【「漆黒のヴィランズ」検証版】GAME Watch認定ゲーミングPC「ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT」レビュー

ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT

「漆黒のヴィランズ」向けの快適環境が整うコスパ最強の1台

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
129,980円(税別)

 今回のGAME Watch認定プログラムでは、「ファイナルファンタジーXIV」の最新拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」を快適に遊ぶことができるサードウェーブの「ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT」の実力を試してみたい。

 GAME Watch編集部では独自にゲームが快適に動くことを示す指標として「GAME Watch認定プログラム」を行なっている。このプログラムを利用して、7月2日に発売する「ファイナルファンタジーXIV」の最新拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」に合わせて新PCの購入を考えている人が当然視野にいれるであろう推奨PCの実力を独自にテストしてみた。

【漆黒のヴィランズ】

 「漆黒のヴィランズ」は「FFXIV」では4番目となる拡張パッケージ。第一世界という鏡像世界を舞台に、新ジョブ「ガンブレイカー」と「踊り子」、新種族「ヴィエラ」と「ロスガル」などを加えた新たな冒険が始まる。5月24日には、「漆黒のヴィランズ」の映像を使った新しいベンチマークソフトの配布(参考記事)もスタートしている。

 なにぶんまだ発売前なので、実際に「漆黒のヴィランズ」で検証するわけにはいかないが、今回はベンチマークソフトの数字を参考にしつつ、「紅蓮のリベレーター」での8人レイド、24人レイド、のボス戦など負荷の高いシーンで計測を行ない、ベンチマークでどのくらいの数字なら、どのくらいの遊び方ができるのかを検証してみた。

(7月2日追記)
 「漆黒のヴィランズ」アーリーアクセスがスタートしたため、さっそく「漆黒のヴィランズ」でもスコアを計測してみた。詳しくは記事の後半部分を参照して欲しい。

汎用性の高いローコストゲーミングPC

 「ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIAシリーズ」は、スクウェア・エニックス独自の検証基準を満たし、動作確認を受けた特におすすめのPC。いくつかの種類があるが、今回紹介する「GALLERIA XT」は、必要十分なスペックを満たしつつも価格を抑えた、ゲーミングPCとしてはエントリー的な位置づけのマシンだ。

【ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT】

【ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT】
CPU:Intel Core i7-8700
GPU:NVIDIA GeForce GTX1660Ti 6GB GDDR6
チップセット:Intel B365 チップセット
メインメモリ:8GB DDR4 SDRAM(PC4-21300/4GB×2/2チャネル)
ストレージ:500GB SSD、1TB HDD
光学ドライブ:非搭載
電源:500W 静音電源 (80PLUS BRONZE)
OS:Windows 10 Home 64ビット
価格:129,980円(税別)
https://www.dospara.co.jp/5gamepc/cts_ffxiv_shadowbringers
https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime/13/681/8750/0/

 ケースはATXミドルタワーを採用。フロントには電源ボタン、USB3.0のポートが2つ、SDカードとmicroSDカード、マイクとヘッドフォンのポートがある。背面にはUSB2.0のポートが4つあり、周辺機器をたっぷり接続することができる。

 CPUは第8世代インテルCoreプロセッサーのCore i7-8700。6コア12スレッドでベースクロックは3.20GHz、ターボ・ブースト時には最大4.60GHzという高い処理能力を誇る。CPU不足の影響で高止まりしていた価格がやや下落気味になり、現状では性能と価格のバランスが非常にいいコスパ抜群のCPUとなっている。

 GPUはNVIDIA GeForce GTX1660Ti 6GB GDDR6。最新のTuring世代のミドルレンジGPUで、ゲーミング性能とコストパフォーマンスの両立が大きな特徴となっている。ストレージは500GB SSDと1TB HDDのデュアル。500GBあれば60GB以上の空き容量が要求される「FFXIV」もSSDにインストールして高速起動、高速ローディングで快適にプレイすることができる。

大き目のメッシュでしっかりと空気を取り込む
反対側にはCPU背面の放熱用メッシュが確認できる
背面。使わないポートにはカバーがかかっている
背面端子パネルのアップ
フロントの入力ポート
ケース内部。コンパクトにまとめられており、かなり空間に余裕がある
ビデオカードはPalit製
ビデオカードの出力端子

推奨PCだからインゲームアイテムや「でぶ黒チョコボ」ぬいぐるみがついてくる!

