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レビュー後編はさらなる強さを求めて――
「炎の神殿」や「クロメデ」シリーズなどレベル30以降の楽しみ方を紹介!

「The Tower of AION」

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発元:NCsoft
  • 運営元:エヌ・シー・ジャパン
  • 利用料金:月額制(30日100時間1,800円より)
  • 発売日:正式サービス中(7月17日サービス開始)

「ムスフェル火山」の横にある「アルカニス空中神殿」
「クロメデ」装備が手に入る「炎の神殿」

 レビュー前編に引き続き、レビュー後編では「The Tower of AION(以下、アイオン)」のレベル30以降の遊び方を紹介したい。前回は「アビス」などの対人戦が関係するコンテンツについて取り上げたが、今回はパーティー向けのクエストや、レアなアイテムが手に入るインスタントダンジョンなどを解説する。また、レベル30以降、ぐっと選択の幅が広がる装備についても紹介したい。

 「アイオン」では最大6人構成のパーティーと、パーティーを4つ合わせた「フォース」を組むことができる。しかしパーティーや「フォース」を組んで敵を倒すと、人数の分だけ1人が取得できる経験値が減ってしまう。また、パーティーメンバーの中にレベル差があると、低レベルのメンバーはほとんど経験値を獲得する事ができない。そのため、少しでも経験値が欲しいレベル上げは、できるだけ少人数で行なう方が効率が良いことになる。「アイオン」では、レベル上げのための戦闘やクエストは、基本的にソロやペアで行なう事が多く、敵の強さも適正レベルであれば、どの職でもソロで倒せる程度に調整されている。

 しかし、中にはパーティーを組まなければ侵入するのが困難な場所がある。そういった場所には通常の敵よりも遙かに強い「エリートクラス」というパーティー用の敵が徘徊している。レベル30以降に入れるようになる「炎の神殿」もその1つ。「炎の神殿」はレベル30~38のキャラクター向けのインスタントダンジョンで、内部には7種類のネームドモンスターや「クロメデ」と呼ばれるボスキャラクターがいる。「クロメデ」からは、特殊な外観と高い性能を持つ「クロメデ」シリーズの武器が出る。レベル30辺りから、これらのレアな武器や防具の収集に本腰を入れるプレーヤーが増え始める。

 「クロメデ」シリーズ以外にも、「アビスポイント(以下、AP)」と交換できる「アビス」装備や、レベル30になると受けられる「ディーヴァニオン」クエストでもらえる「ディーヴァニオン」装備など、レベル30以降の選択肢は抱負だ。そんな武器や防具についても紹介したい。



■ 様々なネームドボスが徘徊し、「炎の神殿」への鍵となる「アルカニス空中神殿」

「アルカニス空中神殿」の入り口周辺には、たくさんの強力なモンスターが徘徊している
「アルカニス空中神殿」へ行くには「ムスフェル火山」を超えるルート以外に、「塩砂漠」から崖を超えて行く簡便なルートがある
「アルカニス空中神殿」の入り口をくぐると、遙か上空にある神殿へとワープする

 レベル30以降のコンテンツとして最初に取り上げたいのが「アルカニス空中神殿」だ。筆者がプレイしている魔族側では最初に入ることになるインスタントダンジョンで、 ここから「アイオン」のプレイスタイルが大きく変化してくる。

 本作にはストーリーと関わる特別なクエスト「ミッション」がある。魔族側でレベル27になると、「炎の神殿」に入るための鍵を手に入れるミッション「アビス キー」が発生する。「アビス キー」の舞台となる「アルカニス空中神殿」は、「ムスフェル火山」の溶岩が流れ込む空洞にある古代の神殿だ。フィールド上にあるのは神殿への入り口だが、この入り口周辺にも強い敵や装備をドロップするネームドボスが徘徊している。

 ミッションの舞台となるのは、入り口からはいった先のインスタントダンジョンだ。このダンジョンは、入るたびに生成されるダンジョンで、全員が出たり全滅したりすると、10分後にリセットされる。それまでは1度倒した敵はリポップしない。ただしパーティーの構成が変わると、その時点でリセットされる。

