■ 2009年7月第3週分 ■


 この連載は、ニンテンドーDSi、PSP、PS3、Xbox 360、Wiiと家庭用ハードではもはや当たり前となった感もある「ダウンロード販売」によるソフトウェアやコンテンツ(以下、DLC)の最新情報を1週間単位でレポート。また、様々なタイトルのレビューも掲載していく予定だ。ダウンロード開始間近なタイトルやリリースが決定したタイトル、そして過去のタイトルまでフォローするので、DLタイトルをチェックするのに役立てれば幸いだ。


■ 7月1日(水)~7月31日(金)ダウンロード販売開始予定一覧 ■



プラット
フォーム
タイトルメーカージャンル価格その他
7月1日

DSiウェア
パズルいろいろ 月刊クロスワードハウス Vol.2任天堂パズル500
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
まほうじんとイメージけいさんアイイーインスティテュートさんすうトレーニング200
DSiポイント
オリジナル

PSP
流行り神 PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル日本一ソフトウェアアドベンチャー2,200
UMDDL

XBLA
THE KING OF FIGHTERS '98 ULTIMATE MATCHSNKプレイモア2D対戦格闘800
マイクロソフトポイント
移植[AC]

XBLA
Worms 2 : ArmageddonSNKプレイモア戦略 & シミュレーション800
マイクロソフトポイント
移植[PC]
7月2日

PSP
ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」 ダウンロード版ソニー・コンピュータエンタテインメントなつやすみアドベンチャー3,800
オリジナル
7月7日

VC
スーパーパンチアウト!!任天堂スポーツ800
Wiiポイント
移植[SFC]

VC
スカイキッドバンダイナムコゲームスシューティング800
Wiiポイント
移植[AC]
7月8日

DSiウェア
エレクトロプランクトン トレーピー任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ハネンボン任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ナノカープ任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ツリガネムシ任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

PS3/PSP
ファイナルファンタジーIIスクウェア・エニックスRPG600
移植[PS]

PS3/PSP
でろーんでろでろテクモパズル600
移植[PS]

PS3/PSP
ガイアシードハムスターシューティング600
移植[PS]

Xbox360
バトルフィールド1943エレクトロニック・アーツFPS1,200
マイクロソフトポイント
オリジナル
7月9日

PS3
バトルフィールド1943エレクトロニック・アーツFPS1,500
オリジナル
7月14日

Wiiウェア
ケンテイ!TV Wii廣済堂クイズゲーム1,000
Wiiポイント
オリジナル

Wiiウェア
ひらめきカードバトル メクルカトムクリエイト神経衰弱風カードバトル1,000
Wiiポイント
オリジナル

Wiiウェア
メビウス・ドライブジョルダンレースゲーム800
Wiiポイント
オリジナル

Wiiウェア
らくらく禁煙アプリWii 禁煙科の医者が教える7日でやめる方法シルバースタージャパン禁煙管理サポート1,000
Wiiポイント
オリジナル

Wiiウェア
フィッシュアイズ チャレンジマーベラスエンターテイメントネイチャー&フィッシング500
Wiiポイント
オリジナル

VC
SHINOBI 忍セガアクション800
Wiiポイント
移植[AC]

VC
バーニングフォースバンダイナムコゲームスシューティング800
Wiiポイント
移植[AC]
7月15日

DSiウェア
ゲーム&ウオッチ ボール任天堂アクション200
DSiポイント
移植[GW]

DSiウェア
ゲーム&ウオッチ フラッグマン任天堂アクション200
DSiポイント
移植[GW]

DSiウェア
ゲーム&ウオッチ バーミン任天堂アクション200
DSiポイント
移植[GW]

DSiウェア
ゲーム&ウオッチ ジャッジ任天堂アクション200
DSiポイント
移植[GW]

PSP
ジャンヌ・ダルクソニー・コンピュータエンタテインメントシミュレーションRPG2,200
UMDDL

PSP
ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険ソニー・コンピュータエンタテインメントアニメチックロマンチックRPG2,200
UMDDL

