レビュー

ゲーミングノートPC1台でバリバリ戦える時代に!8コアCPU+RTX 3050 Ti+144Hz液晶の「MSI Katana GF76」

「信長の野望」シリーズの長野剛氏とコラボ!日本刀風デザインがイカす

【MSI Katana GF76 11U】

ジャンル:ゲーミングノートPC

発売日:2021年6月3日

参考価格:159,800円(税込)

「MSI Katana GF76 11U」

 ゲーミングPCというと、デスクトップPCが浮かびがちだが、ゲーミング仕様のノートPCも多く登場している。たとえば、物理的に設置が難しい室内環境である場合、ノートPCであるほうが都合がいいし、ちょっとした場所移動もやりやすい。では性能は? これも大きな進化が続いており、デスクトップと変わらないゲーム体験ができるゲーミングノートPCが増えている。

 今回は17.3インチの大型ゲーミングノートPC「MSI Katana GF76 11U」(型番:Katana-GF76-11UC-472JP)をチェックしてゆく。高性能なインテルの第11世代Coreプロセッサーと最新GPUのGeForce RTX 3050 Laptop GPUを軸に、144Hz表示対応の液晶を組み合わせたバランスの良い仕様だ。デカくないか? と思った読者もいるハズだがデスクトップPCであれば、24型クラスのディスプレイが卓上を占有するので、結局こちらの方が省スペースにまとまる。また、大きい分、高性能なパーツを詰め込みやすく、また冷却構造にも余裕が生まれ、長時間のゲームプレイに向くのだ。

長野剛氏コラボで“和”のテイストが光る「MSI Katana GF76 11U」

 「Katana GF76 11U」は、ゲームや書籍で著名なイラストレーター長野剛氏とのコラボレーションモデルであり、シンプルながら美しいデザインを新たに採用している。ゲーミングノートPCはミリタリーめいた無骨さ漂う路線のものも少なくないが、「Katana GF76 11U」はシンプルに尽き、日本刀のような雰囲気だ。底面の通気口は鍔を模したデザインになっており、ビジュアルへのコダワリをさりげない形で表現している。パッと見ではなく、長く使っていても飽きないデザインを目指したようだ。

【長野剛 × MSI | Katana GF / Sword シリーズ スペシャルムービー】
裏面は日本刀の鍔のような六角形グリッド状の意匠を施したデザイン

 といったことを踏まえて外観から見ていこう。上記のとおり17.3インチのノートPCになり、サイズは398mm×273mm×25.2mm。ディスプレイは1920×1080ドット、最大リフレッシュレート144Hzに対応する。天板にはエンボス処理のMSIロゴがあり、色などは加えられていない。よって、天板は単色でシンプルに纏まっていると思っていい。また側面を見ると、エッジがカットされており、スリムに見えるような処理もされているが、ここでも日本刀を思わせるデザインになっている。重量は約2.6kg。基本的には室内で使うのが前提の重量、サイズ感だが、LANパーティなどここぞというときには持ち出すことも可能なレベル。

「MSI Katana GF76 11U」の壁紙は長野剛氏書き下ろしのイラスト
Webカメラは92万画素。隣に見える穴はマイクだ
今回試用した「Katana GF76 11U」は天板に長野剛氏の直筆サインが入っていた!販売モデルにこのサインは入らないが、これを見ると同氏のビジュアルと本機のデザインの親和性の高さがうかがえる
外箱もサイン入りだった

 インターフェイスはソツなく揃っており、両側面にレイアウトされている。USB 3.2 Gen1 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、HDMI出力×1、ヘッドセット端子×1、有線LANとなっており、別途、ゲーミングキーボードやゲーミングヘッドフォンなどをセットしても余裕がある。またワイヤレスはWi-Fi6、Bluetooth 5.1に対応。

左側面。USB 3.2 Gen1 Type-A×1、USB 2.0 Type-A×1
右側面にはUSB 3.2 Gen1 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×1、HDMI出力×1、ヘッドセット端子、有線LANがある
背面には排気口があるだけ
キーボード上部にはスリット状のデザイン。ディスプレイ下部にはMSIのロゴが入っている

