レビュー

ゲーミングスマホ「RedMagic 6」レビュー

 その他にも、美麗なビジュアルが評判の「原神」についても試した。本作の場合、デフォルトでは30fps設定になっているフレームレート設定を60fpsに変更、その他の画質設定を全て最高に設定変更してからプレイしてみたが、フィールドを走り回り、飛び回っても全く問題なく、ダンジョン内のバトルもスムーズに進められた。

 ここでは「Game Space」のマクロ機能も試してみた。タッチ操作を「記録」して、それを再生することで自動で各種アクションが実行できるというものだ。フィールドが広大な「原神」の場合、これを使ってひたすらまっすぐ前に進むマクロを保存して実行することで、自動で延々と前に進ませる事ができて移動が快適になった。本機能でユニークなのは作成したマクロを1回だけ実行して終わるか、繰り返し実行するかが選択できる点だ。「Cyclic use」を選ぶことでマクロをエンドレスで実行し続けるため、簡単な動作のマクロを作成して、以降同じマクロをエンドレスで実行するといった使い方もできるので、応用範囲が限りなく広く楽しめる。

ふわふわっとした浮遊感が楽しい「原神」。今回初プレイだが、完成度の高さに驚きつつプレイ。画質設定は最大にしても常時60fpsを保持していた
このような炎のビジュアルもかなり美麗で驚く
マクロ機能を試してみた。まずはカーソル移動など操作の状況を記録する
記録された操作を実行する際は、1回のみの「Single use」とエンドレスで繰り返す「Cyclic use」が選択できる
マクロ実行中は画面上にカウントダウンのアイコンが表示される

 昨今流行りのタイトルとして、往年の名馬たちを擬人化したウマ娘たちを育成する「ウマ娘 プリティーダービー」についてもプレイしてみた。こちらも問題なく快適にプレイできたのだが、筆者がいつもプレイしている時と比べると、明らかに違和感があった。いつもより育成時の周回がスムーズに感じるのである。

 そこで簡単なレギュレーションを決めて、なるべく条件を同じにして育成をプレイしてみたところ、筆者手持ちの「LG G8X ThinQ」と比べて明らかに高速だった。1回の育成で1分~3分弱ほど早く育成が完了するのである。もちろん「ウマ娘」の場合、発生するイベントやレース中のスキル発生などランダム要素が非常に多いため、同じ端末であっても差異がある事は理解している。だが、それぞれ動画を撮影して実際に並べて比較してみると、データ通信する部分ではなく、端末内のデータロードや画面切替において、明らかに「RedMagic 6」の方が高速なのが確認できる。恐らくUFS 3.1対応によるストレージの強化が影響しているのだろう。

 繰り返しになるが「ウマ娘」に関して言えば、ゲーム内のイベント進行などランダムの要素が多いため、一概に明確な差が出るものではない。だが、今回のようにストレージの強化がある場合、あまり3D性能などを必要としないタイプのゲームであっても、ゲーミングスマホの利用で明確に快適度が上がる事が確認できたのは大きな発見だ。

世間で話題の「ウマ娘」いいもんですね。ゲーミングスマホでこの手のゲームが快適になるとは思っていなかったのでかなり意外だった。動画でも周回時の違いなどを紹介してみた
【「ウマ娘 プリティーダービー」育成開始~ジュニア級メイクデビューまでの動作速度比較 RedMagic 6 vs LG G8X ThinQ】
「RedMagic 6」と「LG G8X ThinQ」を用いて「ウマ娘」育成開始からジュニア級メイクデビューまでの経過時間を計測した。ゲームはメッセージスキップ設定。再生速度は等速で、別々に録画したものを再生タイミングを合わせて比較している。

OS内の日本語表記の向上に期待

 ゲーミングスマホとしての「RedMagic 6」は正直なところ、文句なしのスーパークールな端末として仕上がっている。単なるハイエンドなSoCを搭載したスマホと異なり、独自OSを採用して「Game Space」を呼び出すための専用物理スイッチを用意するなど、男の子心をくすぐる端末に仕上がっている。

 これまでのゲーミングスマホと比べてちょっと気になったのは冷却ファンの音だ。「RedMagic 6」には側面部にファンの吸排気口を備えており、負荷が高くなるとファンが回転する。ゲームの音量を高めに設定しているとあまり気にならないが、音量を下げたり、ミュート状態でプレイしていると、明確にファンの音が耳に届く。本機では冷却ファンのコントロール機能も備えるため、気になる場面などではファンをオフにする事も可能だが、そこそこ重めのゲームタイトルをガッツリプレイしている時は発熱量も高くなるため、ファンをオフのままではなく回しておきたい。

 一方で冷却ファンの性能は最大20,000rpmとのことで、従来モデルの16,000rpmと比べても回転数が上がっているため、冷却性能の向上が実感できる面もあり、安心感の高さもあるので一概に不要とは言い難い悩ましいところだ。筆者自身の好みで言えば、しっかり冷却してくれているという安心感が嬉しいので、こうした音は気にならないが、気になる人にとっては、ちょっと悩ましい点といえるだろう。

 また、もう1つ若干気になるのが画面内の日本語表記の数々だ。日本語表記なのはありがたいポイントだが、まだこなれていない面も多く、不思議な日本語を見かける事が多かった。ゲーミングスマホと言っても、普段は普通にスマホとして使用するため、システムの言語表記は自然な物にしてほしいところ。こちらも筆者の個人的な感覚では、日本語で読めるだけでありがたいので、不自然な表記があっても笑い話で終わるところだが、気になる人も多いと思われるので、さらに磨きをかけてほしいところだ。

 その他、今回は試していないが、別売の専用外付け冷却ファン「ICE Dock Dual Core Cooler Fan」も発売予定があるようで、Bluetoothで接続し、ソフトウェアでファンの制御を行なう仕組みになっているようなので、こうしたオプションの充実は大歓迎したい。

 リフレッシュレート165Hzというこれまで以上に高速な有機ELディスプレイを搭載する「RedMagic 6」。簡単に調査してみたところ、過去にリフレッシュレート144Hzに対応する海外タイトルの多くはそのまま165Hz対応しているタイトルも多い様子。今回試したソフト以外でも恩恵を受けられる可能性は高そうだ。

 また、機能が充実した「Game Space」を搭載するなど、普段使いの機能についても申し分なく、そろそろゲーミングスマホを買ってみたいと思っている人には是非お勧めしたい1台に仕上がっている。

「Game Space」のゲームメニューは画像を貼ってカスタムが可能
リフレッシュレートは設定変更が可能
ファンの設定も細かく調整できるが、どうしてもゲームプレイ時など、発熱量が上がると回転数が上がってしまう印象だ
「Game Space」を終了する時はスイッチをオフにする必要があるが、この状態で「戻る」ボタンをクリックすると、「オフゲームキーを閉じてください」という謎のメッセージが表示されてしまう。細かいところだが、こういう文言が自然になると安心して使える印象だ
今回は試せなかったが、別売の「ICE Dock Dual Core Cooler Fan」などが発売した際にはBluetooth接続でファン速度などをソフトウェアでコントロールできるようだ