PS3ゲームレビュー

BEYOND: Two Souls

過酷な訓練で成長するジョディ。大破壊を行なうエイデンの力

過酷な訓練で成長するジョディ。大破壊を行なうエイデンの力

アクションシーンではQTEとなる
CIAでエージェントとしての訓練を受けるジョディ
メニュー画面ではシーンごとのジョディのアップになる。様々な時代のジョディが見れる

 「BEYOND」でのアクションシーンはQTE(クイックタイムイベント)となっている。例えば警官がジョディを捕まえようと手を伸ばした時などは時間の流れがスローになり、この時に右スティックで求められた方向に入力すれば成功し、失敗するとダメージを受ける。本作は極力ゲーム的なアイコンを表示しない方針なため、スローモーションになっている時にどの方向を入力すれば良いのかは画面で判断しなくてはならない。

 また、体力ゲージも表示されないが、ダメージを受けすぎると別な展開になる。「BEYOND」ではプレーヤーのミスによるゲームオーバーはないが、入力をミスしすぎるとその後の展開が変わる。例えば電車内で逃げる「逃亡」ではミスが少なければ屋根の上での戦いになるが、電車内でダメージを受けすぎると屋根の上のシーンには行けずに、車内の一室に閉じ込められてしまう。この場合、エイデンを使うことで見張りの警官を操り、走っている電車内から脱出することになる。

 QTEのチュートリアルにあたるのが「訓練」というシーンで、ここではジョディはCIAの訓練生として本格的なカリキュラムを受ける。ここで彼女は特殊能力を持つエージェントとなるのだ。これ以降、ジョディは体術を使いこなすようになる。「逃亡」で多くの警官と渡り合えるのはこの訓練があったからなのである。

 エイデンも様々な力を発揮する。エイデンの視点で人間達を見ると通常の人間は青いオーラに包まれているのだが、中にはオレンジ色や赤色のオーラを持つ人間がいる。オレンジ色のオーラをもつ人間にはエイデンは一時的に憑依し、身体を乗っ取ることができる。憑依された人間は白目になり、単純な行動をさせることが可能となる。ちなみに赤いオーラをまとった人間は、エイデンの力で首を絞め殺害することが可能だ。

 「逃亡」では追い詰められたジョディが「好きにしてエイデン!」と叫ぶと同時に、すさまじい力を発揮する。ヘリのパイロットを操り墜落させる、ガソリンスタンドのガソリンをまき散らした後電気をショートさせ大爆発を起こす。他にも憑依で同士討ちをさせたり、車を吹き飛ばしたりと、特殊部隊を壊滅させる力を見せる。

 アクションという意味では「任務」というシーンがかなり思い切った展開を見せる。ここでは特殊能力を持つエージェントであるジョディがたった1人でソマリアの戦場のまっただ中に放り出される。「メタルギア」シリーズのようなステルスミッションとなっているのだ。

 武器はハンドガンのみでちょっとあり得ない感じなのだが、他のシーンと一味違ったノリが楽しい。ここでは現地の兵士達とかなり激しい戦いが待っている。もちろんストーリーとして必然ではあるようになっているが、“「BEYOND」のシステムを使ったゲームの可能性”として面白いと感じた。このシーンを膨らませ発展させることで、開発者が本格的なステルスゲームを生み出すのも可能ではないかと思った。

【アクションと、強力なエイデンの力】
過酷な訓練を受けるジョディ
エイデンが憑依すると憑依された人物は白目になり、意のままに操れる
「逃亡」では、エイデンのすさまじいパワーが発揮される
潜入・暗殺ミッションを行なうジョディ。たった1人でソマリアの戦場に
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(勝田哲也)