 キーボードはもちろん、ゲーミング仕様だ。フルサイズかつ、テンキー付きでアイソレーションタイプ。キーストローク約1.7mmに加えて、金属製シールドを採用したことで、強めに打鍵してもたわんだ感じもなく、ゲームに集中しやすい。WASD移動だけでなく、チャットもやりやすく、バランスのいいキーボードだと感じた。またテンキーは微妙に独立しており、見た目上では分かりにくいが、実際に触れてみると指先で通常キーとテンキーのゾーンの境目がわかる。ゲームタイトルによってはテンキーが重要になるため、指で探りやすいのはありがたい。

キーレイアウト。矢印キー周辺の配置は好みが分かれそうだ
LEDバックライトは赤色のみだが、光の強弱、オン/オフの調整はできる
テンキー右上に電源ボタンがある。うっかり手が当たっただけではスリープに入ることのない仕様だ

 続けて冷却構造を見ていこう。中〜高負荷が続くゲームプレイとは切っても切れない要素であり、「MSI Katana GF76 11U」が属するGFシリーズには「Cooler Boost 5」が採用されているほか、シリーズ専用にカスタマイズされたファン×2と複数のヒートパイプが搭載されている。これにより従来製品比で従来製品と比較し、ヒートパイプ壁を薄型化・内径を拡大することで冷却効率を向上させ、高負荷状態でも長時間の安定動作を実現している。ファン回転時の騒音も甲高い音はせず、スピーカーで遊ぶ際であってもBGMに紛れやすい。もちろん、ヘッドフォンを装備して遊ぶ際にはまず気になることはないレベルだった。

裏面は独特なデザインの吸気口で、角度によっては内部がちらちらと見える
カバーを外した状態

 吸排気は底面から吸気し、背面両端と左側面から排気する。安定動作を考えると、その周辺に排気を妨げるようなものがあるとゲームプレイに支障が生じる可能性が高くなるため、事前に設置するスペースを確認しておきたい。また底面の吸気口は広めに確保されており、ここからも冷却へのコダワリを感じる。

「FFXIV」ベンチ結果は「とても快適」ゲーム向けの機能も充実

 スペックと機能を確認しよう。「MSI Katana GF76 11U」はエントリー向けとされているが、色んなゲームタイトルを気軽に遊べるスペックになっている。CPUは「Core i7-11800H(8コア/16スレッド)」、GPUは「GeForce RTX 3050 Ti / 3050(VRAM 4GB)」、メモリDDR4 8GB×2、ストレージ容量512GB(M.2 NVMe)となっており、雑にグラフィック設定をしても60fpsを確保しやすい。またタイトルによっては120〜144fpsのキープもやりやすく、搭載ディスプレイの最大リフレッシュレート144Hzを活用しやすくなっている。なおメモリは最大64GBまで増設可能だが、MSI公認サポート店のみでの対応になる。

「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」ベンチマークのスコア。同タイトルくらいのグラフィックであれば、最高設定でも良好な動作になる

 プリインストールされている専用アプリケーションは「MSI Center」。ハードウェアモニタリングだけでなく、ファンコントロールに対応するほか、Windowsキーの無効化、WindowsキーとFnキーの入れ替え、Webカメラのオンオフ、画面中央に十字のターゲットを表示する機能もある。ファンコントロールには「Katana GF76 11U」に合わせたプリセットが用意されており、細かい調整の手間を省くことができる。本機購入後すぐゲームに没頭したいのであれば、このプリセットをざっと確認するだけでよいだろう。

「MSI Center」のメイン画面。ここではディスクのクリーンアップとメモリ開放も行なえる
Featuresタブでは電源管理とファンコントロールがセットになったプリセットを選べる
ユーザーモードを選ぶと選択項目が表示される
ファンコントロールが画面。CPUとGPUのファンの挙動をそれぞれ設定できる
こちらはWindowsキーの無効化などが設定できる画面
専用アプリケーションのダウンロードや更新、アンインストールも行なえる

「Apex Legends」は高めの設定でも100〜120fpsで動作

 「Apex Legends」(開発:Respawn Entertainment)からチェックしていこう。同タイトルは比較的軽めであり、フレームレートを稼ぎやすいタイトルに属する。「Katana GF76 11U」のディスプレイは最大リフレッシュレート144Hzなので60fps以上で動作できれば、画面はヌルヌルと動くし、エイミングや振り向き時の状態認識などの面で有利になるシーンも生まれる。