 「アルカニス空中神殿」は3つの入り口に分かれていて、それぞれの入り口を門番が守っている。周辺は飛行可能名空域になっており、入り口のある門までは飛んでいく以外のルートはない。門の周りをうろついている敵はリンクしやすい上に、飛行を妨害するスキルを使ってくるので、うかつに近づくと危険だ。門に入る時にはなるべく高度を取って、門の真上から降下するようにしないと、たちまち敵に囲まれて全滅というのも珍しくはない。

 門は全部で3つ。「水の門」、「風の門」、「炎の門」の順番で攻略していく。門番を倒して門をくぐると、空中に浮かぶ円形の遺跡のような場所へ飛ばされる。そこで「キー プロテクター」を倒せば、次の門を開くため鍵を入手できる。最後に入る「炎の門」の中にいる「アビス キー プロテクター」を倒せばクリアだ。「水の門」の「キー プロテクター」と「炎の門」の「アビス キー プロテクター」は出現場所が固定だが、「風の門」の「キー プロテクター」はダンジョンが成形されるたびに出現場所が変わる。地図がない場所だが、レーダーには敵が表示されるので、レーダーを使って「キープロテクター」を探しながら進むといいだろう。敵は門ごとに強くなっていき、「炎の門」はエリートクラスのモンスターが待ち構えている。2匹や3匹が同時にリンクしてくる場所も多く、1度襲ってくると振り切るのはほとんど不可能なので、いかに多重リンクさせないように進むかが重要だ。

 「アルカニス空中神殿」付近を徘徊しているネームドモンスターからは、レベル32から装備できる、アルカニスの名前がついた武器や防具がドロップする。「炎の神殿」に進む前に、ここで頑張ってみるのもいいかもしれない。

 ちなみに天族側の入場条件は、レベル30で取得できるクエスト「秘密の鍵」をクリアすることだ。これはアイテムから始まるクエストで、まずはクエストの起点となるアイテム「炎の神殿の鍵」を手に入れなければならない。「炎の神殿の鍵」は「キオラ地下神殿」のモンスターから低確率でドロップする。鍵さえあれば、あとはNPCに話しかけるだけの簡単なクエストだが、魔族のクエストのように適正レベルになれば誰でも受けられて、クリアすれば入れるようになるというものではないので、ある意味魔族よりも大変だ。


門の前にいる門番を倒してから入場する。門番はしばらくすると再ポップする
神殿の中には水、風、火のエレメント型のモンスターが待ち構えている
「炎の門」の中にいる「アビス キー プロテクター」を倒す


■ レベル30台の多くの時間を過ごす天魔共通のダンジョン「炎の神殿」

「炎の神殿」に囚われているディーヴァ「アグニター」を助けて欲しいと頼まれる
「炎の神殿」は流れ落ちる溶岩の滝の裏にある
「炎の神殿」の入り口。ここから先はパーティーを組まなければ入れない
途中にいるボスの1つ「ブロークン ウイング クティセン」

 さて、天族で「秘密の鍵」、魔族側で「アビス キー」をクリアすると入れるようになるのがインスタントダンジョン「炎の神殿」だ。天族、魔族両方が利用するダンジョンだが、パーティー単位のインスタントダンジョンなので、中で別の種族と出会うことはない。大ボスのクロメデは裏切り者の魔族ディーヴァという設定で、ストーリー的には魔族側がメインとなる。

 まずはクエストの起点となるアイテム「炎の神殿の鍵」を手に入れなければならない。「炎の神殿の鍵」は「キオラ地下神殿」のモンスターから低確率でドロップする。鍵さえあれば、あとはNPCに話しかけるだけだが、魔族のクエストのように適正レベルになれば誰でも受けられて、クリアすれば入れるようになるというものではないので、ある意味魔族よりも大変だ。

 「炎の神殿」の特徴は、2シリーズもの武器防具が揃っているというアイテムの豊富さだろう。ボスの「コラプト ジャッジ クロメデ」の他にも「ラヴァ ガートネリ」、「ブロークン ウイング クティセン」、「タフ シプス」など全部で7体のネームドモンスターがいて、これらを倒すと「ブレイズ」シリーズという防具や「クロメデ」シリーズという武器が低確率でドロップする。特に「クロメデ」シリーズの中の「クロメデ ウォーハンマー」、「クロメデ シルバーナイフ」は攻撃するときに伸びて、遠方の敵にヒットするという特殊なもので人気がある。