PSP
REZEL CROSSソニー・コンピュータエンタテインメントRPG3,800
UMDDL

PSP
ブレイドダンサー 千年の約束ソニー・コンピュータエンタテインメントRPG3,800
UMDDL
7月16日

PSP
流行り神2 PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル日本一ソフトウェアアドベンチャー2,200
UMDDL

PSP
みんなで読書 ケータイ小説ですぅ~ドラス読書1,500
UMDDL

PSP
みんなで読書 名作&推理&怪談&文学ドラス読書1,500
UMDDL
7月21日

Wiiウェア
FFIV ジ・アフターイヤーズ -月の帰還-スクウェア・エニックスRPG(本編)800
Wiiポイント
(追加シナリオ)300~800
Wiiポイント
移植[携帯]
7月22日

DSiウェア
エレクトロプランクトン レックレック任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル

DSiウェア
エレクトロプランクトン ヒカリノワ任天堂メディアアート200
DSiポイント
オリジナル
7月29日

DSiウェア
ゲーム&ウオッチ ヘルメット任天堂アクション200
DSiポイント
移植[GW]

DSiウェア
ゲーム&ウオッチ シェフ任天堂アクション200
DSiポイント
移植[GW]
7月予定

VC
ファイナルファンタジーIIIスクウェア・エニックスロールプレイング500
Wiiポイント
移植[FC]

 ※表中の「VC」はバーチャルコンソール、「GA」はゲームアーカイブス、「XBLA」はXbox LIVE アーケード、「FC」はファミコン、「SFC」はスーパーファミコン、「MS」はマスターシステム、「MD」はメガドライブ、「PCE」はPCエンジン、「AC」はアーケード、「UMDDL」は「UMD ダウンロード」、「GW」は「ゲーム&ウオッチ」を指します。
 この表は毎週、配信タイトルを追加し、月単位で更新していきます。配信タイトルは当日まで配信が明らかにならないこともあるため、過去に遡って更新することもあります。



他の「ファイナルファンタジー」シリーズとは異なる成長システムが採用されている「ファイナルファンタジーII」。プレイステーション版の移植であるゲームアーカイブス版には「秘紋の迷宮」などの追加要素も収録されている
(C)1988,2001,2002 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION/(C)1988 YOSHITAKA AMANO

 今週も様々なプラットフォームにおけるDLCの情報を紹介していきたい。

DSiステーション
 7月9日からシャボン玉を操りタマシイを守るアドベンチャー「あわたま 体験版」のダウンロードサービスが開始。

ニンテンドーDSiショップ
 7月15日から懐かしのゲーム&ウォッチの移植「ゲーム&ウオッチ ボール」、「ゲーム&ウオッチ フラッグマン」、「ゲーム&ウオッチ バーミン」、「ゲーム&ウオッチ ジャッジ」(各200DSiポイント)が配信。このゲーム&ウォッチシリーズは全9タイトルが公開されており、7月15日から8月中にかけて全てリリースされる予定だ。

Wiiショッピングチャンネル
 Wiiウェアとして、7月14日から3つのモードを収録したクイズ「ケンテイ!TV Wii」(1,000Wiiポイント)、カードバトルとボードゲームが融合した神経衰弱風カードバトル「ひらめきカードバトル メクルカ」(800Wiiポイント)、ニンテンドーWi-Fiコネクションを使って最大8人の対戦が楽しめるレースゲーム「メビウス・ドライブ」(800Wiiポイント)、禁煙を楽に行なうための禁煙支援ツール「らくらく禁煙アプリWii 禁煙科の医者が教える7日でやめる方法」(1,000Wiiポイント)、リアルさがウリの釣りゲーム「フィッシュアイズ チャレンジ」(500Wiiポイント)が配信。同作は「フィッシュアイズ Wii」とのセーブデータ連動が行なわれている。