 インゲームアイテムの特典がたっぷり付いてくるのも、推奨PCならではのメリットだ。「ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA」シリーズのPCを購入すると、特典として「転送網利用券50枚」、「30,000MGP(マンダヴィル・ゴールドソーサー・ポイント)」、「モグモグクッキー50個」がもらえるアイテムコードが付いてくる。

 「転送網利用券」はゲーム内でテレポを使って移動するときの費用が0ギルになる。ゲーム序盤の所持金が少ない時期にも、残金を気にせずテレポを使いまくれる便利グッズだ。「MGP」はゲーム内にあるゴールドソーサーという遊技場で使えるポイント。ポイントと引き換えに、髪型やマウント、装備など様々なアイテムがもらえるので、あればあるだけ嬉しいポイントだ。そして「モグモグクッキー」は30分間、経験値獲得量が4%アップする効果のある調理品アイテム。ゲーム内で購入できる通常の食事は経験値獲得量3%アップの効果なので、1%余分に経験値を稼ぐことができる。

 また、現在「ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA」シリーズのPCを購入すると、「でぶ黒チョコボ」ぬいぐるみが先着でもらえる。両手で抱きかかえるとちょうどいいビッグサイズのぬいぐるみだ。詳細については特設サイトを参照いただきたい。

【でぶ黒チョコボぬいぐるみ】

ベンチマークソフトとゲーム内のコンテンツで数字を比較

 今回の検証ではフル解像度と4K環境での、最高画質設定でのバトルコンテンツのフレームレートと、GAME Watchが定めるPCゲームの快適さの基準である「フルHD / 120fps」がどのような設定なら実現できるのかを検証した。

 使用したコンテンツは8人パーティ用が「極青龍征魂戦」、24人パーティ用は「楽欲(ぎょうよく)の僧院 オーボンヌ」。「極青龍征魂戦」は戦闘開始からクリアまでを、「オーボンヌ」は1回のプレイが40分程度と長いコンテンツなので、ラスボス戦のみで計測している。都市部でのフレームレートも算出してみたが、人の増減によって振れ幅が大きく、指標とするには数字でばらつきが大き過ぎたので、今回はコンテンツだけを使った。

ドライバ、クライアントバージョン情報
WindowsWindows 10 Home(1809)
GPU430.86
「FFXIV: 紅蓮のリベレーター」Ver2019.05.09.0000.0000
「FFXIV: 漆黒のヴィランズ」Ver2019.06.22.0000.0000

「漆黒のヴィランズ ベンチマーク」

 まずは手始めに配布が始まったばかりの「FFXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」をフルHD/240Hzモニターと4K/60Hzモニターで、それぞれ試行した。結果は以下のようになった。

【「漆黒のヴィランズ ベンチマーク」フルHD】
【「漆黒のヴィランズ ベンチマーク」4K】

 フルHDのベンチ結果では、「最高品質」と「高品質(デスクトップPC)」、「標準品質(デスクトップPC)」と「標準品質(ノートPC)」が拮抗しており、中間の「高品質(ノートPC)」を挟んで大きく3つに分かれた。4Kのベンチでは、上位3つの設定は階段状になったが、「標準品質(デスクトップPC)」と「標準品質(ノートPC)」はほぼ拮抗という結果になった。

 このベンチマークソフトはスコアが8段階に分かれており、5000~6999が「とても快適」、7000以上は「非常に快適」という結果になる。今回の結果を見ると、4K最高品質でも5135を記録しており快適にプレイすることができるが、実際にゲーム内で試したスコアではやはり負荷の高いコンテンツではフレームレートが大幅に低下することもあった。操作の快適さを優先して、4Kでプレイするなら7575を記録した「高品質(ノートPC)」がベストだろう。フルHDは最高設定で何の問題もなくすべてのコンテンツを快適にプレイ可能だ。

「極青龍征魂戦」でもベンチマークの結果に似たスコアを記録

 続いて、ゲームコンテンツでのフレームレートを見ていこう。現行の拡張ディスク「紅蓮のリベレーター」では最後の大型アップデートとなったパッチ4.5で実装された「青龍征魂戦」は、「四聖獣奇譚」というサブストーリークエストの3体目のボスとして登場する。上半身は陰陽師をイメージした狩衣を着た青年の姿だが、下半身は2つの頭を持つ竜の胴体が付いている。

