★PS3ゲームレビュー★

みんなで戦う! カスタマイズして戦う!
HDクオリティの2Dアニメと3DCGが融合した新「ガンダム戦記!」

「機動戦士ガンダム戦記」

  • ジャンル:部隊統率型アクション
  • 発売元:株式会社バンダイナムコゲームス
  • 価格:8,379円
  • プラットフォーム:プレイステーション 3
  • 発売日:発売中(9月3日)
  • プレイ人数:1人(オンライン時最大8人)
  • CEROレーティング:A(全年齢対象)

 PS2「ガンダム戦記」のエッセンスを盛り込みつつも、PS3の性能を生かしてまったく新しい作品へと進化した「機動戦士ガンダム戦記」が登場した。UC.0081、1年戦争直後の世界が舞台で、シナリオモードではオリジナルストーリーを連邦軍側ジオン軍側の両方の視点から楽しめる。

 また、ストーリーと関係なく様々なミッションに挑戦するフリーミッションモードでは、オフラインとオンラインでのプレイが可能。さらに、オンラインでは対戦プレイと協力プレイの2つが楽しめる。協力してミッションに挑んでポイントを稼ぎ、豊富なモビルスーツを自由にカスタマイズしていく。そして対戦も楽しむというわけだ。レビューで詳しく紹介していこう。



■ 1年戦争直後の連邦、ジオンそれぞれの物語を描いたオリジナルストーリー

―― 【ストーリー】 ――

 地球連邦軍とジオン公国軍が戦った1年戦争の終戦より1年あまりが経過した、U.C.0081年。連邦軍の勝利により世界にはひとまずの平和が訪れたようにみえたが、いまだ各地ではジオン軍の残党が投降を拒否、モビルスーツなどの兵器を用いて激しく抵抗していた。

 連邦軍は現状を打破すべく、アフリカ大陸に潜伏するジオン軍残党に対して「砂漠の風」作戦を発動する。一方ジオン軍は連邦軍に一矢報いるために「水天の涙」作戦の準備を着々と進めていた。

「ファントムスイープ隊」隊長ユーグ・クーロ
「インビジブル・ナイツ」隊長のエリク・ブランケ

 連邦軍の主人公でありプレーヤーとなるのはユーグ・クーロ。ジオン残党掃討部隊「ファントムスイープ隊」の隊長だ。かつて率いていたチームを全滅させた過去を持ち、そのことを悔いている。一方、ジオン軍側でプレーヤーになるのはエリク・ブランケ。部隊「インビジブル・ナイツ」の隊長で、反攻作戦「水天の涙」を強い意志で遂行する。

 本作の時代は1年戦争後。既にジオン公国軍は敗北しており「ファントムスイープ隊」は部隊の名前通り戦後の亡霊との戦いという終わらない戦いの辛さ、「インビジブル・ナイツ」は敗北した屈辱からの悲哀が感じられる物語になっている。両方の視点から交錯していく物語を楽しめるのが魅力だ。

 ストーリーはアニメシーンで展開される。アニメはハイビジョン画質でクオリティが高い。アニメのムービーを挿入しているゲームはたくさんあるにはあるが、これだけクオリティが高いものはなかなか無いだろう。また、アニメがプレイ画面のCGにカットインされる場面もあって面白い。2Dアニメと3Dゲームがミックスされた独特な演出になっている。


HDクオリティのアニメがミッション中にも随所に挿入される。読み込み等はそれほど気にならず、カットインの演出もいい感じだ
ミッション中の画面は後方視点。セレクトボタンで距離や角度を変えられるが、コックピット視点がないのが少し残念
仲間に指令を出す「チームコントロール」。ミッション中には8種類使用できる。ミッション前に適した指令をセットしよう

 シナリオモードでは作戦の進行に応じて新たな機体が配備される。そのためモビルスーツの購入はできないが、カスタマイズ用の武器やパーツを購入して好みにカスタマイズ可能だ。また、部隊にはそれぞれ仲間がいて最大3機で作戦に挑める。仲間が乗る機体も指定できるほかカスタマイズが可能だ。

 プレーヤーはそれぞれの隊長として作戦中に仲間へ指令を出せる「チームコントロールシステム」を採用している。方向キーの上下左右で4種類のほかL1ボタンと方向キーの組み合わせでも4種類の指令があり、全8種類を状況や作戦によって使い分ける。万全の状態のときには「突撃」で、僚機に近接戦闘を指示したり、「攻撃」で自主判断による各個撃破を命じたりできるほか、戦闘が一区切りした時点などに「補給」で僚機に武器弾薬などの補給を促すことも可能だ。作戦によっては特定の拠点を防衛するものもあるので、防衛の指令を出したり、航空部隊を狙撃するよう指令するのも重要になる。

