リズムを刻むアクションRPGシリーズ最新作
- ジャンル:
- アクションRPG
- 発売元:
- 開発元:
- ソニー・コンピュータエンタテインメント
- プラットフォーム:
- PSP
- 価格:
- 4,980円
- 発売日:
- 2011年4月28日
- プレイ人数:
- 1~8人
- レーティング:
- CERO:A(全年齢対象)
昨今、簡単な操作で遊べるゲームは多いが、本作はその中でも飛び抜けている。なんと○・×・△・□の4ボタンだけで遊べる |
4月28日、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントから「パタポン3」が発売された。リズムに合わせて、コマンドを入力し、敵を倒していくアクションRPGシリーズの最新作だ。新クラス、装備品の追加、マルチプレイではアドホックモードだけでなく、インフラストラクチャーモードにも対応など、前作から大幅にパワーアップしている。
ロード時間を短縮できるデータインストールに対応。利用するには151MB以上の空き容量が必要。PSP-3000、SanDisk製 8GB Ultra II Memory Stick PRO Duoの環境で、インストールに必要な時間は3分弱程度であった。
早速、本作の魅力を紹介していきたい。
■ ○・×・△・□の4ボタンの組み合わせで繰り出す8つのアクション
本作では、4拍子のリズムに合わせて、○・×・△・□ボタンの組み合わせでパタポンたちに行動命令を出し、ゲームを進める。1回の命令で4回ボタンを入力。これが4拍1小節の4拍子となる。例えば、前進の行動命令である□・□・□・○と入力すれば、次の1小節でパタポンたちが前進する。入力→結果を見る→入力→結果を見る……と繰り返していくわけだ。8つの行動命令について簡単に紹介したい。
命令コマンド | |
すすめ □・□・□・○ | せめろ ○・○・□・○ |
まもれ △・△・□・○ | ためろ ○・○・△・△ |
にげろ ○・□・○・□ | ジャンプ ×・×・△・△ |
さわげ □・○・×・△ | ショカーン ×・××・×× |
○ すすめ □・□・□・○
右もしくは左にスクロールしていく本作での前進コマンド。1回の命令でパタポンたちが少し前進する。他のアクションで敵や障害物を撃破し、「すすめ」で前進して、ステージのゴールに辿りつけばクリアとなる。
○ せめろ ○・○・□・○
攻撃コマンド。クラスにより、攻撃範囲・方法は異なるが、基本的に画面内に見えている敵であれば、自動で前進して攻撃してくれる。その際は、攻撃終了後に元の位置まで戻ってくる。
○ まもれ △・△・□・○
敵の攻撃をガードする防御コマンド。受けるダメージを通常より減らすことができる。
○ ためろ ○・○・△・△
力をためるコマンド。この命令の後、「せめろ」をすれば通常より威力の高い攻撃が、「まもれ」をすれば通常より強固なガードができる。
○ にげろ ○・□・○・□
一時敵に後方へと退避するコマンド。「まもれ」と違い、成功すればダメージなしで敵の攻撃をやり過ごせるが、タイミングや攻撃範囲を見誤ると危険。逃げ切れない場合や攻撃時間の長いタイプの攻撃の対処には向かないので、その場合は他の防御手段を選択したい。
○ ジャンプ ×・×・△・△
上方向にジャンプするコマンド。低位置への攻撃の回避だけでなく、高所にある仕掛けを動作させたりする場合にも使用する。
○ さわげ □・○・×・△
パタポンたちが騒ぐコマンド。ただ、騒ぐだけでなく、状態異常を回復し、コマンド効果時間内の状態異常を防いでくれる重要コマンド。次に紹介する「ショカーン」の発動に必要なショカナジーを大幅に増やす効果も持つ。
○ ショカーン ×・××・××
他と少し入力タイミングの異なる「ショカーン」は、「経」というアイテムを用いて古代の神を召喚するコマンド。発動には、ショカナジーがMAX、「ショカーン」使用回数が残っている必要がある。「ショカーン」を発動中はアドリブでボタンを入力する。入力内容に応じてスコアがアップし、強烈な攻撃が繰り出せる。「ショカーン」中に流れる歌に合わせて入力すると高いスコアになるようだ。さらに「ショカーン」発動時には、体力全快・仲間の復活などの効果もあり、ここぞという場面で使うようにしたい。
