NCジャパンの大作MMORPG「The Tower of AION」先行体験レポート
羽を持つ2つの種族が空中バトルを繰り広げる新感覚のMMORPG
クローズドβテストのテスター750名を弊誌枠で募集!!

5月13日開催

会場:エヌ・シー・ジャパン本社



 「リネージュII」など名作を世に送り出してきた韓国NCsoftが、次期主力タイトルとして開発したWindows用MMORPGがいよいよ日本に上陸する。韓国では「Aion:Tower of Eternity」という名前で開発されてきたが、日本ではエヌ・シー・ジャパンが運営し、タイトルも「The Tower of AION(以下、AION)」と改められた。羽を持つ2つの種族―天族と魔族に分かれて戦争をしたり、第3の勢力である龍族と戦ったりと、3Dの戦場を舞台に様々なコンテンツが用意されているこのゲーム。ここ数年でもっとも期待を集めているといっても過言ではないだろう。

 サービスに先駆け、レベル10までのゾーンを対象にした先行体験会が行なわれた。キャラクターメイキングから始まり、スタートからレベル9で受けられる転職クエストまで、天族と魔族それぞれの初期ゾーンでのプレイを試すことができた。これはクローズドβテスト(以下、CBT)に先行して行なわれる「ファミリー&フレンドテスト」(以下、FFテスト)で遊べる範囲となる。プレーヤーは普通の人間としてこの世界に降り立ち、ストーリー仕立てのチュートリアルをこなしていき、最後の転職クエストで羽のあるディーヴァへと変身を果たす事になる。

 このレポートでは、「AION」のファーストインプレッションや、気になる日本版の出来映などゲームの中身を詳しく紹介していく。プレイ時間の関係上、クエストは主に魔族の側のものを紹介する。魔族と天族はストーリーが違い、クエストの内容や挿入されるカットシーンムービーなども違っている。ただし1ワールド(サーバー)内で作れるのは、どちらか片方の種族だけだ。

 韓国ではすでに正式サービスが始まり、中国でもテストが行なわれていて、日本でのサービス開始が待望されていた。日本では、6月12日からクローズドβテスト(以下、CBT)と、それに先駆けてブログやファンサイトの運営実績があるユーザーや、関連事業者、メディアなどを対象としたFFテストの募集が発表された。CTBには、弊誌枠として750名分のテスター枠を確保した。CTBにはこの記事のリンクからも応募できる。

「The Tower of AION」
クローズドβテストに応募する

※ クローズドテスターへの応募データおよび抽選結果は、すべてエヌ・シー・ジャパンで管理されます。弊社では応募内容や当選確認についてはお答えできませんので、あらかじめご了承ください。



■ キャラメイクの細かさは、思わずため息が漏れるレベル

ステータスや説明を見比べながらクラスを決定する

 「AION」の舞台は、永遠の塔を中心に構成されたアトレイアと呼ばれる世界。古代には1つだったアトレイアは、龍族の反乱によって崩壊し、天族と魔族が住む2つの世界に引き裂かれた。プレーヤーは天族か魔族を選んでこの世界に降りたつことになる。龍族はNPCとしてRvRに関わってくる。アビスと呼ばれる空間において、天族と魔族による大規模戦争も用意されているが、龍族がランダムで天族が魔族に加担することにより、常に状況が変化。緊張感を保ち続けられるよう配慮されている。「AION」の最大の特徴は、プレーヤーが羽を持っていて、自由に空を飛ぶことができることだ。ただ飛ぶだけではなく、空中での採取やクエスト、バトルもある。

 ゲームをスタートする前に、自分の分身となるキャラクターを作ることになるが、「AION」では、今までにない緻密なキャラクターメイキングが可能になっている。自キャラをいくつかのバリエーションの中から選んだり、そのキャラクターの髪型や目、肌の色を変えたりする所までは、他の多くのMMOと変わらないが、このゲームはさらにそこから微調整を加えて正真正銘自分だけのキャラクターを作り上げることができる。まずは、本作の売りの1つであるキャラクターメイキングを紹介しよう。

