2016年7月21日 12:00
ユニットコムのゲーミングPCブランドである「LEVEL∞」から、最新のGPUである「GeForce GTX 1080」を搭載したマシン「iiyama LEVEL∞ Lev-C011-LCi7-VNR」が登場した。本製品には、2016年5月に発表された最新のGPUである「GeForce GTX 1080」が採用されているほか、CPUにはインテルの第6世代Coreプロセッサである「Skylake」を搭載する。今回は「Lev-C011-LCi7-VNR」のサンプル機をお借りすることができたのでご紹介しよう。
「Lev-C011-LCi7-VNR」の仕様からチェック
まずLev-C011-LCi7-VNRだが、今回評価したモデルのスペックは以下の通りだ。
【スペック】
iiyama LEVEL∞ Lev-C011-LCi7-VNR | |
---|---|
CPU | Core i7-6700(4コア、3.4GHz) |
GPU | GeForce GTX 1080(8GB GDDR5X) |
チップセット | H110 Express |
メモリ | 8GB DDR3L-1600(4GB×2) |
SSD | 240GB |
HDD | 1TB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
電源 | 500W(80PLUS SILVER) |
OS | Windows 10 Home |
価格 | 189,980 円(税別) |
CPUにCore i7-6700を搭載し、メモリが8GB、SSD 240GBとHDD 1TBというダブル構成で税別価格が189,980円というかなりお手頃な価格だ。なお同社のPCはBTOによりカスタマイズできるようになっているが、ほかの標準構成としては、CPUをCore i5-6500に変更したものなどが用意されている。
評価機に搭載されているCPUは第6世代のインテルCoreプロセッサである「Skylake」といわれる開発コードのCPU。現行の最新CPUアーキテクチャとなる。このCPUは通常の動作周波数は3.4GHzだが、インテルの「Turbo Boost Technology」により、最大4.0GHzまでクロックアップして動作することができる。採用されているマザーボードのチップセットはH110 Expressで、この場合メモリがDDR4-2133、DDR3L-1600の2つがサポートされているが、今回の評価機には8GB(4GB×2)のDDR3L-1600が搭載されている。一方で、DDR4-2133をサポートしたZ170マザーボード採用機種として「Lev-C017-LCi7-VNS [Windows 10 Home]」もラインナップとして用意されているので、スペックにこだわる人はこちらを選択すると良いだろう。$$clear
なお本機のビデオカードには、NVIDIAの最新GPUである「GeForce GTX 1080」を採用している。GeForce GTX 1080は「Pascalアーキテクチャ」と呼ばれる仕組みを採用しており、前世代のGeForce GTX 980と比べて、製造プロセスルールが28nmから16nmへと微細化。より集積化が図られるともに、ダイサイズの削減を行なっている。NVIDIAによると「前世代のビデオカードより3倍速い」としており、今注目のVRについても十分に対応できるGPUとなっている。
マザーボードのチップセットだが、前述の通りSkylakeに対応する「H110 Express」チップセットが採用されている。SkylakeをサポートしているチップセットとしてはZ170、H170、B150があるが、オーバークロックにも対応するハイエンド向けのZ170のほか、64GBまでのメモリ搭載容量を持つH170、メモリスロットが2つしかないため最大32GBまでのメモリを搭載できないH110がある。H110はメモリ搭載容量が少ないが、これはMini-ITX対応のチップセットとなっているためで、小型の筐体に収めるには致し方ないところだ。なお先述したとおり、今回の評価機には8GB(4GB×2)のDDR3L-1600が搭載されている。
筐体は、マザーボードにMini-ITXを採用しているだけあって非常にコンパクト。なおケースの側板は手ネジとなっているので簡単に外せるが、内部へのアクセスは通常のネジが使用されているので、ドライバーが必要だ。
