先行レビュー

マレーシア発のリズム&パズルアクション「Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険」先行プレイレポート

伝統菓子モチーフの絵本のような世界をかわいいカヤと一緒に探索!

【Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険】
2027年 発売予定
「Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険」キービジュアル

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 バンダイナムコエンターテインメントは、2027年に発売予定のプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Steam用リズム/パズルアクション「Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険」の先行体験会を開催した。

 開発はマレーシアのインディーゲーム開発会社、Metronomikで、以前スクウェア・エニックスに在籍して、「ファイナルファンタジーXV(15)」や、「ファイナルファンタジー零式」でリード・ゲームデザイナーなどを務めたWan Hazmer(ワン・ハズメー)氏や、カプコンの格闘ゲーム「ストリートファイターV」のコンセプトアーティストを務めたDaim Dziauddin(ダイム・ゼィアウディン)氏らが2017年に創設したインディースタジオだ。

 本作は幻想的なマレーシアテイストのビジュアルが魅力のリズム/パズルアクションだ。タイトルに含まれる「Ondeh Ondeh(オンデオンデ)」は、マレーシアで親しまれている伝統的なお菓子の名前で、現地では「ポッキー」の限定フレーバーとしてオンデオンデ味が発売されているほど、人々の生活に根付いているという。筆者も実際にこのポッキーを食べたことがあるが、甘すぎずあっさりと素朴な味わいのテイストで満足度の高い一品だった。

 東南アジアらしいユニークなビジュアルやストーリー、リズムに合わせてパズルを解く独特のテイストが味わえるゲーム体験はどのようなものだろうか?本稿では会場で実際に序盤をプレイした様子や操作感などについて紹介したい。

 結論から言えば、幻想的な癒やしの空間で、リズムに合わせたパズルやバトルなどのアクションの仕組みがプレイしているとどんどん楽しくなってくるという、独自のテイストが魅力のタイトルとなっている。

【『Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険』アナウンスメントトレーラー】

「オンデ」が紡ぐ幻想世界。少女カヤが目指す「ワールドビルダー」への道

 「Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険」の舞台は魔法の世界「セレラ」。本作は主人公の女の子「カヤ」が、世界を創生する「ワールドビルダー」になるために世界を探索するという物語だ。カヤの両親もワールドビルダーとして現在の世界「セレラ」の繁栄を守り続けている。

 タイトルに含まれる「オンデ」は世界を構成する「フレーバー」と呼ばれる重要な世界の要素にリズムを内包して具現化したものを指す。ワールドビルダーたちはこのオンデを活用して世界を創造するようなので、言ってみれば、世界を構成するオブジェクトがオンデとフレーバーでできているようなイメージだろうか。

 フレーバーは時間経過とともに薄れていくため、このフレーバーを蘇らせるために、100年ごとにワールドビルダーたちは、オンデで構成された巨大な存在である「ジャイアント」たちとともに「復活の儀式」に集い、世界を再び豊かな状態に保ち続けるという。

 好奇心旺盛な主人公のカヤは両親と同じようなワールドビルダーになるために、「セレラ」の世界を冒険して成長していく物語ということだ。そのためには世界中のジャイアントたちを全て集めて「復活の儀式」を行なうのが目標となっている。

 カヤには特殊な共感覚という能力があり、それは音やフレーバーを鮮やかで踊るようなボールとして視覚的に見ることができる。それこそが「オンデ」なのだ。

 ざっとあらすじをまとめてみたが、端的に言えばカヤを操作して世界を救う物語くらいのざっくりした解釈でいいだろう。細かいエピソードはプレイしていくうちに色々と明らかになっていくと思われる。

 あらすじを読んでいると、同じくらいのサイズのパパやママがいて、さらにジャイアントと言う巨人がいるような印象を受けるが、実際にゲームを開始すると、ババ(父)もママも驚くほど巨大で圧倒される。日本語版は全て声優が吹き替えを行なっており、ババの声には大塚明夫さん、ママには井上喜久子さんが声を担当しているほか、主人公のカヤの声は悠木碧さんが務める。

 呼び方もとても不思議で、カヤの母親はママと普通なのに対して、父親は「ババ」という名前になっている。てっきりマレーシアでの愛称かと思ったが調べてみるとマレー語での父親は「Bapa(バパ)」というようで、どうやらこの「Bapa」の音をベースに親しみやすさや呼びやすさなどから「Baba(ババ)」になっているのかもしれない。

 また、ババはカヤのことを「コチ」と呼ぶが、コチについてはマレーシアの伝統的なお菓子の中に「クエ・コチ」があるようなので、これが元ネタかもしれない。ババとママはどちらも110歳となっており、神話のような雰囲気を醸しだしている。

主人公のカヤを操作して、敵と戦ったり、フィールドのパズルを解いてストーリーを進めていく
ワールドビルダーの父である「ババ」。主人公のカヤと比べるとかなりデカい
リズムに合わせてアクションすることで、フィールドのオブジェクトが浮くなどのギミックが面白い

