「仮面ライダーW 変身ベルト DXダブルドライバー」

  • ジャンル:キャラクタートイ
  • 発売元:株式会社バンダイ
  • 価格:6,825円
  • 対象年齢:3歳以上
  • 発売日:発売中(2009年9月5日)

[ おもちゃソムリエ ]
田渕健康[Kenkou Tabuchi]

 世間ではハロウィン一色の今日この頃、ご機嫌いかがでしょうか。私、エレトイ──電池、電源を用いて駆動する玩具のご紹介をさせていただく、おもちゃソムリエの田渕健康と申します。ここでは、今が旬の逸品や、世に埋もれている通好みの快作、そしてイベントレポートなどをお届けし、皆様とエレトイの距離をお近づけするお手伝いをさせていただきます。それでは皆様、しばしの間、心を童心に帰してお付き合いください。



■ 話題の新番組「仮面ライダーW」より、待望の変身ベルトが登場!

 平成ライダー10周年作品「仮面ライダーディケイド」の後番組として、この秋スタートした「仮面ライダーW」。物語の舞台は、つねに風が吹いているという架空の町・風都。この町で私立探偵を営む左翔太郎と自分自身に関する記憶だけを失った青年フィリップが、数々の難事件に立ち向かう、探偵モノのテイストを持った作品です。数あるシリーズの中でも本作のおもしろいところが、風都を守る戦士「仮面ライダーW」に変身するのは、翔太郎とフィリップのふたりという点。そう、今回の仮面ライダーは“ふたりでひとり”のライダーに変身するのです。今回紹介する「DXダブルドライバー」も、“ふたりでひとり”を活かしたギミックが盛り込まれています。それでは、新ライダーのフラグシップアイテムをじっくりテイスティングしていきましょう。




■ まずは製品内容をチェックしていきましょう!

 製品内容はバックル、ベルト、ガイアメモリが4つ、サイドホルダー式のマキシマムスロット、そしてベルト止めが入っています。ガイアメモリは劇中に登場する重要アイテム。まるでUSBメモリのような外見をしていますが、なんと地球の記憶を込められた記録端末となっているのです。「仮面ライダーW」はこのガイアメモリの力で変身し、敵対するモンスター「ドーパント」も同じくガイアメモリを力の源としています。本製品に同梱されている4つのガイアメモリは、運動能力を高める「ジョーカー」、風の記憶を封じた「サイクロン」、熱の記憶を封じた「ヒート」、肉体や武器形状を変化させる「幻想の記憶」を封じた「ルナメモリ」となっています。特徴の異なるガイアメモリをバックルに差し込み、それによるリアクションの違いを楽しむのが「DXダブルドライバー」の最大のおもしろさというわけです。


ガイアメモリが4本も同梱されており、お得感が漂うセット内容。ベルト部分の長さや材質は、歴代平成ライダーのベルトとほぼ同じですバックルとベルトを接続した際、左ベルトは取り外すのに少々力がいるため、「遊んだあとはすぐに箱に収納したい!」という方は少々難ありですベルト本体は電源を内蔵していないため非常に軽め。スロット部分を左右に展開させるときもほとんど力を必要としません



■ これはアイデア賞もの! ベルトに電源がありません!

 従来の変身ベルトは基本的にバックルの部分に電池をセットする必要がありましたが、「DXダブルドライバー」は装着するガイアメモリに電池をセットします。さらに、LEDやスピーカーもすべてガイアメモリに内蔵され、ギミックを発動させるときも電源はガイアメモリから供給される仕組みです。ガイアメモリのボタンを押すだけでもLEDが発光し、「サイクロン!」や「ルゥナ!」といった立木文彦さんの渋いボイスが流れます。ガイアメモリ単品でもアクションを楽しめるというのは、新しい試みだと言えるでしょう。


ガイアメモリはボタン電池3つで駆動します。あらかじめ商品に装着されているので、絶縁シートを抜くだけですぐに遊べます一見USBメモリに見えますが、パソコンのUSBポートに指すことはできません。内蔵されている小型スピーカーは、なかなかクリアな音声を発します端子部にはLED発光ダイオートが仕込まれており、バックルに差し込むとカラフルに発光します



■ お前の罪を数えろ! ガイアメモリ、装着!

 さあ、いよいよバックルのメモリスロットにガイアメモリを装着し、実際に変身してみましょう。「仮面ライダーW」はガイアメモリの組み合わせにより、全部で9つのフォームを変身できます。本製品に同梱されている4つのガイアメモリだけでも、「サイクロンジョーカー」、「ヒートジョーカー」、「ルナジョーカー」といった、3つのフォームを再現することが可能です。まずはジョーカーメモリを左スロットに差し込み、右スロットにサイクロンメモリ、ヒートメモリ、ルナメモリの3つと差し替えてみましょう。残りのメタルメモリとトリガーメモリは、それぞれ関連商品の「メタルシャフト」と「トリガーマグナム」に付属しています。買い揃えることで、さらに遊びの幅を広げることが可能です。

 左右ふたつのスロットが閉じた状態でふたつのガイアメモリを差し込むと、「キュイーンキューイン」と雰囲気抜群の変身待機音が鳴り響きます。気分が高まったところでスロットを左右に開くと、バックル正面の受光部が光り輝き、「サイクロン! ジョーカー!」といったフォーム名がコールされ、変身効果音が流れます。メモリを選んで差し込む→変身待機音を楽しむ→スロットを開く→変身音を楽しむという一連の流れによって、なりきり度をいっそう高めてくれます。

ジョーカーメモリを左スロットに差し込んだまま、右スロットを3つのガイアメモリに差し替えて遊べます。変身前はスロットが閉じた状態ですが、ガイアメモリを差し込んだあと、左右のスロットを展開することで変身音が鳴り響きます。バックルのスクリーン部分には、2つのガイアメモリの発光がミックスされて映ります。もちろん、フォームによって色は違います。
サイドホルダーに装着する「マキシマムスロット」は、ガイアメモリを装着することで「必殺技」を再現できるギミックがあります必殺技「マキシマムドライブ」は、装填するガイアメモリによって技が変化。ジョーカーとサイクロンの組み合わせで「ジョーカーエクストリーム 」が発動劇中ではジョーカー、メタル、トリガーメモリしか装着しませんが、「DXダブルドライバー」ではほかのメモリでオリジナルの効果音が出せます



■ 数々の新ギミックを搭載した本作、そのお買い得度は?

 原作の世界観も個性的で、キャラクタートイにもそのエッセンスが盛り込まれている「仮面ライダーW」。目玉商品である本製品は、これまでの変身ベルトとは一線を画す素晴らしい完成度を有しています。特にガイアメモリの組み合わせによって音と光が変化するというアイデアが秀逸で、シチュエーションを想定して組み合わせを考える楽しさは格別です。欲をいえば、実際にUSBメモリとして機能するガイアメモリがほしいところですが、別のアイテムとして登場を期待しましょう。

【テイスティング】
■ 再現度:☆☆☆☆
バックル部のギミック、スピーカーから流れるボイスなど、劇中の雰囲気をハイクオリティに再現しています

 

■革新性:☆☆☆☆
従来のライダーベルトと違い、端末部に電源を内蔵するというアイデアは見事

■収納性:☆☆
ベルトの部分の取り外しが困難になり、箱に収納しづらくなってしまったのが残念

(C)2009 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

(2009年 10月 26日)

[Reported by 田渕健康(トリスター)]