【極青龍】

 「極青龍征魂戦」はノーマルモードをクリア後に開放されるハードモード。攻撃がよりきつくなる代わりに演出も派手になる。ステージは途中までは木製の舞台のような場所だが、後半は海に囲まれた石造りの円形ステージになり、波を伴った全画面を覆い尽くすような攻撃が繰り返される。

 フルHD/240Hzモニターと4K/60Hzモニターで計測した結果はそれぞれ以下のようになった。

【「極青龍征魂戦」フルHD】
【「極青龍征魂戦」4K】

 結果を見ると最低値はかなりブレているが、最高値と平均はおおむね品質にそった階段状になった。「標準品質(デスクトップPC)」設定なら平均146fpsを記録しており、フルHDで平均120fpsで遊ぶならこの設定にするのがよさそうだ。

 ただ、最高品質でも非常にスムーズにプレイすることができたので、対人戦や絶シリーズなど非常にシビアな戦闘が要求されるコンテンツでないなら、最高設定でも全然いけると思う。

 ちなみに、「FFXIV」は画質間の品質差が少ないので、標準品質(ノートPC)であっても、グラフィックスの品質が目立って低下するわけではない。フレームレートと画質の兼ね合いを見つつ、自分が重視したい方向性で好きな設定を選んでも問題ないだろう。

 4K環境ではさすがに、画質によってフレームレートにくっきりとした差が出た。特に最高品質では最低フレームレートが15まで低下しており、キーを押した時のレスポンスがもっさりと重く感じた。4Kについては素直に平均69fpsまで出せる「標準品質(デスクトップPC)」で遊ぶのがよさそうだ。

「楽欲の僧院 オーボンヌ」

 もう1種の計測は24人で参加するカジュアルレイドで行なった。「リターン・トゥ・イヴァリース」は松野泰己氏と雨宮慶太氏をゲストクリエイターに迎えて開発されたレイドで、「FFXII」や「FFT」などの要素がふんだんに盛り込まれている。今回は3部作の最終章「楽欲の僧院 オーボンヌ」のラスボス「聖天使アルテマ」戦でフレームレートを計測した。

【聖天使アルテマ】

 アルテマ戦は戦闘中いくつかのフェーズに分かれており、途中には派手な演出も差し込まれる長い戦いだ。ネタバレになるので、そのすべてを詳細に紹介することは控えるが、雨宮慶太氏デザインの恐ろしく緻密で、神々しさと邪悪さが表裏一体となったアルテマとの闘いは、マシンのパフォーマンスを測るにはうってつけだ。

 今回はボスの部屋に入ったところから倒して画面が切り替わるまでを計測した。討伐速度で多少前後するが、時間は約10分。240Hzと4Kでの結果はそれぞれ以下のようになった。

【「聖天使アルテマ」戦フルHD】
【「聖天使アルテマ」戦4K】

 フルHDではすべての設定で平均100fpsを超えているので、最高設定がおすすめだ。4K環境では「高品質(ノートPC)」からガクンとスコアが落ちている。参加人数が多く、サーバーが込み合っている時間帯は負荷をかけすぎると落ちやすくなることもあるので、「標準品質(デスクトップ)」で遊ぶことをおすすめしたい。

「漆黒のヴィランズ」スタート。クリスタリウムと「ティターニア討滅戦」でスコアを測定

 アーリーアクセスが始まった「漆黒のヴィランズ」でも、さっそくマシンの性能を試してみたので、追記してお届けしたいが、その前に、1つだけ「紅蓮のリベレーター」の計測とは大きく変わったところがあるので、お知らせしておきたい。

 これまで「FFXIV」ではシステムコンフィグの「ディスプレイ設定」で「1/1」、「1/2」、「1/4」、「無制限」という4段階のFPSを設定することができた。前3つは使っているモニターの設定に合わせて、フレームレートを調整するというもので、「無制限」は言葉通りマシンパワーとモニターの性能の限界までフレームレートを挙げられるという設定だった。

 ところが、この「無制限」設定が使っているPCに高負荷をかけて故障の原因になるかもしれないという理由から、この拡張のアップデートに合わせてフレームレートの上限が90fpsに制限されることとなった。そのため、どんなにリフレッシュレートの高いモニターを使っていても、現状ではfpsの上限が90になる。今回のテストで上限が90前後になっているのはそういう理由がある。