 このゲームでは1ワールドでデフォルトでは5人のキャラを作ることができる。ただし、1つのワールドで天族と魔族両方に作ることはできず、キャラクターメイクの1番最初に1度だけ種族を選ぶことになる。初期に選べるクラスはソードマン、ストライダー、ウィザード、クレリックの4種類で、成長とともに以下の8種類に分岐していく。

「ソードマン(近接攻撃タイプ)」

    ・ソード ウイング:近接戦闘のファイター系。攻撃力の高い武器を使いこなすパワータイプ

    ・シールド ウイング:盾と剣を持って、時には味方の盾となって戦う。防御力に優れたタイプ

「ストライダー(特殊攻撃タイプ)」

    ・ボウ ウイング:弓を使って遠距離から攻撃するアーチャータイプ。近接では短剣も使用可能

    ・シャドウ ウイング:両手に短剣を持って戦うアサシンタイプ。姿を隠して敵に近づき、回避力に優れる

「ウィザード(魔法攻撃タイプ)」

    ・スピリット ウイング:精霊を召喚して操る魔法使い。相手の能力を弱体化させるような特殊魔法が得意

    ・スペル ウイング:スペルブックやオーブを武器として戦う魔法使い。レンジの長い攻撃魔法を使いこなす

「クレリック(魔法支援タイプ)」

    ・キュア ウイング:回復系魔法の専門家。チェーンメイルを着て近接攻撃もこなす

    ・チャント ウイング:治療、攻撃、強化など様々な支援系の魔法を使いこなし、打撃にも優れる

デフォルトに登録されている顔
細かくいじった結果ここまでカスタマイズできた

 種族とクラスを選んだ後は、キャラクターの外見と名前、声を選ぶ。魔族は緑や青の肌色などを選ぶことができ、さらに角を生やしたり顔一面にタトゥーを入れたキャラクターが作れる。逆に天族はいわゆる人間らしい外見を選択できる。小麦色の健康的な肌色のキャラクターは天族でしか作れない。

 天族、魔族それぞれにデフォルトのパターンが用意されているが、そのデフォルトパターンに細かいカスタマイズを加えて、自分だけのキャラクターを作ることができる。「基本設定」で、髪型、フェイスパターン、チャームポイント、メイク、目の色、髪の色、肌の色を決めて、さらに「細部設定」で微調整を行なう。細部の設定は、アゴの形や目の位置、鼻の高さなど、顔だけで実に25箇所もの調整が可能だ。さらに体型も同じように細部まで調整することができる。

 自分そっくりのキャラクターや、好きなアニメや映画の登場人物に似たキャラクターも作れなくはない。キャラクターメイキングだけで何時間も遊べてしまうくらいのボリュームで、ここで長時間を過ごすプレーヤーは多そうだ。

 また、キャラクターボイスはすべて日本で取り直している。声を担当しているのは、子安武人さん、保志総一朗さん、小杉十郎太さん、高橋直純さん、大原さやかさん、植田佳奈さん、野中藍さん、戸松遥さんらの有名声優たちだ。



■ 親切なチュートリアルでクエストもサクサク進行

クエストの起点となるキャラには、頭の上に矢印のアイコンが浮かんでいる
クエストの目的となるキャラは頭の上に二重矢印のアイコンが浮かぶ

 キャラクター作成が終われば、いよいよゲームスタートだ。魔族を選ぶと、最初に降り立つのはイスハルゲンという羽を持たない人たちが暮らす世界だ。プレーヤーはここで盗賊の一員をしているという設定だ。とりあえず1番近くにいるキャラからクエストを受けることになる。クエストの起点となるキャラには、頭の上に青い矢印が回っていて、話かけるとクエストを受けることができる。固有の名前があるNPCはみんな何かしらオリジナルのボイスを持っていて、話しかけると喋ってくれるのが嬉しい。