前進する「すすめ」(□・□・□・○)と攻撃する「せめろ」(○・○・□・○)は使用頻度の最も多い命令になる。入力ミスのないようにしっかり入力したい | ショカーンではアドリブでボタンを入力。攻めだけでなく、回復面でも重宝するアクションだ |
コマンド入力タイミングを知らせるリズム枠が画面に表示される。音と共に確認しながら入力すれば、ジャスト入力を成功させやすい |
これら8つのコマンド全てが、常に必要というわけでなく、雑魚相手なら「すすめ」、「せめろ」だけで十分なほど。とにかく状況に合わせて、リズム良くボタンを入力していけばいい。また、通常クエスト中にポーズをかけることはできないが、ある訓練で得られる「パタポンの唄」があれば、□・○・□・○でポーズがかけられる。
タイミング良くコマンドを入力していくとコンボ数が増え、コンボ数が10に達すると、キャラクターの攻撃力や防御力がパワーアップするフィーバー状態に突入する。フィーバー状態突入後は、コマンド入力に成功し続ける限り継続される。
重要なのはフィーバー状態を切らさないこと。通常、コンボ数10でフィーバー状態になるが、リズムに合わせた正確な入力(ジャスト入力)だと、少ないコンボ数でフィーバー状態に突入できる。前述の「ショカーン」に必要なショカナジーを増やせるのもフィーバー中のみで、ショカナジーがたまった状態であっても、コマンド入力に失敗し、フィーバー状態が途切れると0からタメ直しになってしまう。フィーバー状態の継続、ジャスト入力を常に心がけ、有利にゲームを進めたい。
10コンボになるように連続してコマンドを成功させればフィーバー状態に突入する。3コンボ目以降にジャスト入力すれば、10コンボを待たずにフィーバー状態に! |
■ ステージには、様々な敵、仕掛けが待ちかまえている
アジトにあるマスターオベリクを選択すると、ワールドマップが表示され、マップからステージを選択すると、ステージ内にあるクエスト一覧が表示される。クエストを選択すればゲームスタートとなる。これを繰り返してゲームを進めていく。
クリア条件はステージ最後にあるゴールに辿り着くこと。“はたポン”がやられる、“はたポン”以外の全員がやられるかのどちらかで、クエスト失敗となる。なお、ゲームオーバーやクエストをリタイヤした場合、クエスト中に獲得した宝箱は無くなってしまうが、経験値や素材は得られるので、そのプレイは無駄にはならない。
クエストをプレイするには、アジトにあるマスターオベリク→ワールドマップ→ステージ→クエストと選択する | 敵をなぎ倒し、ステージ最後にあるゴールまで辿り着けばクエストクリアとなる | “はたポン”がやられるか、“はたポン”以外の全員がやられるとクエスト失敗となってしまう |
ほねデス軍団という雑魚はとにかく攻撃するだけで構わないが、サイクロプスなどの大型モンスターは、強力な攻撃を仕掛けてくるので注意が必要。しっかりと対処しなくては大打撃を受けてしまう。攻撃前には固有のアクションがあるので、良く見て対処したい。例えば、サイクロプスであれば、攻撃前に手に持った武器を振りかぶる。その後、岩を投げるか、ジャンプして武器を振り下ろす攻撃を繰り出す。振りかぶるのを見たら、「まもれ」や「にげろ」といった防御コマンドを入力すればいいわけだ。他にも撃破後に爆発、眠らせる攻撃を仕掛けてきて、眠っている状態で受けると即死する攻撃を仕掛けてくるなど、様々な敵が登場する。どの敵もわかりやすいアクションなので、覚えるのは難しくない。
サイクロプス登場。武器を振りかぶるのを確認したら防御コマンドを入力。後ろにスペースがなかったので、ここでは「まもれ」(△・△・□・○)を選択した。敵に応じた適切な行動を選んで余計なダメージを受けないようにしてゴールを目指そう |
