レビュー

PS5性能をすぐ活かす! 「27"ゲーミングモニター DualSense 充電フック付き」レビュー

映像はもちろん配置周りも相性抜群。プレステ設計の優等生ゲーミングモニター

【「27"ゲーミングモニター DualSense充電フック付き」(CFI-ZDM1J)】
8月27日発売
希望小売価格:49,980円

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、プレイステーションの周辺機器として開発したモニター「27"ゲーミングモニター DualSense 充電フック付き」(CFI-ZDM1J)が8月27日に発売される。希望小売価格は49,980円。

 ソニーは、すでに「INZONE」というゲーミングブランドから複数のゲーミングモニターを発売している。しかし今回登場する「CFI-ZDM1J」はそれらとは少々毛色が違う。

 本モニターはINZONEブランドではなく、SIEがプレイステーション向け周辺機器として展開するゲーミングモニターで、公式サイトでも「プレイステーションが設計」した製品だと紹介されている。

 もちろん、だからといってPS5専用というわけではない。HDMI入力に加えてDisplayPort入力も備えており、PCやMac用のモニターとしても、もちろんXbox Series XやNintendo Switch 2でも使用できる。PCなどで使用する際には最大240Hzのリフレッシュレートで表示でき、PCとPS5で併用することなどを想定したモニターといってもいいだろう。

PC用のゲーミングモニターとしても使用できる
PCではリフレッシュレートを240Hzまで上げることができる

 今回はSIEより発売前に本製品をご提供いただいき、試す機会を得た。本稿では基本的なモニター性能から、DualSense充電フックやPlayStation Linkへの対応など、プレイステーションが手掛けるモニターならではの特徴、そして何より気になる使い心地を「Marvelʼs Spider-Man 2」、「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」や「Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」や、8月6日に発売されたばかりの最新作「MARVEL Tōkon: Fighting Souls」などを使って紹介していきたい。

27インチQHD+最大240Hz。ゲーム用途のツボを押さえた基本性能

 まずは基本的なスペックから見ていこう。

27"ゲーミングモニター DualSense 充電フック付き(CFI-ZDM1J)
画面サイズ27インチ
パネルIPS
解像度2,560×1,440(QHD)
アスペクト比16:9
リフレッシュレート最大240Hz
PS5/PS5 Pro接続時最大120Hz
HDR対応
輝度350cd/㎡
コントラスト比1,000:1
VRRHDMI VRR、AMD FreeSync Premium
色域DCI-P3 95%
HDMIHDMI 2.1×2
DisplayPortDisplayPort 1.4×1
USBType-B×1、Type-A×2、Type-C×1(いずれも5Gbps)
オーディオ3W+3Wステレオスピーカー、3.5mmヘッドホン端子
チルト-5°~22°
高さ調節140mm
VESA100×100mm
外形寸法(スタンドあり)約614×534×214mm(最高位置)
質量(スタンドあり)約6.2kg
希望小売価格49,980円
箱のデザインもPS5と共通している。「モンスターハンターワイルズ」は付属していないので注意
開けたところ

 パネルは27インチのIPS方式。見る角度による色の変化が比較的小さく、色再現性にも優れた定番の液晶パネルだ。色域はDCI-P3 95%をカバーしている。これは映像作品などに使用されるデジタルシネマ用の広色域規格で、この価格帯のゲーミングモニターとしては妥当な数値だ。

 一方、一般的なPCモニターでよく目にするsRGBカバー率については公表されていない。この辺りからも、色の正確さを重視するクリエイティブ用途より、ゲームやHDR映像を楽しむことを主眼に置いた製品として訴求していることがうかがえる。

 解像度はQHD(2,560×1,440)、リフレッシュレートは最大240Hzに対応している。ただし、PS5およびPS5 Proは本体側の映像出力が最大120Hzとなるため、本モニターもPS5およびPS5 Proを接続した場合には最大120Hzまでとなる。なお、120Hz表示を利用するには、ゲーム側も120Hz出力に対応している必要がある。