 クエストを受諾すると、クエストの説明画面が出る。最初のクエストは、近くにいる敵を倒せとか、落ちているものを拾って来いといった簡単なものが多い。説明画面内に青字で書いてある地名やキャラクターの名前をクリックすると、その単語に関する説明ウインドウが出る。説明ウインドウの下部にある位置表示のボタンをクリックすると、クエストの目的地がマップ上にピンク色の×印で表示される。右下のコンパスにも方向を示す矢印で出るので、道に迷わずに目的地にたどり着くことができる親切設計だ。キャラクターを移動させるには、行きたい場所をクリックする方法と、WASDのキーで移動する方法がある。デフォルトでは両方が可能になっていて、システムでどちらかを選択することもできる。足の速さは少々もったり感がある程度で、ビュンビュンと走るというワケではないが、飛べるまでの苦労と思ってマラソンに勤しもう。スペースキーでジャンプすることもできる。

 途中、何か新しい行動をした時に、画面の中央に「?」のついたアイコンが出ることがある。これはチュートリアルで、音声と説明画面で操作方法やインターフェイスの説明をしてくれる。ちなみに、チュートリアルの声を担当しているのは声優の能登麻美子さん。移動方法からクエストの受け方、スキルの覚え方まで、その都度その都度丁寧に教えてくれるので物語を進めながら操作方法を覚えていくことができる。

 クエストには青矢印のキャラクターから受けるものの他に、特定の地域に入ると自動的に発生するものや、ドロップアイテムを調べると発生する隠しクエストなどもある。また、キャラの頭上に青い矢印の代わりに、黄色い星マークのようなものが表示されている事がある。これは「ミッション」という、ストーリーに関わるクエストの起点となるキャラクターだという印だ。ミッションを受けると、ストーリーの副題が並んだウインドウが表示される。出現の条件を満たしていないミッションは「????」で表示される。クエストをこなすと経験値やお金、装備品などがもらえるので、初心者ゾーンにいる間はクエストを順番にこなしていけば、レベル上げや資金集めに苦労することなく、キャラクターが成長していくようなバランスになっている。

 クエストの総数は2,000以上で、今後も増えていきそうだ。クエストはソロでも短時間でクリア可能なものが多いので、どんどんこなすことでキャラを成長させていくプレイが中心になりそう。ゲームバランスは現時点では低レベル帯についてしか判断できないが、少なくともこのレベル帯ではストレスを感じることなく物語を楽しむことができる。敵NPCの種類も豊富で、丘あり、森あり、洞窟ありと地形の変化も多様で、ここだけでもかなりのボリュームがある。ディーヴァへの覚醒クエストでは要所に映画のようなカットシーンが挟まって物語を盛り上げてくれる。

 他にも村には、アイテムを売ってくれるNPCや料理を売ってくれるNPC、ゲーム内メールを送るためのポストなどがある。ポストではアイテムの輸送も可能で、レベル10からシューゴ族が運営する委託販売所を通じて、ユーザー間でアイテムの売買も行なえるようになるが、そこで売れ残った品もポスト経由で戻ってくる。


?のアイコンを押すとチュートリアルが表示される。新しい村に入ったことで自動的にクエストが発生。前方の黄色いアイコンがついたキャラはミッションの起点になる


■ 大ダメージとスピード回復、連続攻撃で緊迫感のある戦闘

メイスの通常攻撃。よく見るとダメージの数字が複数出ていて、多段攻撃になっているのがわかる
遠距離攻撃が可能なウィザードは、いかにダメージを食らわないかが肝心

 韓国産MMORPGというと、マウスをカチカチクリックしてるだけでレベリングができることを揶揄して“クリックゲー”と称されることが多いが、「AION」ではただ敵をクリックするだけではない工夫が盛り込まれている。その中でも、このゲームならではという要素が「連続スキル」だろう。ここでは「AION」の序盤の戦闘について、詳しく紹介しよう。

 通常は、戦いたい相手をダブルクリックすることで自動的に通常攻撃が始まり、その合間に、スキルを使った技を挟んでいくことになる。魔法系のキャラクターはMPを使って魔法を繰り出すが、打撃系の技ではMPを消費しない。例えばクレリックなら、MPを気にせず殴りながら回復を行なうことができる。クレリックは魔法による攻撃もあるが、メイス系から繰り出す多段攻撃の通常技も侮れない攻撃力だ。また、ウィザードはローブしか装備できないので、ダメージを食らわないよう敵との間合いを維持するような立ち回りが求められる。

