コメディアンBJ Foxの脱サラゲームブログ
連載第11弾
「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」は“ゲーム博物館”の中で巻き起こる本物のバトルロイヤルだと思うんだよね
2018年12月19日 07:00
今回取り上げる「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」(以下、「スマブラSP」、シリーズ全体は「スマブラ」)の懐かしさの冒険は、東京の中野で手に入れてから、自宅までの帰りの総武線で始まったかな。パッケージを手にしてじっくり見つめていた時。テクノロジーの進化で「ゲーム」という体験がもちろん、大幅変わってきたが、「ゲーム購買」という体験もそうだろう。
今でこそ、5割以上デジタルでゲームを購入しているが、初めてのNintendo 64「スマブラ」は、ゲームを購入するプロセスがより深い”儀式”に近いものだった。せっかく貯金してきた、お小遣いかバイト代で店で買って、既にワクワク感が溢れている状態で、帰りのバスでパッケージを観察したり取説をガリ勉していた。そしてやっと家に帰って、カートリッジを差していよいよプレイスタート。今は、パッケージ版を買っても、取説もない場合が多いし、その、最初にディスクを差し込む体験がワクワク感どころか、インストール・アップデート時間がどのくらいかな、というナーバスさ。
今回の「スマブラSP」の帰りの電車でもなんか懐かしいものだった。表紙をじっくり観察する時間もあったし、じっくり観察するに値する表紙だった。マリオ、チェック。ポケモントレーナーと赤・青の御三家……プラスピカチュウ! リンク2個もあるし、そしてずっとどうしてあいつが入っているのだろうかとずっと思っていた「ネス」ももちろんいた。その全てをチェック完了し、裏返してみたらファイター全員が見事に掲載されている。えええ! こんなにあるんだ。知っているキャラも、正直に馴染みのないキャラも。定番なキャラ、超トライしてみたいキャラ。もちろんネスもいる。あっという間に駅に着いて、もう懐かしい、何年ぶりにこんなにパッケージを見つめてたな、と思った。
僕とスマブラは、はもう長い付き合いだ。当時はまだ12キャラしかなかったN64版はプレイし尽くしたし、前回の連載記事に述べたように、僕のゲーム業界のキャリアのきっかけの1つはゲームキューブ版「スマブラ」の「プリン」だった。僕にとっては、スマブラ」は、どちらかというと「パーティーゲーム」だった。“楽しくプレイしよう!”よりも、負けないように必死に頑張り、フラストレーションでコントローラーをたまに投げ込んでしまうような、割とハードコアなパーティーゲームだったけれど、弟や高校の友達、大学の友達、社会人となってもゲーム好きな友達・同僚が集まってプレイするゲームだった。
残念なことにも今は、そういう風に、気軽にゲームパーティーを組める環境にはない。イギリスの友達はみんなイギリスにいるし、日本の友達は、だいたいみんな年末の仕事でバタバタしているか、赤ちゃんがいて手が離せない。74人のファイターよりも1人の赤ちゃんの方が強いらしい。だから、ある意味で「スマブラSP」は初めてシングルメインで遊ぶ「スマブラ」となった!
シングルプレイの「スマブラ」がどうなるかについては全く心配する必要がなかった。任天堂さまが僕の生活リズムを察していただいているかのように、半端ないボリュームの、充実したアドベンチャーモード「灯火の星」を用意してくれた。非常にありがたい進化だね。マルチプレイの「Fortnite」が世界を克服して、やっと「コール オブ デューティ」も最新作「ブラックオプス4」でやっとシングルプレーヤーキャンペーンを廃棄した2018年こそ、普段のマルチのみのゲームがここまでのディープのシングルを入れてくれるなんて驚き半分、ありがたい半分だ。確かに2018年は「バトルロイヤルの年」だったにもかかわらず、昔の意味の「バトルロイヤル」の代表ゲームは、以外の進化だ。
このアドベンチャーモードをプレイするとともに、「スマブラSP」がどこまでゲーム歴史に敬意を払っているか、わかってきた。ゲームの全体もそうかもしれないが、「灯火の星」モードをプレイは、まるで歩き回れる体験博物館みたいなものだ。札幌市の開拓の村のゲームバージョンみたいだ。
プレイできる74人の」ファイターは、そのゲームヒストリーのオマージュの表面だけだな。ステージ。BGM。アイテムもそう。そして特定のスキルをファイターに引き継ぐ、新要素であるスピリッツも…底がどこにあるかな?ゲーム博物館のB2の一番奥の、何年か誰も入っていなくて、埃みまれの倉庫の引き出しを全て開けてくれたごとく。このゲームでは、全ての任天堂のヒストリーがさまざまの形で展示しているんね。あったよね、という気付きもあるし、懐かしい曲だね、というモーメントもある。もちろん、あれ一体何だんだい!という戸惑いもある。”ネスって誰?”だけで困った20年くらい前の僕がさらに懐かしく思った。
思い出の出会いの中で、もうひとつの思い出も浮かんできた。歴史的な中身がディープだけでなく、ゲームプレイもそうだ。「スマブラ」シリーズは抱えている課題とは、シンプルで楽しいパッケージの中に、相当奥の深い中身が潜んでいることだね。74ファィターもいるかもしれないが、その全てをマスターするのに努力を必要とするだろう。ルカリオ対リュウ対トゥーンリンク対キングクルールの対決を想像するとき、ワクワクして格闘ゲームに“負けてフラストレーションが貯まることももたまにあるよ”ということを忘れがちだ。それは僕のことなんだけど、このゲームをパーティゲームだと判断するのは大間違いだね。最初に芸名のフォックスを記念としてスターフォックスでプレイしようと思ったけど、間も無く一番プレイしやすいマリオへ避難した。そこでまず久々のコツを覚えていくことにした。「灯火の星」のスタートキャラクターのカービィも初心者にピッタリだ。
フラストレーションが少し冷えてきたらまた挑戦する。最初の過激的な発言も申し訳ない! 非常に個人的な事情だけど、クリスマスにイギリスへ一時的に帰国する際に遊べるように、「灯火の星」モードとシングルプレイでできるだけ多くのキャラをアンロックしておきたい。昔のキャラと出会って、昔のBGMを聞いて、任天堂の博物館を懐かしく歩き回ろう。そしてイギリスの実家に帰ってアンロックしたキャラで ”割とハードコアなパーティーゲーム”を弟と懐かしくエンジョイする予定だ。
もういろんな意味では、このゲームが懐かしいんだね。そしてその懐かしい思い出もまだまだ! 非常に個人的な事情だけど、クリスマスにイギリスへ一時的に帰国するつもりで、お袋味のクリスマスディナーやロンドンの冬の風景などの楽しみにしている様子の中には、何年ぶりの弟との「スマブラ」大会もあるよ! その前に、もう少し、昔のキャラと出会って、昔のBGMを聞いて、キャラをアンロックしマスターし、もう少し任天堂の博物館、いや、「灯火の星」モードで歩き回るつもりだ。そしてイギリスの実家に帰ってアンロックしたキャラで”割とハードコアなパーティーゲーム”を弟と懐かしくエンジョイする予定だ。
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