 ゲーム機などが映像を出力するタイミングと、モニターのリフレッシュレートを同期させる「HDMI VRR」や、「AMD FreeSync Premium」といった可変リフレッシュレート技術にも対応している。

DualSense充電フック付きで、モニター周りがすっきりまとまる

 モニターの正面と背面にはプレイステーションのロゴが刻印されており、上部には「SONY」のロゴがある。正面から見るとベゼルもスタンドもブラックだが、背面には白いパーツが使われており、見た目もPS5との一体感を感じさせるデザインとなっている。

正面
前面のプレイステーションロゴ
背面には大きめのプレイステーションロゴ
モニターの天面にはSONYのロゴ
高さ調整は最大140mm
チルトは前傾5°まで
後傾は22°まで可能
公式の仕様には記載がないがスイベルにも対応している
背面
充電フックを下ろすとこんな感じになる

 だが、何よりも目を引くのは、モニター下部に付いているDualSense充電フックだ。フックは可変式で使わないときには横に倒してモニター背面に収納しておく。使用するときには手でくるりと回転させながら取り出し、端子にDualSenseを乗せると充電状態になる。モニターを使用していない時にも充電できるので、使い終わった後はフックに乗せておけば、いつでもフル充電で遊ぶことができる。

 便利なパーツだが、あまり荒っぽく扱うとすぐに壊れてしまいそうな不安定さもあるので、購入した際には取扱いに注意してほしい。

DualSense充電フックを下ろしたところ
フックのアップ
DualSenseを乗せたところ
横から見たところ

 スタンドの背面中ほどには目立たないが、丸いボタンが付いている。モニターを下げるときにDualSenseやフックを痛めてしまわないよう、ある高さ以下には下がらないようロックがかかっている。背面のボタンはこのロックを一時的に解除するためのものだ。ボタンの下にはケーブルホルダーがあるが、こちらは回転式になっており、使用しない時にはスタンドの支柱に収納できる。

 スタンドの底板は割と大きめだが、100×100mmのVESAマウントにも対応しているので、モニターアームに装着しての利用も可能だ。

背面
高さを調整するためのボタン
ケーブルホルダー

 モニターの底面には、HDMI 2.1端子×2、DisplayPort 1.4端子×1に加え、アップストリーム用のUSB Type-B端子×1、ダウンストリーム用のUSB Type-A端子×2、USB Type-C端子×1(いずれも5Gbps対応)、そして電源端子とヘッドホン端子が備わっている。

入力ポート

 付属品はAC電源ケーブルと、USB Type-BとType-Aの変換ケーブルが付いている。HDMIケーブルとDisplayPortケーブルは製品には付属していない。

付属品

操作は背面のジョイスティックに集約

 本体の設定には、背面に用意されているモニタージョイスティックを使用する。ゲーミングモニターでは本体下部などに複数のボタンが並んでいる製品も多いが、本製品ではスティックを倒したり押し込んだりしてメニューを操作する方式だ。

背面のジョイスティック、下にあるのは電源ボタン

 OSDメニューでは、音量、明るさとプロファイルの切り替え、その他の詳細設定を行なうことができる。モニター側で用意されたプリセットはないが、ユーザーが設定したプリセットを保存するための3つのスロットが用意されている。

OSDメニュー

4KではなくQHD。それがデスクトップ用ではむしろちょうどいい

 モニターの解像度が4KではなくQHDであることに疑問を持つ人はいるだろう。PS5といえば4K出力に対応したゲーム機だけに、「純正に近い位置付けのモニターなのに4Kではないのか」と感じるかもしれない。

 だが、27インチという画面サイズとデスクトップでの使用を前提に考えると、QHDという選択には一定の合理性がある。4KはQHDの2倍以上の画素数を持つため、より高精細な映像を表示できる。だがPCゲームではGPUが処理する画素数も増えるため、一般的にはQHDより描画負荷が高く、フレームレートとの両立が難しくなる。