これらの武器を手に入れるため、30代のほとんどをこのダンジョン内で過ごすプレーヤーは少なくない。中にいるのはすべて「エリートクラス」のモンスターなので、経験値稼ぎにも最適だが、どんどん経験値を稼いでぐんぐんレベルが上がってしまうと、装備を手に入れる前に適正レベルを超えてしまう危険がある。本作では適正レベルを超えるとドロップ率が下がるので、装備を手に入れるまでは経験値を取得し過ぎたくないところ。そんな思惑があってか、「炎の神殿」のパーティー募集には「クロメデ」直行というものが結構多い。

 ダンジョンの中はいくつかのゾーンに分かれていて、徘徊する敵の種類が変わる。入ってすぐの辺りは炎の精霊「フレイムスピリット」、奥には岩の化け物のような「カルクゲルム」の領域や、ガーディアンドラゴンが徘徊する「守護像&テムペルゲルム」領域などがある。慣れたパーティーなら、最低限の敵のみを倒してスピーディーに奥へ進むルートを取ることが多い。他にも「クロメデ」と欲しい武器を落とす敵という具合に、いくつかの敵を組み合わせた募集もよく見かける。

 「クロメデ」以外のネームドボスは、倒されると一定時間はポップしないので居ないときもある。また1部のネームドボスの替わりに「Place Holder(以下、PH)」というキャラクターがポップすることもある。これは少数のプレーヤーがボスモンスターへ張り付いて独占するのを避けるための処置なのだそうだ。「PH」を倒せば、確率でネームドボスか「PH」のどちらかがポップする。また、時折「コラプト ジャッジ クロメデ」の代わりに「アングリー ジャッジ クロメデ」というレアキャラクターがポップすることがある。こちらは外見がかなり派手になり攻撃も通常の「クロメデ」より過酷だが、その分「クロメデ」シリーズの武器を落としやすい。

 他にも「炎の神殿」を舞台としたクエストが、天族・魔族両方に用意されている。中には、さらに上位のダンジョンに入るための条件となるクエストもある。

「炎の神殿」の中にいる敵はすべて「エリートクラス」。至る所に全滅の危険が待ち構えている
待っていたのはレアポップの「アングリー ジャッジ クロメデ」だった


■ 「アビス」装備、「ディーヴァニオン」装備などバリエーション豊かな装備を集めよう

「シャドウ ウイング」用の「ディーヴァニオン」装備
パンデモニウムにいる「功賞官」からアビス装備をもらえる
Ctrlキーを押しながら左クリックすると、試着が可能だ

 本作にはノーマル、レア、レジェンド、ユニークという装備ランクがあり、上の装備ランクになるほど性能がよく希少価値が高い。レベル30まではソロプレイが中心ということもあり、ノーマル装備でもあまり気にならないが、パーティープレイで強いボスに行くようになったり、「要塞戦」などに本格参戦し始めると、少しでも強い武器や防具が欲しくなってくる。そういったプレイが本格化するレベル30以降には、様々な方法でレジェンドやユニーク装備を手に入れるチャンスが出てくる。

 具体的には、1人のキャラクターで1度しかもらえない「ディーヴァニオン」装備や、「AP」で交換する「アビス」装備、各インスタンスダンジョンのボスからドロップする装備。これらの装備の中には、同じシリーズの装備を集めることでステータスにボーナスが付くものもある。

 「ディーヴァニオン」装備は、1人のキャラクターにつき1度だけ受けられる「ディーヴァニオン」クエストを達成すればもらえる装備だ。5箇所の防具すべてと「ディーヴァニオン」武器を揃えようと思ったら、まず同アカウント内の5人のキャラクターをすべてレベル30まで成長させて、その5人のキャラクターで1回ずつ別の箇所の装備をもらい、1人のキャラクターにすべてを持たせる。その状態で「ディーヴァニオン武器クエスト」を受ければすべてを揃える事ができる。もらうためのクエストは難しくはないが、獲得するためにはかなりの努力が必要だ。

 また、きわめて低い確率で「アビス」のモンスターからドロップすることもあるらしい。「ディーヴァニオン」装備は1カ所だけでも高い性能を誇るが、セットで装備することでセット効果としてステータスにプラスのボーナスが付く。見た目は天族・魔族共通で特に魔族だと他の装備とはかなり趣が違うので、集めようと頑張っているプレーヤーは少なくない。