 上記のような前提の上で、「漆黒のヴィランズ」のプレーヤー拠点であるクリスタリウムと、新しい8人用コンテンツ「ティターニア討滅戦」でフレームレートを計測してみた。クリスタリウムの計測方法はエーテライトプラザから階段を上がって、ムジカユニバーサリスの上空にある回廊を横切った後、彷徨う階段亭で飛び降りて、カテナリー居住館を通過してエクセドラ大広場からエーテライトプラザに戻るというルートで90秒間のFPSを計測した。「妖精王ティターニア」は、スタートから約3分間を計測している。結果は以下のようになった。

【クリスタリウム】
【クリスタリウム フルHD/240Hz】
【クリスタリウム 4K/60Hz】

 フルHD/240Hzでのクリスタリウムは、最高設定でも平均値で87~89fpsと上限に近い高めのフレームレートで推移した。最低値には設定の影響があるが、平均値ではわずかな差しかなく、最高設定でも快適にプレイできた。

 4K/60Hzでは、標準品質(デスクトップ)と標準品質(ノート)では平均60fpsを記録した。平均値56fpsの高品質(ノート)までは快適に操作できるが、平均が35FPSまで低下する最高品質では操作をしていて多少もたつきを感じた。スタート直後のように混んでいる場合の4Kモニターでのプレイは、高品質(ノート)でのプレイをおすすめしたい。

【ティターニア討滅戦】
【ティターニア討滅戦 フルHD/240Hz】
【ティターニア討滅戦 4K/60Hz】

 続いて「ティターニア討滅戦」。まず、フルHD/240Hzの「ティターニア討滅戦」では、クリスタリウムよりも設定間の差が小さくなり、より高い値で安定した。最高品質でも平均89fpsを記録しており、最高設定で快適にプレイできる。

 4K/60Hzでは、標準品質(デスクトップ)と標準品質(ノート)の2つでは、平均59fpsと好成績を記録。高品質(ノート)で平均51fps、高品質(デスクトップ)では平均44fpsに低下し、最高品質では少々操作にもたつきを感じた。とはいえメインクエストや普段のプレイなら問題ないので美しい風景を楽しみたいなら最高設定でも構わないが、今後実装される「希望の園エデン零式」などのハイエンドコンテンツに挑戦するなら、高品質(ノート)か、その下の標準品質(デスクトップ)にしておいた方がいいかもしれない。

「漆黒のヴィランズ」をスタートするなら今からがベスト!

 7月2日発売の「漆黒のヴィランズ」だが、あらかじめパッケージやDL版を予約しておけば6月28日からのアーリーアクセスに参加することができる。現役の大部分の人にとっては、ここが実質的な拡張パッケージのサービスインなので、どうせ始める予定ならアーリーアクセスからの参加をおすすめしたい。

 また、予約特典としてレベル70までの獲得経験値が30%増加する「エーテライトイヤリング」も事前にもらえるので、これを活用してレベル上げをすれば先頭集団に短期間で追いつくことも可能だ。今回テストのために2つのコンテンツを周回したが、特に「オーボンヌ」にはほぼ毎回初めての人が混じっていた。少しゆとりのある今の時期に仲間を見つけて、「漆黒のヴィランズ」で一緒に冒険すれば、「FFXIV」の世界を一層楽しめるはずだ。

 今回の結果によりフルHD/240Hz、4k/60Hzのどちらの環境でも「FFXIV」を快適に遊ぶことができた。また、GAME Watchが独自に定めている快適な基準である「フルHD / 120fps」を満たすには「標準品質(デスクトップPC)」でのプレイをおすすめしたい。

 以上の内容をもって、GAME Watch編集部による「ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT」を「ファイナルファンタジーXIV」動作認定としたい。

【ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT】

GAME Watchは「ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン GALLERIA XT」について以下の項目を認定します

・「紅蓮のリベレーター」がフルHD環境下で最高画質設定で平均114fps以上で動作する(「聖天使アルテマ」戦)
・「紅蓮のリベレーター」が4K環境下で標準画質設定で平均60fps以上で動作する(「聖天使アルテマ」戦)
・「漆黒のヴィランズ」が4K環境下で標準品質設定で平均59fps以上で動作する(ティターニア討滅戦)
・「漆黒のヴィランズ」がフルHD環境下で最高品質設定で平均89fps以上で動作する(ティターニア討滅戦)

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