 敵から受けるダメージは、比較的序盤から意外と大きいので、痛いと思ったら即逃げた方がいい。追尾してくる距離はそれほど長くないので、比較的簡単に振り切ることができる。そこでアイテムを使うなりして回復することになる。座ると回復のスピードが大幅にアップして、素早く戦闘に復帰できる。死亡すると拠点として登録している場所に戻る。拠点はスタート時には最初の出現場所に設定されているが、村にある「キベリスク」という石のオブジェをクリックすることで変更できる。拠点を変えるにはある程度のギーナ(この世界の通貨)が必要だ。また、レベル6以上からデスペナルティが発生する。

 最初に使える戦闘スキルは2つだけだが、次の村まで行けば、スキルブックを売っているキャラクターがいて、スキルを買うことができる。スキルを教えてくれるキャラクターの上には青い星マークのアイコンが浮かんでいるので、それを頼りに探せばいい。スキルにはレベル制限があり、赤色になっているアイコンのものは購入することができない。買ったスキルはアイテムとしてインベントリに入っているので、アイコンをダブルクリックして覚える。スキルを覚える数には上限がないので、取得できるものはどんどん覚えてしまっても大丈夫だ。

 「連続スキル」はスタート地点から最初にたどり着く村で、2連続攻撃が使えるスキルを覚えることができる。これは、起点となる攻撃に続いて発動できるコンボ攻撃で、スキルを覚えるに従って2連続、3連続と多段攻撃が可能になる。連続スキルは起点となる攻撃を行なうと、画面上にアイコンが表示される。複数の連続スキルがある場合はどちらかを選択することになる。同時に起点のスキルを入れていたショートカットのアイコンが変化して、連続スキルのアイコンに変わる。例えば2の枠に起点となる攻撃を入れていた場合、そのまま2を連打し続ければ自動的にコンボ攻撃になる。どんな連続攻撃があるかは、スキルウインドウの連続スキル欄で見ることができる。覚えられるスキルはすべて載っているので、スキルを購入する際の参考にしよう。


連続攻撃のスキルを覚えていると、画面の中程に連続スキルのアイコンが表示される(左)、死ぬと拠点として登録している場所に戻る(右)
村にいるそれぞれの教官からスキルを購入することができる
村にあるキベリスクをクリックして拠点の変更を行なう


■ キャラクター強化、生産、採取など戦闘以外の要素も豊富

村で料理を売っているコック
薬草を採集。1度成功するとスキルポイントが上昇することがある

 キャラクターの強化には「魔石」を使う。魔石はNPCを倒すとドロップするアイテムで、生命力を伸ばす魔石や攻撃力、回避力を上げる魔石などたくさんの種類がある。これを装備にはめ込めば、効果を発揮する。装備には魔石をはめるための枠が空いていて、枠の数だけはめ込むことができる。初期装備では1つだけだが、レアドロップの装備やレベルの高い装備にはもっとたくさんの枠があるというわけだ。魔石は取引可能なので、最初の頃は、自分に必要な魔石をトレードしあって都合することになりそうだ。他にも「スティグマストーン」というものを使って覚えることのできる強力なスキルも存在しているが、これを獲得できるのはまだまだ先のレベルになるため今回は体験できなかった。

 このゲームには生産の要素もあり、調理や薬品の調合など複数の生産スキルを覚えることができる。武器や防具の生産も可能だ。ただしその中でマスタークラスまで成長させることができるのは1種類だけなので、自分が何の専門家になりたいか考えておく必要があるようだ。料理には、ステータスを一時的に上昇させる効果がある。作るにはレシピが必要だ。

 材料は採集や店売り、ドロップ等で集めることになる。採集はクエストでも使用するので、最初から覚えている。目的のものをターゲットすると、どのくらいの採集レベルが必要か表示される。適正レベルならダブルクリックで採集が始まる。成功バーと失敗バーがせめぎ合いながら伸び、毎回ドキドキする仕掛けになっている。成功バーが先に満杯になれば採集成功となる。スキルは採集の回数で育っていく。