 他にも携帯アプリで累計350万ダウンロードを記録した「FFIV ジ・アフターイヤーズ -月の帰還-」が7月21日に配信予定。また、弾を撃破しながらリズムを奏でる8bitシューティング「BIT.TRIP CORE ~リズム星人の逆襲~」が8月に配信予定となっている。

 VCとして、7月14日から忍者アクション「忍」シリーズ第1弾「SHINOBI 忍」(800Wiiポイント)、稼動当時にBGMや主人公・天現寺ひろみが話題となったシューティング「バーニングフォース」(800Wiiポイント)が配信。

 追加DLCとして、7月14日からWiiウェア「光と闇の姫君と世界征服の塔 FFCC」の新たなワールド(ステージ数15)とエピソードを収録したステージ集「狙われた魔王のバカンス」(500Wiiポイント)と、コスチューム1種(200Wiiポイント)、モンスター1種(100Wiiポイント)、アイテム3種(100~200Wiiポイント)を配信。

PlayStaton Store
 GAとして、7月8日から「ファイナルファンタジー」シリーズ第2作目となる「ファイナルファンタジーII」(600円)、お茶目でシュールな落ち物パズル「でろーんでろでろ」(600円)、ライフ制の横スクロールシューティング「ガイアシード」(600円)が配信を開始している。

PS3
 追加DLCとして、7月8日から「ロックマン9 野望の復活!!」のDLC「ブルースモード」(200円)、「エンドレスアタック(300円)が、7月9日から「葛城ミサト報道計画」のDLC「タートルネック+赤ジャケット【追加衣装ライセンス】」(無料)、「アガレスト戦記ZERO」のDLC「癒しと守りパック」など8種(無料~350円)、「真・三國無双5 Empires」のDLC「男性用エディット防具 忍セット」など4種(無料)、「MotorStorm 2」のDLC「アドレナリンパック」(350円)が配信開始。13日からは「NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム」の「ストームパック7」が無料で配信されている。

 無料体験版として、7月10日から「UFC 2009 Undisputed デモ」「テイルズ オブ ヴェスペリア」の体験版が配信中。

PSP
 UMDDLとして、7月15日から聖女ジャンヌ・ダルクのもうひとつの戦記譚が描かれるターン制シミュレーションRPG「ジャンヌ・ダルク」(2,200円)、「ポポロクロイス物語」、「ポポロクロイス物語II」、「ピエトロ王子の冒険物語」の3つが楽しめる「ポポロクロイス物語 ピエトロ王子の冒険」(2,200円)、リゼルと呼ばれる超能力者を題材にしたRPG「リゼルクロス」(3,800円)、アドホックモードで最大4人までの協力プレイが楽しめるRPG「ブレイドダンサー 千年の約束」(3,800円)が、7月16日から隠された事件の真相に迫るホラーアドベンチャー「流行り神2 PORTABLE 警視庁怪異事件ファイル」(2,200円)、多くの作品がソフト1本で読める「みんなで読書 ケータイ小説ですぅ~」、「みんなで読書 名作&推理&怪談&文学」(各1,500円)が配信。

 追加アイテムとして、7月9日から「真・三國無双 MULTI RAID」のDLC「追加コンテンツ Version 20」(無料)が、7月15日から「THE IDOLM@STER SP」のDLC「アイマスカタログ 6号」(無料~1,000円)が配信。

 無料体験版として、7月8日から「なりそこない英雄譚~太陽と月の物語~ 体験版」が、7月10日から「(PW)Project Witch 体験版 第四幕」が配信中。

Xbox 360
 追加DLCとして、7月8日から「ロックマン9 野望の復活!!」のDLC「ロックマン9 エンドレスアタック」など7種(100~240マイクロソフトポイント)が、7月9日から「タイムリープ」のDLC「ぶーとべんち こもも」(400マイクロソフトポイント)、「真・三國無双5 Empires」のDLC「女性用エディット防具 舞姫セット」など4種(無料)が配信。「真・三國無双5 Empires」は7月中旬にアニメ「蒼天航路」とのコラボレーションDLCの配信も予定している。