 作戦中の画面は後方視点(TPS視点)。セレクトボタンで斜め後方や中心後方などに切り替えられるが、主観視点(FPS)やコックピット風の視点は用意されていない。モビルスーツの操作は左アナログスティックで移動、右アナログスティック、×ボタンでブーストダッシュやジャンプが可能。ブーストダッシュで緊急回避的な動きやジャンプや上昇ができるが、ブーストゲージが一杯になってしまうと再使用まで少し待たなければならない。

 モビルスーツの挙動は重量感のあるリアル路線の動きだ。ただ、移動やブースト時のスピードはモビルスーツによって異なる。序盤のモビルスーツでは、当然性能は控えめで、はっきり言うと遅い。また、モビルスーツの性能以外にパイロットのスキルも関わるため、高性能なモビルスーツへの乗り換えと成長要素という2つの要素で変わっていく。


自由なカスタマイズが大きな魅力。性能にはモビルスーツの性能による差がかなり大きいほか、パイロットのスキルも影響する

 武装は主武装がR1ボタン、副武装△ボタン、MS専用武器1がR2ボタン、MS専用武器1が□ボタンの4種類ある。だが、専用武器があるかないかはモビルスーツによって異なるので、基本は主武装、副武装がメインだ。また、R3ボタンを押すとスナイプモードに切り替わるって遠くの敵を狙撃することができる。だが、スナイプモードで狙撃するには適した射程の長い武装が必要だ。シールドを装備していればL1ボタンで防御もできる。防御はダメージを大幅に軽減できるほか格闘攻撃を弾くこともできる。

ロックオンして武器に適した距離から撃つのが大事。弾を無駄に消費しないよう硬直を狙おう
画像のようなスナイプモードもある。スナイプ時はしゃがんでチャージ速度を速めて狙いをすまそう

 攻撃するときにはロックオンとチャージ攻撃が重要だ。ロックオンは○ボタンで行なうが、モビルスーツのレーダー性能によってロックオンできる範囲が変わってくる。また、ロックオンサイトの色が武器の射程範囲に入っているかどうかを示してくれるので、焦らず弾数を無駄にしないように攻撃しよう。

 弾数の話題が出たが、格闘以外の武器には弾数があり、尽きた場合は補給しなければならない。作戦によっては補給ポイントが遠い場合があるし、補給ポイントを敵部隊に破壊された場合、当然補給はできなくなる。無駄に弾数を消費しないよう気を配るか、装備している武器がビーム系兵器の場合は、カスタマイズパーツでエネルギーパック等の予備弾を装備しておくなどの工夫が必要になる。万が一に備えて予備弾や弾数制限のない格闘武器を持つようにしたほうが無難だ。

 チャージ攻撃はいわゆる溜め撃ちで、ビーム系兵器なら威力がアップ、バズーカ系兵器なら爆風の範囲が広がり周囲を巻き込めるようになる。また格闘攻撃をチャージするとターゲットに高速で近づいてホーミングする攻撃になる。先ほどの弾数を節約する意味でも、より威力の高いチャージ攻撃を確実に当てていくのが望ましい。

 機体の装甲はAPゲージで表示される。APはモビルスーツやカスタマイズで最大量が違うが、最大時100%で表示される。減ったゲージはしゃがんだり補給を受けることで回復するが、一定以上のダメージを受けた場合「アーマーブレイク」という状態になる。APの量は円状のゲージで4段階に区切られているが、「アーマーブレイク」すると区切られているゲージのひとつが無くなってしまい最大量が減ってしまう。例を挙げると50%以下までダメージを受けると最大量が100%から75%になるといった具合だ。ブレイクしないようAPはこまめに回復しよう。


ミッションは平坦な陸地、雪山のアンテナ基地、水中、そして宇宙など様々な場所にある。シナリオモードでは地形に適したモビルスーツが配備される

 シナリオモードのボリュームはそこそこといったところで、ひとまずエンディングを迎えるまでなら20~30時間ほどでクリアできると思う。ただしこの数字は連邦とジオンと両サイドの両方をクリアする時間。片方だけなら半分ぐらいになる。片方をクリアしてからもう一方をプレイすると、新たな側面や物語の背景に流れていた数奇な運命が見えてくる。一方をクリアしたなら、自然ともう一方もプレイしたくなると思う。

