにチャレンジするのもまたロマン。そこで、ぜひセットでの購入をオススメしたいのが、別売の「チョロQ ミニサーキット」です。この製品は「チョロQハイブリッド」専用のサーキットで、コースとガイドピンが同梱されています。ガイドピンはゼンマイタイプとリモコンタイプのどちらにも装着でき、これによりコース上をスムーズにクルマが走ります。
また、ガイドピンにはリモコンタイプ専用のドリフトガイドピンも用意されています。こちらをリモコンタイプのクルマに装着して、コーナーにさしかかったところでダッシュボタンを押すとドリフト走行が楽しめるという寸法です。ただし、スピードを出し過ぎるとスピンしたりコースアウトしたりするため、キレのいいドリフトを決めるにはアクセルコントロールが不可欠。うまい具合にドリフトしてコーナーを曲がりきったときのおもしろさは格別で、ついつい理想のドリフトを決めるために長時間遊んでしまいました。
■ 手軽さはそのままに、チョロQ新時代はここから始まる!
赤外線コントロールカータイプのチョロQは、これまでも2001年発売の「MICRO IR デジQ」シリーズや2006年発売の「Qステア」シリーズがありましたが、従来の製品はコーナーリングの安定性が今ひとつで、自由自在にクルマを操作することが難しかったと記憶しています。しかし、この「チョロQハイブリッド リモコンタイプ」は従来とは比較にならない安定性のおかげで、誰もがイメージどおりの走りを楽しめます。実際、遊んだあとの満足度はほかの赤外線コントロールカーにまったく引けを取らず、2,000円前後の価格でここまで高い次元の走りが楽しめるとはまさに驚きです。
幼少時、月刊コロコロコミック(小学館)に連載されていた「ゼロヨンQ太」で、自由自在に愛車のマグナム号を操るQ太の姿に心をときめかせた世代には、チョロQを自在に操る興奮を実体験できる、またとない機会だと思います。私も、さっそく2台目を買って熱いレースを楽しんでみる所存です。
【テイスティング】 | |
■ お手軽さ:☆☆☆☆ ハイブリッドというたいそうな名前が付いていても、そこはチョロQ。誰にでも手軽に扱うことが可能です ■熱中度:☆☆☆☆ ■先進性:☆☆☆ |
(C) TOMY
□タカラトミーのホームページ
http://www.takaratomy.co.jp/
□「チョロQハイブリッド」のページ
http://www.takaratomy.co.jp/products/choroq/
(2009年 11月 21日)