■ レベル9になると転職クエストが発生

魔族の転職クエスト。水晶の中にいるムニンに話しかけるとクエストが進む

 クエストをこなすうちに魔族ならイスハルゲン、天族ならポエタという最初の島をほぼ1周することになる。そして最後に待ち構えているのが、この島でのストーリー最終章となるミッション「ディーヴァへの覚醒」だ。ディーヴァとは羽を持った人々のことで、このクエストをクリアすることでキャラクターは1次職に転職するとともに、羽を持って飛べるようになる。

 クエストは天族と魔族で内容が違う。今回体験したのは魔族の転職クエスト。プレーヤーは水晶の中にいるムニンという謎の男の声に導かれ、島の中をもう1度巡って必要な情報を集めることになる。情報が集まると、自分の未来だという空間に飛ばされ、そこで初めて天族と戦闘をすることになる。ボスを倒す必要があるが、なかなか手強い。死ぬと未来の世界へ行くところからやり直しになる。ボスを倒してクエストを無事クリアすると、魔族の首都パンデモニウムで、最後の儀式を受けることになる。

 首都にはギルドを作るための施設や生産施設などもある。委託販売所もここで行なわれるので、サービスが始まると常に人で賑わう場所になりそうだ。しかし首都では飛ぶことができない。飛ぶためには、首都から別の場所へテレポートしなければならない。先行して行なわれるFFテストでは、首都に到着するまでのプレイしかできないので、飛行体験はCBTまでお預けとなる。CBTではさらにその先まで体験できる。


幻影のような世界で初めて天族と出会う。カットシーンムービーが挿入されて、ボスとの決闘場所まで話が進んでいく(左)。クエストの終盤で、2つある道のどちらに進むのか選択を迫られる(右)
クエストをクリアすると、首都へ行けるようになる。魔族の首都パンデモニウムは、植物が生えていて意外にも明るいイメージ。首都で最後の儀式を終えて、晴れてディーヴァとなる
カットシーンムービーも挿入されて、気分も盛り上がる序盤のクライマックス


■ 3Dの視点で自由に世界を探検。でも制限時間には気をつけて!

 飛行はこのゲームの大きな特徴で、飛行しなければ行くことができない場所もたくさん存在する。羽を得てすぐの飛行可能時間は1分間。飛行可能な場所では、コンパスの横にある円形のゲージが白く輝く。ゲージの周りの緑色の点線は飛行時間で、リミットが近づくとバーが赤くなると同時に警告文が表示される。それを無視して飛び続けると、羽が消えて落下する。落下距離によっては即死することもある。

 飛行操作はRが上昇、Tが下降だが、他にスペースバーで行なう滑空がある。ジャンプのあともう1度スペースバーを押すと自動的に滑空モードに切り替わる。滑空はグライダーのように緩やかに降下していくアクションで、ゲージが少なくなってきたら滑空を使って安全な場所まで降下するために使う他に、もちょっとした段差を落ちるときにも使える。飛行時間は地上に戻ると徐々に回復していき、回復した分だけ再び飛べるようになる。

 空中にしかいない敵や、空中でしか集められない採集物、飛行専用クエストなど、飛行を使う局面は多い。対人戦が行なわれるアビスは、島と島の間に何もないので途中で飛行時間が切れると落下死は免れないなど、飛行のテクニックが重要なプレーヤースキルになるのは間違いない。飛べるようになってすぐの頃は、広大な世界を上から見下ろしながら自由に旅するだけでも楽しい。意外なところにNPCを見つけたりと、飛ぶことでしか得られない発見もあるだろう。他にも飛ぶことのできるゲームは複数あるが「AION」は飛行を様々な要素に絡ませることで、飛ぶ楽しさを最大限に表現していると言える。

魔族の羽は黒色。上昇していくと、空中に浮かんでいる採集物など地上からでは見つけられなかった発見がある
天族は白い羽を持っている。美しい世界の中を自由に冒険できるが、最初は飛行時間が短いのであまり高度を上げると危険だ