 画面がなめらかに動くフレームレートと、高解像度のどちらも実現したいと考えたとき、27インチという画面サイズに対してQHDはバランスのいい解像度だと言える。もっと大画面であれば4Kの高精細さが生きるが、27インチならばQHDで十分に美しい画面を楽しむことができる。

 つまり本製品は、「PS5の4K映像を最大限に楽しむためのモニター」というよりは、RPGなどで求められる画面の美しさと、FPSなどで重視される高フレームレートの双方をバランスよく狙った、優等生的な立ち位置のモニターといえるだろう。

 実際、今回テストに使用した「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」や「Ghost of Yōtei(ゴースト・オブ・ヨウテイ)」のいずれでも、引き込まれるような緻密で美しい世界観を存分に楽しむことができた。

 また、本製品はHDRに対応しているが、PS5およびPS5 Proと組み合わせることによって「自動HDRトーンマッピング」が利用でき、初期セットアップ時に接続したモニターに合わせてHDR設定が自動調整される。色彩豊かでありながら、ぎらつく感じがなく、リアリティを感じさせる光の表現や、暗いシーンでも階調の残った美しい映像を楽しむことができた。

【DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH】
【Ghost of Yōtei】

 「Marvelʼs Spider-Man 2」でも「自動HDRトーンマッピング」の生み出す美麗な映像を堪能することができる。「Marvelʼs Spider-Man 2」は高速でビルの谷間をすり抜けていくスピード感、スパイダーマンになり切った戦闘、映画のようなリッチなカットシーンなど、「スパイダーマン」の世界にどっぷりと浸れるアクションゲーム。

 時にはあえてハレーション気味の絵作りや、逆に闇に沈み込むような、まさに映画のようなカットシーンを楽しむことができるが、そういったシーンの1つ1つが非常に美しい。写真ではなかなかこの美しさを伝えることができないので、ぜひ現物で確かめてほしい。

【Marvelʼs Spider-Man 2】

 応答速度については、公式のスペックに言及はないが、「MARVEL Tōkon: Fighting Souls」で遊んだ感じでは、体感できるような遅延は感じなかった。

【MARVEL Tōkon: Fighting Souls】

内蔵スピーカーは驚きの高品質、PlayStation Linkアダプターにも対応

 本製品には3W+3Wのステレオスピーカーが内蔵されている。今回モニターを使ってみて、音質の良さに驚いた。モニターのスピーカーといえば、あると便利だがメインの音源として使い続けるには音質的に物足りないものが多い中、本製品のスピーカーは、単体でも日常的なゲームプレイや動画視聴を十分に楽しめる音質を実現している。特に低音の表現は秀逸で、モニターの内蔵スピーカーであることを忘れるほどだ。

 「MARVEL Tōkon: Fighting Souls」は、派手でド迫力な演出が見どころのタッグ制対戦格闘ゲームだ。ゲームの性質上、BGMにも重低音な迫力が求められる。本モニターでは、フルボイスのストーリー部分はもちろん、格闘シーンのBGMやSEなども迫力満点のサウンドを楽しむことができる。

 とはいえ、大ボリュームというわけではない。むしろボリュームはスピーカーに比べるとかなり小さめではあるが、デスクトップ上のモニターとして使うと、賃貸住宅で音の響きを気にすることなく、自分にだけはクッキリ聞こえるという絶妙なボリュームに調整されていると思えた。

【MARVEL Tōkon: Fighting Souls】

 もちろん、さらに大音量で音質にこだわりたい人に向けては、3.5mmヘッドホン出力や「PlayStation Link」を利用したワイヤレスオーディオにも対応している。

 「PlayStation Link」は、SIEが展開しているゲーム向けのワイヤレスオーディオ技術だ。一般的なBluetooth接続では音声の圧縮や伝送処理によって、ゲーム中の耳に届く音に遅延が生じる場合がある。PlayStation Linkではゲーム用途を想定して低遅延とロスレス伝送を両立しているのが特徴だ。