敵だけでなく、ステージオブジェクトや施設などへの対処も重要。例えば、ステージに生えている草は炎タイプの攻撃で炎上する。炎上した場所にいるだけでダメージを受けてしまい、場合によっては体に火がうつって、一定時間ごとにダメージを受けつつ、アチコチを走り回って行動不能になってしまうことも。炎上している場所に留まらないようにしたり、「さわげ」で状態異常回復して対処したい。これは敵も同じで、うまく利用すれば、有利に働く。他にも、破壊するまで前進できず、敵がわき続ける施設、回避しないと大ダメージを受けてしまう仕掛けなども存在する。それぞれに対して適切な行動をすることが肝心だ。
敵を撃破したり、オブジェクトを破壊すると、宝箱、素材、お金、回復アイテムが得られることがある。宝箱と素材は獲得すると画面右上に並んでいく。宝箱には銅・鉄・金などのランクとレベルがあり、ランクとレベルが高いほど、よりよい装備品が得られる。素材とお金は装備品の強化に必要。回復アイテムは難しいクエストでは特にありがたい存在。回復手段のあるクラスもあるが、回復アイテムで回復できる量は大きく、回復アイテムには倒れた仲間を復活させる効果も持つものも。
敵撃破時に出たアイテムはキャラクターが触れることで獲得できる。獲得した宝箱や素材は画面右上に並ぶ。クエストクリア後には宝箱を開けるイベントが。どんな装備品が出るのかドキドキの瞬間だ |
多くのステージは屋外であり、屋外のステージではヒーロー(パーティー内に1人しかいない、特殊な力を持つ神様の現し身)は倒れても一定時間経過で復活できる。だが、ダンジョンなど複数階層のステージでは復活できない。この場合のヒーローや他のキャラクターの復活条件は、「ショカーン」を使う、次のフロアへ行く、復活できる回復アイテムを取るの3つだけとなる。なお、複数階層のステージでは1フロアクリア毎に、引き返すか、次のフロアへ進むかが選択でき、引き返せばそれまでに獲得した宝箱を持ち帰ることができる。
クエストの中には、先にゴールへと到達することを目指すレース形式のデッドヒート、両サイドから攻め合う陣取り形式のヘッドオンなども存在する。通常とは異なるため、形式に合わせたクラスやスキルを選択すれば有利に進められる。これらの特殊な形式のものは、マルチプレイの対戦でもプレイできる。
屋外のステージでのヒーローは時間経過で復活できる。だが、倒れる毎に復活に必要な時間は増えていく | レース形式のデッドヒートなど、通常とは異なる特殊なクエストでは、形式に合わせたクラスやスキル選びが重要になる | ○・×・△・□ボタンだけでプレイは可能だが、L/Rボタンでは画面を少しスライドさせて先を見ることも。初見のステージでは重宝する |
■ ヒーローのみが持つ特別な力、3系統からなる多彩なクラス
行動するパーティーは、特殊な力を持つヒーロー、槍系のトン、盾系のチン、弓系のカン、パーティーの生命線となる“はたポン”の5人で構成される。
ヒーローはフィーバー状態でヒーロー技のコマンドをジャスト入力するとヒーロー技が使える重要キャラクター。有効利用できるかどうかで難易度は大きく変化するほど、ヒーロー技の効果は高い。新しくゲームを始める際、ヒーローの名前とクラスを決定する。選択できるクラスは、攻撃特化の槍系初期クラスのヤリーダ、攻守のバランスのとれた盾系初期クラスのタテラーゼ、後方から弓で遠距離攻撃する弓系初期クラスのユミヤッチャの3クラス。本作に慣れていないなら、扱いやすいヤリーダかタテラーゼがオススメだ。
ヒーロー技は通常の攻撃よりも遥かに高い効果を有する。発動にリスクはなく、特定のコマンドをジャスト入力するだけで発動してくれる。ヒーロー技を多用して有利にゲームを進めたい |
クラスのレベルに応じて、その系統の新たなクラスが解放されていく。解放条件やクラス概要は取扱説明書にも記載されているので、確認しておけば、効率良く、目標のクラスに到達することができる。クラスは、ヒーローに限り、初期クラスのレベルが15に達すると別系統のクラスを扱えることもあり、最終的には3クラス全て利用できるのだが、槍系のトン、盾系のチン、弓系のカンの3人は設定された1系統のクラスしか利用できない。
各クラスにはレベル以外に、強さを大きく左右する要素として、クラススキル、セットスキルがある。