 アプリケーションによる自動設定時のフレームレートはトレーニング及び通常のプレイで100fps前後をキープした。ただ戦闘が激しいシーンでは90fpsにまで落ちることがあり、人によってはフレームレートの変動が気になるかもしれない。ということで、テクスチャフィルタリングやアンビエントオクルージョン品質、スポットシャドウディティールなどの設定を下げてみたところ、状況問わず110fps前後で動作するようになり、また軽い場所では120fpsを超えることもあったほか、大きくカメラを動かしてもフレームレートは安定していた。設定を少し検討するだけで十分にFPSで戦える性能だといえる。

初回起動直後のビデオ設定
フレームレートを稼ぐために、一部の設定を下げてみたところ

重量級の「Forza Horizon 5」は48fpsで安定動作

 発売されたばかりの「Forza Horizon 5」(開発:Playground Games)はPVを見てもわかるが、あからさまに重そうであり、エントリースペックで動作するのかと考えてしまうが、推奨プリセット低でメキシコを走ってみたところ、状況問わず48fpsをキープできた。またプリセット低でも走行中のグラフィックは十分にキレイ。上に掲載したカットはプリセット低のものだ。

 本作のfps制限は24fps/32fps/48fps……というように区切られており、48fpsでプレイしてもあまりカクカクした感じはない。これはレースゲームの場合、いくら爆速で走っていても、車両の挙動はスピーディーではないためだ。またベンチマークモードでは72fpsと表示されたが、フィールとしては下手にフレームレートが上下するよりは、48fpsを上限にしておくほうが気にならずに済んだ。これは車両が多いコーナリング時に顕著で、コーナーワーク中にガクンとフレームレートが落ちるよりは良いというわけだ。

ベンチマークの結果。設定はプリセット低

 プリセット中に変更してベンチマークを実行しても72fpsだったが、表示量が多いシーンでは露骨なもたつきに遭遇した(ゲームのバージョン由来かもしれないが)。といっても画面は十分にキレイであり、「Katana GF76 11U」はエントリー環境であっても、設定を合わせることで重量級のゲームタイトルも遊べると覚えておきたい。

プリセット中と高でのベンチマーク。これも72fpsとなり、実際のゲームプレイフィールと一致しなかったので、気持ち判断材料くらいでいいような

デスクトップPC的な使い方も可能

高性能な「Katana GF76 11U」は、さらに発展的な使い方も可能。市販のゲーミングキーボードとゲーミングマウス、ゲーミングディスプレイを接続して、デスクトップのゲーミングPCと同等の環境を作ることができる。

 とくに外付けのディスプレイをつなぐとデュアルディスプレイを構築できるので、ゲームをプレイしながら攻略サイトを見たり、配信ソフトを立ち上げてプレイ実況したりするときの使い勝手が格段によくなる。普段のプレイでは写真のようにデスクトップPC的な使い方をしつつ、LANパーティの際などには本体のみを持ち出すといった柔軟な運用が可能なのは大きな魅力だ。

MSIのゲーミングデバイスを使ってフル装備をしてみた。スペックに余裕があるため、デュアルディスプレイ環境も構築できる

エントリーモデルながらモリモリ遊べる

 「MSI Katana GF76 11U」は、ゲーミングシーンにおけるスペックとしてはエントリーに属するが、フレームレートを高くキープしやすいだけでなく、ディスプレイの最大リフレッシュレート144Hzと、近年、求められがちな要素をしっかりと押さえている。ビジュアルを優先しても60fps以上を確保できるし、ビジュアルよりもフレームレートを優先したい場合はあらゆるビデオ設定を低くすれば144fps貼り付きもやりやすく、初めてのゲーミングノートPCである場合、設定による変化がよくわかるため、ゲーム関連知識の獲得にもちょうどいいだろう。

 またボディは大型となるが、その分、冷却構造に余裕があり、長時間のプレイの際に各所の温度を考えないで済む。これもパソコンにあまり詳しくないがゲームを遊びたい人向けともいえるだろう。ゲーミングノートPC選びに迷っているのであれば、MSI Katana GF76 11Uから検討してみてほしい。何かと値上がり傾向のなか、スペックに対してほどよい価格帯であり、ゲームを楽しむ相棒としてオススメだ。