 こうしたオンオフ両方が遊べるタイトルでは、シナリオモード、フリーミッションモードいずれを先に遊ぶべきかどうかというところで迷うと思うが、本作は先にシナリオモードをプレイしておいたほうがいいと思う。シナリオモードをクリアしているかでオンラインプレイにいくつか変化が出るためだ。システムやカスタマイズの基礎を身につける意味や、世界観を把握する意味でも、まずはシナリオモードをやりこんでみるのをオススメしたい。



■ 豊富なモビルスーツと自由度の高いカスタマイズ

モビルスーツの種類は連邦とジオンあわせて70種類以上と豊富

 本作の大きな魅力は、豊富な登場モビルスーツの数とカスタマイズの自由度の高さだ。登場モビルスーツは70種以上に加えダウンロードコンテンツによる追加もある。カスタマイズは射撃、格闘、シールド、さらにモビルスーツの性能を増減するカスタマイズパーツやモビルスーツを改修するパーツがある。

 射撃武器はマシンガン、ショットガン、キャノン、ミサイル、バズーカ、ビームなど様々なタイプがありそれぞれに特性が異なる。どの武器をどんなモビルスーツに持たせるかの自由度はかなり高い。

 例えばザクと言えばマシンガンが定番なわけだが、ビームライフルを持たせることだってできる。その場合、ザクは出力が足りないためジェネレータを強化するカスタマイズパーツを合わせて装着することで利用可能になる。ライフルを2丁持つスタイルや、反対に格闘武器を2つ持つというスタイルも自在だ。

ポイントを貯めているうちに次々と高性能なモビルスーツがショップに登場する。買い時に悩んでしまうところがある

 新しいモビルスーツはフリーミッションでポイントを稼いで購入するか、改修パーツを使って所持しているモビルスーツをグレードアップするかどちらかの方法で入手する。購入する場合はかなり高額なポイントが必要になるほか、ポイントを稼いでいるうちに次々と新しいモビルスーツのラインナップが増えていくため、どうにも買い時が難しくなってくる。

 例えば、6万5千ポイントのジム・コマンドを購入しようとポイントを稼いでいるうちに、10万ポイントのジム・スナイパーカスタムが出てきてそちらに購入目標が変わる。さらに、10万ポイントを目指しているうちにまた新たな機体がラインナップされるというようなことが起こる。当初の目的の機体が購入できるようになったタイミングには、もっと上位の機種が見えていて妥協して買うことになってしまう。ラインナップが増えるタイミングはもう少し遅めのほうが嬉しさがあるのではと感じた。

 一方、改修パーツで既存のモビルスーツを改良する方法は、ポイントこそ掛からないがパーツ集めがなかなか大変だ。ミッション報酬のドロップパーツを5~10個必要な物が多い。こちらもやはり購入のラインナップがどんどん早めに増えるのがネックで、改修パーツが揃わないうちに購入のほうでもっと上位のモビルスーツの存在が見えたりしてしまう。ただし、改修パーツでしか入手できないモビルスーツも存在するので、やりこんだ先にはポイントよりも重視されるようになる。序盤から中盤のステップアップには購入、改修パーツともにバランス調整が欲しいと感じた。

スタンダードな2足歩行タイプ以外に、ガンタンク系やキャノン系の長距離支援タイプもある

 モビルスーツは大きく分けて4種類のタイプがある。陸上、水中、宇宙のそれぞれに適した3種類と、タンクやキャノン系の長距離支援タイプだ。シナリオモードだとマップの進行に合わせて新たなモビルスーツが配備されるが、フリーミッションではタイプに合わせて自分で揃えなくてはならない。マップの適正が低いモビルスーツだと極端に動きが遅くなり非常に戦いづらくなる。

 例えば陸上にだけ適しているモビルスーツは水中や宇宙ではまともに動けない。序盤は、陸上と宇宙に適したモビルスーツと水中に適したモビルスーツをまず揃えるのがいいだろう。ちなみに宇宙は完全な宇宙空間ではなく月面などだ。重力が弱くジャンプの感触などが変わる。

 長距離支援タイプはガンタンクなどのキャノンを装備したモビルスーツが存在する。ジムやザクなどの2足歩行タイプと違ってガンタンク系は武装のカスタマイズがほとんどできないのが寂しいところだが、長距離に広範囲な攻撃を放てるのが魅力だ。移動速度が遅めで格闘攻撃もできないものが多いが、独特の魅力がある。



■ フリーミッションではオンラインで協力プレイ、対戦プレイが可能

 自由に様々なミッションに挑んでいくフリーミッションでは、オフライン、オンラインでのプレイが可能だ。オフラインでは基本的にシナリオモード同様に自分と仲間の機体2機の合計3機のチームで挑んでいくが、オンラインでは最大4機(4人)での協力プレイか、最大8機(8人)での対戦プレイが可能になっている。

・オンライン協力プレイ ―― 最大4人で部隊を組み様々なミッションに挑む!