クラススキルは使い込むほど成長するもので、習得してしまえば、そのクラスでいる限り、効果を発揮する。槍系初期クラスのヤリーダなら2本の槍を同時に投げるヤリヤリ(フィーバー攻撃かタメ攻撃で発動)、盾系初期クラスのタテラーゼなら物理攻撃を受けてもダメージを10%カットしてくれるテッペキ10%、弓系初期クラスのユミヤッチャなら2本の矢を連続で射るラピドン2(フィーバー攻撃かタメ攻撃で発動)となる。例外として、クラススキル画面でスキルから他のクラスへと矢印が伸びているものは、他のクラスでも効果を発揮する。
セットスキルは決められたレベルに到達すると習得できるスキルで、どのクラスであっても、セットさえすれば効果を発揮する。最初に習得するセットスキルは、ヤリーダなら槍・長槍装備時に攻撃力20%UPのヤリアタックLv1(それ以外の武器でも半分の効果が得られる)、タテラーゼなら盾・大盾装備時に盾回避率10%UPのタテヒラリlv1(ただし、盾では50%、大盾では70%が上限)、ユミヤッチャなら弓・長弓・自動弓装備時に攻撃力20%UPのボウアタックlv1(それ以外の武器でも半分の効果が得られる)となる。ただし、セットには制限があり、決められた数しかセットスキルをセットすることはできない。
セットスキルは組み合わせが自由なものの、セットできる数に制限があるので、よく考えてセットしたい。ちなみに攻撃力UPするタイプのセットスキルなどは、重複させた分の効果が得られる(例えば20%UPと30%UPをセットすれば50%UPになる)ので、とにかく攻撃力が欲しい!という場合は、攻撃力アップのスキルを重ねるといい。ヒーローに至っては、全クラスを利用できるので、スキルの組み合わせの自由度が非常に高い。槍系のクラスながら、盾系のセットスキルをセットするなんてこともできるわけだ。さらにクラススキルの中には、系統をまたいで効果を発揮するものもある。
ここからは簡単に3系統のクラスについて紹介したい。
槍系のクラスツリー。どれも攻撃力が高く、近・中距離戦で活躍する |
○ 槍系クラス
槍系は攻撃に特化したクラス。槍系の中でも、槍系基本クラスのヤリーダ、盾が利用でき、防御力の高いパイケロンといった歩兵タイプ、騎乗して突進攻撃をするキバッダ、戦車に乗って戦うカノッサルタンといった騎馬タイプの2つに分かれる。
槍系は最前線に立つ盾系の1つ後ろに立つため、ダメージを受けやすく、特に盾を装備できないクラスは防御面のケアが欠かせない。高い攻撃力を誇るヒーロー技を活かして、素早く敵を撃破したい。ヒーロー技のコマンドは「せめろ」、「ためる」、「ためる」→「せめろ」の3タイプあるので、使いやすいと思えるコマンドからクラスを決めるのもいいだろう。
盾系のクラスツリー。盾系とはいっても、盾を装備しない攻撃重視のクラスも存在する |
○ 盾系クラス
盾系は防御、近接攻撃攻撃に特化したクラス。大盾を唯一装備できるものの攻撃は他人任せの防御特化型のガーディラ、大地を揺さぶるほど強力なタメ攻撃が可能なトンデンガ、自然の力を利用して味方を癒し、敵の攻撃を防ぐバウムンクなど、最前線に位置する盾系とはいってもクラスにより性能は大きく異なる。
やられるとゲームオーバーになってしまうはたポンは防御力が低く、攻撃を受けるとすぐに倒れてしまうが、盾系クラスが生存している限り、ダメージを受けないことからも重要な存在。もし、ヒーローが盾系でない場合、盾系のチンの生存がクエストの成否を握っているといえるほどだ。
ヒーローを防御主体のクラス・装備にした場合、攻撃はトン・チン・カン任せで長期戦になりがち。ただし、攻撃系のクラスも多くあるので、そちらを選べば、槍系と同様にガンガン攻めていける。チンのクラスは、パーティー構成にもよるが、盾+両手武器が扱えるトンデンガがオススメ。攻撃力が高く、防御面も十分とバランスがいい。ヒーローを盾系にしているなら、もっと攻撃寄りなクラスや施設破壊特化クラスを選ぶのが良さそうだ。
弓系のクラスツリー。弓系は後方に位置し、パーティーをサポートする |
○ 弓系クラス