 本製品とPS5をUSB接続した後、モニターのUSBポートへ「PlayStation Link USBアダプター」を接続して、「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」や「PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット」を使うことで、低遅延かつロスレスで音声を伝送できる。すでに「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」や「PULSE Elite ワイヤレスヘッドセット」を所有している人にとっては、モニター背面側にアダプターを装着できるため、PS5本体から突き出したままにする必要がなくなるというメリットがある。

PS5と組み合わせて完成する、「迷わず選べる」ゲーミング環境

 本製品は、27インチ、QHD、IPS、最大240Hzと、基本スペックはゲーム用途として十分に高い水準にある一方、量子ドットやOLED、Mini LED、4Kといった表示性能そのものを強く打ち出すハイエンドモニターとは方向性が異なっている。

 本製品の特長は、PS5と組み合わせたときに発揮されるデザインの統一感や、DualSense充電フック、「PlayStation Linkアダプター」への対応といった、PS5を便利に使うための機能だろう。

 DualSense充電フックを備えているため、別途コントローラー用の充電スタンドを用意する必要がなく、ゲームを終えたらDualSenseをモニターに掛けておくだけで収納と充電を同時に済ませられる。置き場所を決めていないコントローラーが机の上を占領したり、ゲームを始めようとしたら充電が切れていた、といったことも減らせるだろう。

 「PlayStation Linkアダプター」をモニター側にまとめられるUSBハブや、PS5との自動HDRトーンマッピングなども含め、単体の機能ひとつひとつは代替手段が存在する。しかし、それらを最初からひとつの製品にまとめ、PS5と組み合わせたときに自然に使えるよう設計されているところに本製品の魅力がある。

 さらに、PS5本体やDualSenseと並べた際のデザイン上の一体感も重要だ。ゲーム機、モニター、コントローラー、ヘッドセットといった機器は常にデスク上に存在するだけに、机周りの見た目をすっきりまとめたい人にとって、PS5デザインで統一できることは購入の大きな動機になるはずだ。

【Marvelʼs Spider-Man 2】
リッチなAAAゲームが揃うPS5を遊ぶために必要なものがすべて揃っているという印象だ

 そして、この製品を評価するうえでもうひとつ重要なのが、「ゲーミングモニター選びの難しさ」をある程度取り除いてくれることだ。

 ゲーミングモニターを選ぼうとすると、解像度、リフレッシュレート、パネル方式、VRR、HDR、HDMIの規格など、多くのスペックを比較する必要がある。ガジェットに興味があり、そういったことに詳しい人ならスペックや機能を1つずつ比較して自分に最適な一台を選び出すことができるだろう。しかし、すべてのゲーマーがモニターの仕様に詳しいわけではないし、ゲームを遊ぶためにそこまで調べたくないという人も少なくない。

 その点、本製品なら「PS5の周辺機器として用意されたモニター」という非常にわかりやすい基準で選ぶことができる。PS5で120HzやVRRを利用できるのか、HDRはどうなのか、といったことをユーザー自身が細かく調べなくても、PlayStationとの組み合わせを前提として必要な機能が一通り用意されている。

 つまり本製品には、単なるスペックには表れない「これを選んでおけばPS5で大きく外さない」という安心感が含まれている。この部分に価値を感じるかどうかが、本製品を選ぶ大きな分かれ目になりそうだ。

 PCパーツの価格上昇などによって、高性能なゲーミングPCを一式揃える負担が大きくなっている現在、PS5は相対的に非常にコストパフォーマンスがいいゲーム機となっている。本モニターと「PS5 デジタル・エディション 日本語専用」(希望小売価格55,000円)を合わせて購入すると104,980円。この価格でAAAタイトルを高フレームレートのHDR環境で遊べる性能に加え、ゲームプレイの録画や配信機能まで備えた充実したゲーミング環境を構築できるのだ。

 これからゲーミング環境を整えるなら、PS5とともに本製品を揃えることを検討してみてはどうだろう。