コメディアンBJ Foxの脱サラゲームブログ

連載第26弾

残虐格闘ゲームのド定番「Mortal Kombat 11」 僕はシスター校長先生がゲームを激しく罵倒したその放課後にメガドラ版を買ったんだよね

 今回のゲームは、日本でまだ発売されていない、おそらく日本で発売されないままであろう「Mortal Kombat 11」(以下MK11)にした。グロゲーの代表作「モータルコンバット」の11作目だ!

 正直、もう11作あるなんて驚きだよね。数々の炎上、数回の裁判、映画化の失敗、テレビドラマ化のまあまあの成功、そして開発元・発売元の倒産と復活という、その生き様が対戦格闘状態のアクション満載の道を歩んできた「モータルコンバット」が11作目を迎えたんだ。

 同じシステムを活かしたDCコミックス「インジャスティス:神々の激突」を除けば、まあ、僕は、メガドライブ版ぶりかな。てへ。

 さっそく懐かしい想いでデジタル版をダウンロードしてみたら、まるで中学校時代(つまりメガドライブ時代)にタイムスリップした。

【雷の神様のRaiden】
懐かしい!雷の神様のRaidenだ!スペルはRaiden!漢字は「雷電」! でもなぜか発音は「レイデン」だ。このシリーズの東洋カルチャーの描写へのアプローチも、相変わらず90年代! だがそこがいい!

 20年以上ぶりのプレイとはいえ、中学校時代のプレイし尽くしていたことで、印象がまだまだ強い。代表キャラ、代表技、フェイタリティ(致死攻撃)も新鮮に覚えている。

【フェイタリティ】
フェイタリティ特集! 調べたら、米国のゲーム規制審査局のESRBの設立要因の一つは、モータルコンバットだったらしい! さすがに日本のCERO的には、フェイタリティの表現はZでも無理だよね

 このシリーズの変わった特徴のひとつは、[C]で始まる英単語の頭文字を全て[K]に代えていることだ。あまりにもゲームの存在感が強くてたまに東京で同じようなスペルミスの間違った英語を見かける。たとえば、「NIGHT KLUB」のサインを書いた人は、英語がいまいちな人なのか、密かな「モータルコンバット」ファンなのか、見分けが付かない。

 このシリーズは、日本において知名度が低いかもしれないが、欧米では歴史における存在感からしてモンスターシリーズとしか言えない。だって、フェイタリティのキャッチフレーズの「FINISH HIM」ほど有名なゲームフレーズはあるかな? これに匹敵するのは「I choose you」(「ポケットモンスター」シリーズ)と「Its-a me Mario」(「スーパーマリオ」シリーズ)くらいだろう。

 「モータルコンバット」は1992年にシリーズがデビューした。「Grand Theft Auto(GTA)」シリーズのデビューまでまだ5年もある当時では、モータルコンバットが定番の炎上作だった。特にファイトの最後に相手を惨殺する「フェイタリティ」が話題となった。

 今調べると、発売元のMidwayが何回も起訴されたり、国によっては発売が禁じられたり、スーパーファミコンで発売されなかった理由がグロ規制にあったことを知ったが、若い中学生の当時の僕はそんなことはわからなかった。ただ、「モータルコンバット」を巡って全校集会が行われたことを覚えている。

 「あのゲームはキリスト教の教えに反する」、「あの(グロ)シーンを見てしまうと、お前たちも犯罪者となってしまう」と、ゲームのことを何も理解していなかったはずのシスター校長先生の演説を今でも鮮明に覚えている。その演説で「そんなに凄いのか」と僕は興奮し、その放課後に友達とお小遣いを出し合ってメガドライブ版を買った。僕に「モータルコンバット」の興味を持たせるという意味において、シスター校長先生の演説は絶大な効果があったわけだ。

 今振り返ってみると、当時の「モータルコンバット」の人気の秘訣は、グロではなく、秘密や噂に潜んでいたと思う。インタネットのなかった当時では、今みたいにすぐに攻略記事がなくて徐々にゲームの秘密が学校中に広がっていく感じだった。「こんなシークレットキャラがあるって!」、「このキャラでこのボタンをこの順番で入れると、シークレットフェイタリティが出るぞ!」とかね。次はどんな「モータルコンバット」の情報が出るかと、月間ゲーム誌の発売を楽しみに待ってた時代だった。