オンラインプレイはルーム制。協力では最大4人、対戦では最大8人でプレイできる
ルーム内ではキーボード(ソフト・ハード両方)によるテキストチャットのほか、ボイスチャットも使用できる
互いに連携を取りながら様々なミッションに挑んでいく。ポイントやパーツを稼ぎ、どんどんとグレードアップしていこう

 まずはオンラインの協力プレイについて触れていこう。オンラインはルームを作成する方式で、ルームは協力プレイか対戦プレイのルームかを決め、さらにその部屋でボイスチャットが可能かどうかも設定して作成する。

 ルーム内ではキーボードによるテキストチャットやボイスチャットが使える。キーボードは外付けのキーボードもソフトキーボードも使用できる。ただし、外付けのキーボードで入力するときは1度L2ボタンを押してソフトキーボード画面を呼び出さないといけないのがネックに感じた。アップデート等で改善されることを期待したい。ミッション中は方向キーに割り当てた定型文のチャットができるほか、ボイスチャットが使える。

 ミッションを始める時はルーム作成者がマップとミッションを選択する。ルーム作成者が部隊の隊長役として操作するわけだ。マップにはいくつかのミッションがあり、クリアしていくと新たなマップやミッションが増えていく。クリア時にはポイントやカスタマイズ用のパーツが入手できるので、ポイントを溜めてモビルスーツを購入し、パーツで自由にカスタマイズしていく。

 実際にミッションをプレイしてみると、多くのミッションに単調さを感じてしまった。リアル路線と言えばそうなのだが、敵部隊を次々に殲滅していくタイプのものが多く、単体はさほど強くもない。淡々としてしまうことが多かった。中には大型の敵が登場するものもあるのだが、そうしたミッションは現時点だと少なく、特に序盤は盛り上がりに欠けるミッションが多いと感じてしまった。

 もう少しモチベーションが高まるような、例えば互いに連携をうまく取りながらでないと厳しいような強烈に強い敵モビルスーツを撃破するとか、ミッション中の展開が激しいものなどが欲しいところ。10月からミッションが配信されるのでそのあたりに期待したい。

 また、協力プレイはモビルスーツやパーツを購入するためのポイント稼ぎが今のところの主目的となっているのだが、ミッション報酬のポイントの量が変にバラついていると感じた。比較的難易度が高いミッションでもポイントは低かったり、かと思えば非常に簡単なのにポイントは高いものもある。当然、簡単で報酬の高いミッションだけを延々と繰り返すことになってしまう。ここにもなんらかの調整が欲しいと感じた。


ミッションは基本的にシナリオモードと共通のものが多い。そのため単調になりがちなものが多いのが気になった(シナリオだとライバルの部隊など物語があるが、フリーミッションだとそれがないため)。オンラインならではのダイナミックなものがDLCで登場するのを期待したい

・オンライン対戦プレイ――カスタマイズしたMSを駆使して最大8人バトル!

 対戦プレイでは最大8人でのプレイが可能だ。対戦のルールが複数あって、以下のようになっている。

【ONLINE対戦ルール】
バトルロイヤル
全員が敵となる個人戦(復活なし)
デスマッチ
敵戦力を全滅させれば勝利となるチーム戦(復活なし)
タイムマッチ
時間内に戦力を撃破した回数がより多い方が勝利になるチーム戦(復活あり)
デスフラッグ
敵戦力を全滅させるか、補給ポイントを破壊すると勝利となる(復活なし)
タイムフラッグ
補給ポイントを破壊すれば勝利となる(復活あり)

最大8人で対戦! モビルスーツと武器の性能差がかなり影響するゲームバランスになっている
画面のように復帰直後を狙われてしまうとかなり厳しい。改善されるのを期待したいところだ

 対戦は購入したモビルスーツとカスタマイズを活かしてお互いの腕を競うモードだ。協力プレイでポイントを稼ぎつつカスタマイズを煮詰めて、その成果を対戦で競うという感じになるだろうか。現時点での主流は協力プレイになっており、対戦は気分転換的なものに落ち着いている。今後、協力プレイを一通り楽しんだユーザーが次々と対戦に移行していくのではと思える。