 「アビス」でもらえる「アビス」装備もレベル30からのお楽しみだ。「アビス」装備は「AP」を貯めることで交換できる装備。「AP」は対人戦で勝利したり、「アビス」でMobを倒したり、「アビス」のクエストをクリアすることでたまるポイントだ。「アビス」装備には武器と防具があるが、どちらも他の場所で出る装備よりも、「魔石」のスロットが多いのが特徴だ。「魔石」はHPやMPを増やしたり、クリティカル率を上げたりと、キャラクターの性能を差別化するための重要な要素で、入れるためのスロットが多いほど性能が上がることになる。またPvPだけに効力を発揮する追加性能がついているのも特徴だ。対人を重視しているなら、是非揃えたい装備といえるだろう。

 生産で作れる装備についても「達人」の称号を手に入れた者だけが作れる「ドラコニック」装備がある。生産が好きな人はこちらの道を目指してみるのもいいだろう。「ドラコニック」装備はその名前の通り、龍族からドロップする材料を使った生産品で、見た目にも龍族を感じさせる重厚で威圧感のある鎧や武器が揃っている。レシピの入手方法が一般の生産とは違っていたり、材料が特殊だったりと生産のハードルはかなり高そうだ。

 また、レベル30になると、武器と防具の外見を変える「形状加工」が可能になる。「形状加工」は性能を維持したまま、見た目だけを変えることができるというもので、これを使えば高性能な武器や防具をお気に入りのグラフィックスに変えて使えるようになる。また、採取で稀に手に入る「古代の遺物」を材料としてつくれる特殊なグラフィックスの装備を使えば、にんじんの形をしたダガーや、フォークの形をしたハルバードを作ることもできる。ただし「ディーヴァニオン」装備や、1部の武器は形状を変更することができない。

 武器や防具の強化も、レベル30辺りから本格化してくる。強化には、「抽出道具」を使って武器や防具から抽出した「強化石」を使う。「抽出道具」は雑貨屋で売っているので、いらない武器や防具に使ってみるといいだろう。またレベル30以上のモンスターから稀にドロップする「神石」を使うと、武器に視覚効果が宿るとともに、ステータス異常や属性攻撃の追加効果が付与される。



■ さらに強い敵を求めてダンジョンへ。そして世界に1つだけの自分の装備を作ろう

 インスタントダンジョンでは普段とは違う緊張感のある戦闘が楽しめる。パズル的な要素があったり、ドラマティックな物語があったりと世界を楽しむための仕掛けはもちろん、パーティーが力を合わせてクリアしていくという達成感が最大の喜びになるだろう。インスタントダンジョンへ行く最大の目的はもちろんそこでしか入手できない装備だが、ドロップ率がかなり低いこともあり、何回挑んでもお目当てのものがドロップしないということもありえる。そうなるとだんだんとプレイが作業的になってくるのは否めない。いかに新鮮味を維持できるかは、開発側、プレーヤー側双方に課せられた課題と言えるだろう。

 本作ではレベル25の「アビス」入場と、このインスタンスダンジョン入場を境にプレイスタイルが大きく変化する。対人戦が本格化して、普段のプレイでもパーティープレイが大きな比重を占めるようになる。装備の選択肢も増えて、カスタマイズの幅も広がり、強化のための材料集めもしなければならない。つまり「アイオン」の本当の楽しみは、レベル30まで上げて初めて体験できるようになるという事だ。

 「炎の神殿」はレベル39程度まで楽しめるダンジョンだが、その後にも「アルキーミア研究所」、「インドラト要塞」、「ドラウプニル洞窟」などの共通ダンジョンや、天族専用、魔族専用のダンジョンが用意されている。それぞれのダンジョンでドロップする装備の外見や性能は、公式ホームページのパワーウィキで確認できるので、自分なりの目標を探してプレイするとよりいっそう「アイオン」の世界を楽しめそうだ。


お気に入りの装備を強化して、自分だけの特別な装備を作り上げよう

The Tower of AION is a trademark of NCsoft Corporation. Copyright (C)2009 NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute and transmit The Tower of AION in Japan. All rights reserved.

(2009年 8月 19日)

[Reported by 石井聡 ]