■ 豊富なエモーションや対人戦コンテンツなど、楽しみもいろいろ

雨が降り始めると、大きな葉っぱで雨粒をガード
天族の女の子のチアガール姿
「食事」を選ぶと、パンと肉でワイルドな食事を始める

 画面設定はいくつかの中から選ぶことができる。表示方法はウインドウズモードと、フルスクリーンモード、切り替え式の3つが選択可能だ。UIも細かいカスタマイズが可能だ。ショートカット枠は最初12だが最大3列+右に縦のショートカット枠を1列まで増やすことができる。キャラクターのHPやMPは左下に表示されている以外、数値に変化があった場合はキャラクターの頭の上にも表示される。これはデフォルト設定で、カスタマイズで常時頭の上に表示させることもできる。残念ながら洋ゲーにあるようなアドオンは使えないそうだ。

 狩り場が混み合った時にはチャンネルを移動できるように、初期ゾーンには12のチャンネルが用意されている。対人地域ではチャンネル移動で逃げられないように、チャンネルが制限されるので、中盤以降はNPCの取り合いが激しくなる上にいつ襲われるかわからないリスクも生まれるので狩りをするにも工夫が必要になるかもしれない。

 ショートカットキーはデフォルトでは、「I」がインベントリ、「J」がクエストと洋ゲーライクな配置になっている。マップは2種類の表示方法があり、「M」では下地付きのマップ、「N」では背景を透過させたマップが表示される。システムメニューから自由にカスタマイズも可能だ。チャットは、基本的なもののほかに、2つ以上のパーティーが共有するフォースチャット、取引専用のチャット、クラスごとの専用チャット、パーティー勧誘用のチャットなど複数ある。チャットはタブごとに分かれていて、タブは適宜追加することができる。ログインしたときに、ピンク色の文字で、自分が自動的に参加しているチャットチャンネルの種類が表示される。

 キャラクターのエモーションも豊富に用意されている。エヌ・シー・ジャパンの担当者オススメは、天族の女の子の「応援」。オレンジ色のポンポンを持って、チアガールのように応援してくれる。ちなみに魔族の女の子だと投げキスになる。また、ゲーム内で雨が降っている時にキャラクターを放置しておくと、勝手に大きな葉っぱを傘代わりにして雨をしのいでいたりもする。

 泳ぎのモーションがないのは残念な部分だ。「AION」世界の中には深い湖もあるが、落ちてしまうと水底を走り回るだけで今のところ泳ぐためのモーションはない。浮かび上がることもできないのでだんだん体力が減っていって、あとは死ぬしかない。浅い場所なら問題ないが、身長より深い湖にはうかつに入らない方がよさそうだ。また川には魚がいるが、釣りはない。替わりに材料採取を使って素手で捕まえることができる。

 気になる対人戦については、レベル10までは発生しないので今回は試すことができなかった。対人戦を行なうには、敵対種族のエリアに入るクエストを受けるか、レベル25以降に進入可能となるアビスという対人戦地域に行く必要がある。運営サイドでは、対人については20以降のコンテンツという認識のようだ。今のところ、日本独自の対人ルールについては考えていないとのことで、韓国や中国同様、激しい対人戦が発生することになりそうだ。

 韓国では、人数のバランスが崩れないように、ある程度差が開くと、人数が多い勢力ではキャラクターが作れなくなるなどの処置をとっている。日本でも同じような処置を行なうだろうとのことだ。

 もうひとつ気になるビジネスモデルについては、まだ検討中とのことだが、月額制か、もしくは韓国で導入されている従量制になる可能性が高そうだ。FFテストの段階ではワールドは1つだが、CBT以降徐々に数を増やしていく予定だという。最終的にいくつくらいのサーバーが稼働するかは、現在はまだ未定だ。しかし、ずっと待望されていたビッグタイトルだけあって、日本版導入への意気込みはかなりのものを感じた。いまかいまかとサービス開始を待っているユーザーの期待に応えるだけのボリュームと、仕上がりにはなっているだろう。グラフィックスは美麗だが、推奨スペックがそれほど高くないのも嬉しいところだ。FFテストとCBTの募集は本日からだ。オンラインゲームファンはぜひ応募しよう!


左が通常の地図で、右が背景がない地図。移動の時には出したまま動けて便利

The Tower of AION is a trademark of NCsoft Corporation. Copyright (C)2009 NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute and transmit The Tower of AION in Japan. All rights reserved.

(2009年 5月 22日)

[Reported by 石井聡]