 ただ、日本人の友達と話したら、日本での受けがあまりよろしくないそうだ。まあ、確かに切断表現に厳しいスタンスを持っている日本の審査当局だと、フェイタリティはとても受け入れられるものではないと思う。でもそれよりも深い理由として、もうすでに負けた相手をさらに、しかも残虐な方法で、致死ダメージを与えるなんて日本的な侍スピリッツに反するという説もある。

 「ストリートファイターII」における春麗の可愛いらしい「やったー!」という勝利表現と比べると、確かに違うのはわかる。でも、僕個人の見解としては、あのフェイタリティの表現はコメディ(ComedyではなくKomedyかな)なんだよね。もちろん今の時代は、自分がどう思うかより、相手がどう感じるかを考えなければならないから、そこは尊重しなければならないと思う。でも、あれはコメディなんだよ。あんなに画像が荒いスプライトの「グロ」は今見ると可愛いくて笑えるが、当時でも開発のAcclaimさんでもユーモアを持って描いていたと思うしかない。だから日本のゲームファンもそういう気持ちでプレイして貰えると嬉しいな(売ってないんだけどね)。

【スクリーンショット】
今回の11作目の表現でも、笑いながら敵を潰していたよ。確かにグロはグロだし、ここまでするの?という瞬間もあったが、反発するどころか、さすがモータルコンバットだ、と思って楽しくプレイした

 「スマブラ」以外かなり格闘ゲームと離れてしまった僕は、このゲームが本当にオススメだ。懐かしい放題ということもあった、格闘ゲームとして非常にクオリティーが高いと思う。11作目だけあってストーリーが目が回るほど複雑だった。あまりにも複雑で今回のストーリーの悪役でもは、時間軸を再度設定して未来を書き直したがっている! 僕も「なるほど、同感だ」、と思いながら、5時間ほどのストーリーをエンジョイした。

【オリジナルキャラクター】
オリジナルのキャラクターはどんどん登場してくる! 20年ぶりに触っているのに、マッスルメモリーだけで格闘ゲームの技を覚えていることを気づくほど、満足することあるかな?
ややネタバレ! オリジナルのキャラは、20年前から現代へタイムスリップしたら、現代の自分がゾンビになっていた!

 タイムスリップ、ロボット、神々、ゾンビ、一体何が起きているかわけがわからないこともあったが、アニメーションと演出の質の高さで引っ張られる。そして少しずつキャラが紹介され、順番にプレイして味わえる。原作のキャラが現代にやってくるタイムスリップするようなドラマだから、僕のような離れたファンでも理解しやすかった。

【ストーリー】
ストーリーは、多くのジャンル、多くの世界観を旅回っている。スクリーンショットによっては、「Anthem」、「シャドウ・オブ・モルドール」、「バイオハザード」と「地球防衛隊」に見えてしまう

 特筆すべきはこのゲームのチュートリアルのデキの良さだ。あんなに奥の深いチュートリアルになっているとは! 「モータルコンバット」シリーズ、あるいは格ゲーに離れてしまって難しいかもと思う人には、「心配しないで」と言いたい。このチュートリアルのお陰で僕はこのゲームを存分に楽しめただけではなく、格ゲーに対する印象もガラッと変わった。

【チュートリアル】
最高のチュートリアルだ! 一通りのゲームシステムを紹介するベーシックのチュートリアルから、フェイタリティだけを練習する物、そして各キャラクターのチュートリアルまで。オススメのプレイ流れとしては、まずベーシックのチュートリアを全てクレイして、そして5時間ほどのストーリーモードを通して好きなキャラクターを味わってから、そのキャラのチュートリアルだけにフォーカスすればいい。そのキャラクターの技やコンボを駆使できるようになってから、オンラインに挑戦だ!

 「MK11」をプレイしながらずっと懐かしい思いをしてた。この筆者には「MK11」がただの残虐ゲームをはるかに超えている。しっかりしたゲーム性、奥が深いストーリー、しかも、炎上代表残虐シリーズにしては意外と丁寧なアプローチ。メガドライブ時代とか、当時の「モータルコンバット」、そしてドット実写のファンタシーグロ表現だけで炎上となるような時代が懐かしい。ぜひ単なるグロゲーだと思わずに、多くの日本のゲームファンにも遊んで貰いたいゲームだな。

「モータルコンバット」シリーズの心は発見したかも