弓系は弓・大砲・魔法・楽器などでパーティーをサポートするクラス。弓や大砲による直接的な攻撃、魔法による攻撃・回復、楽器による状態異常効果など、その性能は多岐に渡る。
最後方に位置しているものの、盾が装備できず、装備可能箇所も少なめと、パーティー内で最もやられやすいクラスともいえる。位置取りや防御などに気をつけたい。
弓や大砲などでの直接攻撃は威力も十分だが、他クラスでも直接的な攻撃は行なえるため、バランスを考えるなら、楽器や魔法が扱えるクラスがいいだろう。特に毒・眠り・着火などの状態異常を引き起こす音玉をばら撒く凶音詩人ジャムッシュで、毒と眠りを強化するのがオススメ。毒は最大HPから算出される割合でダメージを与えられるため、ボスクラスの相手ではとんでもないダメージを叩き出せるし、眠りは完全に相手を無効化できる。ボスクラスの相手に通用する点でも優秀だ。魔法タイプでは、回復と足止めができるピングレックはサポートとして扱いやすい。また、装備により使用できる魔法が変化し、使い込むほど性能が高まる黒魔法師ウッホロックも成長がわかりやすく育てがいがある。
■ シングル、マルチ共に欠かせない施設が多く並ぶアジト
活動の拠点となるアジトには多くの施設が並ぶ |
拠点となるアジトには、シングル・マルチ共用施設のマスターオベリク、すこポン、キャンパ、アルマリ、カジヤン、マルチ専用施設のヒーローゲート、エンターク、バトルゲートがある。
マスターオベリクは前述の通り、クエストに挑戦するためのワールドマップへ行く施設。シングルプレイで最も利用する施設だ。
すこポンはアジトの見張り役で、稀にレアモンスターを発見してくれる。発見した場合、ステージに特殊なクエストが追加され、選択することでレアモンスターとの戦いに挑戦できる。強敵ではあるが、数段下のレベルのレアモンスターであれば簡単に倒せるし、厳しい相手だと判断したらオンラインで仲間を探せばいい。倒すとレアドロップが期待できるので見逃さないようにしたい。
キャンパは装備・ショカーンの変更、クラススキル確認、セットスキルのセット、クラスチェンジが行なえる施設。最強と思われる装備を自動的に当てはめてくれる最強装備も利用可能。なお、クエスト挑戦時には毎回キャンパと同様の画面になり、各種設定が行なえる。
アルマリは獲得した武器・防具・素材を解体する施設で、解体するとチャリン(ゲーム内通貨)や素材が得られる。大抵の場合、1クエストクリアで複数の装備品や素材が得られるので、いらないと思ったらすぐに解体しておくと、チャリンや素材が増えるし、装備変更の際も楽になる。ロード時に表示されるTIPSもここで閲覧できる。TIPSには、クラス説明、敵の情報など、重要な情報が多いので忘れたり、見逃してしまったら、チェックしたい。
カジヤンは装備品を強化できる施設。1回強化すると装備品が+1されていく。強化にはチャリンや素材が必要でベースとなる装備品や+の多さにより、必要なチャリンや素材が変化する。また、+10以上の装備品を鍛えるとカジヤンのレベルを越えて強化できるとっぱアイテムの指定ができるようになる。とっぱアイテムは変更できるものの、常に1つしか指定できない。しかし、マルチプレイで他のプレーヤーのアジトに行って、自分とは異なるとっぱアイテムが指定されている場合、自分のカジヤンのレベルを越えた強化ができる。
キャンパではキャラクターの各種設定が行なえる。クエストに合わせて設定しよう | 武器・防具・素材が解体できるアルマリ。いらないアイテムはここで処分だ | カジヤンではチャリンや素材で装備品が強化できる。なお、強化に失敗することはない |
ここで装備品について紹介しておきたい。筆者がプレイして確認した限り、装備には5段階のレア度が存在する。
1:背景が白で、売買できず、支給品である最弱の装備。
2:「もえる剣」などの背景が緑色で、魔力付帯の装備。
3:「雷光の刀[力]」などの背景が水色で2つの魔力が付帯した装備。
4:「鬼槍ゲボルングン」などの背景が黄色、武器名がオレンジの特殊な性能を持つユニーク装備。
5:「激戦斧ハンブーン」などの背景が黄色、武器名が紫の特殊な性能を持つスーパーユニーク装備。