 特定のタイトルが一定期間ディスカウントされるXbox LIVE ゴールド メンバーシップ限定サービス「Deal of the Week」は、7月14日~7月27日まで「斑鳩 IKARUGA」(800→400マイクロソフトポイント)がディスカウント価格で販売されている。


●今週の注目タイトル
  ひらめきカードバトル メクルカ


 カードバトルとボードゲームが融合したWiiウェア「ひらめきカードバトル メクルカ」。神経衰弱のようにマップのパネルをめくり、絵柄を揃えてカードを入手。入手したカードを使って先に相手の体力を0にすれば勝利だ。シンプルながら奥の深いバトルが楽しめそうだ。用意されているカードは50種類、ステージは40種類と豊富。さらにステージはエディットも可能だ。モードは、魔法大会での優勝を目指すストーリーモード、残りライフを持ち越して戦うサバイバルモード、優勝を目指して勝ち抜いていくトーナメントモードの3種類。1人用だけでなく、対人戦の機能も充実。オフラインの2人対戦だけでなく、ニンテンドーWi-Fiコネクションを使ってのオンライン対戦がプレイ可能だ。サバイバルモードとトーナメントモードの記録をアップロードすれば、ランキングも楽しめる。

● (C)TOM CREATE 2009




■ ダウンロードソフトウェアレビュー 

 各ライターが独断と偏見でピックアップしたダウンロードソフトウェアを紹介するコーナー。最新のタイトルから配信済みのタイトルまで、気になるタイトルを紹介していきたい。今週は、「Xbox LIVE アーケード」のボードゲームタイトルを2本取り上げる。



■ Xbox LIVE アーケード

Carcassonne


●Sierra Online●配信中(2007年6月27日)●価格:800マイクロソフトポイント(1,200円相当)
●プレイ人数:1~4人(オンライン:2~5人)●CEROレーティング:A(全年齢対象)



● タイルを繋げて都市や道路を作る、多人数向けのボードゲーム

開発はSierra Onlineが手がけている

 「Carcassonne」は元々ドイツ生まれの、古代ローマ時代の要塞都市カルカソンヌをモチーフにしたボードゲーム。本来は会話を交えながら実際にパネルを繋げていくのが醍醐味だが、Xbox LIVEアーケードへ移植されてもそのおもしろさは忠実に再現されている。2007年11月にはXbox LIVEサービス開始5周年記念として無料配信も行なわれていたので、その際にせっかくだからとダウンロードしていたユーザーも多いのではないだろうか? シンプルなルールと凝縮された戦略性が混在した奥の深いゲームなので、HDDに眠らせてしまっている方はこれを機に遊んでみることを強くお勧めしたい。

 プレイ人数は2人~5人。自分の手番になったら全72枚の正方形のタイルの山から1枚をランダムに引き、隣接するタイルと同じ模様で繋がるようにタイルを配置していく。タイルには草原、道路、都市、修道院のいずれかが描かれ、それらが矛盾無く展開するようにタイルを置かなければならない。また、タイルを配置する際に、そのタイルの地形に手持ちの7つのコマの1つを配置することができる。コマを置けばその地形を所有したことになり、他のプレーヤーはその地形には後から所有権を主張することができなくなる。これを手番が来るたびに繰り返していき、タイルの山が無くなった時点で得点が最も高かったプレーヤーの勝利となる。

 所有権を得た道路と都市は完成すると得点となり、修道院はタイルの周り8タイルを囲むことができれば9点になる。完成すれば、配置したコマは手元に帰ってくる。草原はゲーム終了時に計算し、支配した草原に隣接した完成している都市の数の3倍の得点となる。また、完成しなかった道路や都市、修道院は配置したタイルの数だけゲーム終了時に得点として計算することができるが、配置したコマを戻すことができないので、コマを配置した地形はなるべく完成させていくようにするといいだろう。