また本機のCPU冷却には水冷式が採用されているため、ラジエーターがかなりの場所を占めており、プレートを完全に取り外すのはかなり大変な作業となるかもしれない。メモリやビデオカードの取り外しは何とかできるレベルだが、初心者にはかなり難しいことも予想される。メモリは注文時にBTOで指定しておくのがベストだろう。
メンテナンスはそれなりに大変かもしれないが、水冷式を採用したことによるマシンの静粛性はかなりのレベルで、CPUもビデオカードもハイスペックにもかかわらず、非常に静かな環境でプレイできる。これは水冷式のCPUクーラーのメリットと言える。なお細かい点だが、本体の電源ボタンは正面のパネル右側面の中央に用意されている。このボタンの位置がわからず、最初に電源を投入する際に迷ってしまった。
搭載されているストレージは240GBのSSDと、1TBのHDDというダブル構成だ。CドライブにSSD、DドライブにHDDが割り当てられている。
このほか本体側に用意されているものとしては、背面にはUSB3.0×2、USB2.0×4のポートがあるが、これだけでなくフロント側にもUSB3.0のポートが2つあるので、ゲームパッドなどの周辺機器を接続する際にも便利だろう。なおスピーカー端子はフロントに1箇所、マイク端子はフロントとリアに1箇所ずつ、LINE INとLINE OUT端子はリアに用意されている。スピーカー端子とマイク端子がフロントにあるので、ヘッドセットを使ってゲームをする際にも、取り回しが便利なようになっている。
ベンチマークテストで実力を測る
では早速だが性能について見ていこう。ゲーミングPCのベンチマークテストとしておなじみの「3DMark」と「3DMark11」、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」、「MHFベンチマーク【大討伐】」について計測した。比較対象として、PC Watchのレビュー記事にあるCore i7-6700K(動作周波数4.0GHz)+NVIDIA GeForce GTX 980 Tiのデータを選んだ。CPUの動作周波数が異なるため厳密な比較とは言えないが、参考として見てほしい。
3DMarkのスコアだが、当然と言うべきかいずれのテストも“Graphics”の値がかなりよい。“Physics”および“Combined”の値は、動作周波数の差を考えてもそれほど大きな開きが見られないのが素晴らしいところだ。トータルのスコアでも、“Graphics”の値がよかったためか、すべてにおいて高い値を出している。特に“Fire Strike”という、DirectX 11に対応する負荷の高いベンチマークテストでは、“Graphics Score”でかなり高い値を出しているところに、GeForce GTX 1080の実力を見た気がする。同様にDirectX 11における実力を測る「3DMark11」の“Graphics”での値もよいスコアを出している。
次に行なったのが「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」だ。この結果は多少微妙で、DirectX 11最高品質の値では勝っているものの、DirectX 9での値はよくない結果となった。これは単純にCPUのクロックスピードが関係しているものと思われる。ただしいずれの結果も「非常に快適」であるので、最高画質でのプレイは約束されていると言えるだろう。
そしてラストにテストしたのが、「MHFベンチマーク【大討伐】」だ。こちらは純粋にビデオカードの実力差が表された結果となっている。
なお最後に、「World of Tanks」と「World of Warships」のスクリーンショット比較をしてみたい。この両タイトルとも、低スペックなマシンでも結構動いてしまうものだが、やはりGeForce GTX 1080でプレイするとその描写に驚かされた。最高画質でプレイしてもまったく引っかかりなどはないし、戦車のテクスチャやフィールドの描写、水面の反射など、まさに最高のグラフィックス環境でプレイできる。
高性能なゲーミングPCとして申し分の無い性能
ゲーミングPCを購入するならやはり、ハイスペックのものが欲しいと考えている人は多いと思う。「Lev-C011-LCi7-VNR」はCPUやビデオカードのスペックも申し分ないし、起動していることを忘れるくらいな静粛性のあるマシンは、プレイの際にも邪魔にならず、高評価を与えていいポイントだ。また、拡張性にも優れているので、さまざまな周辺機器を生かすことができる。高性能なゲーミングPCを使いたいと思っている人には、うってつけのマシンであると言える。