カジヤンで強化できるのは2、3のみで、1、4、5は強化できない。2より3の方が高性能なため、3を鍛えるようにしたい。また、3には、「こおる剣[炎]」のように2種類別の魔力が付帯しているものと、「もえる剣[炎]」のように2種類同じタイプの魔力が付帯しているものがある。どちらを鍛えるかはプレーヤー次第だが、より高い効果を求めるなら、同じタイプが2種類付いた1点特化型を鍛えるといいだろう。4や5の装備は2や3と異なり、防御面のステータスアップなど、様々な効果が得られるが、単純に攻撃力などで比べれば、+値の高い2や3の装備であっても、4や5の装備より強くなるので、レア度が高いからといって強いとは言い切れない。ちなみに4や5の装備は強化できないが、+値の付いているものも存在する。
ヒーローゲートはエンタークでチームを作成すると使用可能になる通信ゲート。エンタークはチームの管理を行なう施設で、チームの目標確認、チャット内容変更などが行なえる。バトルゲートは対戦プレイ専用のゲートで、対戦マルチ専用クエストが選択できる。
製品版のマルチプレイは発売前ということで体験できなかったが、「パタポン3 ビックリたっぷり!100時間体験版」(4月27日配信終了)では体験することができた。あくまで体験版ではあるが、基本は変わらないだろう。なんといっても嬉しいのが、家にいながらにしてマルチプレイが楽しめるインフラストラクチャーモードの対応。マルチプレイでは、トン・チン・カンとではなく、ヒーロー同士でパーティーを組んで戦い、4人それぞれがヒーロー技を繰り出せるので、シングルとは違ったゲームプレイが堪能できるし、息の合ったプレイができれば物凄い力が発揮できる。さらにマルチ専用で高難易度のマル専クエストでは、より良いアイテムも期待できる。マルチプレイでは、方向キーで簡単なチャットによるコミュニケーションがとれるが、友人とプレイするのであれば、直接的なコミュニケーション手段を用意するのがいいだろう。
■ 最後に
○・□・△・×ボタンだけで遊べるというシンプルなゲームながら、ボタンの組み合わせによる8つのアクション、多くの装備品、レベルアップやプレイを重ねることで習得するセットスキルやクラススキル、クラスにより異なるアクション、ステージに配置された仕掛け、多彩な敵の行動パターンなど、飽きさせない要素が満載。また、ゲーム性に音が直結した本作では、目だけでなく、耳もフルに活用してプレイするため、没入感も高い。
筆者のクリアタイムは約31時間。クラス変更などを多く行なったため、平均的なクリア時間より長いかもしれないが、シングルでのボリュームはクリアまでだけを考えても十分といえるレベルだろう。試したいセットスキルの組み合わせやクラススキルのためのレベル上げ、強いアイテムを求めたプレイ、クリア後に解放される驚きの新要素、マルチプレイと、何時間遊べるかは計り知れない。発売され、みんなでマルチプレイが遊べる日が来るのを心待ちにしている。マルチプレイでは、インフラストラクチャーモード対応がとにかく大きい。対応タイトルは少なく、PSPでの対応は難しい面も多いかもしれないが、マルチプレイ対応ゲームでは標準装備にして欲しいと多くの人が望んでいるモードといえるだろう。
4月27日配信終了となった体験版からはデータの引き継ぎが可能だが、引き継げるのはチャリンと素材だけで、体験版をプレイしていないと取れないアイテムが!ということはないので、体験版をプレイしていなくて特に問題はない。体験版をプレイしている場合、引き継げる要素が少ない点は残念だが、ゲームの進め方、敵毎の攻略の面などで有利といえる。また、ヒーローの他系統クラスへの変更条件、セットスキル習得条件、重要なセリフの吹き出しの背景が通常とは異なるカラーになるなど、体験版との違いを探してプレイするのも面白い。
簡単に遊べながらも奥が深く、やりこみ要素は十分で、マルチプレイ可能、ロード時間が短く快適など、非の打ち所の無い仕上がり。誰にでもオススメできる良質なタイトルだ。
※ なお、本作のダウンロード版はPlayStation Networkが復旧次第、配信日が決定される。
(2011年 4月 29日)