ジャンプなしでも超軽快!BGMのビートと融け合う独特のパズルアクション

 幻想的な設定に期待を膨らませつつ、ゲームをスタートすると、ババと一緒にママの元に向かうチュートリアルがスタートする。本作の基本操作は一般的な3Dアクションゲームとほぼ同じで、左アナログスティックでカヤを動かして、右アナログスティックでカメラ操作、アクションとしてはR1ボタンの攻撃、三角ボタンのパリィ/掴むアクション、丸ボタンの足踏み、Xボタンの回避/ダッシュ、四角ボタンのオンデアクションが用意されている。

 カヤは常に魔法のスプーンを持っており、このスプーンを投げたり回収したりといったアクションはR2トリガーとなっている。回復は十字キーの上キー、下キーでマップ展開が行なえる。

 ゲームを実際に遊んでみると「セレラ」世界のまるで紙で作られたような草木など不思議なオブジェクトの数々が幻想的な雰囲気を醸しており、東南アジアの絵本の世界の中に飛び込んだかのような感覚に陥る。さらに不思議なのはブロック形状の羊や、人間キャラクターのちょっと平たい顔のビジュアルなど、ババとママが作った世界という表現にふさわしい個性的なビジュアルとなっている。

 カヤのビジュアルも目がクリっと大きくかわいらしいデザインになっており、親しみやすさが感じられる。設定では好奇心旺盛な子供となっているが、話し方などからも素直で元気な女の子らしさが伝わる。

チュートリアル後に最初に訪れるソルティ村
最初はソルティ村のおばばからの依頼を引き受けることになる。人間の顔が平たい感じなのも個性的なビジュアルだ
カヤのアクションがとにかく軽快で楽しい
ソルティ村にいる羊たちを集めて並べるように依頼される。羊がブロック形状なデザインであることにも何か意味があるのかも?
ジャンプアクションのない本作では、リズムに合わせてアクションすることで発動するギミックを活用することで色々な場所に移動できる
フィールド内のオブジェクトは紙で作ったような木々など不思議なテイストが感じられる

 ゲームプレイについては、まずカヤの軽快なアクションが心地よい。ジャンプアクションはなく、代わりにスプーンを遠方のオブジェクトに投げて当てたり、特定の位置で常にバックグラウンドに流れる音楽のビートに合わせて「オンデアクション」を行なうことで、オブジェクトがふわっと持ち上がり、それに乗って移動できるようになるなど、リズムが重要な役割を果たすギミックもユニークで独特な雰囲気が味わえる。

 一般的なアクションゲームのように、敵を叩いて弾き飛ばしたり、といったバトル要素もあるが、これもリズムが重要になる。敵の攻撃のタイミングや、障害物の動きなど全てがBGMのビートと連動しているので、音楽に合わせてアクションを行なうことでテンポよくゲームが進められるようになっているのが本作の肝の要素となっている。例えば、敵の攻撃もリズムに合わせて行なわれるので、敵の攻撃をパリィアクションでリズミカルに受け流し、反撃するといったアクションも可能だ。

 本作では、ストーリーの進行に伴い、身近な目的がミッションとして提示されるので、ゲーム自体の進行は比較的スムーズに行なえる。一方でオブジェクトやフィールドの形状が個性的なので、目指す目標を見失ってしまったり、移動できる場所が分からなくなるなど、文字通り絵本の世界の奥に迷い込んでしまう場面も見られた。この辺りは製品版までに改善されることを期待したいところだ。

 トレーラーなどを見ていると、以下で紹介する「マザーウルフ」のような巨大なボスとのバトルなども発生するが、これらについてもリズミカルにバトルが楽しめるので見た目ほど難易度は高くなく、軽快に立ち回ることができる。リズム感とちょっとした閃きが本作をより楽しむポイントとなっている。

マザーウルフのお腹に抱える子供たちの中に迷い羊の「ジャンブ」がまぎれているので返してもらおうと会話するが、説得はうまくいかず……
ボスキャラ「マザーウルフ」と対決することに!
マザーウルフはお腹の子狼を弾のように射出して攻撃してくる。リズミカルなタイミングで発射されるので、テンポよく回避すればOKだ
羊の「ジャンブ」を利用してマザーウルフに反撃したり、子狼の攻撃をガードできる
マザーウルフが顔を出したところで、リズミカルに攻撃を与えることで、手前の2カ所の草が浮かび上がるのでより多くの攻撃を与えられる
マザーウルフを撃破すると、羊の「ジャンブ」が救出できる

誰もが癒やされる独創的な絵本の世界

 クセになるBGMや絵本のような独創的な世界が魅力的な「Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険」。じっくり歩き回っていると、気が付くとあっという間に時間が経過してしまう、不思議な魅力のある世界が構築されている1本となっている。

 この独創的で幻想的な世界観は、日々の生活に疲れた現代人にとって、きっと格好の癒やしの空間にもなり得るだろう。また、子供と一緒に遊ぶゲームとしても非常に魅力的な1本と感じられる。

 ともあれ、マレーシアのデベロッパー開発による東南アジアの多様な文化が感じられる幻想的な世界観は、プレイする人の心を豊かにしてくれる魅力的なものとなっている。こういうビジュアルのゲームが好きな人や、リズムアクションが好きな人にとって「Ondeh Ondeh カヤのうまみ大冒険」は是非プレイして、その世界を満喫してほしい1本なのは間違いない。2027年の発売を今から楽しみに待っていたい。