 本作は全体的にそうだが、プレーヤーの腕は半分、残り半分はモビルスーツや装備の強さが影響する。特にモビルスーツや装備の性能差は大きい。特に装備はビーム系兵器が突出していて、弾速がかなり速く、回避は反応というより先読みに近い動きが求められる。レーダーをよく見て裏を取られないようにし、シールドによる防御や地形を活かした戦い方が求められる具合だ。

 対戦ルールを楽しんだときには、復活時の立ち回りにちょっと厳しいところがあると感じた。APが無くなるとその場でしゃがみこんでしばらく動けなくなるのだが、敵は自由に復帰のタイミングを待っていられる。復帰直後の無敵時間も非常に少ないので、複数の敵に囲まれると抜け出すのは難しい。

 1機がそうして封じられてしまうと、そこから戦力差が出てきて一方的になってしまうケースを何度か見かけた。復帰直後の無敵時間を長くするなり、なんらかの調整が欲しいところだ。

・オンラインモードのインターフェイスやレスポンスについて

 オンラインモードで特に厳しいと感じたのはルームの検索だ。ルームを検索するときにはアクセスという表示が出てちょっと長めに時間がかかってしまうほか、再検索時、ルームに入ろうとして入れなかったときなど頻繁にアクセスの表示が出て待たされてしまう。

 インターフェイス自体も少し見づらくてとっつきが悪いところがあり、慣れてしまう前に検索時間の長さとあいまって辛く感じてしまうのではと思う。インターフェイスの大幅な変更は難しいかもしれないが、検索時間の長さや表示については、なんとか改善を計って欲しいと思う。

 なお、10月15日のアップデートにより、このあたりに手が入るので、どのように戦いが変化するのか楽しみだ。


【10月15日のオンラインアップデートによる仕様変更ポイント】

1:対戦モード時における復帰仕様の変更

 対戦モード/バトルロイヤルをプレイ時、機体の耐久力であるAP(アーマーポイント)が減少し行動不能に陥った後、再度ゲームに復帰した際に約4秒間の「無敵時間」および「ロックオン不可時間」が追加。
 ※この変更により「行動不能からの復帰直後に連続して敵機からロックオンされ、攻撃される」というケースが回避される。

2:AP(アーマーポイント)の完全回復

 対戦モード/バトルロイヤルをプレイ時、機体の耐久力であるAP(アーマーポイント)が減少し行動不能に陥った後、再度ゲームに復帰した際にAP(アーマーポイント)が100%まで完全回復。

3:補給ポイントの耐久力強化

 対戦モード/バトルロイヤルをプレイ時、ステージ上に配置されている「補給ポイント」の耐久値を従来の8倍にすることで、破壊されにくくなる。

4:ルーム検索効率の向上

 オンラインプレイ用に開設されている「ルーム」を検索する際、「インビテーションスロット(特定のフレンドを招待するため用に設定しておく参加者枠数)」が最大に設定されているルーム(=フレンド登録しているプレーヤーしか入室できないルーム)を検索から除外し、検索効率を向上。


■ 2Dアニメと3DCGの融合は見応えあり。カスタマイズも面白いが、全体にバランス調整が必要か

2Dアニメと3DCGの融合はかなりいい感じに仕上がっている。ゲームとしても基本は良くできているしカスタマイズも面白いのだが、バランスや調整がされればもっと面白くなると感じた

 ハイビジョンクオリティの2Dアニメと3DCGが融合した新世代のガンダムゲーム。シナリオモードは連邦、ジオンの両サイドの視点から楽しめるところやミッションの展開や演出なども凝っていて、ガンダムファンならぜひ抑えておきたいところ。ガンダムを題材にしたゲームはこれまでに数多くあるが、ハイクオリティなアニメとの融合には新しいステップに入ったという感触を得られるはずだ。

 ゲーム的な側面から言うと、現時点では面白いのだが随所に辛いところがあるという印象を受けた。とっつきが少し悪く、インターフェイスやバランスに難を感じるところがあるので、プレイ初期の印象があまり良くないかもしれない。だが、慣れてくるとジワジワと面白くなってくる。

 特に新しいモビルスーツを購入してカスタマイズし、その性能を実戦で試し、またカスタマイズをいじるという流れにハマってくると非常に面白い。今後のダウンロードコンテンツによるモビルスーツやミッションの配信、アップデートによる調整などで大きく変わってくれば、かなり面白いタイトルになるのではと思う。



(C)創通・サンライズ

(2009年 10月 14日)

[Reported by 山村智美 ]