 高得点を取るには、いかに他のプレーヤーを出し抜くかがポイントになってくる。手持ちのコマはひと続きの道路や都市に複数配置することはできないが、あらかじめコマを置いた離れた道路や都市同士をタイルで接続することが可能。地形に配置されたコマの数だけ所有権の強さが増すので、発展してきた他プレーヤーの都市へあらかじめ複数のコマを配置した自分の都市をタイルで繋げれば、合併した都市の所有権を奪うことができる。配置したコマの数が同じならば他プレーヤーと得点を共有することができるので、途中までは協力して発展させていき、完成直前で離れた所有タイルと繋げるのが理想的なプレイングと言えるだろう。

どこか牧歌的な音楽とグラフィックがいい雰囲気を出している。画面には現在の得点、手持ちのコマ数、山の残りタイル数が表示されている。残りタイル数を人数で割ればあと何回手番が回ってくるかがわかるので、残り手番が少なくなったら無理に地形を広げていくのは控えよう
タイルを配置する際に、どの地形にコマを置くかが指定できる。1枚のタイルに対しては、1つのコマしか配置することができない。どの地形を発展させていくか、マップを見ながら計画を立てていこう
「シングルプレイヤー」モードでは通常ルールのベーシック、オプション変更が可能なカスタム、練習用のフリーの3つを選択できる。カスタムでは点数計算の方法を自由に変更可能

 オフライン、オンラインともに対戦プレイが可能で、オフラインでは最大4人まで対戦できる。これはプレーヤー1人につき1つコントローラーが必要という仕様ゆえで、5人プレイをしたい場合は必然的にCPUを1人入れなければならない。オンラインでは、プレーヤーマッチにより5人まで同時にプレイできる。

 また、「RiversII」と「King&Baron」の2種類の拡張パックが配信されており、どちらも新たなタイルとルールが追加されるのでひと味違ったプレイが楽しめる。

 「Carcassonne」はドイツの名のあるゲーム大賞を2つも獲得した人気ゲームで、その移植版はシステムがゲームのおもしろさを邪魔することもなく、むしろ「Carcassonne」における最大のネックである「点数計算のややこしさ」をCPUに任せられるという大きなボーナスも兼ね備えた1本となっていた。派手なアクションゲームに飽きたら、「Carcassonne」のようなシンプルなボードゲームでひと息ついてみてはいかがだろうか?

(C)2007 Hans im Gluck Verlag-GmbH. All rights reserved. Carcassonne and the Carcassonne logo are trademarks of Hans im Gluck Verlags-GmbH. Published by Sierra Online, a division of Vivendi Games, Inc. Sierra and the Sierra logo are registered trademarks or trademarks of Sierra Entertainment in the U.S. and/or other countries and are used under license. All other trademarks are property of their respective owners.

■ Xbox LIVE アーケード

Catan


●Big Huge Games●配信中(2007年5月2日)●価格:800マイクロソフトポイント(1,200円相当)
●プレイ人数:1人(オンライン:2~4人)●ボイスチャット対応●CEROレーティング:A(全年齢対象)



● 1つの島を巡って争う、多彩な戦術が魅力のボードゲーム

 「Catan」は、元々はドイツ生まれのボードゲーム。向こうではかなりポピュラーなボードゲームで、老若男女の垣根無く幅広い層に楽しまれている。日本でもカプコンなどから日本向けにローカライズされたものが発売されているので、実際にプレイしたことのある人も多いのではないだろうか。斯く言う筆者もボードゲーム版「Catan」のヘビーユーザーなため今回の移植版には大きな期待感を抱いてプレイに挑んだのだが、その期待を裏切らない丁寧な仕上がりになっていた。

 プレイ人数は3~4人。手番が来たらサイコロを振って出た目の資源の権利があれば対応した資源を貰い、その資源を用いて建物を建造するなどして島を開拓し、先に10点のポイントを得たプレーヤーが勝利となる。

 プレーヤーたちはゲームを始める前の準備として、羊毛や穀物などの資源が描かれたパネルの間に初期配置の開拓地と道路を2つ配置する。ゲーム中に振ったサイコロの目が、配置した開拓地に隣接したパネルに書かれた数字と同じだった場合、出た目の資源を得ることができる。初めのうちはパネルの数字や資源の種類が被らぬように配置するのがバランスよくプレイをするコツだ。

初期配置は最初の手番のプレーヤーから1→2→3→4、4→3→2→1の順番で開拓地と道路を1本ずつ配置する。4番手のプレーヤーは2つ連続で配置できるという点に注意しようパネルに書かれた数字の大小は、すなわちその目の出やすさを表している。6と8の赤字の数字はもっとも出る確率の高い数字建造物は、自分のものや他人のものも含めて道路2つ分以上離さないと建設することはできない。隣接するようには立てられないことを利用して、他のプレーヤーの妨害をすることもできる

 開拓地は1つ1点、開拓地を建て増すことによってできる都市は2点として計算する。都市に建て増すと得られる資源が2倍になるため、重要な資源が得られる開拓地はチャンスがあれば積極的に都市にしていくといい。

 10点へと到達する方法は多種多様なので、状況に合わせて柔軟にプレイングを変えていくのが勝利への近道といえるだろう。目当ての資源が出ないからといって嘆かず、冷静に盤面の動きを追っていこう。LBボタンを押して出目の記録や順位などのデータを参照するのも戦略を組み立てるのに役立つ。

外周である海沿いには「港」があり、その港の上に開拓地もしくは都市が配置されていれば港を使った取引を行なうことができる。資源の絵が描かれている港は指定の資源2枚につき好きな資源1枚、絵が「?」にいなっている港は同じ種類の資源3枚につき好きな資源1枚と交換することができる。港がなくても、同種4枚の資源を支払えば好きな1枚と交換可能羊毛と穀物と鉱石の資源を1枚ずつ支払えば「発展カード」を手に入れることができる。発展カードには一気に道路が2本引けるものや好きな資源を2枚得られるもの、得点計算時に1点として扱えるものなどさまざまな種類がある港での取引と同じ要領で、他のプレーヤーに資源の交渉を持ちかけることもできる。交渉が成立すれば好きな資源同士を交換することができるので、足りない資源があるときは積極的に交渉を持ちかけてみよう
サイコロで7の目が出れば泥棒のコマを他のパネルに移動させることができる。コマを移動させたプレーヤーは置いたパネルの周囲に開拓地もしくは都市を置いた他のプレーヤー1人からランダムに1枚の資源が奪えるうえ、すべてのプレーヤーはコマが置かれた場所からは資源を得ることができない。移動させるには7の目を出すか騎士の発展カードを使うしかないが、7の目を出した際に8枚以上資源を持っていた場合は手持ちの半分を破棄しなければならないので注意が必要
そのほかにも5本以上の連続した道路を引けば「最長交易路」、3枚以上の騎士の発展カードを発動させれば「最大騎士力」としてそれぞれ2点のボーナスを得ることができる。しかし、他のプレーヤーに記録を塗り替えられると得点の権利も奪われてしまう。ここぞというときにまとめて道路を引くなどして、得点を奪い一気に畳み掛けて勝利してしまうというのも1つの手だ

 ゲームの特性上(手札が見えてしまうので)オフラインでの多人数プレイはできないが、オンラインでは2~4人での対戦が可能。ボイスチャットにも対応しているため、プレーヤー同士の会話での交渉はボードゲーム版の本家『Catan』と同じように楽しむことができる。

 ルールの複雑さから初めは戸惑うかもしれないが、数回プレイしてセオリーを覚えればハマること間違いなしの本作。ぜひフレンド3人を集い、ボイスチャットを用いて白熱した孤島の争奪戦を繰り広げてほしい。

Copyright Big Huge Games, Inc. 2007


(2009年 7月 14日)

[Reported by 木原卓/桃井サカコ(ねこひげ合同会社)]